概要・あらすじ
学究一途に生きてきた女子大生長沢ユウは、所属する研究室で師の水野博士とともに自身のコピー(クローン)を作っていた。当初は12時間で分解してしまうはずのコピーであったが、いつしか延命する方法を知り、長沢ユウとユウのコピーの奇妙な同居生活が始まる。やがて水野の秘密も明かされ、博士号を持つ12才の天才少女、西村マナも物語にからむ。
ユウのコピーはオリジナルのユウに、友情と殺意を同時に抱くようになり、水野も関係して奇妙で恐ろしい状況へと向かってゆくのだった。
登場人物・キャラクター
長沢 ユウ (ながさわ ゆう)
水野研究室でクローンの研究を行っている女子大生。黒縁メガネをかけ、服装を気にしていない。全く性格が反対のアイという双子の妹がいる。自分のデータを元に、日本ではまだ許可のおりていないコピー(クローン)を、水野とともに作って研究していた。12時間で消えるはずのコピーは延命方法を知り、いつしかユウはコピーと同居することになる。 ユウは水野のことが好きで、コピーに後押しされて彼と付き合うようになるが、それはやがて恐ろしい状況へ向かう。コピーはユウのことを「オリジナル」と呼ぶ。
ユウのコピー
女子大生長沢ユウのコピー(クローン)。日本ではまだ許可のおりていない方式だが、秘密裏に水野研究室で作られた。ユウのデータから培養した「第二の舌」を特殊なゼリーに押し込むと、変形してオリジナルの人物そっくりになる。このコピーは、思考パターンや感情まで類似するが、記憶は移植されない。 本来12時間で消えるはずだったが、延命方法を知って自ら対処を行うようになり、消えなくなった。オリジナルより少し優秀になるように設計されており、また「親殺し」もプログラムされているためユウに殺意を抱くようになるが、その前に親近感というか友情のようなものが芽生えており、そのせいで強い葛藤が生じる。
水野 (みずの)
名前と年齢は不明の男性で美男子。大学で水野研究室を構えており、若年ながら日本のクローン研究の先端にいる人物。テレビでクローンについての解説なども行っている。実は日本の水野研究室にいるほうがコピーであり、オリジナルの水野はアメリカにある、西村マナの親が作った生命科学の研究を行う施設にいる。
西村 マナ (にしむら まな)
水野研究室で助手として働く、博士号を持つ12才の天才少女。細身の体で黒髪。髪型はツインテール。父親はアメリカで生命科学の研究を行う施設を作った人物。実はマナは、オリジナルより格段優れた能力を持つ完全なクローンとして作られた存在で、オリジナルのマナは5才の時に死んでいる。 ケーキやキャンディが大好きで、バスタブをいっぱいの紙に包まれたキャンディで満たし、そこに裸で入る行為を好む。父に「永遠に大人にならない薬」を作ってもらうが、次第にコピーであることに疲れていく。