Honey Bitter

Honey Bitter

特殊な能力を持つが男性嫌いな音川珠里が、大きな愛で包み込むように彼女を慕う久保陽太や、かつての元カレ虹原吏己たちと共に、総合調査室「オフィス・S」で調査員として奮闘していく。「クッキー」平成16年2月号から連載の作品。

正式名称
Honey Bitter
ふりがな
はにー びたー
作者
ジャンル
探偵
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概要・あらすじ

音川珠里は特殊な能力を持って生まれたせいで、母親や友達から疎まれ、暗い少女時代を過ごしてきた。唯一その能力を買ってくれる叔母の香野早穂が営む総合調査室「オフィス・S」で働き始めたが、異性嫌いの原因を作った元カレの虹原吏己と再会してしまったりと、前途は多難だった。しかし、久保陽太という優しくて裏表のない温かい青年と出会い、彼に慕われ癒されることで、珠里の心の傷は少しずつ癒えていく。

登場人物・キャラクター

音川 珠里 (おとかわ しゅり)

人の心を読んだり、予知夢を見たりなどの特殊能力を持つ18歳の女性。過去につらい経験をしたせいで、性的なものに嫌悪感を抱いている。特殊能力のせいで両親に愛されずに育ったため、自分に自信がなくマイナス思考。叔母である香野早穂が所長を務める総合調査室「オフィス・S」で働いている。

久保 陽太 (くぼ ようた)

明るくさわやかな18歳の青年。温かい家庭に育った、真っ直ぐで純粋な心の持ち主。音川珠里に一目惚れし、一途に想い続ける。珠里とは正反対のプラス思考で、珠里の特殊能力や男性嫌いを知ってからもそのことを素直に受け止め、それが珠里の心の癒しとなっている。総合調査室「オフィス・S」でアルバイトとして働く。

虹原 吏己 (にじはら りき)

総合調査室「オフィス・S」で調査員をしている青年。無口で自己表現が下手。かつて音川珠里と付き合っていたが、荒れていたせいもあって冷たい仕打ちをし、これが彼女のトラウマの原因となっている。自分の命に固執しておらず、投げやりなところがあるが、仕事においては有能。

香野 早穂 (こうの さほ)

総合調査室「オフィス・S」の室長をしている女性で、元刑事。音川珠里の叔母で、彼女の能力を評価している数少ない人物の一人。資産家でマンションや自社ビルを所有しており、お金には困らない生活をしている。知り合いが多く、色んな方面に顔が利く。過去につらい思いをしているせいか、たくましくおおらかな性格。頭も切れ、冷静な判断力も併せ持つ。

松島 みのり (まつしま みのり)

音川珠里の小学生の時からの友達で、珠里の能力を知りながらも、それを受け入れて親しくしている女性。裏表がなく、素直な性格。コミュニケーション能力が高く、同性異性問わず友達が多い。恋愛に対しても積極的。

片石 (かたいし)

総合調査室「オフィス・S」で調査員をしている男性。元プロレスラーという経歴を持ち、スキンヘッドで目つきが鋭いが、優しく温厚な性格で、乙女のような繊細な部分を持つ。社員一人一人に親愛の念を抱いている。

田沼 清子 (たぬま せいこ)

総合調査室「オフィス・S」でパート調査員をしている女性。孫の世話をするために長期の休みをとっていたが、ようやく職場復帰した。遠慮なく相手にずけずけと物を言い、細かいことは気にしない大雑把な性格。

御神賀 千歳 (みかが ちとせ)

音川珠里の曾祖母であり、香野早穂の祖母。特殊能力者が生まれる血統、御神賀一族の長で読心力の能力者だったが、89歳という年齢のせいか今は能力は喪失している。親に疎まれた珠里を引き取り、能力の使い方を教えた。ちょっぴりボケている。

御神賀 圭輔 (みかが けいすけ)

音川珠里の遠縁の親戚で、読心力の能力を持つ24歳の青年。子供の頃は、御神賀家に引き取られていた珠里と共に育った。人の心は読み取れるが、空気は読めないので、相手を傷つけることも平気で口に出してしまう。漫画家を目指している。

真柴 誠一 (ましば せいいち)

現役の刑事で、香野早穂が刑事時代に同僚だった男性。早穂に想いを寄せている。警察が表立って動けないような厄介な事件を総合調査室「オフィス・S」に依頼している。その際、メンバーが発砲などの問題を起こしても秘密裏に処理するなど、互いに持ちつ持たれつの関係を築いている。

久保 優太 (くぼ ゆうた)

久保陽太の弟。生まれた時から耳が聞こえないが、自らの障害に悲観も楽観もせず、冷静に割り切っている。成績も良いが、それだけではなくさまざまな局面で頭の良さを発揮する。思春期のせいか、扱いが難しい時がある。

城前 マコト (じょうぜん まこと)

病院「Jクリニック」の医師。身なりも言葉づかいも女性そのものだが、元々は男性であった。裏稼業の人たちなどを相手に治療をする、裏社会専門の医者。

紫洞 雪正 (しどう ゆきまさ)

過激派組織アナーリオのリーダーの冷酷で非道な男性。選民意識が強い。幻覚や幻聴を見ており、天からの声に従って目的を遂行している。子供の頃、自分に対して無関心な両親の気を引くため、まずは飼い犬を、次に優秀だった弟を事故に見せかけて殺してしまう。

ユリア

ミュージシャンで、まだ新人ながら歌唱力に定評がある17歳の少女。殺害予告を受け、総合調査室「オフィス・S」に警護を依頼した。強がっているが、心の中では自分を無理に奮い立たせている。

上総野 寛文 (かずさの ひろふみ)

父親である前社長が病気で亡くなったことから、IT事業では日本トップの会社「SHUグループ」の代表を受け継いだ5歳の少年。IQ190と天才的な頭脳を持っているが、精神年齢は年相応で可愛らしい一面をよく見せる。

上総野 幸成 (かずさの ゆきなり)

上総野寛文の叔父。病死した実の兄の遺産を手に入れるため、偽の遺言書をでっちあげた。その際、邪魔な執事を誘拐させたりなど、卑劣な犯罪計画を遂行した。

上総野 ジェシカ (かずさの じぇしか)

上総野寛文の母親。外国人だが、日本語は堪能。IT企業「SHUグループ」の実権を握るために上総野幸成と手を組んだが、本人にはまったく悪意がない。寛文の首の後ろに盗聴器のチップを埋め込み、管理しようとした。母親であるよりも仕事を優先したいという思いが強く、家庭に入りたくないと考えている。

谷田 (たにた)

上総野寛文の家庭教師をしている男性。金のために上総野幸成の手足となって働いた。秘密を探りに来た総合調査室「オフィス・S」の調査員たちが邪魔で、久保陽太をベランダからつき落した。

山岸 学 (やまぎし まなぶ)

松島みのりが付き合っている相手。優しい男性で、自らみのりに告白して3年間付き合っていたが、みのりの依頼によって総合調査室「オフィス・S」に浮気調査をされる。みのりに情を残しながらも、思いがけず好きになってしまった浮気相手とずるずる付き合っていたことが判明する。

宇仁田 (うにた)

猟奇殺人の犯罪マニアの男性。老夫婦の可愛がっている犬をさらい、ナイフを使って殺そうとした。普段からナイフを持ち歩き、誰でもいいから切り刻みたいという危険思想を持っていた。

海部 泰樹 (あまべ たいき)

高名な医学博士で見た目もダンディな男性。中桑からの脅迫電話の他に、過激派組織アナーリオから「有毒物質を作らないと娘を殺す」という脅迫を受けて心身共にぼろぼろになりつつも、偽物の有毒物質の合成法のデータを渡した。娘思いの父親で、娘が殺されそうになり半狂乱になってしまう。

竹居 歩 (たけい あゆみ)

海部泰樹の秘書を務める女性で、総合調査室「オフィス・S」に海部の警護を依頼した。控えめで地味なタイプだが、妻子ある海部のことを尊敬しつつも密かに慕っている。

中桑 (なかくわ)

一人娘を病気で亡くし、海部泰樹に対して逆恨みをしている男性。海部に脅迫電話をし、製薬会社の研究発表レセプションを中止にさせるように命令したり、レセプションの最中に怪文書を流して騒動を起こしたが、過激派組織アナーリオによって殺されそうになった海部瑞樹を身体を張って助ける。父親として愛情豊かな男性。

海部 瑞樹 (あまべ みずき)

海部泰樹の娘。自分の命が危険にさらされているのを知らず、父親から別荘に1ヵ月も閉じ込められたことに反発し、ネットで知り合った男性と恋に落ちて別荘から逃げ出した。レセプション会場で殺されそうになるが、中桑や総合調査室「オフィス・S」のメンバーによって助けられる。

椛山 一 (かばやま はじめ)

金持ちの婦人に偽物の宝石を売りつける詐欺師の男性。薬物を使用していて、正常な判断ができない状態にある。詐欺をしていたことを追求され、過失で老婦人を殺してしまい、さらに目撃者である老人をも殺した。

椛山 美唯 (かばやま みゆい)

椛山一の妻で28歳。派手好きで金使いが荒い。男好きで、夫がいる身でありながら複数の男性と身体の関係を持っている。夫の殺人を隠蔽するために、老夫婦の遺体が埋めてある土地を買い占めようとした。

芥田 守 (あくただ まもる)

測量師の男性。椛山美唯のことが好きで、美唯に依頼された土地を手に入れようと働くが、しくじったことで振られてしまう。単純でわかりやすい思考の持ち主。

斎賀 利夫 (さいが としお)

横浜にある、最近急成長したベンチャー企業の常務とCIOを兼任している男性。ライバル会社に情報が漏洩したことから、社内に企業スパイがいるのではないかと疑って総合調査室「オフィス・S」に調査を依頼してきた。威圧的で、自分にへつらおうとしない相手には容赦しない。

篠沢 周 (しのざわ あまね)

斎賀利夫と同じ会社で働く男性。仕事に関しては優秀で周囲に対する人当たりもいいが、心を開こうとせず付き合いも悪い。実は子供の頃、児童虐待(ネグレクト)に遭ったことが原因で、心を閉ざしている。

篠沢 頼子 (しのざわ よりこ)

篠沢周の妻で、斎賀利夫の娘。25歳の専業主婦。人との距離感を計るのが苦手で友達が少なく、自分の悩みを聞いてくれる相手を探している。子供ができないことや、夫が自分に関心を示してくれないことに悩んでいる。

コウキ

虹原吏己の昔の友達。唯一気が合う仲間だったが、盗んだ車で事故を起こしたりなど、無茶なことをしては逮捕された過去がある。愛する女性に振られ、やけになって高速で走るバイクの上に両手を広げて立ち、ほとんど自殺のような事故で死亡した。

由木 (ゆぎ)

ずいぶん昔に別れた彼女から、自分の認知していない子供を生んで育てていると騙され、養育費を払っていた男性。騙されていたことを知り、逆上して関わった人間を刺し殺そうとした。

坂崎 新 (さかざき あらた)

ホストクラブの代表を務める男性。翔の客が急に4人も店に顔を出さなくなり、連絡も取れなくなったことから、何か裏があると踏んで総合調査室「オフィス・S」調査を依頼した。香野早穂をとても信頼している。

(しょう)

ホストクラブで働く人気ナンバーワンの男性。キザで、女性のことはお姫様のように扱うことで人気がある。ホストという職業から誤解されがちだが、仕事に関しては非常に高いプロ意識を持ち真面目。同じようにプロ意識を持つホスト仲間とは仲が良い。

ヨシヤ

ホストクラブで働く男性。ランク外だったのだが、由麻という羽振りの良い客がついたことで、一気に5位に駆け上がる。そのせいで、由麻とは恋人同然の関係になっている。ナンバーワンを目指し、少し焦っている。

由麻 (ゆま)

キャバクラで接客をしている女性。かつては翔の上客だったが、本気になりすぎてストーカーまがいの行動を繰り返し、店に出入り禁止を告げられたことを逆恨みしている。整形して顔と身体と名前を変え、ヨシヤを利用して翔の客の情報を他のホストクラブに流した。

ルーク

警察犬学校で訓練されていたゴールデンレトリバー。しかし、雑種らしいということが判明し、警察犬としては失格になったところを香野早穂が引き取った。ちょっと抜けたところがあり、訓練所で調査犬として特訓を受けてきたが、すぐ集中が途切れてしまう。

集団・組織

オフィス・S (おふぃすえす)

元刑事である香野早穂が室長を務める総合調査室。何でもアリの探偵事務所のような会社だが、仕事の依頼を受けるかどうかは早穂の好みによる。優秀な調査員が多いので、要人の警護や潜入調査など、高いスキルを求められる依頼も難なくこなす。

アナーリオ

資本主義経済の転覆を企む過激派組織。目的のためなら武装しテロリストまがいの行動も辞さない。リーダーは紫洞雪正。某有名テーマパークの爆破予告をした事件で捕まった仲間の解放と多額の資金を要求するため、ホテルでの立てこもり事件を起こす。

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