概要・あらすじ
大蔵省所属であること以外、一切の経歴が謎に包まれた男入江省三は、防衛施設庁の予算削減という名目で米軍基地キャンプブラボーを訪れる。予算削減とはまったく関係ない意味不明な行動を繰り返し、基地の軍人たちからは厄介者扱いされる入江だったが、キャンプブラボーの軍人の中には、基地の武器を横流ししている者もいた。実は武器横流しを調べていた入江は真犯人を突き止めるが、横流しの主犯格であるリード曹長たちに包囲されてしまう。
基地司令官の娘ブレンダ・ガランドたちに助けられ、ピンチを切り抜けた入江は、基地のあちこちに仕掛けていた爆薬を爆破し、反撃に出る。
登場人物・キャラクター
入江 省三 (いりえ しょうぞう)
大蔵省特殊査察部二課執行官という肩書を持つ男。詳しい経歴はおろか、年齢・本籍・現住所から血液型にいたるまでの個人情報は不明。眼鏡にスーツ姿、七三分けの髪型という、いかにも公務員といった見た目。「入江省三」という名前もコードネームであり、各省庁ごとに同じ名前と容姿を持つ「入江省三」が存在する。常ににこやかで物腰は柔らかだが、決まって状況を混乱させるのでかえって人をいらだたせることも多い。 だが、根は人情味のある性格。米軍基地の武器横流しや、大蔵省の給与強奪など、政府予算絡みの事件が起こると現場にあらわれ、当事者たちを押しのけて強引な手段で解決に乗り出す。武器は支給されたレーザーポインタ付きの自動拳銃を主に使用。何かと領収書を求めたり、税金で購入された支給品の扱いに厳しいなど、やや金に細かい。 一方で派手好きな一面もあるのか、大量の爆薬やグレネードランチャーなどの特殊装備を持ち出し、辺り一面を火の海にすることも多い。
ブレンダ・ガランド (ぶれんだがらんど)
コール・J・ガランドの娘。学生だが、入江省三の監視のため父親にかり出され、キャンプブラボーを訪れる。父親の仕事で日本に来たことを内心嫌がっており、以前住んでいたモンタナに帰りたがっている。
コール・J・ガランド
在日米軍基地キャンプブラボーの司令官。ブレンダ・ガランドの父親。階級は大佐。経費査察の名目で現れた入江省三のことを煙たがっている。
リード
在日米軍基地キャンプブラボー保安主任の男。口ひげを蓄えている。階級は曹長。防衛庁から出ている予算で違法に武器を購入し、街に横流ししている。
柏原 稲男 (かしはら いなお)
綾金警察署の刑事。階級は警部。大蔵省の給与を運んでいた現金輸送車を襲った強盗犯を追っている。人間嫌いでぶっきらぼうな性格の持ち主。お目付け役として現れた入江省三とたびたび衝突する。
橘 育美 (たちばな いくみ)
綾金警察署の刑事で柏原稲男の元妻。階級は警部補。柏原とともに強盗犯を追っている。明るい性格の持ち主。学生時代に、当時警察官だった柏原と出会ったことがきっかけで警察官になる。
新田 (にった)
女性警官。ミニパト「ニ◯七移動」の担当者。強盗犯の追跡中に銃撃を受けて入院する。警察無線を盗聴していた入江省三に「声が可愛い」という理由で気に入られる。
樋口 (ひぐち)
大蔵省の給与を運んでいた現金輸送車を襲った強盗犯の一人。入江省三に逃走を邪魔されて逮捕されるが、取り調べで入江省三そっくりなモンタージュ写真を作成し、もう一人の犯人と警察に伝える。
矢野 梨果 (やの りか)
入江省三が出張していた田舎町にあるそば屋の娘。死んだ兄が始めた店を切り盛りしている。ヤクザ滝織会から強引な立ち退き勧告を受けているが、おとなしくしていれば無茶はしないだろうと考え、極力衝突しないようにしている。
遠藤 (えんどう)
そば屋の板前。矢野梨果の兄が開いた店を、開店当初から支えている。梨果には隠しているが、元ヤクザ。入江省三が関わったことがきっかけとなり、滝織会との全面戦争に乗り出す。
豊村 (とよむら)
ヤクザ滝織会の組長。地元の商店街を手中に収めるために行動しているが、どこかぼんやりとした性格。警察とトラブルになることを避けたがっている。
吉村 (よしむら)
ロングコートにサングラスを着用し、ウェーブがかった長髪の女性。豊村に雇われている武闘派のヤクザ。矢野梨果の兄を決闘で殺害している。旧ソ連製のトカレフを愛用している。
外務省の入江省三 (がいむしょうのいりえしょうぞう)
『LAWMAN AND THE THIEF』で登場。外務省に所属する。本作の主人公である、大蔵省の入江省三とまったく同じ外見をしている。留学中に強盗事件に巻き込まれた、とある議員の娘を追いかけてメキシコに向かう。大蔵省の入江とは異なり、殺人もいとわない冷酷な性格の持ち主。
箏井 (ことい)
入江省三の女性秘書。ただし、大蔵省の入江省三ではなく、『ジオブリーダーズ』に登場する厚生省所属の入江の部下。無表情で、冷静な性格。ほとんど同じ外見をした各省庁の入江たちを一目で区別できる。