TVジャッカー

TVジャッカー

高校生にしてADを務める一条真実がさまざまな困難に遭遇しながらも、人一倍の熱意と人を魅了するほどのひたむきさで難局を切り抜けていく。作り手側の視点からテレビ業界を描いた芸能漫画。「週刊少年マガジン」1989年第15号から同年第33号まで連載された。

正式名称
TVジャッカー
ふりがな
てれびじゃっかー
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

プロデューサーを志望する高校生の一条真実は、自分の書いた企画書を持ち込んで大プロデューサーである長谷川大吾のもとを訪れる。高校生女優である山口舞を起用したドラマの企画書に長谷川は興味を示し、真実にある条件を出して企画採用のチャンスを与える。その条件とは、芸能界を休養して表舞台から去ってしまった舞を直接説得するという非常に困難なものだった。

しかし、真実は自分の夢を実現するためにその条件を飲み、舞のもとへと向かうのだった。

登場人物・キャラクター

一条 真実 (いちじょう まこと)

プロデューサー志望の17歳の男子高校生。毎日企画書を長谷川大吾のもとへ送るなどプロデューサーになる情熱は人一倍強い。その情熱は時に無鉄砲で危なっかしいところもあるが、人の心を動かすことができるバイタリティ溢れる性格の持ち主で数多くの人に慕われている。歌とスケボーが得意。

長谷川 大吾 (はせがわ だいご)

明和テレビに勤める、「男女七人夏物バーゲン」や大河ドラマ「武田信玄公」を手掛けた大プロデューサー。「金」や「コネ」でも人を動かすことはできるが、プロデューサー業で最も大切なのは「人間性で人の心を動かすこと」と考えており、一条真実にその可能性を見出す。

掛川 悟 (かけがわ さとし)

若手の中では人気、実力共にNo.1の呼び声高い男性アイドル歌手。芸能界に所属する者として最も大切なものは「金」と「コネ」だという持論を持っている。ポルシェを所有しており、助手席には女性しか乗せないと言うこだわりを持つ。実は心臓病を患っており、走ることができない。

山口 舞 (やまぐち まい)

1年前、人気絶頂のまま突然芸能活動を休止した現役高校生女優。普段はメガネをかけている。学校へはベンツで送り迎えされており、一般生徒は近づけないほどガードが固い。各局のプロデューサーや局長クラスが芸能界復帰の説得にあたったがすべて失敗に終わっており、彼女を芸能界へ復帰させるのは無理だと思われている。

野坂 (のさか)

明和テレビの第二製作局(ドラマ部)のプロデューサー。丸メガネをかけている中年男性。一条真実の出した脚本に対してケチをつけたり嫌味を言ったりしている。ADに対して非常に高圧的な態度を取り、クビにしたADは数知れず。付いたあだ名は「首切り野坂」。決して褒められた性格ではなく、渡辺まゆみからも嫌われている。

渡辺 まゆみ (わたなべ まゆみ)

明和テレビの女性AD。肩までかからないくらいの髪の長さで前髪は6対4くらいで右に流している。一条真実のAD仲間で、なにかと真実を気にかけている。

忍 海由姫 (しのぶ みゆき)

一条真実の企画したスペシャルドラマ「春の天使」にキャスティングされた17歳の女優。TVでの活躍はそこまでないが、舞台では若者に絶大な人気を誇る実力派として知られている。ディスコで踊ることが趣味で、女優でありながら普通の女の子としての一面も持つ。

石田 裕次郎 (いしだ ゆうじろう)

一条真実が企画したスペシャルドラマ「春の天使」を撮ることになった、バイオレンスの第一人者と言われている監督。常にサングラスをかけている。過去に付き合っていた女優と忍海由姫の顔がそっくりであることから、自分の撮る作品に海由姫を出演させることを嫌っている。

早川 美加子 (はやかわ みかこ)

デビュー以来、7曲連続でヒットチャート1位の新記録を作った売れっ子の女性歌手。ヤンキー歌手と認識されており、生意気でわがままなその性格でADを何人もクビにしているという噂がある。ただ、この性格はキャラ作りで装っている部分もあり、実際はNGを出し続けても何度もトライする女優としてのひたむきさと強さを持っている。

浜口 (はまぐち)

早川美加子が所属している「音羽プロダクション」の事務所社長。所属しているタレントはすべて人形のように自分に従っていればいいという考えの持ち主で、美加子にも自分の言うことを聞くよう徹底して指導している。しかし、美加子のために身を挺して動く一条真実の姿に心を打たれ、夢を追ってがむしゃらに働いていた頃を思い出し改心した。

草薙 雄三 (くさなぎ ゆうぞう)

一条真実の初企画ドラマ「春の天使」の裏番組にあたる、「裸足のビーナス」というドラマを手掛ける敏腕プロデューサー。「ミスター視聴率」「視聴率を操る男」という異名を持ち、視聴率を意のままに動かせるとまで言われる恐るべき男性。女優が階段から転落した事故を放送したことがきっかけでプロデューサーにかけ上ったという経緯を持ち、視聴率のためなら手段を選ばない。

松浦 (まつうら)

元明和テレビの名プロデューサー。現在も明和テレビに出入りしているが、いわゆる窓際族で他の人からは「ただのじじい」と扱われて邪険にされている。草薙雄三の恐ろしさを誰よりも知る人物で、草薙と熾烈な視聴率争いを演じ、敗れた後に自殺未遂をするまでに追い込まれた過去がある。

江口 雄一 (えぐち ゆういち)

女の子の間で爆発的人気を得ているアクションスター。1年先までスケジュールが埋まっている売れっ子。演技力は申し分ないが、自分の気に入らないシーンでは代役である尾崎鉄郎を立てる。そのことに文句を言う者に対しては一歩も引かず、むしろ自ら番組を降りてもいいと言い放つ。自分の価値を自分でしっかり把握しており、多少性格に難がある。

尾崎 鉄郎 (おざき てつろう)

人気アクションスターの江口雄一と同じ背格好と髪型で、江口の気に入らないアクションシーンを務める俳優。格闘シーンでは相手をわざと煽って求められる以上の迫力を引き出してリアルさを追及するなど、演技に対する情熱は人並み外れたものがある。元暴走族のヘッドでバイクの扱いが上手い。

ジェームズ・ブラウン (じぇーむずぶらうん)

海外のテレビ局DDCの大プロデューサー。アメリカで視聴率No.1を記録したドラマ「インベーダー・V」や何人もの大女優を生み出した「チェリーズ・エンジェル」を手掛けた人物で一条真実の目指すプロデューサー像。明和テレビで放送中の「春の天使」の放映権を買うため、自家用ヘリコプターで日本を訪れる。

ステファニー・ブラウン (すてふぁにーぶらうん)

海外のテレビ局DDCの大プロデューサー、ジェームズ・ブラウンが来日した際に一緒に連れてきた女優で、彼の娘でもある。長く伸ばしたまばゆいほどの金髪に青い瞳とビジュアル的には申し分ないが、自分の容姿を鼻にかけており、日本のテレビ局を見下している。付き人のエリザベス・ブラウンにきつく当たったりと性格も悪い。

エリザベス・ブラウン (えりざべすぶらうん)

海外のテレビ局DDCの大プロデューサー、ジェームズ・ブラウンが来日した際に一緒に連れてきた彼の娘。日本人の母親の連れ子で、ステファニー・ブラウンとは違い容姿は日本人。ステファニーの付き人兼雑用係で、自分も姉であるステファニーのような女優になりたいと思っているが、周りから評価されたことがなく自信を喪失している。

須藤 和美 (すどう かずみ)

各局のレコード大賞新人賞を総なめにしている歌手。明和テレビ開局40周年記念に放映予定の大河ドラマの主役候補。実力はあるものの高飛車かつわがままな性格で、自分が気に入らないことがあるとすぐに文句を言う。根本葵がエキストラとして共演した際には「まだ芸能界にいたの」などと厳しくあたる。

根本 葵 (ねもと あおい)

小さい事務所に所属しているデビューして2ヵ月の新人女優。AD業務中の一条真実が機材を運んでいる際に転倒し、それに巻き込まれて足に怪我を負ってしまう。それでも真実のことを恨まず、逆に彼の夢を応援するほどの優しい性格。新人ということもあって入院中にお見舞いに来てくれる人たちが次第に少なくなり、女優としての自信を失いつつある。

加藤 恵 (かとう めぐみ)

一条真実と同じ高校に通う女子生徒。真実とは喧嘩友達で、顔を合わせれば痴話喧嘩をしている。同級生からの人気も高く、顔良し、頭良し、スタイル良しと三拍子そろっていて、学校の中には親衛隊が存在するほど。実は歌手を目指し、歌のレッスンに通っている。

形部 (ぎょうぶ)

夏の連続ドラマ「夏のシンデレラ」のスポンサーであるMB食品の社長で、関西弁をしゃべる。わがままな性格で、オープニングに出てくる通行人の顔が気に入らないと難癖をつけるほど。また、派手なことが大好きで自らがスポンサーとなっている番組にはこだわりを持っており、できるだけCMが目立つようにと要望している。

七瀬 優 (ななせ ゆう)

国民的美少年として知られる超売れっ子アイドル。女の子のような、どこか寂しげな中性的な魅力で世の女性の心を掴んでいる。しかし、業界では人嫌いとして有名で、人間関係も最低限しか築かず、まったく他人に心を開いていない。

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