概要・あらすじ
物語の舞台は昭和30年代。凶悪犯として罪をおかした水上真理雄たち6人の少年は湘南特別少年院二舎六房に入所となる。その後、6人の少年たちは二舎六房で知り合った桜木六郎太からの教えを胸に刻み、世間の不条理や苦しみに立ち向かいながら、それぞれの人生を強く歩み続ける。
登場人物・キャラクター
水上 真理雄 (みなかみ まりお)
女子高生に暴行を加えようとした担任教師に重傷を負わせ、湘南特別少年院二舎六房に入所する。直情型で仲間思いな性格。二舎六房で桜木六郎太と出会い、ボクシングの手ほどきを受ける。看守の石原たちに殺害されそうになった桜木を助けるために湘南特別少年院を脱獄する。 桜木の死後は、入所中に右手の拳を骨折したことでボクシングから遠ざかり、バーテン見習いなどをしていたが、その後右手を治療する機会が訪れ、桜木の夢を継いでボクシングの世界チャンピオンを目指す。
桜木 六郎太 (さくらぎ ろくろうた)
米兵への暴行傷害で湘南特別少年院二舎六房に入所している。厳しいながらも優しく面倒見のいい性格で、後から入室してきた水上真理雄たち6人から慕われている。ボクシングの世界チャンピオンになって、母親に孝行することを夢見ている。看守の石原と病院の院長佐々木義助のある秘密を知っており、石原たちから執拗に狙われている。 出所を目前にして石原に殺害されそうになり、マリオたちの助けを受けて脱獄するが、その後佐々木の策略で死亡する。
前田 昇 (まえだのぼる)
窃盗を繰り返して湘南特別少年院二舎六房に入所。6人の中では一番小柄な少年。丈夫な歯を持ち、一度噛みついたら絶対に離れないことからスッポンというあだ名を持つ。幼少期は広島に住んでおり、原爆孤児。出所後は商売に目覚め、闇屋や金貸し業を営んで、仲間たちを金銭面で支える。
遠山 忠義 (とおやま ただよし)
母親を守るために正当防衛の範囲を越えて暴力を振るい、湘南特別少年院二舎六房に入所。母親から、死別した父親は立派な軍人だったと聞かされて育ち、自分も軍人になることを志しているため、ヘイタイというあだ名を持つ。自衛隊に入隊したことで他の仲間達よりも早く出所し、その後も立場を活かして仲間たちを支え続ける。
野本 龍次 (のもと りゅうじ)
繁華街で詐欺と置き引きを繰り返し、湘南特別少年院二舎六房に入所。眼鏡をかけ、いつも本を読んで悪巧みをしている。桜木六郎太の脱獄計画を立てるなど、二舎六房メンバーの中では参謀的な存在。あだ名の由来は「バレてもともと」から。出所後は弁護士を目指して勉強しているが、司法試験には落ち続けている。
松浦 万作 (まつうら まんさく)
泥酔して暴力を振るい、湘南特別少年院二舎六房に入所。大柄で太った気のやさしい少年。あだ名の由来は右肩にしている若牡丹の刺青が、一見キャベツのように見えるため。出所後はなかなか目指す道を見つけられなかったが、ヤクザの有藤の紹介でプロレスラーになる。
横須賀 丈 (よこすか じょう)
自分を犯そうとした相手に暴力を振るい、湘南特別少年院二舎六房に入所。ハーフで金髪碧眼の少年。産まれて間もない妹のメグとふたりで孤児院に捨てられた過去を持つ。入所中にメグが養父に引き取られ、生き別れとなる。出所後は有名になってメグを探すという目的から「大物歌手になる」という夢を持ち、歌手活動を始める。
石原 (いしはら)
湘南特別少年院の看守で、二舎六房を担当している。嘱託医の佐々木義助とグルになり、入所している少年たちをいたぶっている。過去に萩野栄一という少年を自殺に追い込んでおり、その証拠を持つ桜木六郎太を目の敵にし、事故に見せかけて殺害しようとしている。
佐々木 義助 (ささき ぎすけ)
湘南特別少年院の嘱託医。表向きは温厚な老人だが、少年愛嗜好を持つ。看守の石原と共謀し、立場を利用して気に入った少年を陵辱している。萩野栄一を自殺に追い込んでおり、その証拠を持つ桜木六郎太を策略の上で殺害する。その後、市長選に出馬するが、出所した二舎六房のメンバーたちによって社会的に抹殺される。
横須賀 メグ (よこすか)
横須賀丈の妹で、兄と同じく金髪碧眼のハーフ。ジョーが湘南特別少年院に入所している時期に、養父に引き取られて孤児院を出る。その後、養父からは性的虐待を受けて家を出ていたが、ジョーが歌手活動を始めたことでジョーと再会し、二舎六房のメンバーたちと出会う。 二舎六房メンバーたちの協力を得て養父と離縁した後には、遠山忠義と恋に落ちる。
小池 節子 (こいけ せつこ)
湘南特別少年院近くにある湘南病院の看護師。怪我をして入院した桜木六郎太と恋に落ち、脱獄にも協力する。桜木の死後は、水上真理雄に好意を寄せられ、一度は受け入れる。しかし、桜木のことを忘れることができず、見合いをして則松俊郎と結婚し、二舎六房のメンバーたちの元を去る。 その後、則松が外国人詐欺グループによって窮地に立たされた際に二舎六房のメンバーたちと再会する。
リリィ
米軍基地で売春を行っているパンパン。賭けボクシングで基地を訪れた水上真理雄前田昇たちと知り合う。基地内で地位の高い将校の愛人で、立場を利用して二舎六房のメンバーを支えていたが、将校に騙されて財産を失う。その後、紆余曲折を経てバーの経営を始める。
ジェフリー
米兵。ボクシングが趣味で、脱獄して間もない水上真理雄と米軍基地内で賭けボクシングを行い敗北。それがきっかけで、マリオと知り合いになる。体調を崩した前田昇の検査をするために米軍基地を訪れたマリオと再会し、右手の手術を受けてボクシングを再開するように勧めた。
ジミー・ブラウン
ボクシングトレーナーの黒人男性。米軍基地にも出入りしており、ジェフリーの紹介で水上真理雄のトレーナーとなる。マリオの才能を認め、世界チャンピオンを目指すためのトレーニングを開始する。
有藤 (ありとう)
暴力団福本組の幹部。横須賀丈が歌手として最初に契約したプロダクションのバックについていたヤクザで、ジョーが他のバンドとトラブルになったことがきっかけで二舎六房のメンバーたちと知り合う。松浦万作を福岡組に引き取るが、キャベツがヤクザに向いていない性格であることを知り、プロレスラーに転向させる。 その後、独立して有藤組組長となる。
田中 (たなか)
暴力団福本組に所属するヤクザで有藤の部下。松浦万作の教育係を命じられる。その際にキャベツに命を救われたことがきっかけで二舎六房のメンバーたちと知り合い、陰から二舎六房のメンバーたちを支える。ヤクザになる前はプロボクサーを目指しており、水上真理雄のセコンドを務めることも。
岩崎 (いわさき)
遠山忠義の後輩自衛官。窃盗で逮捕され、少年院に入所するのを避けるために自衛隊に入隊する。少年院出身者に憧れを抱いており、ヘイタイを慕う。外国人詐欺グループと戦った際には、自分の身を犠牲にしてまで協力し、二舎六房のメンバーたちにも仲間と認められる。
迫田 鉄 (さこた てつ)
桜木六郎太のボクシングジムの先輩で、桜木から慕われていた。日本人ランカーの実力を持つ。米兵と喧嘩をした際に桜木にかばわれ、少年院送りを避けるが、実は桜木の知らないところでは粗暴な面を持ち、様々な悪事に手を染めていた。桜木の入所後、別の事件で湘南特別少年院に入所し、脱獄。 その後は、有藤組に所属するヤクザになっていたが、二舎六房のメンバーたちの働きによって、再びボクシングへの道を歩み始める。
クレジット
- 原作
-
安部 譲二
アニメ
RAINBOW-二舎六房の七人-
昭和30年、6人の少年が犯罪を犯したために湘南特別少年院の二舎六房に入ってきた。そこで出会ったのは米兵暴行傷害で入所していた桜木六郎太。6人は桜木六郎太から愛と勇気を持って強く生きることを教えられ、出... 関連ページ:RAINBOW-二舎六房の七人-