あらすじ
第1巻
アイレーン、ペイペイン、ハンドレッコの三人組ロックバンド「BUD VIRGIN LOGIC」は、MIDICITYでも高い人気を博していた。一方で、彼女達のプライベートは謎に包まれており、ファンのあいだでは所属や目的はおろか、正体もいっさい不明の謎のガールズバンドとして認知されていた。ステージ上では輝かしい活躍を見せるギターボーカルのアイレーンは、プライベートでは非常にだらしなく子供っぽい性格で、メイドのペイペインに甲斐甲斐しく世話をされるなど、ステージ上の姿とは大きなギャップがあった。そんなある日、ペイペインは新曲制作の進捗についてアイレーンに尋ねるが、作業は遅々として進んでいなかった。それを知ったペイペインはアイレーンを部屋に監禁し、徹夜で曲を作るよう強要する。こうして出来上がった新曲は、一夜漬けであるにもかかわらず、MIDICITYのトップチャートを賑わすほどの人気を得るのだった。
第2巻
対バンで連勝するうちに調子に乗っていくアイレーンは、続いて「プラズマジカ」との対バンを行う事になるも相手を完全に舐め切っていた。そんな中、アイレーンはレコード店でプラズマジカのギターボーカルを担当している少女・シアンと出会う。音楽は自分達が楽しむ事が一番だと語るシアンに対し、アイレーンは腑抜けていると切り捨てるが、シアン達の奏でる音楽を聞いたアイレーンは、自分の心に強く響くものを感じる。これに動揺したアイレーンは調子を崩し、声が出なくなってしまう。その後、ショックを受けて部屋に引きこもってしまったアイレーンのもとへ、シアンが訪れる。歌や演奏は本来楽しいものだというシアンの言葉を聞いたアイレーンは、自分がなぜ音楽を始めたのか、その初心を思い出す。こうして元の美声を取り戻したアイレーンは、シアンに対して礼を言いつつ、次の対バンでは負けないと伝えるのだった。
登場人物・キャラクター
アイレーン
ガールズロックバンド「BUD VIRGIN LOGIC」のギターボーカルを担当している少女。もこもこの金髪で、ツインテールの髪型をしている。頭にはライオンの耳が生えており、尻からは尻尾が生えている。尻尾は抱く感情によって激しく動く。天才的な音楽の才能を持ち、バンドとしてステージに上がる際はカリスマ的な魅力を発揮する。 実は怠惰でわがままな子供っぽい性格の持ち主だが、それはファンにはいっさい知られていない。また身長が低い事や、かわいらしいと言われる事を極端に嫌っている。「BUD VIRGIN LOGIC」の奏でる「闇音楽」でMIDICITYの頂点に立ちたいという野望を抱いており、精力的な音楽活動により既に高い人気を獲得している。 対バンなどでも連勝を続けている中、プラズマジカのギターボーカルを担当している少女・シアンと出会った事がきっかけで声が出なくなる。その後、音楽は楽しいという初心を思い出す事により、再び声が出るようになった。
ペイペイン
ガールズロックバンド「BUD VIRGIN LOGIC」のベースを担当している少女。緑色の髪で、長い髪を頭の後ろでおさげにしている。普段からメイド服を着ており、頭にはカチューシャを付けている。アイレーンの世話役を務めており、彼女のどんなわがままにも即座に対応する。また、アイレーンに危害を加えようとする人物に対しては容赦なく排除しようとする。 アイレーンを甘やかす一方で、彼女が新曲の制作などが進捗しない際は、部屋に軟禁するなど厳しく接する事もある。アイレーンの事が大好きで彼女のグッズを方々から集めては、それを屋敷の地下にあるアイレーン様楽園に保管している。この部屋の存在はアイレーンにも秘密にしており、知られた際には口外しないように彼女に脅しを掛けた。
ハンドレッコ
ガールズロックバンド「BUD VIRGIN LOGIC」のドラムを担当している少女。実は謎の財団施設で秘密裏に開発されたミューモロイドで、定期的に充電しなければ動く事ができない。白髪のロングヘアで、お尻からは充電用のコンセントを兼ねた尻尾が生えている。アイレーンの事を「マスター」と呼んで慕っており、よく彼女の遊び相手を務めている。 よくアイレーンとゲームで遊んでいるが、電子機器の扱いには非常に秀でているため、ほとんど負けた事はない。また、パソコンの扱いにも長けており、アイレーンがインターネットから余計な情報を得ないよう、予めフィルターを掛けている。機械の身体を持つため、ほかの機械に対して負けず嫌いな感情を発揮する。特にカメラで撮られる際はそれが顕著に表れ、つい表情が固くなってしまう。
アイオーン
ロックバンド「シンガンクリムゾンズ」のメンバーの男性で、アイレーンの兄。外はねした白髪の長髪で、頭からは獣耳が生えている。つねに顔に右手を当てて恰好つける癖があり、しゃべる際は難解な言葉を好んで使いたがる。昔、幼いアイレーンを置いて勝手に家から出て行った事から、アイレーンからは避けられている。アイレーンとの関係は周囲に秘密にしていたが、偶然アイレーンと再会した際は、互いに気まずさを感じながらも、兄として妹を心配していた。
シアン
ガールズロックバンド「プラズマジカ」のギターボーカルを担当している少女。紫色の髪で頭からは猫耳、尻から尻尾が生えている。普段は胸元に鈴の付いた、フリフリのドレスを身につけている。非常に不器用で、レコード店では視聴機器が満足に使えずアイレーンに操作を教えてもらっていた。「BUD VIRGIN LOGIC」と対バンを行う前にアイレーンと偶然出会っている。 その際、みんなで音楽を楽しむのが一番と考えていた事から、音楽で頂点を極めたいと考えるアイレーンと意見が食い違う。その後、調子を崩した事により声が出なくなったアイレーンのもとを訪れて、彼女の調子が快復するきっかけを作った。アイレーンとは互いに正々堂々と勝負しようと誓い合い、対バンの日を迎えている。
ピグマカロン
バンド「ドーリィドルチ」のドラムを担当している少女。ツインテールの髪型をしている。無類のイケメン好きで、夢はイケメン風呂に入る事だと豪語している。アイレーンとアイオーンの容姿が非常に似ている事に気づき、それを問いただした際のアイレーンの動揺から彼女に付きまとうようになった。その後、アイレーンとアイオーンが二人で会っているところに遭遇するが、アイオーンからこれ以上詮索しないよう指摘を受け、イケメンの頼みならとおとなしく従っている。
やぎぬぱん
バンド「シロラクロスカ?」のメンバーである少女。ショートヘアで、眼鏡をかけている。背中からは小さな羽が生えている。ラジオ番組「シロラクロスカ?のあげぱん☆すてーしょん」ではシミースワンズと共にパーソナリティを務めており、その毒のあるトークが人気を博している。アイレーンが「シロラクロスカ?のあげぱん☆すてーしょん」に出演した際は、進行役を担当しシミースワンズの暴走を徹底的に無視した。 それがアイレーンの動揺を誘っていた。
シミースワンズ
バンド「シロラクロスカ?」のメンバーである少女。ショートヘアで、長い前髪で片目が隠れている。背中からは大きな羽が生えている。ラジオ番組「シロラクロスカ?のあげぱん☆すてーしょん」ではやぎぬぱんと共にパーソナリティを務めており、ラジオでの暴走ぶりが人気を博している。番組では流れをぶった切ってゲストを相手に決めポーズを披露したり、突然高笑いしながらダンスを始めるなどの奇行に走る事がある。 アイレーンが「シロラクロスカ?のあげぱん☆すてーしょん」にゲスト出演した際も、奇行に走ってアイレーンを非常に困惑させていた。
オニガワラ
聖MIDI女学園の高等部に通っている女子生徒で、バスケットボール部ではエースを務めている。癖のある黒髪のロングヘアで、頭からは角が生えた鬼のような顔をしている。レディースグループ「烈怒彩苦龍」のヘッドを務めており、聖MIDI女学園を束ねていると豪語している。「BUD VIRGIN LOGIC」の三人が学校に登校して来た際も、彼女らにいちゃもんをつけた。 ハンドレッコにバスケットボールでの勝負を持ち掛けたが、大敗を喫してハンドレッコの舎弟になってしまう。
アルゴン
海に出かけて迷子になっていたアイレーンと出会った男性。色黒の肌をした洒落た容姿で、頭からは角が生えている。非常に金持ちで、ビーチで恒例となったドッジボールイベント「アゲアゲ☆ゴージャスビーチ・ドッジボール」を主催しており、そのイベントでは多額の賞金を用意していた。自身もそのイベントに出場しており、「世界一金持ちな筋肉」と司会者に紹介されている。 迷子のアイレーンと出会った際、彼女をドッジボールのパートナーに選び決勝まで勝ち進んだが、ペイペインとハンドレッコに敗北を喫している。後日、大会の賞金とお詫びを兼ねて、大量の金塊をアイレーンの自宅に送った。
集団・組織
BUD VIRGIN LOGIC (ばっどゔぁーじんろじっく)
ギターボーカル担当のアイレーン、ギター担当のペイペイン、ドラム担当のハンドレッコの三名で結成されているガールズバンド。「闇音楽」と称する音楽性を持ち、MIDICITYでは非常に高い人気を誇っている。しかし正体などは、いっさい不明のミステリアスなバンドとしてファンのあいだでは認知されている。
アリスビーンズ
五人組で結成されたアイドルバンドで、アキバーンストリートを中心に活動している。メンバーはゾンビ系アイドルを謳っており、五人それぞれがキャッチーなキャラクター性を持っている。ヘビメタのほか、デスボイスやラップなどの演奏を披露している。アイレーンは、未熟な部分が多々あるが、将来が楽しみなバンドと称した。
場所
MIDICITY (みでぃしてぃ)
音楽を制する者が王として君臨している都市で、街中で音楽が流行っている。この都市では「ミューモン」と呼ばれる音楽生命体達が、夢や金、名誉などそれぞれの目的のために音楽活動を行っている。
妖怪ストリート (ようかいすとりーと)
妖怪達が楽しく暮らすMIDICITYの6番街にある通り。雪男やドラキュラ、座敷童などバリエーション豊かな「ミューモン」が存在しており、毎晩癖の強いバンド達がストリートライブを行なっている。「BUD VIRGIN LOGIC」が妖怪ストリートでライブを行う事になった際、アイレーンは若干ながら怖がっていた。
アイレーン様楽園 (あいれーんさまぱらだいす)
ペイペインの部屋の中の隠し扉の先にある部屋で、アイレーンのグッズが所狭しと並べられている。ここをペイペインは癒しの場と考えており、アイレーンの新グッズを収集するたびにこの部屋を訪れている。ペイペインはこの部屋の存在を周囲には秘密にしており、特にアイレーンには気づかれたくないと考えている。
その他キーワード
ギルティくそ下民野郎 (ぎるてぃくそげみんやろう)
アイレーンが「BUD VIRGIN LOGIC」や自身についてのエゴサーチをした際、SNSなどで「ちっちゃくてかわいい」「アイレーンちゃん様持ち帰りたい」などの発言をした人達に便宜上付けた蔑称。それが例え好意的な発言であってもアイレーンは舐めた発言だと解釈している。その後、ハンドレッコによりパソコンやスマートフォンのフィルター設定がなされた結果、アイレーンはエゴサーチしなくなった。
対バン (たいばん)
MIDICITY特有の音楽バトル。二組のバンドがライブを披露したあと、オーディエンスやネットの投票などによって勝敗が決定される。対バンはMIDICITYで活動する音楽グループにとって、人気と実力をかけた真剣勝負とされている。
勝敗・ロック (しょうはいろっく)
専用のヘッドマウンド・ディスプレイを使用した次世代型の音楽オンラインゲーム。広大なフィールドの上で自身のロック魂を賭けたり、モンスターを狩ったりするゲーム。360度見渡す事が可能なヴァーチャル・リアリティ世界が構築され、寝食を忘れて徹夜でプレイする人達も多い。アイレーンは誕生日にハンドレッコからプレゼントしようと提案されたが、ペイペインからはゲームに没頭し過ぎては困ると反対された。
シロラクロスカ?のあげぱん☆すてーしょん
やぎぬぱんの毒のあるトークと、シミースワンズの空回りっぷりが絶妙なハーモニーを奏でるお昼の人気ラジオ番組。略称は「あげすて」。特に「カエルの鳴き声当てまSHOW」のコーナーが大人気。ある日、「BUD VIRGIN LOGIC」に出演のオファーが入り、番組ノベルティ目当てでアイレーンが出演を受諾した。 その際は尺の都合でアイレーン一人の出演となり、番組の特殊な雰囲気に慣れていない彼女を大いに困惑させていた。
クレジット
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株式会社サンリオ
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