PandoraHearts

19世紀ヨーロッパに似た架空の世界を舞台に、別次元の空間、アヴィスと100年前の事件を巡る謎解きと戦いが繰り広げられる。『不思議の国のアリス』をモチーフにした作品。

正式名称
PandoraHearts
作者
ジャンル
ダークファンタジー
レーベル
Gファンタジーコミックス(エニックス)
巻数
全24巻
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あらすじ

第1巻

15歳の成人の儀を迎えたオズ=ベザリウスは儀式の最中に何者かに襲われ、身に覚えのない罪により、「アヴィス」と呼ばれる別世界に落とされてしまう。そこでアリスを名乗る少女と契約を交わしたオズは、何とかアヴィスから脱出するが、そこは事件より10年後の世界だった。シャロン=レインズワースザークシーズ=ブレイクと再会したオズは、「レイヴン」を名乗る青年と共に、アリスの失われた記憶を探す事となる。

第2巻

アリスの記憶の手掛かりを探すオズ=ベザリウス達は、チェインとの違法契約者による事件が起こる町に辿り着いていた。そこでは違法契約者による殺人事件が多発しており、オズ達はザークシーズ=ブレイクに頼まれ、その事件の調査も進めていた。そんな時、オズが町で出会った花売りの少女に異変が起こる。

第3巻

町の路地裏でいじめられていた少年のフィリップを助けたオズ=ベザリウスは、彼の話を聞きながら、自分の両親の事を思い出していた。そんな時エコーが現れ、ヴィンセント=ナイトレイの命令でフィリップを連れて行こうとする。一方、アリス達は違法契約者の男性、ウィリアムと町中で遭遇していた。オズは、チェインごとウィリアムを切り裂こうとするアリスを止めようとする。

第4巻

オズ=ベザリウス達のもとを離れたアリスは、ザークシーズ=ブレイクと共にチェシャ猫に連れ去られ、その閉ざされた世界に迷い込む。そこではアリスの記憶の一部があり、混乱したアリスはブレイクから離れてしまう。一方、アリスを助けるため、チェシャ猫の世界に踏み入れたオズとギルバート=ナイトレイは、オズに似た青年のジャック=ベザリウスと遭遇する。

第5巻

チェシャ猫の世界でジャック=ベザリウスと遭遇したオズ=ベザリウス達は、過去の幻影の中で100年前の惨劇「サブリエの悲劇」について知る。そこは100年前であるにもかかわらず、幼いヴィンセント=ナイトレイギルバート=ナイトレイの姿があった。さらにオズは、何者かにアリスが殺されている光景を目にする。

第6巻

エイダ=ベザリウスからの手紙の真実を確かめるべく、オズ=ベザリウス達はエイダの通うラトウィッジ校に潜入する事になる。校内でエイダと再会したオズは、音楽室でピアノを弾いていたエリオット=ナイトレイとその従者であるリーオと知り合う。そんな中、オズは校内に侵入していたバスカヴィルの民と遭遇する。

第7巻

ジャック=ベザリウスに助けられ、バスカヴィルの民を追い払う事に成功したオズ=ベザリウス達は、ラトウィッジ校から無事帰還する。その後オズ達はサブリエの悲劇の情報を得るため、ルーファス=バルマの屋敷に向かう。ようやくバルマに会ったオズ達は、彼を通してザークシーズ=ブレイクの過去を知る事となる。

第8巻

ルーファス=バルマの屋敷で語られたザークシーズ=ブレイクの過去は、オズ=ベザリウスだけでなく、アリスギルバート=ナイトレイの過去とも深く関係していた。かつてアヴィスに落ちた過去を持つブレイクは、アヴィスで見た光景を静かに語りだす。さらにジャック=ベザリウスの手記に記されていた、アリスに関する衝撃の真実が明らかになる。

第9巻

アリスの記憶の手掛かりを求め、かつての首都であり、100年前にサブリエの悲劇が起きたサブリエへと向かったオズ=ベザリウス達。オズはそこでエリオット=ナイトレイリーオに再会する。サブリエの中心地へと向かったオズ達は、アヴィスの力が充満したその地で、それぞれの記憶の幻影に触れていた。再びサブリエの悲劇の光景を見たオズは、バスカヴィルの民の長、グレン=バスカヴィルに出会う。

第10巻

かつてサブリエの悲劇が起きたサブリエで、ギルバート=ナイトレイは自分の記憶の幻影に触れていた。一方、ギルバート達に同行せず、屋敷に残っていたヴィンセント=ナイトレイは、幼い頃の過去を思い出していた。かつてギルバートを助けるために禁断の扉を開けた過去を持つヴィンセントは、パンドラを利用して自分の目的を果たそうとしていた。一方、ギルバートのもとへ戻ったオズ=ベザリウスは、そこで父親のザイ=ベザリウスに再会する。

第11巻

エリオット=ナイトレイと合流し、シャロン=レインズワースの別邸に戻ったオズ=ベザリウス達は、束の間の休息を得たあと、カリオン地方の封印の術師、リータスの屋敷に向かう事になる。そこには、かつてバルマ家がジャック=ベザリウスの体で作られた封印の石があった。しかしオズ達が屋敷を去ったあと、リータスは何者かに惨殺されてしまう。

第12巻

リータスの屋敷にあった封印の石が破壊され、首狩りが再来した事により、パンドラは警戒を始める。そんな中、オスカー=ベザリウスの提案により、オズ=ベザリウス達はお茶会に参加する事になる。オズはエリオット=ナイトレイ達と共に、ささやかな休息を楽しんでいた。しかしアヴィスの秘密を探ろうとするイスラ=ユラが現れた事で、束の間の平穏は再び終わりを告げる。

第13巻

イスラ=ユラの屋敷で開催される事になった、オズ=ベザリウスの社交界デビューパーティー。その中でオズはリーオと話し、彼とエリオット=ナイトレイの過去を知る。しかし屋敷に首狩りが現れて騒ぎになり、さらにバスカヴィルの民も再び動き出していた。騒動の中、オズ達は屋敷内でフィリップと再会し、ユラによってサブリエの悲劇を再現する悲劇が行われようとしている事を知る。

第14巻

フィリップを追いかけていたオズ=ベザリウスアリスは、イスラ=ユラによって、屋敷の地下に囚われてしまう。ユラとアヴィスの救済を求める人々によって、サブリエの悲劇再来の危機の中、ザークシーズ=ブレイクバスカヴィルの民と対峙していた。一方ヴィンセント=ナイトレイと合流したギルバート=ナイトレイは、オズを救出するため、屋敷の地下に向かう。

第15巻

地下の悲劇の中で、エリオット=ナイトレイは自分が特殊なチェイン「ハンプティ・ダンプティ」の違法契約者であった事を悟る。曖昧だった記憶が少しずつ戻る中、エリオットは暴走する自分のチェインを止めるべく、必死に足掻こうとしていた。オズ=ベザリウスがほかのチェインと戦っている中で、エリオットは自身のチェインを否定し、その命と引き換えに悲劇を止めようとする。

第16巻

イスラ=ユラの屋敷での事件から数日後、オズ=ベザリウスギルバート=ナイトレイアリスと共に、レベイユの街で久々の自由行動をする事になる。それぞれの思いが交錯する中、オズ達は街中で、行方不明となっていたリーオと再会する。グレン=バスカヴィルの魂を持つ彼は、ヴィンセント=ナイトレイを従者として連れて現れ、その目的をオズに告げる。

第17巻

リーオオズ=ベザリウスが和解しかけたその瞬間、オズの中にいるジャック=ベザリウスが鎖でリーオの体を貫く。一方、壊された封印の石から出てきたのは、グレン=バスカヴィルの首だった。ジャックによって気を失ってしまったオズは、夢の中でジャックの記憶を見る。それはサブリエの悲劇よりも昔の時代で、そこにはジャックとグレン、そしてグレンの妹、レイシーの姿があった。

第18巻

オズ=ベザリウスリーオを守るためにジャック=ベザリウスを止めようとする。しかしジャックの言葉と記憶の中で、オズはサブリエの悲劇の真実と自分の本当の正体を知る。一方、壊された封印の石の前で、ギルバート=ナイトレイは100年前の記憶をすべて取り戻していた。そしてそこにいた面々はルーファス=バルマの言葉で、サブリエの悲劇の真の黒幕について知る事となる。

第19巻

リーオバスカヴィルの民によってパンドラが占拠され、ギルバート=ナイトレイと離れたオズ=ベザリウスは地下牢に囚われてしまう。そしてオズの言葉によって消滅したアリスは、目覚めた先で片割れであるアヴィスの意志と対面していた。そんな中、オスカー=ベザリウスは兄のザイ=ベザリウスと再会し、オズの正体とジャック=ベザリウスの真実を知る。

第20巻

オズ=ベザリウスを守るため、ギルバート=ナイトレイは自らの腕を焼いてグレン=バスカヴィルに逆らう。何とかグレンから逃げ切った二人は、オスカー=ベザリウスと再会し、パンドラから脱出しようとする。しかしオスカーがオズに近付いた瞬間、ギルバートはオズに銃口を向けるのだった。

第21巻

オスカー=ベザリウスと離れパンドラから脱出したオズ=ベザリウス達は、ラトウィッジ校に身を潜めていた。オズ達はレイム=ルネットと共に、ラトウィッジ校の一室に保管されていた手紙を見つけ出す。一方、グレン=バスカヴィルヴィンセント=ナイトレイルーファス=バルマを連れてサブリエに向かっていた。

第22巻

ルーファス=バルマが残した暗号を解読したオズ=ベザリウス達は、ザークシーズ=ブレイクシャロン=レインズワースに再会する。そしてオズはグレン=バスカヴィルを止めるために、仲間と共にサブリエへ向かう。その頃、ツヴァイに連れ去られてサブリエに来ていたエイダ=ベザリウスが危機に陥っていた。そしてサブリエの空はガラスのようにヒビが入り、上空からはチェインが次々と現れ始める。

第23巻

世界の行く末のすべてをオズ=ベザリウスにかけたルーファス=バルマの意志を継ぎ、レイム=ルネットバスカヴィルの民に和解を持ち掛ける。その頃、オズ達は過去へ向かったグレン=バスカヴィルを追ってサブリエに来ていた。オズ達はアヴィスに刻まれた記憶の洪水にのまれながら、グレンのもとへ辿り着く。そこにはアリスを守ろうとするチェシャ猫の姿があった。

第24巻

サブリエの悲劇が起こった時代に戻ったグレン=バスカヴィルアリスは、過去のグレンとジャック=ベザリウスが戦っている光景に遭遇する。アリスはその場を離れ、塔の中にいるアヴィスの意志のもとへ向かう。オズ=ベザリウスは、過去を改竄する事なくアヴィスと世界を救うため、グレンに協力を求める。それはアヴィスの意思から、もう一人のアリスを解放する事だった。

登場人物・キャラクター

オズ=ベザリウス

ベザリウス家の次期当主で、父親がザイ=ベザリウス、母親がレイチェル=セシル。幼い頃に母親を亡くし、父親からは「穢らわしい」と呪われている。子供のない叔父のオスカー=ベザリウスが父親代わりとなって育てた。性格は明るくて屈託なく、頭脳明晰で勇敢。父親に受け入れられないことが心の傷となっている。 15歳を迎えて成人の儀を行う際、ツヴァイらバスカヴィルの民にアヴィスへ落とされてしまう。アリスとの契約を経て戻るが、こちらの世界ではその間に10年が過ぎていた。チェインであるアリスに対して、当初から強い共感と信頼を感じている。オズの正体は、成長と若返りを繰り返すジャック=ベザリウス。 赤ん坊にまで若返った時点で、死産したザイの子とすり替えられた。ただしジャックの魂はすでに失われ、代わりにその体に宿っていた血染めの黒うさぎ(ビーラビット)のチェイン=オズの魂が、オズ=ベザリウスの人格となっている。血染めの黒うさぎのチェインは記憶が失われていたため、真相を知るまで自分が本当にザイとレイチェルの息子だと思っていた。

アリス

オズ=ベザリウスが初めてアヴィスを訪れた時に契約したチェイン。血染めの黒うさぎ(ビーラビット)のチェイン=オズの力を宿していた。アリスは契約者の体に宿る通常のチェインと異なり、常に黒い髪の少女の形と人格を保ち、普通の人間と同様に行動する。 アヴィスから抜け出して記憶を取り戻すため、オズと契約した。がさつで乱暴な性格だが、オズとは固い信頼関係で結ばれるようになる。アリスの正体は、アヴィスの闇でレイシーの体から生まれた双生児・アリスの片方。こちらの世界に現れた後、グレン=バスカヴィルによって時計塔に幽閉されていた。 やがてサブリエの悲劇の際、ジャック=ベザリウスが自分を利用して世界を終わらせるのを防ぐため、自ら命を絶つ。以後チェインとしてアヴィスに囚われ、記憶を失った。

アヴィスの意志

実験によってレイシーの体から生まれた双生児・アリスの片方。もう1人の黒い髪のアリスと対照的に、真っ白な髪をしている。アヴィスの闇で生まれ、そこにあったアヴィスの核を宿して一体化。これによってアヴィスの根幹をなす存在に。レイシーの記憶を受け継いでおり、アヴィスの最下層でジャック=ベザリウスとの再会を待ち続ける。 同時に自分が破壊されることも願っていたが、次第に精神が均衡を失っていく。

オズ

ジャック=ベザリウスがアヴィスの意志に作らせ、自ら契約した血染めの黒うさぎ(ビーラビット)のチェイン。世界を守る鎖を断ち切る力を宿す。ジャックと契約したことでその体に宿り、後に記憶を失ったオズの魂がオズ=ベザリウスの人格となった。 原型は、時計塔に幽閉されていたレイシーが「自分が苦しんでいたら助けて」と話しかけていた黒うさぎのぬいぐるみ。

レイシー

バスカヴィルの民で、紅の眼を持った禍罪の子。オズワルドの妹であり、オズとは別の血染めの黒うさぎのチェインを宿している。少女時代にジャック=ベザリウスと出会い、忘れ難い思い出を与えた。後にグレン=バスカヴィルの魂を受け継いだ兄のオズワルドが、バスカヴィルの儀式としてアヴィスの闇へ落とし、消滅させられた。 だがレヴィはその前にアヴィスの力を利用するための実験として、レイシーを身ごもらせていた。その結果アヴィスの闇で2人のアリスが生まれ、1人がこちらの世界に現れる。そしてもう1人がアヴィスの意志としてアヴィスの最下層にとどまった。

グレン=バスカヴィル

バスカヴィルの長。不滅の魂を持ち、その器となる人間を替えながら代々バスカヴィルの民に君臨してきた。魂の器となった者に、レヴィ、オズワルド、リーオらがいる。オズワルドの代にサブリエの悲劇でジャック=ベザリウスに体を滅ぼされた後、魂を5つの封印の石で封印された。 だがバスカヴィルの民がこれを全て破壊し、完全に復活したグレンがリーオに宿った。かつてジャバウォック、鴉(レイヴン)、愚鳩(ドードー)、梟(アウル)、グリフォンの5体のチェインを体に宿していたが、ジャバウォック以外の4体を四大公爵家に奪われている。ジャック=ベザリウスを気に入り、友としていた。 100年前にジャックが世界をアヴィスに落とそうとした時、5つのチェインを解放して鎖の崩壊を阻止。首都サブリエを落とす代わりに、世界全体を救った。その際にサブリエでバスカヴィルの民に殺戮を命じるが、これは都市もろともアヴィスに落ちた人々の魂を救うのが目的。 生きたままアヴィスに落ちるとチェインとなって魂が救済されないが、人間として死ねば百の巡りによって魂が再び蘇る。

ジャック=ベザリウス

辺境で暮らしていた没落貴族で、少年時代にレイシーと出会ったことが生涯忘れられない思い出となる。後に国を救った英雄として語り継がれるが、実際は世界をアヴィスに落として滅ぼそうとした張本人。禍罪の子としてアヴィスの闇に落とされたレイシーに、彼女が愛した世界を届けるというのがその目的だった。 ジャックは世界をつなぎ止める鎖を破壊するため、強大な力を持つ血染めの黒うさぎ(ビーラビット)のチェイン=オズと契約。だがジャックの企みはグレン=バスカヴィルとアリスに阻止され、失敗に終わった。その影響でジャックはアヴィスの摂理を外れた存在となり、赤ん坊から青年時代までの成長と若返りを繰り返すようになる。 同時に魂が複数に砕けて、一部がアリスの記憶のなかに宿った。ジャックの体に残ったほうの魂は、やがて消滅。だが後にオズ=ベザリウスがアリスの記憶を取り戻そうとした時、そこにあった魂の一部が元の体に帰ってくる。元の体を支配したジャックの魂は血染めの黒うさぎのチェインを使って、再び鎖を破壊した。

ザイ=ベザリウス

オズ=ベザリウスの父親で、オスカー=ベザリウスの兄。死産した子の身代わりとして赤ん坊になったジャック=ベザリウスを引き取り、オズ=ベザリウスとして育てる。だがやがてジャックの邪悪な本性を知り、オズを我が子として扱わずに冷遇した。グリフォンのチェインと契約している。

オスカー=ベザリウス

ベザリウス家当主、四大公の1人。ザイ=ベザリウスの弟。子供の死産で同時に妻も亡くし、オズ=ベザリウスを我が子のように慈しんで育ててきた。オズの正体を知った後も、変わらずに愛情を注ぐ。

潜む瞳

『PandoraHearts』に登場する存在。人間が暮らす側の世界やアヴィスがある世界よりも、1つ外側の世界の住人。世界=物語を記録し、最果ての書庫に持ち帰るのが目的。バスカヴィルの民にアヴィスを与え、さまざまな結末を観察していた。

イスラ=ユラ

隣国の権力者の息子で、オズ=ベザリウスたちの国で5つの封印の石の1つが地下に眠る屋敷を偶然手に入れた。アヴィスの謎に魅せられ、好奇心を満たすためにサブリエの悲劇を再現する計画を立てる。そのためにアヴィスを楽園と信じるカルト教団まで作り上げた。オズの社交デビューと称した宴を催し、ハンプティダンプティのチェインを利用して大量殺戮を繰り広げる。 ジャックの魂がオズの体を借りて殺害。

エリオット=ナイトレイ

ナイトレイ家の嫡子で気位が高いが、責任感も強い。ナイトレイ家に引き取られたギルバート兄弟の義弟にあたる。紆余曲折を経て、オズ=ベザリウスと親友になった。かつてサブリエの穴でチェインに襲われ瀕死となった際、従者のリーオがハンプティダンプティのチェインと契約させることで生きながらえさせる。 だがハンプティダンプティはエリオット=ナイトレイが知らない間に凄惨な殺戮を重ね、2人の兄と姉まで手にかけてしまう。真相を知ったエリオットは、ハンプティダンプティを道連れに死を選んだ。

リーオ

エリオット=ナイトレイの従者で、100年前に死んだグレン=バスカヴィルの魂を継ぐ。パンドラが作った孤児院・白き天使の家(フィアナの家)出身。エリオットと固い友情で結ばれており、その死の元凶を作ったアヴィスの意志を憎悪するようになった。やがてヴィンセント=ナイトレイの導きでグレンの魂を継ぐ運命を受け入れ、リーオ=バスカヴィルと名乗る。 グレンの魂を宿したことで、ジャバウォックのチェインを使う。バスカヴィルの民を率いてパンドラを制圧、四大公爵家を屈服させた。バスカヴィルの最後の扉を通って過去へ戻り、アヴィスの意志の母体となる前のレイシーを殺そうとする。

シャロン=レインズワース

シェリル=レインズワースの孫でシェリーの娘。パンドラの契約者として一角獣(エクエス)のチェインと契約している。契約にともなうアヴィスの力により、15歳の少女のまま体が年を取らない。ザークシーズ=ブレイク、ギルバート=ナイトレイとともに、パンドラの一員としてアヴィスの謎を追っていた。 ブレイクを兄のように慕っている。

ザークシーズ=ブレイク

レインズワース家に仕える。パンドラの一員で、パンドラの契約者としてイカレ帽子屋(マッドハッター)のチェインと契約している。シャロン=レインズワース、ギルバート=ナイトレイらとアヴィスの謎を追い、オズ=ベザリウスやアリスとも信頼し合う仲間となった。 かつてサブリエの悲劇より前、騎士ケビン=レグナードとしてシンクレア家に仕える。だがシンクレア家の人々が何者かに惨殺され、過去を書き換えるため白の騎士のチェインと契約。供物とする人間を数多く惨殺した後、アヴィスの最下層に落とされた。そこでアヴィスの意志に左目を奪われた後、サブリエの悲劇を経てこちらの世界に帰還。 2つのチェインと契約した負担から体が急速に衰えており、やがて残った右目も光を失う。リーオ=バスカヴィルを追うオズ=ベザリウスらをバスカヴィルの最後の扉に誘った後、力尽きた。

ルーファス=バルマ

バルマ家当主で、四大公の1人。四大公の中で最年長だが、外見は長髪の青年である。知識欲が旺盛で謀略に長けた人物。暗号で書かれた過去の文献を解読し、英雄とされたジャック=ベザリウスの本性を突き止める。リーオ=バスカヴィルを油断させるためバスカヴィルの民によるパンドラの制圧を助けるが、脱出したオズ=ベザリウスらの元へ密かにレインズワースの鍵を届けさせた。 愚鳩(ドードー)のチェインと契約している。

シェリル=レインズワース

レインズワース家当主で、四大公の1人。シャロン=レインズワースの祖母、シェリーの母親である。幼なじみのルーファス=バルマとあつい信頼で結ばれ、四大公爵家に伝わるアヴィスの扉の鍵を交換し合っていた。梟(アウル)のチェインと契約している。 シャロン、ザークシーズ=ブレイクらの庇護者として、リーオ=バスカヴィルらと対立。

ヴィンセント=ナイトレイ

ギルバート=ナイトレイの弟で、片方(右)だけ紅の眼を持った禍罪の子。幼い頃に兄ギルバートと生き別れになっていたところをナイトレイ家に拾われ、養子となる。ナイトレイ家に仕えながら密かにバスカヴィルの民と通じ、四大公が持つアヴィスの扉の鍵を手に入れようとしていた。 表面的にはおだやかに振る舞うが、兄への偏愛と狂気じみた残虐さに取り憑かれている。パンドラの契約者として眠り鼠(ヤマネ)チェインと契約。また密かに死刑執行人(ディミオス)のチェインと二重契約している。兄弟が生まれたのはサブリエの悲劇以前。幼い2人はバスカヴィルの民として、グレン=バスカヴィルに仕えていた。 だがジャック=ベザリウスは禍罪の子であるヴィンセントをだましてアヴィスの扉を開けさせ、サブリエの悲劇をもたらす。兄弟はその後アヴィスの歪んだ時間を通じて100年後の世界へ戻った。ヴィンセントは惨劇の原因を作った自分が存在しない世界をギルバートに与えたいと願い、過去を書き換えようとするリーオ=バスカヴィルに従う。

ギルバート=ナイトレイ

ヴィンセント=ナイトレイの兄。幼い頃、ベザリウス家の屋敷の庭に倒れているところをオスカー=ベザリウスに拾われた。オズ=ベザリウスの忠実な従者として育ち、無二の友情で結ばれる。オズが成人の儀の場でアヴィスへ消えた後、その行方を探す目的でナイトレイ家の養子になった。 ヴィンセントと異なり、かつてバスカヴィルの民としてグレン=バスカヴィルに仕えた頃の記憶がない。だがかつてグレンと結んだ誓約により、ナイトレイ家が所有する鴉(レイヴン)のチェインと契約する資格を有していた。後にグレンとの誓約を刻んだ左腕を鴉のチェインの力で焼き切り、束縛から自由になる。 オズの戦いを支え続け、その最期を見届けた。

レイム=ルネット

幼い頃からバルマ家に仕えてきたルネット伯爵家の第二子。ザークシーズ=ブレイクとは十年来の親友である。パンドラの契約者として三月うさぎ(マーチヘアー)のチェインと契約。戦闘は得意とせず、敵対するロッティらを説得して協力関係を結ぶことに成功した。

エイダ=ベザリウス

オズ=ベザリウスの妹だが、10年前の姿のままアヴィスから戻ってきたオズよりも年長になっていた。ラトウィッジ校に通う。ヴィンセント=ナイトレイがベザリウス家のアヴィスの鍵を手に入れるために接近した。エイダはその真意を知った後も、傷ついたヴィンセントをやさしくいたわった。

四大公爵家

サブリエの悲劇の混乱に乗じた逆賊を討ち果たした英雄たちの一族とされる。実際にはアヴィスに通じる扉とチェインを手に入れたことで、その地位を保証されてきた。ベザリウス家(オスカー=ベザリウス公爵)、ナイトレイ家(バーナード=ナイトレイ公爵)、レインズワース家(シェリル=レインズワース女公爵)、バルマ家(ルーファス=バルマ公爵)からなる。

バーナード=ナイトレイ

ナイトレイ家当主で、四大公の1人。エリオット=ナイトレイの父親である。妻は息子3人を惨殺されたショックで精神を病み、イスラ=ユラのカルトに耽るように。末っ子のエリオット=ナイトレイの従者・リーオがグレン=バスカヴィルの魂を継ぐ者であることに早くから気づき、いずれ切り札に使うつもりだった。 エリオットがハンプティダンプティのチェインと契約したことも知っていたが、チェイン研究でほかの3家に遅れを取るナイトレイ家が挽回するために利用する。イスラ=ユラ邸での惨劇の後、ヴィンセント=ナイトレイに殺された。

ツヴァイ

バスカヴィルの民で、少女の姿をしている。ロッティ、ファング、ダグ、リリィらとともに、オズ=ベザリウスらと戦いを繰り広げた。ドルディーというチェインと契約している。エコーの別人格。

フィリップ

町の路地裏でいじめられていたところを、オズ=ベザリウスに助けられた少年。実はその町で連続して起きていた殺人事件の犯人・ウィリアムの息子。ウィリアムが違法契約者として死亡したあとは、四大公爵家のナイトレイ家に保護される。その後はサブリエにある「フィアナの家」で暮らしている。

エコー

生まれた時からナイトレイ家に仕え、ヴィンセント=ナイトレイを主とする。正体は、ツヴァイの別人格。ツヴァイに宿るチェインのドルディーが、契約者の心が崩壊するのを防ぐために仮の人格として作り出した。契約者本来の人格=ノイズに対する反響音という意味で、エコーと呼ばれる。 感情を持たないように振る舞うが、オズ=ベザリウスと少しずつ打ち解けた。

ロッティ

バスカヴィルの民で、少女の姿をしている。ファング、ダグ、ツヴァイ、リリィらとともに、オズ=ベザリウスらと戦いを繰り広げた。リオンというチェインと契約している。本名はシャルロット。サブリエの悲劇の際、グレン=バスカヴィルの命令で殺戮を実行。 かつてグレンの忠実な僕だったが、リーオ=バスカヴィルの行動に疑問を抱くように。やがてレイム=ルネットの説得でリーオを諫める立場に回る。

チェシャ猫

契約者を持たないチェインで、アヴィスの意志を信奉している。自分だけの独自の空間を作り、アリスをそこに引き込んで殺そうとした。サブリエの悲劇以前、普通の猫だった頃にヴィンセント=ナイトレイにはさみで両目をつぶされた。ケビン=レグナードだったザークシーズ=ブレイクがアヴィスに落とされた際、アヴィスの意志はその左目を奪ってチェシャ猫に与えた。

集団・組織

パンドラ

『PandoraHearts』に登場する組織。表向きは国直属の治安維持機関だが、アヴィスの研究およびそれに関する事件を解決する役目を負う。アヴィスの力を手に入れるため、アヴィスの核と一体化したアヴィスの意志を手に入れようとしている。

バスカヴィルの民

『PandoraHearts』に登場する集団。グレン=バスカヴィルを長とする人々だが、血のつながりがある一族ではなく、使者としてアヴィスに選ばれることでバスカヴィルの民となる。かつてアヴィスにつながる5つの扉を持っていたが、サブリエの悲劇を経て四大公爵家に4つを奪われた。超人的な生命力を持ち、銃で頭を撃たれても死なない。 ただし体の再生が追いつかなくなると、砂のように崩壊して死ぬ。サブリエの悲劇以後100年にわたって沈黙を守り、その存在が忘れられていた。しかしオズ=ベザリウスの成人の儀で姿を現した後、扉の奪還とグレン=バスカヴィルの復活のため活動を始める。

ラトウィッジ校

『PandoraHearts』に登場する学校。オズ=ベザリウスたちの国でトップ3に入る優秀校で、オズの妹エイダ=ベザリウスが通っている。オズが同校を訪れた際、エリオット=ナイトレイと従者のリーオに出会った。パンドラが拠点とする建物と地下の秘密通路でつながっている。

場所

アヴィス

『PandoraHearts』に登場する世界。こちらの世界とは別の次元に存在する空間。罪を犯した者が落とされると言い伝えられていた。生命のないものに意志を与えるいっぽう、アヴィスに落ちた人間をチェインに変える。あらゆる時の流れとつながり、全ての生と死を生み出す混沌の世界とも言われていた。かつては金色の光に包まれた美しい世界だったが、アヴィスの意志の出現で暗く歪んだ世界となってしまう。 同時に時間の流れも狂い、アヴィスからこちらの世界に戻ってくると10年ないし100年もの時間が経っていることがある。

サブリエ

本作に登場する地名で、100年前にサブリエの悲劇が起こって壊滅した、かつての首都。現在はパンドラに管理される立ち入り禁止区域となっているが、外側はスラム街になっている。中央に進むほどアヴィスの力が充満しており、記憶の幻影に迷い込んだり、アヴィスの力に蝕まれる危険もある。

その他キーワード

チェイン

『PandoraHearts』に登場する用語。アヴィスで生まれた生命体の総称。人間との契約を通じてこちらの世界にとどまることが可能で、契約者にその能力を与える。外見も能力もチェインによって千差万別。ふだんは契約者の体内に宿っており、必要に応じて姿を現して能力を使う。人間を襲って食うために甘い言葉で契約をそそのかし、殺戮を重ねるチェインも多い。 またアヴィスに落ちた人間は、長い時間を経て異形のチェインに成り果てる。

契約

『PandoraHearts』に登場する用語。存在が不安定なチェインがこちらの世界で存在し続けるために欠かせないプロセス。人間がチェインの血を体に取り込み、名前を呼ぶことで成立する。本来はバスカヴィルの民にだけ許された権利だった。それ以外の者が契約を行うと、断罪までのタイムリミットを告げる時計の針の刻印が左胸に現れる。 針が一周するとアヴィスの最下層に落とされる決まり。ただしパンドラはチェインの血を取り込ませる封血鏡を作り出し、断罪の刻印なしに契約することを可能にした。パンドラはこの封血鏡を使わない契約を違法と定め、違法契約者を取り締まっている。

違法契約者

アヴィスから出たチェインと、正式な段階を踏まずに契約した契約者の名称。主にチェインに「過去を変えられる」と持ち掛けられ、それに惹かれた人間が違法契約者となる事が多い。またオズ=ベザリウスのように、アヴィスに落ちた人間が違法契約となる事もある。違法契約者は胸に時計型の刻印が現れ、この針が一周するとアヴィスの奥に落とされるなど、通常の契約よりも危険が多い。

『PandoraHearts』に登場する用語。人間が暮らす側の世界は、アヴィスに引きずり込まれないよう目に見えない鎖で守られている。ジャック=ベザリウスはこの鎖を断ち切る力を持つ血染めの黒うさぎ(ビーラビット)のチェインと契約し、世界を丸ごとアヴィスに飲み込ませようとした。

サブリエの悲劇

『PandoraHearts』に登場する用語。100年前に起こった惨劇。かつての首都サブリエがアヴィスに飲み込まれた事件を指す。その際にバスカヴィルの民が生け贄を求めて殺戮を行ったと伝えられているが、実際には人々のチェイン化を防いで魂を救うのが目的だった。後に忘れ去られたこの事件の真相を、パンドラやバスカヴィルの民が追い求めている。 都市がアヴィスに落ちた跡はサブリエの穴と呼ばれ、周縁がスラム化。穴に入った者はアヴィスの力に惑わされて出られなくなり、やがてチェイン化する。

禍罪の子

『PandoraHearts』に登場する用語。紅の眼を持ち、忌み嫌われてきた人々を指す。アヴィスの核が気まぐれに作り出した異質な存在。バスカヴィルの民を監視する潜む瞳(ジーリィ)たちは禍罪の子を認識できず、代々のグレン=バスカヴィルを使ってアヴィスの闇へ落とさせてきた。禍罪の子はそこで完全に消滅させられる。 アヴィスの核への接触はグレン=バスカヴィルにだけ許されていたが、禍罪の子も同じ能力を持つとされる。

首狩り

連続する謎の殺人事件の犯人の通称、あるいは事件の総称。いずれも被害者の首が飛ばされている事から、「首狩り」と呼ばれている。「首狩りの女王」と呼ばれる謎のチェインが関係している。

封印の石

各地の神殿にある巨大な石で、グレン=バスカヴィルの魂を封印する目的で作られていた。サブリエの悲劇のあと、悲劇の再来を防ぐために、ジャック=ベザリウスの意思で術師によって作られていた。またジャックの体の一部がそれぞれの石の中に入れられている。

書誌情報

Pandora hearts 全24巻 エニックス〈Gファンタジーコミックス〉 完結

第1巻

(2006年11月発行、 978-4757518087)

第2巻

(2007年4月発行、 978-4757519794)

第3巻

(2007年8月発行、 978-4757520622)

第4巻

(2008年1月発行、 978-4757521933)

第5巻

(2008年5月発行、 978-4757522725)

第6巻

(2008年9月発行、 978-4757523678)

第7巻

(2009年1月発行、 978-4757524545)

第8巻

(2009年4月発行、 978-4757525269)

第9巻

(2009年8月発行、 978-4757526310)

第10巻

(2009年11月発行、 978-4757527355)

第11巻

(2010年3月発行、 978-4757528338)

第12巻

(2010年7月発行、 978-4757529472)

第13巻

(2010年11月発行、 978-4757530775)

第14巻

(2011年3月発行、 978-4757531826)

第15巻

(2011年7月発行、 978-4757533042)

第16巻

(2011年11月発行、 978-4757533561)

第17巻

(2012年3月発行、 978-4757533585)

第18巻

(2012年7月発行、 978-4757536821)

第19巻

(2012年11月発行、 978-4757535848)

第20巻

(2013年5月発行、 978-4757535855)

第21巻

(2013年11月発行、 978-4757541511)

第22巻

(2014年4月発行、 978-4757541979)

第23巻

(2015年6月発行、 978-4757545281)

第24巻

(2015年6月発行、 978-4757545298)

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