概要・あらすじ
江の島近くで暮らす西宮なぎさは、家の仕事を手伝いながら学校へ通う活発な少女。ある日、海へ泳ぎに来たなぎさは、ひ弱そうな同い年の少年と出会う。少年に泳ぎを教えたことをきっかけに仲良くなっていく2人だったが、ふとしたことから思いがけない別れを迎えることに。その後も、なぎさはさまざまな人との出会いと別れを経験し、成長していく。
登場人物・キャラクター
西宮 なぎさ (にしみや なぎさ)
江の島近辺で暮らす少女。漁師の父親、海の家を経営する母親、幼い弟との4人家族。ショートカットの美人だが、自分では容姿に自信はない。また、裕福ではない自分の家庭に少しコンプレックスを抱いている。泳ぎが得意な活発な少女で、家の手伝いや弟の面倒も見ている。とはいえ優等生タイプではなく、勉強は苦手。成長するにつれ、タバコやシンナーも経験し、恋愛を含めていろいろなことに興味を持っていき、さまざまな人との出会いと別れを経験していく。
西宮なぎさの母親 (にしみやなぎさのははおや)
西宮なぎさの母親。太ったオバチャン。夏は湘南で海の家を経営し、その後は小さな飲み屋を始めて2人の子供を育てる。
西宮なぎさの父親 (にしみやなぎさのちちおや)
西宮なぎさの父親で、漁師をしている。よく日に焼け、体格がよく、頭にハチマキを巻いた、いかにも漁師風の風貌。なぎさが14歳の時に、酔って堤防から海に落ちて亡くなる。
竹脇 洋
第1話「NAGISA 1964」に登場する。小学6年生の西宮なぎさが湘南の海で出会った男の子。鵠沼にある大きな屋敷に夏だけやってくるお坊ちゃま。体が弱く、泳ぎもできなかったが、なぎさに教えてもらい泳げるようになる。
桑島 真美
第2話「NAGISA 1966」に登場する。中学2年生になった西宮なぎさのクラスメイト。勉強ができて、美人でスタイルがよく、明るく人気があり、おまけに家は金持ちという完璧少女。学校のプールで溺れているところをなぎさに助けてもらったことがきっかけで交際を始める。
マイケル・ロックウェル (まいけるろっくうぇる)
第3話「NAGISA 1967」に登場する。中学3年生になった西宮なぎさが海で出会った青年。日本語堪能でアメリカ軍の通訳をしている。幼いころに住んでいた江の島にある家を探しており、なぎさに手伝ってもらう。
高橋 浩一 (たかはし こういち)
第4話「NAGISA 1968」に登場する。高校1年生になった西宮なぎさが住む家の隣家で暮らす青年。平塚にある鉄工所に勤める無口で不愛想な男性で、仕事から帰ると愛車のバイクをピカピカに磨いている。夢はF1のレーサーになること。なぎさに頼まれ、バイクに乗せてあげる。
糸園
第5話「NAGISA 1969」に登場する。初老の有名な画家。西宮なぎさの母親が江の島で経営する小さな飲み屋に客としてやってくる。昼は海辺で絵を描いており、西宮なぎさにヌードモデルになってくれないかと頼む。
金崎 光一
第6話「NAGISA 1970」に登場する。高校3年生になった西宮なぎさのクラスメイト。一学期は一度も学校に来ることはなかったが、二学期になって突然やってきた。赤軍派のメンバーだという噂があり、教師や生徒から避けられている。授業中はいつも腕を組んで、天井に顔を向けて目をつぶっている。タバコがきっかけでなぎさと仲良くなる。
尾藤 (びとう)
第7話「NAGISA 1971」と最終話「NAGISA 1972」に登場する。西宮なぎさの母親が江の島で経営する小さな飲み屋にちょくちょく客としてやってくるようになった男性。高倉健似の二枚目中年で、夫を亡くした西宮なぎさの母親のお気に入り。あることがきっかけで西宮なぎさは、サギ師ではないかと疑っている。
桐生 (きりゅう)
第7話「NAGISA 1971」と最終話「NAGISA 1972」に登場する。西宮なぎさが美大を受験するために通う美術研究所の主任講師。ボーッとしていて言葉少ない男性だが、二枚目でなぎさに惚れられている。別居している奥さんと子供がいるという噂。
東 (ひがし)
第7話「NAGISA 1971」と最終話「NAGISA 1972」に登場する。西宮なぎさが通う美術研究所の女性講師で、東京芸大の大学院生。男まさりで誰にでもズバズバと物を言うショートカットの美人。帰り道でいっしょになったなぎさを下宿に招待してくれる。桐生へ思いを寄せるなぎさに対し、人を愛することは武器を相手に渡してしまうこと、愛されることは武器を手に入れることと説き、もっとしたたかに相手から愛されるようにしむけるのだと教える。
佐川
第7話「NAGISA 1971」と最終話「NAGISA 1972」に登場する。西宮なぎさが通う美術研究所の男性講師。長髪で眼鏡をかけた神経質そうな男性で、いつも額に青筋を立ててはネチっこく指導する。そのため、なぎさからは嫌われている。