概要・あらすじ
超人気電子ゲームソフト「紅帝伝説」発売日当日。のび太はその購入資金を稼ぐため、ママのお手伝いをしていた。売り切れを心配し焦ったのび太は、タイムマシンで未来へ行き、自分の貯金を先取りしようと考える。早速実行し未来の自分の部屋で貯金箱をチェックすると、中にはゲームソフトが余裕で買えるほどの大金が貯まっていた。
喜んだのもつかの間、周りの様子が何かおかしいことに気付く。部屋の床は緑色の絨毯のようになり、空を飛ぶ魚が家の周りを漂い、しずちゃんの飼っているカナリアは「ワンワン」と鳴き、怪力を発揮する。町を見渡すと人の気配が無く、極めつけはしずちゃんの家からアリ人間が現れ、近所の空き地からUFOが飛び去っていった。
事態の深刻さを確信したのび太は、ドラえもんに相談するため急いで現代へ戻る。しかし、お手伝いを怠けるのび太を戒めようと待ち構えていたドラえもんによって、着いたとたんワスレバットで直前の記憶を消されてしまうのだった。
登場人物・キャラクター
ドラえもん
二十二世紀からタイムマシンでやって来た未来のネコ型ロボット。お腹のポケットから様々なひみつ道具を出すことができる。ゲームソフト欲しさに自分からママのお手伝いを願い出たにもかかわらず、怠けることばかり考えているのび太に呆れたドラえもんは、ひみつ道具のワスレバットを使ってのび太のくだらない思い付きを忘れさせてしまおうと考える。 そして、未来から戻って来たのび太にそれを実行するのだが、のび太が未来で体験してきた奇妙な出来事まで忘れさせてしまい、その後の事態がややこしい方向へ展開してしまう。
野比 のび太 (のび のびた)
勉強もスポーツも苦手なさえない小学生。超人気電子ゲームソフト「紅帝伝説」購入資金を稼ぐため、ママにお手伝いを願い出る。しかし、いつもの怠け癖から、お手伝いを早々に放棄。おまけにタイムマシンで未来に行き、自分の貯金を先取りすることを思い付き、実行してしまう。その思い付きは成功するのだが、未来の町の様子がおかしいことに気付き、慌てて現代へと戻る。 しかし待ち構えていたドラえもんにワスレバットで記憶を消されてしまい、お手伝いを再開することになってしまう。そんな時、しずちゃんから飼っているカナリアについて相談を受ける。ドラえもんのひみつ道具に頼ろうと考えるが、ドラえもんは不在。 勝手にドラえもんのスペアポケットでひみつ道具を漁っていると、未来デパートからのダイレクトメールを発見する。それは奇跡の星ガラパ星をセールスするものだった。
源 静香 (みなもと しずか)
のび太の友人の女の子。優しい性格の持ち主。飼っているカナリアのピーちゃんが、のらネコに狙われていることを心配し、のび太に相談する。引き受けたのび太がとった方法は、ピーちゃんをガラパ星へ連れていき、「のらネコに負けないよう、強くたくましく」進化させることだった。
ウランカナ
未来デパート新製品セールス部所属のサラリーマン。のび太がカナリアのピーちゃんを進化させるためにガラパ星に行った際、施設内の案内と、ピーちゃんの進化を担当してくれた人物。ライバル会社のスパイを非常に警戒している。
ダイウィン博士
未来デパート開発技術部部長。ガラパ星の特殊な環境を利用し、新生物を次々生み出している天才科学者。ビン底眼鏡に、ヒゲもじゃ、白衣と、いかにもなルックスをしている。のび太がガラパ星を訪れた時は、全長1000メートルの大ミミズを作り出すことに夢中になっていた。
出木杉 栄西 (できすぎ えいさい)
のび太の友人の男の子。容姿、性格、頭脳全て優秀な、完璧なキャラクター。ガラパ星に持って行って進化させようとのび太が集めていたアリが、他のアリを奴隷として働かせる「サムライアリ」であることを教えてくれる。
アリ人間
『ドラえもん ガラパ星から来た男』に登場するキャラクター。のび太が地球で採取したアリをガラパ星へ持ち込み、進化させた結果生まれた生物。人間大で二足歩行し、人間以上の頭脳を持つ。ママのお手伝いをサボりたいのび太は、「どんなに働いてももんくをいわない生物」を作り出すことを思い付き、実行する。しかし、のび太がこのとき使用したアリは、他のアリを奴隷にして働かせる習性を持った「サムライアリ」だった。 その結果生まれたアリ人間は、人間のために働くどころか人間を奴隷にして支配しようと企み、ガラパ星を飛び出し、地球へ襲来する。
場所
ガラパ星 (がらぱせい)
銀河の中心近く、三つのブラックホールの力が釣り合った特殊な場所にある惑星で、ここに住む生物は驚くべきスピードで進化する。その進化の方向に手を加えてやれば、思い通りの生物を生み出すことができる。未来デパートはガラパ星のこの特性を利用したサービスを商品として提供しようとしていた。 しかし後にこの特性の危険性が明らかになる。
その他キーワード
退化放射線発生ガン
進化させた生物を、元に戻す効果のある放射線を発射する。ガラパ星を危険生物を作り出すおそれがあると判断した未来デパートは、のび太にガラパ星のサービス利用料を返却するとともに、すでに進化させてしまった生物への対応として、この道具を宅急便で送り付けてきた。
タイムマシン
ドラえもんのひみつ道具の一つ。時間と空間を自在に移動できる乗り物。普段はのび太の勉強机の引き出しに直結した、超空間の中に隠されている。未来の自分の貯金を先取りしようと思い付いたのび太は、このひみつ道具を使って未来と現在を行き来する。
ワスレバット
ドラえもんが持っているひみつ道具の一つで、野球のバットと同じ形をしている。これで生物の頭を叩くと、その時考えていたことを忘れてしまう。グリップの方で叩くと記憶は戻る。本作では、ドラえもんがこの道具を使ってのび太の記憶を消してしまったことにより、ストーリーがややこしい方向へ展開していくことになる。