概要・あらすじ
奥森医院を経営する開業医奥森かずいは、少年虎弥太と暮らしながら近隣住民の診療に当たっている。ある日、警察に追われた女子高生が奥森医院に逃げ込んで来るが、何か事情があると察したかずいは、彼女を患者であるとして身元を保証し、かくまった。彼女が恋人と死別したという辛い経験を聞かされたかずいは、Mind Assassinの能力を用いてその辛い記憶を消去した。
治療は完了したと思えたが、恋人を殺した犯人が彼女の前に現われ、彼女をも殺してしまう。強い怒りを覚えたかずいは、犯人を追いつめ、暗殺者としてMind Assassinの能力を用いたのだった。様々な患者の治療は、ハッピーエンドだけでなく、時に苦い結末に終わることもあるが、ひとりでも多くの患者を救うため、奥森かずいは今日も診察を続ける。
登場人物・キャラクター
奥森 かずい (おくもり かずい)
奥森医院を経営する開業医の青年。父方の祖父がドイツ人の、日本とドイツのクォーター。背が高く、優しい顔立ち。紳士的で柔らかい物腰なので、内科・小児科医として近所からの評判は良い。おっちょこちょいな面もあり、背が高いのでよく建物の鴨居に頭をぶつけてしまう。特殊能力者・Mind Assassinの3代目である。 自身の能力を制御するため、ふだんは両耳にピアスを付けている。精神や記憶に関する相談で訪れた患者に対して、彼らを苦しみから解放するため、Mind Assassinの能力を使うことがある。もともと暗殺術だった能力を持つことに悩んだ時期もあったが、患者の幸せのためだけに用いるのだと決意した。
虎弥太 (こやた)
開業医奥森かずいと共に暮らしている。年齢と外見は18歳の青年だが、精神年齢は8歳。幼いころに心に大きな傷を負ってしまったので、かずいによって精神と記憶を壊され、赤ん坊同然となった。かずいによって育てられ、今日に至る。気の良い性格だが人見知りで、初対面の人間にはなかなか打ち解けない。 かずいのことを誰よりも慕い、信頼している。患者の治療にひとり思い悩むかずいの苦悩を察知し、彼を慰めることもあり、かずいの心の拠りどころとなっている存在。
田中 由未子 (たなか ゆみこ)
小学生の女の子。母子家庭で、母は仕事で多忙。診療に来たところ、体中にアザがあるのを奥森かずいが発見した。母親に迷惑をかけたくないためアザの原因について由未子は口を閉ざすが、かずいは彼女のために立ち上がり、調査を開始した。
吉田 美音子 (よしだ みねこ)
受験を間近に控えた女子高生。最近、無言電話やのぞき、下着ドロボウなどの謎のいやがらせに悩まされている。ノイローゼ状態にあり、自分の後ろを歩く奥森かずいのことも、自分を尾行するいやがらせの犯人だと勘違いした。誤解が解けた後には反省し、かずいに救いを求めた。
片瀬夫妻 (かたせふさい)
奥森医院を開業したばかりの奥森かずいのもとに訪れた夫妻。結婚後無職となり自堕落な生活を続ける夫に悩む妻が相談に訪れた。離婚も検討したが自分の愛した男から離れられないと考えた妻は、自分の精神を破壊してほしいと頼み込んだ。かずいの能力によって妻は何も反応を示さず寝たきりとなった。 かずいから事情を知らされた夫は深く悔恨し、一転して真面目に働き始め、妻の介護を続けた。必死の努力の甲斐あって、5年の月日が流れたある日、ついに妻は記憶を取り戻した。現在は夫婦で花屋を営み、幸せに暮らしている。
門田先輩 (かどたせんぱい)
大学病院に勤務する内科医の男性。開業医奥森かずいの大学時代の先輩にあたる。「病は気から」ではなく、物理的に最高の治療を施すことが大切という信念を持っている。かずいのMind Assassinとしての能力を知る数少ない人間のひとり。
ウォレス・スミス
アメリカ人の若い男性。細身で長身。短髪に丸メガネをかけている。目つきが鋭く、冷たい雰囲気を漂わせている。日本で英会話教室の講師を務めているが、その実態は暗殺者である。政府に養成されたが、現在は単独で行動しているらしい。首の骨を折る暗殺方法を得意とする。過去に結婚を誓った女性を理不尽に失ったことがあり、それが原因でこの世を呪い、暗殺者の道へ足を踏み入れた。
カール・クレーラー
開業医奥森かずいの父親。ドイツと日本のハーフだが、ドイツで生まれ育ったため、日本語はろくに話せない。2代目Mind Assassinとしての特殊能力を持つが、この能力は人を不幸にするだけだと考え、使うことを封印した。妻はかずいを産んで程なく死去したので、妻の面影を残す息子かずいのことを溺愛している。
リヒャルト・リヒター
ドイツ人の青年。腰まで伸びた長髪に無精ひげを生やしている。右手で触れたものを細胞レベルで壊死させ破壊する特殊能力の持ち主。ふだんは能力制御装置としてリストバンドを右手首に着けている。ナチスドイツの残党ハインリヒ・ヨアヒム・レンツに操られている。子どものころに家族を異常者に惨殺され、心に大きな傷を負った。 その後レンツに引き取られ、暗殺者として育てられた。
梁取 蓮司 (やなとり れんじ)
短髪の男性。直情的で、すぐ突発的な行動に出る性格。開業医奥森かずいとは大学での同級生。大学は中退し、音信不通となっていた。裏稼業に手を染め生活していたが、組織の社長の情婦と両想いになり、組織から追われてかずいのもとを訪れた。
山口 周 (やまぐち あまね)
メガネをかけた中学生男子。裕福な家庭に生まれ育った。開業医奥森かずいがMind Assassinの能力を使う現場を目撃したことがあり、風邪のため偶然訪れた奥森医院でかずいと再会した。何やら悩みを抱えているようで、かずいに対し「自分も殺し屋になりたい」と懇願する。
リアム・ウォンラー
アジア出身の女性。画家として世界的に有名。奥森かずいの通う大学に留学に来ていた。物価に大きな差があり祖国からの仕送りだけでは日本で生活できず困っていたところを、小田という講師に目を付けられ、借金と引き換えに売春を強要されていた。事情を知ったかずいはMind Assassinの能力を使い小田の精神を壊し、彼女を救った。
Mind Assassin (まいんど あさしん)
『MIND ASSASSIN』に登場する超能力者の総称。第二次世界大戦中に、ナチスドイツの科学力によって創り出された。生物の頭に手を触れるだけで、相手の精神と記憶を破壊する超能力を持つ。この能力は音もなく証拠も残さずターゲットを始末できる、最強の暗殺術である。能力を制御するためふだんは両耳にピアスを付けている。 このピアスはMind Assassinのシンボルマークとして恐れられた。戦後も能力は受け継がれ、日本に住む開業医の青年奥森かずいが3代目のMind Assassinである。
集団・組織
奥森医院 (おくもりいいん)
『MIND ASSASSIN』に登場する病院。開業医奥森かずいが経営する、とある町中の病院。住居と一体型の二階建て。診療科目は内科・小児科・放射線科。AM9:00~12:00/PM3:00~7:00が診療時間。土曜日はPM5:00まで。日曜・祭日・木曜の午後は休診。「精神・記憶に関する相談うけたまわります」との一文も看板には記されており、訪れた患者の悩みを聞いたかずいが、場合によってはMind Assassinの能力を使って記憶を消す治療を行なうこともある。