青少年アシベ

青少年アシベ

森下裕美の『少年アシベ』で、小学2年生だった芦屋アシベ達が高校1年生になった世界を、ほのぼのと描く青春ストーリー。かつて共に暮らしていたアザラシのゴマちゃんが別の場所にいたり、父親の仕事の都合で海外で暮らしていた阿南スガオが日本に帰国しているなど、アシベの周囲を取り巻く環境が大きく変わっている。「月刊アクション」2017年9月号から連載の作品。

正式名称
青少年アシベ
ふりがな
せいしょうねんあしべ
原作者
森下 裕美
作画
ジャンル
青春
レーベル
アクションコミックス(双葉社)
巻数
既刊8巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

かつて小学2年生だった芦屋アシベ達は高校1年生になっていた。小学生時代は父親の突然の海外赴任に付き合わされていた阿南スガオは日本に戻り、アシベや小学校時代の友人達と共ににぎやかな学校生活を送っていた。アシベとスガオの友情を目の当たりにして、腐女子をこじらせている荒川ユミコは二人のボーイズラブを密かに妄想していた。そんな中、アシベはかつていっしょに暮らしていたゴマちゃんに会うため、アシヤ水族館を訪れる。(第1話「みんな青少年」。ほか、10エピソード収録)

登場人物・キャラクター

芦屋 アシベ (あしや あしべ)

高校1年生の男子。癖毛がひどく、植木鉢や路上のゴミなどを巻き込みながら登校し、その度にクラスの女子からヘアセットをしてもらっている。細かな事は気にしない大らかな性格の持ち主。小学2年生の頃に出会ったゴマちゃんといっしょに暮らしていたが、小学5年生の時に抱っこをしている際、バランスを崩して階段から落下する。その事故が原因で腰を痛め、ゴマちゃんと暮らせなくなってしまう。 また、腰の治療のために使用した薬の副作用で髪の毛が茶色になった。その後、じいちゃんが建てたアシヤ水族館にゴマちゃんを移すが、頻繁に会いに行って水槽内でいっしょに泳ぐなどしてコミュニケーションを取っている。しかし泳ぐ際に全裸となるため、ゴマちゃんの飼育を担当する加藤からは毎回怒られている。 山田リンダから猛アプローチを受けているが迷惑がっている。阿南スガオとは親友。

阿南 スガオ (あなん すがお)

高校1年生の男子。小学生時代は父親の仕事の関係で、ネパールの山奥や南国のコラコラ島など僻地を転々としていた。現在は親友の芦屋アシベらと同じ高校に通っている。小学生時代は寡黙なタイプだったが、今はふつうに周囲とコミュニケーションを取れるようになっている。ネパールで暮らすチット・チット・プーと遠距離恋愛をしているが、SNSで連絡を取り合っているだけで、小学生時代を最後に会っていない。 チットに会うための航空チケット代を稼ぐために、ネパール料理店でアルバイトをしている。だが、度々家族がやって来て飲食をするため、ほとんどお金が貯まらないのを悩んでいる。

ゴマちゃん

白い赤ちゃんのような外見をしたゴマフアザラシで、性別は不明。通常のゴマフアザラシは成長と共に赤ちゃん時代の白い毛は抜け落ち、灰色の毛に生え代わるはずだが、ゴマちゃんはずっと白い毛のまま年を重ねている。芦屋アシベの家で暮らしていたが、小学5年生のアシベが抱っこをしている際にバランスを崩して、階段から落ちる事故が発生。 アシベのためにじいちゃんが、ゴマちゃん用の大きな水槽とほかの海洋生物を展示するためのアシヤ水族館を建て、現在はそこで暮らしている。子供にコゴマちゃん、ココゴマちゃんがいる。

チット・チット・プー (ちっとちっとぷー)

ネパールの山奥に住む女子学生で、年齢は芦屋アシベと同じ。小学生の頃にネパールに父親の仕事の都合で引っ越して来た阿南スガオと恋に落ち、現在は遠距離恋愛をしている。SNSで頻繁に連絡は取り合っているものの、小学生時代にスガオと別れ、その後は一度も会っていない。スリムな体型に似合わず大食漢で、明るくお転婆な性格の持ち主。 しかしスガオからは、食が細く弱々しい女性だと勘違いされている。

荒川 ユミコ (あらかわ ゆみこ)

高校1年生の女子で、人気モデルの妹・荒川ルリコがいる。幼い頃からユミコのパパにところ構わず写真を撮られるなど溺愛されていた事をうっとうしく感じ、現在は見た目をいっさい気にしなくなった。ボーイズラブを好むいわゆる腐女子で、主に芦屋アシベや阿南スガオ、麻原遊馬と女装男子設定の加藤マコトの恋愛を妄想している。 妄想を漫画に密かに描いたところ、父親によって勝手に公開されてしまう。しかし、その結果ファンがつき、現在は開き直って積極的に創作活動を続けている。天地まおは漫画の事を相談できる唯一の友達で親交を深めている。

天地 まお (あまち まお)

高校1年生の男子で、小学生時代から芦屋アシベと仲がいい。一見おっとりしているように見えるが、周囲をしっかり観察しているタイプ。ユミコのパパが勝手にインターネット上にアップした、荒川ユミコの描いたアシベと阿南スガオをモチーフにしたボーイズラブ作品を発見し、ユミコに直接アドバイスをするなどして親交を深めている。 妹のマコをかわいがっている。

麻原 遊馬 (あさはら ゆうま)

高校1年生の男子で、小学生時代から芦屋アシベと仲がいい。効率よく勉強をするタイプで成績優秀。見た目もいい事から女子生徒達からの人気も高いが、言葉巧みにキスを楽しむなどプレイボーイとして知られている。加藤マコトとは軽口を叩きあう仲。

加藤 マコト (かとう まこと)

高校1年生の女子で、周りからは「マコちゃん」と呼ばれている。ショートカットでボーイッシュな外見をしている。サバサバとした明るい性格で、かわいらしい容姿から男子生徒の注目を集めている。麻原遊馬とは軽口を叩きあう仲。

坂田 新一 (さかた しんいち)

高校1年生の男子で、坂田幸一の実弟。小学生時代はヤンチャで喧嘩っ早い性格だったが、現在は落ち着いた性格に代わっており、当時ライバル視していた芦屋アシベとも友好的な関係を築いている。成績はあまりよくなく、テストの際には最初からやる気を見せない。幸一といっしょにアシヤ水族館でアルバイトを始めた。

坂田 幸一 (さかた こういち)

坂田新一の兄で高校3年生の男子。小学生時代からのゴマちゃんのファンで、持ち物にゴマちゃんのモチーフを付けるなど溺愛している。ゴマちゃんに会うために、新一といっしょにアシヤ水族館でアルバイトを始め、アザラシのショーを任されるまでになった。

山田 リンダ (やまだ りんだ)

芦屋アシベに好意を寄せる女性で、つねに愛馬「よど号」に乗って移動している。長く美しい黒髪で顔も整っており、さらにスタイル抜群という恵まれた容姿ながら、まるでストーカーのようにアシベにつきまとい、猛アプローチを繰り返している。アシベからは迷惑がられて避けられているものの、山田リンダ本人はまったく気にしていない。 アシベの住むアパートのとなりの部屋に住んでいる。

じいちゃん

芦屋アシベの父方の祖父で「芦屋商事」という大企業の社長を務めている。孫のアシベをかわいがっており、アシベと成長したゴマちゃんのためにアシヤ水族館を建設した。また、アシベをアシヤ水族館のオーナーに任命している。

スガオのパパ

阿南スガオの実父。スガオが小学生の頃は、ネパールの山奥や南国のコラコラ島など僻地に度々転勤をしていたが、現在は日本で暮らしている。スガオのアルバイト先のネパール料理店に入り浸っており、スガオの給料で飲食をしている。

ユミコのパパ

荒川ユミコと荒川ルリコの実父。二人の娘を溺愛しており、ところかまわず写真や動画を撮影している。そのためユミコからは疎まれ、ユミコが見た目を無頓着になるきっかけを作った張本人。現在は人気モデルになったルリコに関心が向いているが、ユミコに対しても興味がなくなったわけではない。ユミコが密かに描いていた芦屋アシベと阿南スガオのボーイズラブ漫画作品を、勝手にインターネット上にアップした。 何重にもかけられた強固な鍵を簡単に開けてユミコの部屋に侵入するなど、時おり謎の特殊能力を発揮する。

荒川 ルリコ (あらかわ るりこ)

荒川ユミコの妹で人気モデルをしている小学生。華やかでかわいらしい容姿をしている。ユミコが見た目に気を使う事をいっさい拒否しているため、ユミコのパパからの溺愛を一身に受けている。ユミコとの関係は良好。

加藤 (かとう)

アシヤ水族館に勤務する女性で、ゴマちゃんをはじめとするアザラシの飼育を担当している。そのため、芦屋アシベとは顔見知りで友好的な関係を築いているが、アシベが全裸で水槽内で泳ぐ事だけは我慢できず、現場を目撃するたびに激怒している。

多田 勘太 (ただ かんた)

阿南スガオがネパールの山奥で暮らしていた際、家庭教師としてやって来た修行僧の男性。ホーリーネームは「ウシャカンタ」。阿南家の人々とチット・チット・プーからは「カンタ先生」と呼ばれている。現地の人間のように振る舞っているが、正真正銘の日本人。阿南家がネパールから南国のコラコラ島に転勤になった際、なぜか同行し、阿南家が日本へ帰国する事になった時はコラコラ島に残った。 その後、コラコラ島で出会った自分にそっくりな通訳の日本人女性と結婚し、芦屋アシベや阿南家の人々を結婚式に招待した。

ボラ・ボラーレ (ぼらぼらーれ)

南国のコラコラ島に住む現地の少女。小学生時代の阿南スガオが引っ越して来た際、いっしょに遊んでいた。多田勘太の結婚式のためにやって来るスガオに会える事を楽しみにしていたが、想像以上に成長したスガオに恐怖を抱く事となる。スガオと共にコラコラ島へやって来た芦屋アシベに一目惚れし、ずっとアシベと行動を共にするようになる。

チュリー

南国のコラコラ島に住む現地の女性。阿南スガオの家族がコラコラ島に住んでいた際には、ホームヘルパーをしていた。日本語が達者なものの、語尾には必ず「だし」を付ける。ふくよかな体型をしており、成長したスガオが多田勘太の結婚式のためにコラコラ島やって来た際にも、まったく見た目は変わっていなかった。

場所

アシヤ水族館 (あしやすいぞくかん)

じいちゃんが芦屋アシベのために建設した水族館。小学5年生の頃のアシベがゴマちゃんを抱っこしている際に階段から落下し、腰を痛めてしまう事故が発生。アシベとゴマちゃんがいっしょに暮らす事が難しくなったため、現在はゴマちゃんとその子供達がアシヤ水族館の水槽内で生活している。ゴマちゃんをはじめとするアザラシ以外にも、多くの海洋生物が展示されている。 オーナーはアシベが、アザラシの担当は加藤が務めている。また、坂田幸一と坂田新一がアルバイトをしている。

クレジット

原作

ベース

少年アシベ (しょうねんあしべ)

元気な小学生とゴマフアザラシの赤ちゃんのペットがいる一家と、彼らの周辺のちょっと変わった人々が繰り広げる日常を描いた4コマギャグコメディ漫画。 関連ページ:少年アシベ

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COMA GOMA (こま ごま)

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書誌情報

青少年アシベ 8巻 双葉社〈アクションコミックス〉

第6巻

(2022-07-12発行、 978-4575857399)

第7巻

(2023-08-09発行、 978-4575858709)

第8巻

(2024-03-12発行、 978-4575859423)

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