概要・あらすじ
女子高生・蒔田すずこは、友人の影響でネットコミュニティ・ハピランドに参加する。年齢も性別も経歴も関係ない不思議な世界で、すずこは現実世界の彼氏である久保藤吉や、気になる存在のクラスメイト・諏訪部仁多のアバターを見つける。彼らとやりとりを重ねながら、すずこは現実世界と仮想世界の、どちらがよりリアルなのかと考え始める。
そして、人の内面を知ることで、現実世界でも一歩を踏み出せるようになっていく。
登場人物・キャラクター
蒔田 すずこ (まきた すずこ)
電車の中で見かけた、えりの制服姿に憧れて学校を決めた高校1年生の女の子。クラスメイトの久保藤吉と付き合っているが、同じくクラスメイトの諏訪部仁多も気になる。地味で友達が少ない自分がイヤで、変わりたいと思っている。ハピランドでのアバター名はエリス。
久保 藤吉 (くぼ とうきち)
蒔田すずこの同級生で、彼氏。スマホを取り上げられると禁断症状がでるほど、ネット依存気味の草食系男子。現実世界では他人に踏み込まれるのを嫌うが、ネットの中では饒舌な「かまってちゃん」タイプ。ハピランドでのアバター名はクボートーキチ。
諏訪部 仁多 (すわべ じんた)
蒔田すずこのクラスメイト。いつも笑顔で社交的な草食系男子。入学式の日に、一生懸命ほかの子に挨拶をする蒔田すずこを見て好感を持つが、早々に久保藤吉と付き合いだしたので、3年生のえりと「本当に好きな子と付き合うまで」という条件で契約彼氏になる。ハピランドでのアバター名はタジンナベ。
えり
蒔田すずこと同じ高校の3年生。すずこの憧れの先輩。諏訪部仁多と付き合っているが、実は仁多に本当の彼女ができるまでの契約彼女。ハピランドでのアバター名は、すずこと同じエリス。
エリス
ハピランドの住人。蒔田すずこのアバター。初心者なので、色々な人にハピランドでの楽しみ方を教わる。実体のないものにお金を使うことに抵抗があるので、課金アイテムは持たない。そのため、現実世界と同じく無個性な自分に引け目を感じている。
クボートーキチ
ハピランドの住人。久保藤吉のアバター。課金アイテムで全身を固め、「かまってほしい」オーラが全面に出ている。ハピかの募集中。
タジンナベ
ハピランドの住人。諏訪部仁多のアバター。蒔田すずこのアバターであるエリスにハピかのを申し込む。ときどき、他の人になりすまされている。趣味は散歩。特技は輪ゴムとばし。
飛鳥 雅 (あすか みやび)
ハピランドの住人。アバターは若くておしゃれだが、実年齢は72歳のおばあちゃん。趣味は人間観察。若い人たちの相談に乗ったり、役に立つのが好き。エリスのよき相談相手だったが、事情があってハピランドを退会する。
島村 (しまむら)
ハピランドの住人。川柳をよむのが好き。現実のスポーツは苦手なので、ハピランド内で毎日のジョギングを楽しむ。
その他キーワード
ハピランド
約100万人が登録しているネットコミュニティ。10代から50代以上の幅広い男女の参加者が、自身のアバターを作り、仮想の農作・スポーツ・ショッピングなどを楽しみながらコミュニケーションを図る。共有空間である広場と、3つのタウンから成り立っていて、参加者は好きなタウンに家を持つ。課金アイテムと無料アイテムがある。
ハピとも
ハピランド内での友達。友達申請をして承諾されるとなれる。
ハピかの
ハピランド内での彼女。男性の場合は、ハピかれ。
ハピこん
ハピランド内での挨拶。「ハッピーこんにちは」の略。アバターのプロフィール欄にある「ハピこんボタン」をクリックしてもらうとカウントされる。ハピこんの数が、自分のアバターの人気のバロメーターになるという考えの人が多く、お互いに頻繁にクリックしあう事になる。