概要・あらすじ
2027年の京都。優柔不断で内気な性格の堅書直実は、高校入学をきっかけに変わりたいと思っていた。「小説のようなすごいことが起こらないだろうか」そんなことをぼんやりと考えていたのだ。そんなある日、京都の空にオーロラが出現した。同時に、直実の前に3本足のカラスが現れる。驚いた直実が落とした本を、カラスはくわえて逃げていった。慌てて後を追う直実は、いつの間にか伏見稲荷に来ていた。すると、ズラリと並んだ鳥居から、閃光とともに一人の青年が突如出現。青年は直実に向かって「自分は、10年後のお前だ」と言った。この世界は、量子コンピュータ「アルタラ」に記録されたデータを基に再現された過去の京都で、高校生の堅書直実はただのデータに過ぎないというのだ。青年は、2037年から「アルタラ」の仮想世界にアクセスしている、現実世界の「10年後の堅書直実」だった。彼の目的は、3か月後に直実が付き合うことになる一行瑠璃の命を救うこと。初デートで、瑠璃は落雷に撃たれ死亡することになっていた。青年の目的は、記録を改ざんし、「一行瑠璃が生きている仮想世界」を作ることだった。こうして直実は瑠璃の命を救うため、10年後の自分を「先生」と呼び、彼に協力することになった。
登場人物・キャラクター
堅書 直実 (かたがき なおみ)
高校1年生の男子。2027年の京都(量子コンピュータ「アルタラ」に記録・再現された仮想世界)に住む。内気で優柔不断な性格。高校入学をきっかけに自分を変えたいと思っている。本が大好きという理由で、先生から図書委員に指名される。SF小説が好き。ある日突然、現実世界からやってきた、10年後の自分と出会い、同じく図書委員である一行瑠璃の運命を知る。
先生 (せんせい)
10年後の堅書直実。2037年の現実世界から、量子コンピュータ「アルタラ」に記録された「過去の京都」にアクセスしてきた青年。アバターのような存在で、直実以外には姿も見えないし声も聞こえない。直実が3か月後に一行瑠璃とつきあうこと、彼女が初デートで事故死してしまうことを教える。記録を改ざんし、瑠璃が生きている世界を作り出すために、直実に協力を求める。
一行 瑠璃 (いちぎょう るり)
高校1年生の女子。堅書直実のクラスメイトで、同じく図書委員を務める。冒険小説を好む。長い黒髪と、左目の下のほくろが特徴。言葉遣いは丁寧で「ですます調」が基本。マイペースであまり他人と関わりを持たない。クールビューティだが、スマホの操作に慣れていない、高所恐怖症などの弱点もある。
クレジット
- 原作
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映画『HELLO WORLD』