あらすじ
第1巻
自分にしかできないことを探している犬の探検家ジェイクは、「あなたもこの島で夢を叶えてみませんか」と書かれたチラシを見て島にやって来た。突然現れたジェイクを島の住人は警戒するものの、植物学者のオリビアが庭の犬小屋に泊めてくれたおかげで住むところを得る。ジェイクは麦畑で働き、シェフのビアンコが焼いたパンを食べ、みんなと徐々に親しくなっていく。
ところがある日、ジェイクの犬小屋が豪雨で流されてしまう。宿なしとなったジェイクは、大工のウォルターや魚釣りが大好きなトミーの家を泊まり歩くうちに、自分の家が欲しくなり、ツリーハウスを作ることにする。しかし家の表札にするために、島のトーテムポールを切ったところ、雷が落ちツリーハウスは壊れてしまう。テント住まいとなったジェイクは、パティシエのアプリコットと鉱山で働くマットをくっつけようと画策したり、変なきのこを食べて本当の犬になったり、オリビアが育てているおかしな花に食べられそうになったりと、ドタバタながらも島暮らしを満喫する。
第2巻
春のある日。オリビア、ウォルター、ビアンコ、アプリコット、トミー、マットが次々と五月病になってしまう。一人元気なジェイクはみんなの仕事を手伝うが、学者のオリビアの資料をめちゃくちゃにしたり、大工のウォルターの代わりに直した椅子を座れない状態にしてしまう。さらに、鉱山で働くマットに代わって鉄塔を整備してぐにゃぐにゃにしてしまうなど、大惨事を巻き起こす。こうして五月病に陥っていたみんなは「自分がしっかりしなければ」と元気を取り戻し、すぐに仕事を再開するのだった。
その後、平和に時が流れた夏。ジェイクは海で、わがままなお坊ちゃまのアンディと出会う。何かを成し遂げたいというアンディに、ジェイクは海の家の経営を提案する。アンディはジェイクと協力して海の家を作ってみて、働く事の大変さと大切さを実感するのだった。その後、考古学者のミラや新聞記者のナタリーもやって来て島は賑やかになっていくが、しばらくして、住人はそれぞれの理由で離島してしまう。島にジェイクがただ一人残された中、運悪く巨大な嵐が島を襲う。
登場人物・キャラクター
ジェイク
探検家の犬の男性で、「おじさん」と呼ばれるくらいの年齢。バーで大好きな牛乳を飲みつつ惰眠をむさぼっている。家賃も払えない貧乏暮らしをしながらも、自分にしかできない何かを探していた。そんな中、「あなたもこの島で夢を叶えませんか」と書かれたチラシを見つけ、旅に出ることとなった。しかし、島に着いた時にはパンツ一枚になっており、当初島民には不審者扱いをされていた。 気さくな性格で友達を大事にするが、いい加減で口が軽く、思い立ったら即行動するため、トラブルに巻き込まれる事も多い。また、若いパティシエのアプリコットが、鉱山で働くマットに好意を抱いている事を知ると、二人をくっつけようとするなど世話好きな一面がある。まじめで仲間思いなため、島の住人がそれぞれの理由でいなくなっているあいだに嵐が来た際には、みんなの家や街を守ろうと必死に奔走した。
オリビア
植物学者のうさぎの女性で、年齢は30歳前後。とある研究機関で働いていた際に、植物研究の目的で島にやって来たが、置き去りにされてしまい、それからは単身で島での研究を楽しんでいる。優しくまじめな性格で、突然ふらりと現れた冒険家のジェイクの夢を応援し、住むところのない彼を庭の犬小屋に住まわせた。ただ、ジェイクの家が嵐で壊れても「知らない人を自宅の中には入れない」と言いきる黒い一面も持っている。 研究ばかりしていたので生活能力が低く、家の中は非常に散らかっているが、自分のイメージを悪くしないよう、島の住人には秘密にしている。また、「ハナトユメコ」という、犬を好物としている巨大な花を育てている。
ウォルター
大工を生業としている、くまの男性。島の材木に惹かれてやって来た。ちょっと見は怖そうだが人がよく、オリビアの家の庭にある犬小屋が嵐で壊れたあとは、家がなくなったジェイクを快く家に泊めたうえに、彼が望んだツリーハウスを作る手伝いもした。またオリビアが家事が苦手と聞いても「知的なレディである事に変わりはない」と断言する優しさと公平さを持っている。 誰からも頼りにされる人物だが、歯ぎしりといびきが非常にうるさい欠点がある。
ビアンコ
レストランのオーナー兼シェフを務めるパンダの男性。まだ見ぬ食材を求めて島にやって来た。世話焼きな性格で、島に来たばかりで仕事のないジェイクに、「働かざる者食うべからず」と麦の収穫をさせ、その後は手作りのパンを食べさせた。万能シェフを自称して作れない物はないと公言し、事あるごとに島の住民に、美味しい料理を振舞っている。 一方で、新しい女性が島にやって来ると、鼻の下を伸ばして満面の笑みで迎える女好きでもある。
アプリコット
お菓子屋のオーナー兼パティシエを務めるリスの女性。夢を叶えるために島にやって来た。まじめで奥手な性格で、長旅の末にパンツ一枚になったジェイクが島にやって来た時は、驚きのあまり顔を蒼白にしていた。しかし次第に打ち解け、ジェイクがビアンコに言われて麦を刈り取ったあとはジャムを、ジェイクのテントの家が完成した際にはケーキを差し入れている。 鉱山で働いているマットに恋愛感情を抱いており、毎日自分で作ったお菓子を届けている。
トミー
釣り師をしている猫の男性。釣りをするために島にやって来た。明るくまっすぐな性格で、魚を友達と呼び、瓶の中に今までに釣った魚の尾びれを入れて集めたり、骨のせんべいやオイルサーディンを作ったりしている。また、トミー自身にそっくりの弟妹がたくさんおり、弟がホオジロザメに襲われそうになった時には拳一つで助けた。船が沈みそうになった時には海を割ったり、もの凄く大きなダイオウイカを釣ったりと、その逸話には事欠かない。 弟たちには早く家に戻ってきてほしいと願われているが、この島と住人たちが大好きだからと、島に留まり続けている。
アン
島の神様で、お下げ髪のカエルの女性。ジェイクがかつて過ごしたジャングルで、カエルは貴重なタンパク源だった事から、ジェイクには「タンパク質」と呼ばれている。自分が神様である事を公言していないため、ジェイクには軽くあしらわれているが、ジェイクが島の守り神であるトーテムポールを切ろうとした時には、怒りの雷を落とすなど、時に神様らしいところも見せる。
マット
鉱山で働いているキツネの男性。独特な眼帯で右目を隠している。物静かであまり自分の事は話さないが、まじめな働き者のため、島の住人たちからは信頼されている。アプリコットがマットに好意を抱いていると知ったジェイクが、二人をくっつけようとお節介を焼いた際には、アプリコットをうまくフォローし、いつももらっている差し入れの感謝を伝えるなど、誠実で優しい人格者でもある。 一方で、積極的に人とかかわる事はあまり得意ではない。
メテオ
鉱物学者のアナグマの男性。島の地下に豪華な部屋を作って住んでいる。若い頃から研究ばかりしていたため人と接するのが苦手で、何か必要なものがある時は地下に掘った穴を通って店に行き、床の上にこっそりお代を置いて物を持ち去っていた。もともと、鉱山で働くマット以外の人とは付き合いがなかったが、ジェイクに地上に連れ出され、以降は島の人々と接するようになる。 老齢な事から、みんなには「メテオじいさん」と呼ばれている。
ミラ
考古学者の動物の女性で、地黒の長い尻尾を持つ。博識で聡明、かつ言いたい事ははっきりと言うタイプ。最近新たに島が発見されたと聞いて、未知なる遺跡を研究するためにやって来た。腐れ縁のジェイクが、自身の研究していた遺跡に狼藉を働いたり、仕事道具を壊したりしてきたせいで、ガサツで不潔な男が大嫌い。一方女性にはとても親切で、ミラ自身が女性であるにもかかわらず、紳士的な態度で接する。 島にジェイクがいると知りすぐに立ち去ろうとしたが、オリビアに遺跡の謎を解いてほしいと求められ、島に残る事にした。
アンディ
貿易一族の長男で王子様の動物。自分にしかできない何かを探して、武者修行のために島にやって来た。何かを成し遂げるまで家には帰らないと豪語していたものの、蝶よ花よと大事に育てられてきたため世間知らずで打たれ弱い。その性格からジェイクに「お坊ちゃんの反抗期」と言われて大いに傷ついた。島のロケーションのよさに目をつけ、リゾート施設を造ろうと思い立ったものの、ジェイクに説得されて海の家を作る事になり、初めての大工仕事を経験した。 労働の大変さと価値を知り、素直に感動する純粋さを持つ。
ナタリー
女性新聞記者の動物で、嵐の中から突如現れた島にスクープがあると信じてやって来た。基本的には前向きで明るい性格だが、思い込みが激しく、勢いで行動して失敗する事も多い。スクープがとれなくて落ち込んでいたところ、アンディに「ゆっくり好きな事をしたら」と助言されて、ビアンコとウォルターをモデルに、ボーイズラブの漫画を描き始める。 純粋な島の住人たちにはその漫画をよく理解してもらえなかったが、島外では非常に売り上げがいい。その後、プライベートが充実した事で、仕事も頑張れるようになった。
場所
島 (しま)
今まで嵐に包まれて誰も近づけなかったが、急に空が晴れて姿を見せたという謎の島。島の各所には、守り神のトーテムポールが立っている。キノコが自生する森や人々の店や家がある街、小麦が育つ農場、ジェイクが海の家を作った海岸、マットが働く鉱山など、いくつかのエリアに分かれている。大地の力が強く、土がいい農場では美味しい作物が育ち、島の暮らしを支えている。 ちなみに島のエネルギー源は住人の活力で、住人が減ってエネルギー不足になると再び嵐の中へと戻り、守り神のアンと共に眠りにつく事になる。
クレジット
- 原案
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