あらすじ
第1巻
高校1年生の戸津慎五は、UFO見たさに東京都の立ち入り禁止区域に入った事が原因で、遠い星からやって来た宇宙人のZに身体を乗っ取られてしまう。Zは2年前No.1、No.2、No.3、No.4、No.5の五人の囚人を流刑するために地球にやって来たが、途中でNo.3に殺されかけ、以来2年間立ち入り禁止区域でなりを潜めて、乗っ取り対象となる人間がやって来るのを待っていたのである。こうして慎五の身体を奪ったZは、まずは慎五と同じ円城高校に通う駒方結仁の調査を始める。結仁はNo.3の被害者であり、現在No.3は、結仁の身体を乗っ取って円城高校を支配していた。さらにNo.3はZを倒して結仁を乗っ取った直後、残るNo.1、No.2、No.4、No.5を救出し、それぞれを結仁の友人である桜江七夏、千根谷ひなの、三河露央沙、長峰莉亜の身体を乗っ取らせて、人間として生活していた。No.3達は宿主である少女達の舌に隠れており、捕獲するには、それぞれの少女にキスをして口の中に入り込んで、直接引きはがすしかない。Zは慎五の身体を使ってそれを実行しようとするが、なんと慎五は極度の女性恐怖症で、Zが意識を支配していても自動的に拒絶するほど、女性を恐れていた。Zは仕方なく慎五の意識を目覚めさせ、慎五の身体にZ自身と慎五の二人の人格を共存させるという形を取り、まずは慎五の女性恐怖症を克服させる事から始める。
第2巻
Zは戸津慎五の身体を一方的に乗っ取るのをやめ、二人で協力しながら駒方結仁ら五人の少女の身体を乗っ取った囚人達を捕まえる事になった。まずは結仁を支配するNo.3を捕まえる事にした二人は、湊翔の証言から、No.3が旧校舎を支配し、そこで怪しい研究をしている事を知る。そこでさっそく旧校舎に潜入したZと慎五は、No.3が「レナード」という薬物を使って「旧校舎組」と呼ばれるエリート生徒をあやつり、自らの奴隷にしている事に気づき、翔と協力してNo.3に挑む。三人はまず翔の姉である湊帆多留の救出に成功するが、No.3は手強く、Zと慎五は絶体絶命の危機に陥る。しかしNo.3には、致命的な弱点があった。結仁の身体には、幼い頃に体験した火災の恐怖が刻まれており、たとえNo.3が意識を支配していても、結仁の身体は炎や煙を見ると動けなくなってしまうのである。この弱点を突いてNo.3を倒したZと慎五は、ついに結仁の身体からNo.3を引きはがす。こうして身体を取り戻した結仁は、今後は二人の協力者として、残り四人の囚人と戦う事となるのだった。
第3巻
Z、戸津慎五、駒方結仁の三人は、次の標的を千根谷ひなのの身体に潜むNo.2に定めた。ひなのはNo.3が作り出した薬物「レナード」の貯蔵庫をなぜか側近に警備させており、三人はこれを不審に思ったからである。また、そこには慎五の友人である鷹端もおり、慎五はNo.2に身も心も改造され、変わり果てた鷹端の姿にショックを受ける。これによってNo.2に強い怒りを感じた慎五は、これまでにないほど高い戦闘意欲でNo.2に挑むが、敗北し、捕らえられてしまう。一方その頃、別行動中の結仁は、貯蔵庫内でNo.2が人体実験をしている事を知り、驚愕していた。No.2は、母星に戻るために高度な人工知能「メーティス」を開発しようとしていたが、地球のコンピューターでは効率が悪いと考えた結果、人間の脳を利用する事を思いついたのである。結仁は若い男性の身体の中でバックアップを取っていたメーティスを解放し、彼を仲間にする。そして逃走したNo.2は残り三人を召集し、No.3に異変が生じたかもしれない事を報告。そしてメーティスのバックアップとなっている男性の情報を共有し、四人で協力して捜索する事にする。
第4巻
監視の鷹端達を倒したZと戸津慎五は、今度こそNo.2を捕獲するべく、連れて来られた病院内で戦闘準備をしていた。Zは千根谷ひなのの戦闘能力を下げるべく大量の麻酔薬を用意するのと同時に、慎五の女性恐怖症を緩和するべく、目薬を使って、わざと慎五の目があまり見えない状態で戦う事を思いついたのである。それでもNo.2は強く、Zと慎五は苦戦するが、No.2が特殊な金属をまとって戦っている事を利用して、CT室におびき寄せ、稼働中のMRIに張り付けるという方法で勝利する。こうしてひなのは解放されるが、慎五は重傷を負い、当面入院生活を余儀なくされる。そしてZは残る三人の囚人達を警戒させないため、ひなのには当面No.2に乗っ取られたふりをしてもらう事にする。しかしひなのは即座に裏切り、三人の囚人にZが慎五と協力して戦っているという情報を漏らす。事態を理解したNo.1、No.4、No.5は慎五の入院する病院を包囲するが、No.1達が慎五を捕らえた時には、Zはネズミの身体を乗っ取る事で脱走を果たしていた。No.1達は仕方なく慎五だけを捕獲し、慎五はZとの打ち合わせ通り、ケガが完治し次第、脱走しようと目論む。そしてようやくケガが治った20日後、慎五は部屋を飛び出すが、ずっと捕らえられていたその場所は、なんとNo.4の支配する蘭橋女子高校であった。
第5巻
戸津慎五は、Zと合流するべく、蘭橋女子高校脱出を目指していた。しかし駒方結仁とメーティスの助力でどうにか合流に成功した瞬間、慎五の身体に異変が起こる。慎五が蘭橋女子高校地下に捕らわれていたあいだに与えられていた食事には、No.5が作った細菌が混ぜられていたのである。No.4は、治療してほしければ1週間以内に自分達のところへ来て、帰還用の宇宙船の隠し場所を教えろと告げ、Zは考えた結果、残る三人の囚人達との直接対決を決意する。そこでZは勝利のため、結仁の協力を得て慎五の女性恐怖症を無理やり克服させる。そして1週間経った運命の日。Zと慎五は三人の待つ天光山へ向かう。そこでZは、宇宙船の隠し場所を教えてもいいが、宇宙船は本来Z一人だけが乗る事を想定して作られているので、囚人三人がそのままの状態でいっしょに帰る事は不可能だと教え、治療薬を受け取って去る。しかし囚人達は、人間を改造して囚人達の生存環境を作る研究がすでに進んでいる事を明かす。そして、今自分達が乗っ取っている三人のうち一人の身体を利用して、その一人が囚人五人を保護する形で宇宙船に乗れば、その一人は二度と地球に戻れず犠牲になるが、囚人は全員帰れるので問題ないと言い出す。一方その頃、Zと慎五は天光山にある囚人達の作った施設に潜入していた。そこに千根谷ひなのが現れるが、Zは録音していた先ほどの囚人達の会話を聞かせ、ひなのを説得する。囚人達の思惑を知ったひなのは考えを改めたかに思えたが、ひなのに案内された先には、No.5が待ち構えていた。
第6巻
Zと戸津慎五は、No.5によって身体が痺れた状態でプールに落とされ、絶体絶命の状態にあった。しかし、千根谷ひなのが時間を稼いだ事で助かり、逆転したZはNo.5の捕獲に成功する。こうして長峰莉亜が解放され、残る囚人はNo.1とNo.4の二人のみとなった。だがその直後から、慎五達の暮らす城能登(きのと)市に異変が起きる。住民達に原因不明の体調不良が相次ぎ、城能登市にいる限り、人間はまともに活動できないという事態になったのである。その原因は、No.4が起こしている、人間だけが体調を崩す異常波にあった。異常波の影響を受けないZと慎五はさっそく調査に乗り出すが、No.1の側近である紫乃塚と戦闘になり、重傷を負わされてしまう。こうしてZと慎五が撤退を余儀なくされ、城能登市内に潜んでいた頃、No.4はZが空高い場所に隠した宇宙船を盗むため、宇宙船を引き落とすほど強い重力装置を開発していた。本来その重力場は海の上に作る予定であったが、No.4は予定を変更し、城能登市に設定しようとしていた。その中枢がNo.4の本拠地である施設「SETRI(セトリ)」であると考えたZは、駒方結仁達にあるものを送って協力を要請し、「SETRI」に向かうが、そこにNo.1と紫乃塚が立ちふさがる。
第7巻
No.4が作り出した重力装置により、Zと戸津慎五は満足に動く事もできず、No.1に敗北寸前の状況にあった。しかしそこで、No.1の意のままに動く存在であったはずの紫乃塚が、突如No.1を殺そうとする。なんと紫乃塚は、No.1だけでなくNo.4の一部も移植されており、より強力なNo.4の命令に従うようになっていたのである。しかしZが密かに設置した爆弾により三人は助かり、No.4から逃げ出す。一方その頃、本来城能登(きのと)市に入れないはずの千根谷ひなの、駒方結仁、長峰莉亜は、先ほどZから送られて来たZの一部を、一時的に移植するという方法で城能登市に到着していた。三人は、再び宇宙人の配下になるのは恐ろしいが、それがZであれば信頼できると判断し、Zと慎五を助けに来たのである。それでもNo.4は宇宙船を獲得し、Zでも回収できない場所へ隠す寸前まで計画を進めていたが、それを止めたのはNo.1であった。これまでずっとNo.4に利用されていた事に強い怒りを感じたNo.1は、それからZと再会し、ある条件で投降する。それは、今回囚人達五人が地球で無事捕獲された場合、今度は別の星で再度刑を執行される事になるが、その際は自分がNo.4を殺しやすい環境にしてほしいというものだった。Zはその条件を飲み、囚人はとうとうNo.4を残すのみとなる。No.4は巨大な水の塊となって襲いかかるが、Zと慎五はNo.4の目を欺き、あえて別々に戦う事で勝利する。こうして囚人達は全員捕獲され、半年後、とうとうすべての作業を終え、Zが帰還する日がやって来た。慎五と五人の少女達は、宇宙人に身体を乗っ取られる体験は恐ろしいものだったが、それは同時に自分が大きく変わるきっかけでもあり、今ではこの経験に感謝しているとZに告げ、去って行くZを見送るのだった。
登場人物・キャラクター
Z (ずぃー) 主人公
とある星からやって来た宇宙人。性別はない。丸い頭に、顔の大部分を占める大きな一つ目と両腕、細長い胴体がついた身体をしている。顔の右側と両手の先に、炎のような柄の黒い模様があり、大きさは人間の口の中に入... 関連ページ:Z
戸津 慎五 (とづ しんご)
円城高校1年B組に所属する男子。Zに身体を乗っ取られている。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につくほどまで伸ばしたストレートセミロングヘアに眼鏡をかけている。三白眼で目つきが悪い。しかしZに身体を乗っ取られてすぐに、前髪を目の上で切ったショートカットの髪型に変え、眼鏡も外した。弟からは「慎ちゃん」、湊翔からは、翔が慎五よりも先にZの人格に出会い、Zこそが戸津慎五の本来の人格だと思われていた事により、「戸津慎五の裏の人格」という意味で「裏戸津」と呼ばれている。 穏やかで心優しい性格で、アニメやオカルト、怪奇現象が大好きなオタク気質。しかし写真やイラスト、動画の女性は平気だが、生身の女性だけは極端に苦手という弱点を持つ。そのため女性に近づかれると動悸が激しくなってパニック状態となり、身体を動かす事もできなくなる。 この体質により身近な女性との接触を避け、友人の堤純一と、自分達は三次元の現実をあきらめ、二次元のフィクションに生きていこうという約束をしていた。しかし実際は女性に強いあこがれと欲望を抱いており、自分の体質と本心のギャップに苦しめられている。 高校1年生のある日、UFOを撮影するために、Zが潜んでいた都内の立ち入り禁止区域へ足を踏み入れてしまう。その際、植物の姿になって潜伏していたZに身体を乗っ取られ、戸津慎五の意識は眠った状態になる。しかし、慎五の協力なしでは任務遂行は難しいと判断したZにより目覚めさせられ、それ以降は慎五の身体に、Zと慎五の二人の人格が宿った状態で活動する事になる。 その直後、慎五が女性を恐ろしく感じるのは、女性が得体の知れない存在だと思い込んでいるからで、たとえば親しくなった女性や、確実に好意を持たれている女性であれば、問題なく接する事ができると発覚。五人の囚人達を追いかけながら、女性と少しずつコミュニケーションを取る事で女性恐怖症を克服していく。 1998年10月16日生まれで、両親と弟の四人家族。学力は1年生202人中で120番。
桜江 七夏 (おうえ ななか)
青葉西高校に通う1年生の女子。囚人「No.1」に身体を乗っ取られている。髪型は前髪を左寄りの位置で斜めに分け、肩につくほどまで伸ばした外はねボブヘア。右目の下にほくろがある。No.1に身体を乗っ取られるまでは、体型は痩せ気味で、顎がとがっていて目が小さく出っ歯の、さえない容姿だった。そのため、同じように乗っ取られた四人の友人同様、No.1から与えられた現在の美しい容姿と高い能力を手放せず、仕方なく従っている。 中学2年生のある日、友人の千根谷ひなの、駒方結仁、三河露央沙、長峰莉亜と共に立ち入り禁止区域に集まっていたところ、No.3によって解放されたNo.1に目をつけられ、身体を乗っ取られてしまう。その後は舌にNo.1を宿した状態で、No.1から与えられた驚異的な力により、1年生にして青葉西高校の女王となる。 また、これを機に中学時代からあこがれていた紫ノ塚に、No.1の一部を移植する事で奴隷化し、恋人兼側近にする。紫ノ塚を深く愛しており、たとえ何を犠牲にしてでも紫ノ塚との関係を維持したいと考えている。そのため、No.1に積極的に従っていた。 しかし最終的にはZと戸津慎五に敗北し、Zに捕まりながらも、将来的にNo.4に復讐する事を優先したNo.1は投降した。
No.1 (なんばーわん)
桜江七夏の身体を乗っ取っている宇宙人。性別はない。丸い頭に、顔の大部分を占める大きな一つ目と短い手のようなもの、細長い胴体がついた身体をしている。頭には横縞模様が入っており、大きさは人間の口の中に入る... 関連ページ:No.1
千根谷 ひなの (ちねや ひなの)
開邦高校に通う1年生の女子。囚人「No.2」に身体を乗っ取られている。前髪を眉上で短く切り、顎の高さまで伸ばした前下がりボブヘアにしている。No.2に身体を乗っ取られるまでは、体型はあまり変わらないものの、目は小さく、髪の毛は癖っ毛で、頰はそばかすだらけのさえない容姿だった。そのため、同じように乗っ取られた四人の友人同様、No.2から与えられた現在の美しい容姿と高い能力を手放せず、仕方なく従っている。 側近達には「ひなのボス」と呼ばれて慕われている。中学2年生のある日、友人の桜江七夏、駒方結仁、三河露央沙、長峰莉亜と共に都内の立ち入り禁止区域に集まっていたところ、No.3によって解放されたNo.2に目をつけられ、身体を乗っ取られてしまう。 その後は舌にNo.2を宿した状態で、No.2から与えられた驚異的な力により、1年生にして開邦高校の女王となる。しかし、Zが戸津慎五の身体を手に入れ、No.2達五人の囚人の捕獲作業を開始した事で、No.2が捕獲され、2番目に解放される。しかしZ達に協力し、残る囚人達を倒す事よりも、Zが隠している帰還用の宇宙船を囚人達に発見させて帰還させる方が、確実に七夏、露央沙、莉亜を救出できると考え、即座に裏切る。 だが、やがて囚人達の、自分達さえ助かれば人間が犠牲になっても構わないという考えを知り、改心して仲間になった。慎五とは中学時代からの知り合いで、当時は陸上部に所属していた。そのためもともと身体能力が高く、たとえば同じように宇宙人に身体を乗っ取られている状態でも、あまり運動をしていない慎五や、結仁よりも腕っぷしが強い。
No.2 (なんばーつー)
千根谷ひなのの身体を乗っ取っている宇宙人。性別はない。丸い頭に、顔の大部分を占める大きな一つ目と両腕、細長い胴体がついた身体をしている。頭には放射状の縞模様、両腕には横縞模様が入っており、大きさは人間の口の中に入るほどで、非常に小さい。身体は暗い青でほかの宇宙人とは違い、目が横倒しになった状態でついている。本名は人間には発音できないので、自身の囚人ナンバーを便宜上名乗っている。 電気関係の知識に長ける。Zと同じ星の出身で、母星で重罪を犯したため、Zの手によって地球に流刑される予定であった。また、その際、生身では地球で生きられないため、カエルなどの下級生物の身体をあてがわれるはずだった。しかし、いっしょに連れて来られたNo.3がZのスキをつき、すぐ近くにいた駒方結仁の身体を乗っ取るという形で、地球で生きるための身体を手に入れる。 これによってNo.3に救出され、同時に近くにいた結仁の友人、ひなのの身体を手に入れる。そしてひなのの身体のホルモン分泌物をコントロールするなどの改造を行い、別人のように美しい顔立ちとスタイル抜群の身体、高い頭脳と身体能力をひなのに与えた。 その後は開邦高校に進学し、入学半年にして開邦高校を牛耳る女王として君臨。現在は薬物「レナード」の貯蔵庫内で、母星に帰る宇宙船を作るため、犯罪者の脳を使って人工知能「メーティス」を開発している。しかしZが戸津慎五の身体を手に入れ、No.2達五人の囚人の捕獲作業を開始した事で2番目に倒され、捕獲された。 君臨当時は管理地区内の警察署も意のままにあやつっており、犯罪者達を簡単に手に入れられたのはこのため。
駒方 結仁 (こまがた ゆに)
円城高校に通う1年生の女子。囚人No.3に身体を乗っ取られている。前髪を目の上で切って右寄りの位置で分け、肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアを2本の三つ編みにしてまとめた髪型に、眼鏡をかけている。No.3に身体を乗っ取られるまでは、体型は小太りで髪はぼさぼさの、さえない容姿だった。そのため、同じように乗っ取られた四人の友人同様、No.3から与えられた現在の美しい容姿と高い能力を手放せず、仕方なく従っている。 何かあった時のために「永田有実子」をはじめとする、いくつもの偽の身分を持つ。メーティスには「駒ちゃん」と呼ばれている。中学2年生のある日、友人の桜江七夏、千根谷ひなの、三河露央沙、長峰莉亜と共に都内の立ち入り禁止区域に集まっていたところ、Zの元から逃げ出したNo.3に目をつけられ、身体を乗っ取られてしまう。 そしてそのまま「No.1」に七夏、「No.2」にひなの、「No.4」に露央沙、「No.5」に莉亜を捧げる作業をさせられ、友人グループごと囚人達に支配されてしまった。その後は舌にNo.3を宿した状態で、No.3から与えられた驚異的な力により、1年生にして円城高校の女王となる。 しかし、No.3の残忍で身勝手な行動には納得できずにいた。そんなある日、Zが戸津慎五の身体を手に入れ、No.3達五人の囚人の捕獲作業を開始した事で解放される。No.3から解放されたあとは、Zと慎五の仲間となり、残り四人の友人を助けるために戦う事になる。 慎五とは中学時代からの知り合いで、当時は生物部に所属していた。小学校2年生の頃に家が火災に遭い、その時のショックで炎や煙が極端に苦手。また、その際に背中と腕に大きな火傷を負っており、これが原因で引っ込み思案な性格になってしまった。しかし、No.3に乗っ取られた際に火傷は治療され、容姿も劇的に向上した事で自信を取り戻した。 そのため、No.3には複雑な感情を抱いており、味方する事はできないが、非常に感謝もしている。
No.3 (なんばーすりー)
駒方結仁の身体を乗っ取っている宇宙人。性別はないが、結仁には女性のように捉えられており、「彼女」と呼ばれる事がある。丸い頭に、顔の大部分を占める大きな一つ目と両腕、細長い胴体がついた身体をしている。身体全体に横縞模様が入っており、大きさは人間の口の中に入るほどで、非常に小さい。身体はオレンジ色。本名は人間には発音できないので、自身の囚人ナンバーを便宜上名乗っている。 化学の専門家で、薬物の知識に長けている。Zと同じ星の出身で、母星で重罪を犯したため、Zの手によって地球に流刑される予定であった。その際、生身では地球で生きられないため、カエルなどの下級生物の身体をあてがわれるはずだった。しかし作業中ミスをしたZのスキをつき、すぐ近くにいた結仁の身体を乗っ取るという形で、地球で生きるための身体を手に入れる。 そして結仁の身体を使ってZに反撃し、同時に近くにいた結仁の友人、桜江七夏、千根谷ひなの、三河露央沙、長峰莉亜の身体を、いっしょに流刑されたNo.1、No.2、No.4、No.5に乗っ取らせる。 そして結仁の身体のホルモン分泌物をコントロールするなどの改造を行い、別人のように美しい顔立ちとスタイル抜群の身体、高い頭脳と身体能力を与えた。その後は円城高校に進学し、入学半年にして円城高校を牛耳る女王として君臨。取り壊し予定のまま放置されていた円城高校の旧校舎を手に入れて、側近の生徒達、通称「旧校舎組」を集め、自主授業を行っている。 「旧校舎組」は全校生徒616人中の78人が該当し、その半数を3年生が占めている。彼らはNo.3の指導と、No.3が旧校舎内で栽培する薬物「レナード」の力により飛躍的に成績を伸ばしているため、教師達は結仁の指導が素晴らしいのだと捉え、結仁を信頼して自由にさせていた。しかしZが戸津慎五の身体を手に入れ、No.3達五人の囚人の捕獲作業を開始した事で最初に倒され、捕獲された。
三河 露央沙 (みかわ ろうざ)
蘭橋女子高校に通う1年生の女子。囚人No.4に身体を乗っ取られている。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸につくほどまで伸ばした巻き髪ロングヘアをしている。胸が大きく、スタイル抜群で、それを強調するセクシーな服装をしている。No.4に身体を乗っ取られるまでは体型は太めで目は小さく、髪もぼさぼさのさえない容姿だった。 そのため、同じように乗っ取られた四人の友人同様、No.4から与えられた現在の美しい容姿と高い能力を手放せず、仕方なく従っている。蘭橋女子高校の生徒達には強烈に慕われており、「露央沙様」と呼ばれている。中学2年生のある日、友人の桜江七夏、千根谷ひなの、駒方結仁、長峰莉亜と共に立ち入り禁止区域に集まっていたところ、No.3によって解放されたNo.4に目をつけられ、身体を乗っ取られてしまう。 その後は舌にNo.4を宿した状態で、No.4から与えられた驚異的な力により、1年生にして蘭橋女子高校の女王となる。そして、Zと戸津慎五に解放されるまで、五人の囚人達のうち、最後まで抵抗したNo.4に支配され続けた。
No.4 (なんばーふぉー)
三河露央沙の身体を乗っ取っている宇宙人。性別はない。丸い頭に、顔の大部分を占める大きな一つ目と両腕、細長い胴体がついた身体をしている。頭には放射状の3本の縞模様が入っており、大きさは人間の口の中に入るほどで、非常に小さい。身体はブルーグレーで、ほかの宇宙人とは違い、目が三日月形をしており、そのためいつもニヤニヤ笑っているように見える。 本名は人間には発音できないので、自身の囚人ナンバーを便宜上名乗っている。宇宙工学の知識に長ける。Zと同じ星の出身で、母星で重罪を犯したため、Zの手によって地球に流刑される予定であった。また、その際、生身では地球で生きられないため、カエルなどの下級生物の身体をあてがわれるはずだった。しかし、いっしょに連れて来られたNo.3がZのスキをつき、すぐ近くにいた駒方結仁の身体を乗っ取るという形で、地球で生きるための身体を手に入れる。 これによってNo.3に救出され、同時に近くにいた結仁の友人、露央沙の身体を手に入れる。そして露央沙の身体のホルモン分泌物をコントロールするなどの改造を行い、別人のように美しい顔立ちとスタイル抜群の身体、高い頭脳と身体能力を露央沙に与えた。 その後は蘭橋女子高校に進学し、入学半年にして蘭橋女子高校を牛耳る女王として君臨。戸津慎五を捕獲した際は、高校の地下のコンクリート部屋に監禁していた。また、研究のために「集英エネルギー研究所」、通称「SETRI(セトリ)」を手に入れ、母星に帰還するためのエネルギー代用物の研究を進めていた。 同時にNo.5とは、人間を改造して囚人達の生存環境を作る研究を進めており、いざとなれば、今自分達が乗っ取っている人間の身体を利用して帰還する事も考えていた。しかしZが戸津慎五の身体を手に入れ、No4達五人の囚人の捕獲作業を開始した事で囚人達が次々に捕獲され、最終的にNo.1と二人で協力してZ達に挑む事になる。 だが実際は、No.1とは結託しているふりをしてずっと利用していただけで、最初から一人で帰還するつもりであった。そのため戦いの最中にあっさりNo.1を裏切るが、激怒したNo.1の反撃がきっかけで帰還計画が崩壊。Zと慎五に倒された。
長峰 莉亜 (ながみね りあ)
塚ノ上高校に通う1年生の女子。囚人No.5に身体を乗っ取られている。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばした黒のストレートロングヘアにしている。釣り目が特徴。体型は非常に小柄でやせていて、そのため年齢よりも幼く見える。No.5に身体を乗っ取られるまでは、体型はあまり変わらないものの、目は小さく、髪はぼさぼさのさえない容姿だった。 そのため、同じように乗っ取られた四人の友人同様、No.5から与えられた現在の美しい容姿と高い能力を手放せず、仕方なく従っている。しかし、No.5の力を借りてもほかの四人に比べ、体型の変化が小さい事を気にしている。中学2年生のある日、友人の桜江七夏、千根谷ひなの、駒方結仁、三河露央沙と共に立ち入り禁止区域に集まっていたところ、No.3によって解放されたNo.5に目をつけられ、身体を乗っ取られてしまう。 その後は舌にNo.5を宿した状態で、No.5から与えられた驚異的な力により、1年生にして塚ノ上高校の女王となる。しかし、Zが戸津慎五の身体を手に入れ、No.5達五人の囚人の捕獲作業を開始した事で、No.5が捕獲され、3番目に解放される。 その後はZ達の仲間となった。
No.5 (なんばーふぁいぶ)
長峰莉亜の身体を乗っ取っている宇宙人。性別はない。丸い頭に、顔の大部分を占める大きな一つ目と両腕、細長い胴体がついた身体をしている。身体全体に水玉模様が入っており、大きさは人間の口の中に入るほどで、非常に小さい。身体は緑色で、ほかの宇宙人とは違い白目がなく、黒く丸い円が顔の真ん中についているように見える。本名は人間には発音できないので、自身の囚人ナンバーを便宜上名乗っている。 細菌や生物に関する知識に長ける。Zと同じ星の出身で、母星で重罪を犯したため、Zの手によって地球に流刑される予定であった。また、その際、生身では地球で生きられないため、カエルなどの下級生物の身体をあてがわれるはずだった。しかし、いっしょに連れて来られたNo.3がZのスキをつき、すぐ近くにいた駒方結仁の身体を乗っ取るという形で、地球で生きるための身体を手に入れる。 これによってNo.5に救出され、同時に近くにいた結仁の友人、莉亜の身体を手に入れる。そして莉亜の身体のホルモン分泌物をコントロールするなどの改造を行い、別人のように美しい顔立ちや高い頭脳、身体能力を莉亜に与えた。 その後は塚ノ上高校に進学し、入学半年にして塚ノ上高校を牛耳る女王として君臨。同時にNo.5とは、人間を改造して囚人達の生存環境を作る研究を進めており、いざとなれば、今自分達が乗っ取っている人間の身体を利用して帰還する事も考えていた。しかしZが戸津慎五の身体を手に入れ、No5達五人の囚人の捕獲作業を開始した事で囚人達が次々に捕獲され、自身も3番目に捕獲された。 自分さえ無事なら、乗っ取った莉亜さえも利用する残忍な性格の持ち主。また、人間の女性になるなら豊かな体型の女性がいいと考えており、ホルモン分泌物をいじっても、小柄で胸も小さいままの莉亜の身体には内心不満を抱いていた。そのため、莉亜と対照的な千根谷ひなのの身体を気に入っており、身体を変更する事は不可能だが、もしそれができるなら、ひなのの身体にしたいと思っていた。
堤 純一 (つつみ じゅんいち)
円城高校に通う1年生の男子。戸津慎五の友人。前髪を真ん中で分けて額を全開にした、癖のあるショートカットの髪型をしている。体型は太めで、三白眼。慎五とは中学時代から親しく、同じようにオタク趣味を持つ事から、自分達は3次元という現実をあきらめて、2次元というフィクションの世界に生きて行こうと約束をしている。また、桜江七夏、千根谷ひなの、駒方結仁、三河露央沙、長峰莉亜の五人とも知り合いで、中学時代からは豹変した五人を不思議に思っている。
呰上 (あざがみ)
円城高校に通う3年生の男子。駒方結仁の側近「旧校舎組」の一人。角刈りヘアにたれ目で、非常に背が高く、筋肉質のがっしりとした体型をしている。空手部の主将として抜群の身体能力を誇り、旧校舎に近づく部外者を排除する役割を務めている。またNo.3の一部を舌に移植された事からNo.3の命令を機械的に実行するあやつり人形のようになっておりNo.3の力を借りて、もともとの身体能力に、さらに常人離れしたパワーが加えられている。 しかしある日、Zに乗っ取られた戸津慎五の侵入を許し、その際慎五からのキスによって、舌にくっついていたNo.3の一部を引きはがされて敗北する。また、その時に慎五に思わずときめいてしまい、悩む事になる。
湊 帆多留 (みなと ほたる)
円城高校に通う3年生の女子。駒方結仁の側近「旧校舎組」の一人。湊翔の姉でもある。以前は生徒会長とバレー部部長を務めていたが、現在は結仁、つまりNo.3の手足として、旧校舎管理長を務めている。髪型は、前髪を上げて額を全開で、腰まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。前髪中央部の髪の毛が2房だけ、色が変わっている。 厳格な態度で男性のような口調で話す一方で、怒ると態度が荒くなり、女性的な口調に変わる。No.3が「旧校舎組」の生徒達に投与している薬物「レナード」の影響と、No.3が身体の一部を帆多留に与えて支配している事により、「旧校舎組」となる前とは別人のように性格が変わり、無感情な人間になってしまっている。その結果、No.3を崇拝して彼女の意のままに動いていたが、それに気づいた翔がZと戸津慎五に助けを求めた事により、Zと慎五が帆多留の舌についたNo.3の一部を引きはがし、正気に戻った。 しかし「レナード」が抜けたわけではないため、その影響は残っている。
湊 翔 (みなと しょう)
円城高校に通う1年生の男子。湊帆多留の弟。前髪を目の上で切って、髪全体をツンツンに立てたショートカットの髪型をしている。三白眼で目つきが悪い。一見チャラチャラとした雰囲気だが、他人の機微に敏感で、些細な変化にもすぐ気づく。女性全般が大好きで、半面男性は苦手。そのため女性の友人が多く、彼女達の事は「天使ちゃん」と呼んでいる。 また腕っぷしが強く、女性に悪さする男は許さない。女性達の中でも、特に姉の帆多留の事が大好きで、強くあこがれている。しかし高校1年生のある日、帆多留が「旧校舎組」となったのを境に、以前とは別人のように冷たく、無感情な人間になっている事に気づく。しかしどうする事もできず困っていたところに、Zに身体を乗っ取られた状態の戸津慎五と出会い、慎五であれば帆多留を正気に戻せるのではと考える。 また持ち前の洞察力で、出会ってすぐに慎五の身体に、慎五自身とZという、二つの人格が宿っている事に気づく。そこで慎五に頼んで、三人いっしょに円城高校旧校舎の実態を暴く事になる。最終的に見事帆多留を正気に戻す事に成功した。
鷹端 (たかはし)
開邦高校に通う1年生の男子。戸津慎五と堤純一の友人。現在はNo.2に憑依された千根谷ひなのの手下として活動している。前髪を右寄りの位置で斜めに分けた、ふんわりとしたショートカットの髪型をしている。小柄で、右目の下に三角の形に配置された三つのほくろがある。穏やかで思いやりのある、心優しい性格。小柄で弱々しそうに見える事から、中学時代はいじめられっ子で、友人である慎五と純一よりも標的にされる事が多かった。 しかし、それは卒業すれば解決するものと考え、耐え抜いて進学校の開邦高校に進学する。だが結局そこでもいじめに遭い、自分は一生いじめられ続けるのだろうかと絶望していたところを、ひなのに声を掛けられる。その日以来ひなのの配下となり、ひなのがNo.2に支配されている事は知らぬまま「ひなのボス」と呼び慕うようになる。 また、その際No.2から力を与えられ、身体能力が向上した。その力とは、身体に端子を埋め込み、端子から筋肉に直結して筋力をコントロールするというもので、実質の肉体改造であった。この方法によって劇的に腕っぷしが強くなり、自信を持つようになっていたが、ある日No.4に命じられて「レナード」の貯蔵庫を警備していた際、慎五と戦って敗北した。 「猫背猫又(ねこぜねこまた)」というイラストレーターが大好きで、猫背猫又の作品には目がない。
メーティス
No.2が人間の脳を使って開発していた人工知能。人間の男性の身体の中でバックアップが育まれていたため、人工知能だが、人間の身体を所持している。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした、癖のあるショートカットの髪型に無精ひげを生やしている。しかし、完成度約27%の状態で開発が中止されたため、精神的には5、6歳程度である。自身の完成のため、「レナード」貯蔵庫内で辛い作業に耐えながら暮らしていた。 しかし、ある日貯蔵庫にやって来た駒方結仁により解放され、その際身体に埋め込まれていたGPSを外される。これをきっかけに結仁を母親のように慕うようになり、仲間となる。
紫ノ塚 (しのづか)
青葉西高校に通う2年生の男子。囚人「No.1」の身体の一部を移植され、意のままにあやつられている。坊主頭に、がっしりとした筋肉質な体型をしている。公正で心優しい性格で、人望が厚い。中学3年生のある日、塾でいじめられている桜江七夏を発見し、助けた事で七夏と知り合う。それから高校2年生の春に青葉西高校に入学して来た七夏に気づき、声を掛けた事から七夏に強烈に慕われるようになる。 その結果、どうしても紫ノ塚を手に入れたいと考えた七夏の手により、No.1の身体の一部を移植され、あやつられるようになる。その後は七夏の恋人兼側近となるが、No.1の意向により、肉体関係はまだ持っていない。部活は剣道部に所属しており、非常に腕が立つ。