概要・あらすじ
高校3年生の主人公・海野幸は両親を事故で亡くし、幼い3人の弟妹を育てながら、貧乏な生活を続けていた。ある日、事業に失敗し借金を抱えた兄が失踪してしまったために、兄の借金2億5000万円を代わりに返済しなければならなくなる。彼女は借金返済のために高校を退学し、プロテニス選手になって賞金を稼ぐことを決意する。
登場人物・キャラクター
海野 幸 (うみの みゆき)
中学時代にはテニスで全国ジュニア優勝を成し遂げたが、両親の死がきっかけでテニスをあきらめ、幼い3人の弟妹を育てながら生活していた。ある日、失踪した兄が残した2億5000万円の借金を肩代わりしろと消費者金融の桜田純二から告げられたため、高校を退学しプロテニス選手となって賞金で借金返済をしようと決意する。 テニスの指導を受けようと、元テニス部の先輩で、現役でテニスを続けている鳳圭一郎を頼ろうとするが、幸はテニス界で悪役として世間からバッシングを受ける。高いメンタルで粘り強い試合をする。世界の賞金女王サブリナ・ニコリッチをライバルとしている。
桜田 純二 (さくらだ じゅんじ)
消費者金融の営業主任の肩書をもつが、ただの取り立て屋。山口百太郎とコンビで仕事をしていて、主人公・海野幸へ借金の通達をしに行った。初めは彼女を騙してソープ嬢にするつもりであり、彼女がプロテニス選手を目指すと聞いて大笑いしていた。しかし、彼はプロサッカー選手を夢見ていた最中、大きな挫折を味わいサッカーを諦めたことがあり、真剣にプロを目指す幸に自分の捨てた夢を思い出させられ、後に彼女に協力するようになる。 また、次第に幸に思いを寄せるようになり、彼女を守ろうと行動していく。会社の社長である鰐淵京平を危険視し、幸と鰐淵の接触を恐れている。
山口 百太郎 (やまぐち ももたろう)
桜田純二と同じ消費者金融で働いている人物。下品で荒っぽい性格だが、桜田を兄貴と呼び慕っていて、いつも二人で行動している。
サブリナ・ニコリッチ (さぶりなにこりっち)
プロテニス選手、攻撃的なテニスで他を圧倒する世界の賞金女王。彼女が2億5000万円の賞金を獲得したことを知った海野幸は、自分の抱えている借金と同額であることから、借金を返すためプロテニス選手を目指そうと決意する。幸とは一度、日本のスポーツ用品店で会っているが、ニコリッチはそれを忘れている。
鳳 圭一郎 (おおとり けいいちろう)
鳳財閥の御曹司で、名門・鳳テニスクラブに在籍している。親の引いたレールの上で育ち、母親である鳳唄子をおかあしゃまと呼んでいる。プレッシャーに弱く、他人に影響されやすい性格。中学の後輩だった主人公・海野幸に恋しているが、思いを伝えられないままで、借金返済する彼女を賀来菊子と共に守ろうと行動している。 女性関係が目まぐるしく、竜ヶ崎家の蝶子から強烈なアプローチを受けて混乱したり、弁天橋雛と政略結婚するためのデートを重ねたが、幸への恋心を捨てられずにいるためどれも進展しない。後に、自分で努力してこなかったことに後悔をした彼は、初めて母に反抗してプロテニス選手を自力で目指そうとする。
賀来 菊子 (かく きくこ)
アメリカでのテニス留学を経て鳳テニスクラブに所属した選手。主人公・海野幸と試合をすることが夢で、借金返済する彼女を鳳圭一郎と共に手助けしている。蝶子の陰謀でレズビアンだという噂を流されてしまう。
鳳 唄子 (おおとり うたこ)
鳳財閥を仕切る鳳圭一郎の母親。鳳テニスクラブの会長で、日本の女子テニスをリードしてきた有名人。海野洋平太に初恋をして完璧なラブレターを書いたものの、ラブレターを渡す前に結婚相手がいることを知り失恋する。その失敗でプライドが傷ついた唄子は、洋平太の子供である主人公の海野幸を侮蔑している。 歌好きで、場所を気にせずに突然カラオケを始めるなど常識にとらわれない派手な女性。他人に懐かないジョン・トラボルタという名前の番犬を連れている。選手時代からのライバルである竜ヶ崎家の娘、蝶子が活躍する事を疎ましく思い、プロを目指すこととなった幸にコートを貸し、コーチをつけて魔球を覚えさせるなどして、蝶子の経歴に泥を塗りたいと思っている。
海野 洋平太 (うみの ようへいた)
主人公・海野幸の父親で、彼女が幼い時はテニスを教えていた。若いころは鳳唄子のいたテニスクラブにコーチとして務めていた。唄子の初恋の相手。幸が中学生の時に・妻の海野福子と共に事故で亡くなる。
海野 福子 (うみの ふくこ)
主人公・海野幸の母親。夫はテニスプレイヤーの海野洋平太。鳳唄子と同じテニスクラブでテニスをしていた過去をもつ。幸が中学生の時に、事故で夫と共に亡くなってしまう。
竜ヶ崎 蝶子 (りゅうがさき ちょうこ)
竜ヶ崎財閥を仕切る花江の娘で、新しいもの好きで明るく活発な反面、気に入らない者は徹底的に潰してしまう陰湿さがある二面性をもつ女性。テニス界で注目される若手選手、鳳圭一郎を手に入れるため、手段を選ばず近づこうとしている。主人公・海野幸が圭一郎と恋仲だと知ると、彼女をゴキブリと呼んで度の過ぎた嫌がらせの標的にし、周りを言葉巧みに操り、時には圭一郎のお見合い相手の弁天橋雛をまるめこんで二人の仲を引き裂こうとした。 テニスでは華々しい成績を収めている実力者でもあるが、練習が嫌い。
竜ヶ崎 花江 (りゅうがさき はなえ)
竜ヶ崎財閥の会長。京言葉で喋る一見穏やかな女性だが、娘の蝶子同様に言葉巧みに周りを自分の味方にしてしまう策略家。鳳唄子とは女子テニス選手時代からのライバルで、引退後もお互い壮絶な足の引っ張り合いを続けている。
弁天橋 雛 (べんてんばし ひな)
政略結婚のため鳳圭一郎とお見合いをすることになった、弁天橋財閥の巨乳のお嬢様。親が決めた相手だが、圭一郎に本当に恋をしていた。しかしプロテニス選手を目指す主人公・海野幸と彼の仲を知り、身を引く事になる。
サンダー牛山 (さんだーうしやま)
アメリカ、ロサンゼルス出身の日系三世。数々のプロテニスプレイヤーを育てたトレーナー兼コーチである。賭博容疑で日本のテニス界から永久追放された。選手の体にさわっただけでテニスの実力がわかるという特技をもっている。女子テニス界の有名人・鳳唄子に、プロを目指す主人公・海野幸のコーチを依頼されて、彼女の元にやって来た。 金と賭博にすがって生きていたが、幸の大会出場をきっかけにコーチとしての熱意をとりもどし、彼女をプロの世界へ連れて行くことを決意する。
鰐淵 京平 (わにぶち きょうへい)
ビックバングループの社長で、物事はすべて金で解決すると考えている人物。桜田純二と山口百太郎が働いている消費者金融も、鰐淵が社長を務める会社の一つ。海野幸を自分の思い通りにできないため、逆に心に火がついてしまい、異様な執着で彼女を手に入れようとしている。最終的には、幸を使い莫大な利益を得ようと目論んでいる。
二子山 若菜 (にこやま わかな)
テニス大会で主人公・海野幸と対戦するはずだったエリート選手。双子の姉妹である貴菜と一緒に暮らしている。蝶子に言われてやって来た幸に、雑用やヒッティングパートナーをさせていた。
二子山 貴菜 (にこやま たかな)
テニス大会で海野幸と対戦したエリート選手。双子の姉妹である若菜と一緒に暮らしている。蝶子に言われてやって来た幸に雑用やヒッティングパートナーをさせていたが、試合になると貴菜の方が幸に振り回されて混乱し、負けてしまう。
集団・組織
鳳テニスクラブ (おおとりてにすくらぶ)
『Happy!』に登場するテニスクラブ。鳳財閥が所有する名門テニスクラブで、広い敷地を持ち、鳳圭一郎や賀来菊子という選手が所属している。主人公の海野幸はコートへの出入り禁止令を出されていたが、鳳唄子の許可で使用がたまに許される。
書誌情報
Happy! 〔完全版〕 15巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2003-12-25発行、 978-4091877413)
第2巻
(2003-12-25発行、 978-4091877420)
第3巻
(2004-01-30発行、 978-4091877437)
第4巻
(2004-01-30発行、 978-4091877444)
第5巻
(2004-02-28発行、 978-4091877451)
第6巻
(2004-02-28発行、 978-4091877468)
第7巻
(2004-03-30発行、 978-4091877475)
第8巻
(2004-03-30発行、 978-4091877482)
第9巻
(2004-04-30発行、 978-4091877499)
第10巻
(2004-04-30発行、 978-4091877505)
第11巻
(2004-05-28発行、 978-4091877512)
第12巻
(2004-05-28発行、 978-4091877529)
第13巻
(2004-06-30発行、 978-4091877536)
第14巻
(2004-06-30発行、 978-4091877543)
第15巻
(2004-06-30発行、 978-4091877550)