『研修医 なな子』や『ごくせん』など多数のメディア化作品がある、森本梢子の代表作の一つ。現代の女子高校生、唯が弟の尊が開発したタイムマシンで戦国時代にタイムスリップする物語。黒羽城の若君、忠清に一目惚れした唯は、「唯之助」と名乗って足軽として仕え、忠清を滅亡の運命から救おうと奮闘する。唯は現代と戦国時代を行き来しながら戦国時代での戦いを支援し、物語の後半では若君と共に現代へ逃避行する展開となり、二人の恋愛関係が深まっていく。本作は、少女漫画と戦国時代劇を融合させた作品で、タイムスリップというSF要素を取り入れつつ、歴史を改変していく展開が特徴となっている。現代と戦国時代の文化や価値観の違いから生じる誤解や驚きが描かれており、唯の「足が速い」という特技が戦国時代では重宝され、「足軽」として活躍する設定が物語の軸となっている。また、タイムスリップのルールとして「満月の夜に懐剣を抜くと時間移動する」という設定が確立されている。戦国時代で1か月を過ごしても、現代に戻った時には3分程度しか経過していないという点も、物語の展開に重要な役割を果たしている。集英社「ココハナ」創刊号である2012年1月号から2022年2月号まで連載。テレビドラマが2017年9月から放送され、2018年12月24日にはスペシャルドラマが放送。小説が2017年9月に刊行された。