あずみきしのデビュー作にして代表作。此岸と彼岸の境界に存在する「死役所」を舞台に、さまざまな形で死を迎えた人々の姿を描いた物語。現世の行政機関を模した「死役所」では、自殺、他殺、病死、事故死といった死因ごとに専門課が設けられており、死者は49日以内に必要書類を提出して手続きを済ませなければならない。総合案内のシ村や自殺課のニシ川をはじめとする職員たちは元死刑囚で、彼らと訪れる死者との対話を通じて、人間の本質や社会問題が浮き彫りにされる。本作は、いじめ、虐待、犯罪、孤独死など現代社会の問題をテーマにした社会派ファンタジー。基本的に1話完結形式で展開され、各エピソードでは特定の死者の生前の出来事や葛藤が明かされる。「死役所」ではつねに「お客様は仏様です」という挨拶が交わされ、死者は死亡時の姿のまま現れる。作中では、死後の行き先として天国と地獄が存在し、生前の行いによって振り分けられる制度が構築されている。新潮社「月刊コミック@バンチ」2013年11月号から2018年5月号まで連載後、新潮社「月刊コミックバンチ」2018年6月号から2024年5月号まで連載。その後、新潮社「コミックバンチKai」2024年4月から連載。2019年10月にテレビドラマ化。2022年2月9日にはYouTubeにて約11分のアニメが配信された。