あらすじ
第1巻
なんの変哲もない平凡な少女・音無いりすはある日、夢で神さまと名乗る人物から不思議な力を授かった。さらに神さまはいりすにその力を使って地球を破壊してほしいと頼む。それを変な夢だと認識していたいりすだったが、起きてみるといりすには本当に地球を破壊できるほどの力が宿っていた。そして、再び神さまが現れ、いりすに地球を壊すよう命じるも、いりすは神さまの言う事をまったく聞こうとしない。しびれを切らした神さまは実力行使で言う事を聞かせようとするが、いりすは既に神さますら撃退するほどの力を手に入れていた。(第1話。ほか、9エピソード収録)
第2巻
「神の左腕」を使って力を使い果たした神さまは天界に帰れなくなり、人間界で暮らす事になった。さらに神さまは天使と共に音無いりす達のクラスに転入して来る。そんな中、鈴木すずがどうして神さまの恰好をみんなが変に思わないのかと疑問に思い始める。すると、天使が神さまを変に思わないように周囲にフィルターを張り、気にならないようにしていると説明する。そして神さまはいつものようにいりすに喧嘩を売り始める。しかし、一方のいりすも破壊神モードにより力を使い果たしていた。そんな中、神さまはいりすの中に封印されている力を奪い取ろうと、策略を巡らし始める。(第1話。ほか、9エピソード収録)
登場人物・キャラクター
音無 いりす (おとなし いりす)
高校1年生の女子で、年齢は15歳。ピンク色の髪で、長い髪を二つのおさげにしている。もともとはごく普通の女の子だったが、神さまにより才能を見出された結果、地球を破壊できるほどの力を授かる事になった。地球を破壊してほしいと神さまに頼まれるも、これを拒否して神さまと戦う羽目になる。また、神さまと戦ううちに無意識に神さまの力を吸収して、神さまを圧倒するほどの力を身につける。 その後、神さまの力を身体に蓄えきれなくなった事により、破壊神モードとなって力を使い果たした。その結果、汚れにより身体を乗っ取られてしまう。その汚れを鎮めるために、神さまから力をすべて譲渡される事となり、本物の神となる。以降は神としての振る舞いを身につけるために、高校1年生の終わりからの1年間を天界に留まっての修行に費やした。 のちに友人の鈴木すずや鳥居やしろと再会している。すずからは「みゅーたん」と呼ばれている。
鈴木 すず (すずき すず)
高校1年生の女子で、音無いりすのクラスメイト。いりすとは幼なじみの関係で、彼女からは「すーちゃん」と呼ばれている。茶髪のショートヘアで、花形の髪飾りを付けている。明るく前向きな性格で、たびたび勢いで行動する事がある。当初、いりすが神さまから力を授かった事を知らずにいたが、いりすと神さまがいっしょにいるところを目撃した事で、いりすの力に気づいた。 その後、その力の事で悩んでいたいりすに、神さまを倒してしまえばいいと提案した。いりすと神さまとの戦いに巻き込まれながらも、いりすの事を応援している。
鳥居 やしろ (とりい やしろ)
高校1年生の女子で、音無いりすのクラスメイト。黒髪のサイドテールで、髪留めにピンク色の大きなリボンを付けている。胸が非常に大きい。神社の一人娘で、少し霊感を持っている。近くに霊の存在を感じると、「アホ毛」が動いてしまう癖がある。その霊感体質のために周囲から気味悪がられ、幼い頃は友人ができなかった。高校1年生時にいりすと出会い、ただならぬ気配を感じるようになる。 さらにいりすの事を訝しみ、彼女のあとをつけるようになった。そして、いりすと神さまとの戦いに巻き込まれ、神さまにより身体を乗っ取られてしまう。それがきっかけで、いりすや鈴木すずとなかよくなった。ちなみにいりすとすずの間柄を、友人以上の関係性に発展していると勘違いしている節がある。
戸狩 つの (とがり つの)
高校1年生の女子で、音無いりすのクラスメイト。茶髪のショートヘアで、頭から尖った癖毛が生えている。幼少期に頭に雷が落ちて超能力に目覚めているが、本人はその事に気がついていない。羽賀きらりと黒髪なでしこと仲がよく、いっしょにバンドを組んでいる。文化祭では『白雪姫』の演劇の脚本を担当した。しかし、クラス全員に役を作るために、本来白雪姫には登場していない役を勝手に作った結果、白雪姫からはかけ離れた舞台となっていた。
羽賀 きらり (はが きらり)
高校1年生の女子で、音無いりすのクラスメイト。ロングヘアで、ギザギザした歯をしている。戸狩つのと黒髪なでしこと仲がよく、いっしょにバンドを組んでいる。数年後にクルミを100個嚙み砕いて世界記録を作った。
黒髪 なでしこ (くろかみ なでしこ)
高校1年生の女子で、音無いりすのクラスメイト。黒髪のロングヘアで、温和な性格の持ち主。戸狩つのと羽賀きらりと仲がよく、いっしょにバンドを組んでいる。おばあちゃんっ子。
先生 (せんせい)
音無いりすが在籍しているクラスの担任を務めている女性教師。黒髪のポニーテールで、眼鏡をかけている。神さまが天使と喧嘩をして家出をした際は神さまを保護し、しばらくのあいだ自宅に泊まらせていた。
神さま (かみさま)
天界に住んでいる神で、見た目には童女の姿をしている。長い黒髪を背中後ろで結っており、前髪を切り揃えている。裸体に紫色の前掛けを身につけただけの露出の多い恰好をしているが、羞恥心がないためにまったく気にしていない。傲岸不遜な態度で、わがままな性格。さらに負けず嫌いで、後先考えない安直な発想の持ち主。ある日の事、天使が人間界から持って来たつっぱリスと友達になるも、性格が穏やかになる事を危惧した天使によりつっぱリスと別れさせられる。 それによりショックを受けた事が原因で、地球破壊計画を企てる。しかし、一人で地球を破壊する事に自信がなく、「神」としての才能に秀でている音無いりすに力を分けて、地球の破壊を手伝ってもらおうとした。 だが、いりすに力を与え過ぎた結果、自分よりもいりすの方が強くなってしまう。さらにいりすに敗北したために、いりすを負かそうと人間界を頻繁に訪れるようになる。その後、神の力をコントロールできなくなって暴走するいりすに対して、「神の左腕」を発動。それによって力を使い過ぎて天界に帰れなくなってしまう。
天使 (てんし)
神さまに仕えている使用人で、「天使長」の職務に就いている。見た目は人間の女性の姿をしている。癖のあるピンク色の髪をロングヘアにし、つねにメイド服を着用している。神さまの事が大好きで、彼女を弄るのも大好き。また地球の文化が大好きで、多い時には週に5回は人間界に通っている。神さまが「神の左腕」を使用して力を使い果たし、天界に帰れなくなった際には、彼女の世話をするためにいっしょに人間界に留まっている。 さらに神さまといっしょに音無いりすのクラスに転入した。人間界では神さまといっしょに段ボールで作った家で暮らしていたが、生活に嫌気が差した神さまと喧嘩別れしてしまう。その後、神さまが先生の家に居候するようになった際は、先生に対して激しい嫉妬をあらわにしていた。 そのあとは神さまと仲直りをして、再度いっしょに暮らすようになった。
汚れ (けがれ)
神さまの中に蓄積されていた負の塊。褐色の肌をした童女の姿で、見た目が神さまと似ている。宇宙のすべての星々を同時に爆発させて、暗い宇宙を一瞬だけ凄まじい明かりで満たそうと考えている。もともとは「神の左腕」の中に封印されていたが、神の左腕が音無いりすに放たれた結果、いりすの中で眠っていた。その後、神さまがいりすから力を奪い取ろうとした際に覚醒。 いりすの身体を奪って、天界で暴れ始めてしまうが、「神」の力を得たいりすによって破壊された。
つっぱリス
もともとは天使が商店街の福引で当てた人形で、正式名称は「つっぱリスさんぬいぐるみ」。かわいらしいリスのぬいぐるみで、リーゼントの頭に学生服を身につけている。天使が神さまへのお土産として持って帰り、命を吹き込んでしゃべれるようにした。その後、神さまと友達になったが、天使によって人間界に帰される事となった。人間界に帰ったあとも命を吹き込まれたままで、当時中学生だった音無いりすにも目撃されている。 それが原因で都市伝説として騒がれる事となった。
その他キーワード
破壊神モード (はかいしんもーど)
神さまから授けられた力を制御し切れなくなった音無いりすが、理性を失って巨大化した姿。理性を失いながらも神さまへの恨みをいりすが忘れていなかったため、神さまを狙って攻撃した。しばらく暴れたのち、神さまが「神の左腕」を使った事により鎮静化した。なお、いりすはこの時の事をまったく覚えていない。また、破壊神モードとなったいりすは、多くのクラスメイト達に目撃されたが、天使の尽力によって騒ぎにならずに済んでいる。
神の左腕 (かみのひだりうで)
神さまが左腕に溜め込んでいる力を、一気に解放して放つ技。もともとは神さまが強大な力で「汚れ」を抑え込むためのものだった。しかし周囲には、神さまが自身の中に「汚れ」を貯め込んでいる事を恥ずかしく思っていたために、もしもの時のために力を貯め込んでいると説明していた。さらに神さま自身も長い年月を経ていく中で、「汚れ」を封じている事を忘れてしまっていた。 その後、破壊神モードとなった音無いりすを鎮静化させるために使用。強大な力と共に「汚れ」までをもいりすに向かって放ってしまう。そして、放たれた「汚れ」はしばらくのあいだ、いりすの中で眠る事となった。