人々によく知られている中国の物語『西遊記』を、伝奇的要素を残しつつ、物語に描かれている唐代中国の史実や実在した人物も絡めながらオリジナル要素を加え、マンガというエンターテイメント作品として大胆に再構成した作品。物語は三部構成になることが作者自身の「あとがき」で明らかにされており、孫悟空が玄奘三蔵と出会って天竺へ向かい中国を出るまでが第1部の「大唐篇」、中央アジアのモンゴル、今でいうトルキスタンにあたる地域の旅を描く第2部「西域篇」と、インドが舞台となる第3部「天竺篇」という構成になるものと思われる。第1部が1983年から雑誌連載が開始され、第1部完結後11年間の中断を挟み、2015年現在も第2部の執筆が続いている。2000年に、第4回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。