形式的で不親切、無駄が多く非能率的など、悪いイメージをもたれがちなお役所仕事。しかし、多くの職員は仕事に対して真剣に向き合っている。そんな彼らの仕事振りが垣間見られる作品をお届けする。
お役所を舞台に人々が奮闘する漫画特集
出典:小学館
形式的で不親切、無駄が多く非能率的など、悪いイメージをもたれがちなお役所仕事。しかし、多くの職員は仕事に対して真剣に向き合っている。そんな彼らの仕事振りが垣間見られる作品をお届けする。
出典:マンガペディア
新卒公務員・義経えみるが配属されたのは、福祉事務所。義経えみるは同期の仲間とともに、生活保護に関わるケースワーカーとして働くことになる。生活保護に向き合う新米ケースワーカーたちの奮闘が描かれた青春群像劇。2018年7月にテレビドラマ化された。
生活保護とは、日本国憲法第25条「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という理念に基づいて、国や自治体が行う公的扶助制度である。東京都東区役所に就職した主人公・義経えみるは、生活保護受給者と向き合うケースワーカーとして、福祉事務所生活課で働くことになる。義経えみるは、働きはじめてすぐに、担当していた生活保護受給者の自殺という衝撃的な体験をし、ケースワーカーの仕事と真剣に向き合っていくことを決心する。本作は、生活保護やその受給者、そしてケースワーカーの仕事をリアルに描いている。
出典:マンガペディア
架空の地方都市・玉鹿市の市役所にある特殊な課・ええじゃない課が舞台の、1話完結形式のギャグ漫画。主人公・須崎瑛や、好色家・松坂艶二郎など、登場するのは公務員らしからぬ奇抜な人物ばかり。市民にも一風変わった人物が多い。下ネタや不謹慎なギャグも次々と登場する作品だ。
新人公務員の主人公・須崎瑛は、玉鹿市役所の「ええじゃない課」に配属される。「ええじゃない課」で働いているのは、巨大な頭で好色家の松坂艶二郎や、陰気で暴力的な小島などデタラメな職員たち。須崎瑛は、彼らに振り回されるだけでなく、「ええじゃない課」の職員に負けないほど奇抜な市民たちの要求にも右往左往することになる。登場人物が曲者や変わり者ばかりということもあり、ボケとツッコミを担当するキャラが固定されずにストーリーが展開される。「ええじゃない課」は特定の仕事を受け持たず、広報活動や出産の手伝いなど、多岐にわたる仕事を行なっている。
出典:マンガペディア
新人公務員・山神ルーシーは、みつば区役所保健福祉課に勤務することになる。山神ルーシーの本名は非常に長く、「山神ルーシー貴美子明江愛里史織倫弥…(以下略)」と80文字を超える。山神ルーシーは、自分の出生届を受理した職員に文句を言いたくて公務員になったのだ。山神ルーシーを中心に、区役所で働く職員たちの日常と人間模様を描いたラブコメ4コマ漫画。2013年にテレビアニメ化された。
主人公・山神ルーシーは、あまりにも長い自分の名前への恨みから公務員になった。山神ルーシーは、祖父の代から公務員という長谷部豊、バイト未経験で働くことが初めてという三好紗耶とともに、みつば区役所保健福祉課に配属される。本作は、そこで働く人々と区役所を訪れる区民たちを描いたコメディで、役所に勤めていた作者・高津カリノの経験も盛り込まれている。区役所での仕事だけでなく、キャラクターたちの趣味や恋愛模様も描かれるなど、公務員にも区民と変わらない生活があることがうかがえる作品だ。
出典:新潮社
自殺、他殺、病死、事故死など、彼岸と此岸の狭間に位置する「シ役所」には、天国や地獄へ行く前の死者が必ず訪れる。そこで徐々に明らかにされていく死者たちの送ってきた人生。死してなお自分の人生を振り返ることになる老若男女と、死刑となったことで職員として働くことになった者たち。彼らの物語が現代社会や世相などへの風刺を交えて描かれる、人間ドラマだ。
死んだ人間が必ず訪れる「シ役所」。「シ役所」では、「成仏許可申請書」に加え、自殺なら「自殺申請書」、他殺なら「他殺による死亡認可書」、人を救って死んだ場合は「挺身申請書」など、各種書類を提出しなければ成仏できない。「お役所仕事の不条理」が、死んでしまった人々との対比で描かれている。人はどんな思いを残して死んでいったのか。そして職員たちはどんな罪を犯して「シ役所」で働くことになったのか。本作で描かれる「シ役所」の業務は、架空の仕事ながらリアリティにあふれている。
出典:小学館
新人公務員・桃栗三平は坂上市役所に採用され、「かもし課」に配属される。「かもし課」は市役所における「なんでも屋」で、仕事が無い窓際族のような存在だった。熱血漢の桃栗三平は、「かもし課」の新人として積極的に、周囲を巻き込みながら活躍していく。
主人公・桃栗三平が配属されたのは、市長の思いつきで設けられた市民サービスの窓口「特別機動課」改め「かもし課」。業務内容は「どこの担当業務でもないが、行政がやらなければならないこと」で、市役所内では窓際族の寄せ集めのような部署だと思われている。桃栗三平は、持ち前の行動力でどんなことにも積極的に取り組む。下水溝に落ちた亀探し、駄菓子屋へのお客集め、サッカーチームの監督など、さまざまな案件に対して真剣に対応していく。もし、実際の市役所に「かもし課」のような窓口があればとても便利だろうし、桃栗三平のような公務員がいたら頼もしいことだろう。地方行政の理想を描いた作品で、温かい人情物語としても楽しめる。
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