架空の犯罪都市を舞台に、「海の運び屋」と裏社会の抗争を描いたクライムアクション。主人公・岡島緑郎(おかじまろくろう)は大商社「旭日重工」に勤める平凡なサラリーマンだ。ある日、出張先の東南アジアで会社の機密事項が入ったディスクを「ラグーン商会」なる海賊に盗られてしまい、おまけに身代金目当てで拉致されてしまう。人質交渉をするも、緑郎はあっさり上司に裏切られラグーン商会の船もろとも会社が差し向けたガンシップの襲撃を受ける。2006年にテレビアニメ化。
会社に裏切られ絶望する緑郎であったが、土壇場で知恵を絞りガンシップを殲滅させた。再び手を差し伸べようとする会社の手を振り払い、緑郎は「ロック」と名乗りラグーン商会の見習い水夫となる。ロックは拠点となる犯罪都市・ロアナプラを根城に、2丁拳銃を操るレヴィ、インテリだがマッチョで変人なボス・ダッチ、メカニック担当で凄腕のハッカー・ベニーの個性的な仲間と共に「海の運び屋」として大立ち回りを繰り広げる。本作の主人公の一人であるレヴィは「二挺拳銃(トゥーハンド)」の異名を持ち、銃撃戦で笑顔になるなどアブノーマルな一面がある。血の気が多く、言動も男勝りなためロックと衝突することも度々あるが、闘いを通してかけがえのないバディとなってゆくのも面白い。
死神の最強武器を作るべく切磋琢磨する少女たちの闘いを描いたバトルファンタジー。死神様が作りし「死武専(しぶせん)」こと死神武器職人専門学校。そこでは「職人」の生徒と「武器」の生徒がバディを組むしきたりがある。二人の目的は、人間の魂99個と魔女の魂1個を武器に食べさせ、最強武器「デスサイズ」を作ることだ。鎌職人の少女・マカ=アルバーンは、魔鎌の少年・ソウル=イーターと共に、魔女ブレアの魂を奪おうと襲撃を仕掛ける。2008年にテレビアニメ化。
マカはブレアに果敢に挑むも、ソウルがブレアの容姿に滅法弱く、何度も跳ね返される。寸でのところでブレアの魂を奪うことに成功した二人だったが、彼女の正体はただの猫であることが判明し、二人の努力は水の泡に。その後もデスサイズを目指して精進する中、マカたちの前に真の敵が立ちはだかる。本作には、マカの仲間であるデス・ザ・キッドが2丁拳銃の使い手として登場する。二人の姉妹を武器として携え、魂を共鳴させることで「デスキャノン」や「三途川撃(サンズリバーショット)」など強力な技を放つ。病的なまでに神経質なのが玉にキズで、左右対称にこだわる余り自滅するなどおっちょこちょいなキャラクターも見どころだ。
20世紀の英国を舞台に、吸血鬼ハンターたちの戦闘を描いたバトルアクション。とある英国北部の小村で、住民が忽然と姿を消す事件が勃発していた。つい最近村にやってきた牧師が疑われたが時すでに遅し、村人たちは皆殺しにされてしまう。現場を訪れた王立国教騎士団「HELLSING機関」の長・インテグラことインテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングは吸血鬼の犯行と断定し、とある男を呼び寄せる。2001年にテレビアニメ化。
インテグラが呼び寄せた殺し屋・アーカードは、牧師に姿を変えた吸血鬼とその下僕に襲われ逃げ惑うセラス・ヴィクトリアと遭遇する。牧師たちは銃でアーカードを蜂の巣にするが、びくともせず返り討ちに。なんと、彼もまた吸血鬼だったのだ。アーカードは牧師をセラスごと撃ち抜き息の根を止めることに成功。瀕死の重傷を負った彼女を吸血鬼にすることで蘇らせ、二人はインテグラの下でハンターとして暗躍する。理由あって同族の仲間を殺すアーカードだが、首がもげても生き返るなどその強さは桁違いだ。彼が使用するのは特殊な白と黒の拳銃だが、特に黒い拳銃「ジャッカル」の破壊力は抜群である。ハードボイルドであるが、クスリと笑わせる描写も多く最後まで飽きさせない。
架空の日本を舞台に、復讐に燃える「ニンジャ」の生き様を描いたサイバー・パンク・ストーリー。主人公・フジキド・ケンジは平凡な一般人であったが、ニンジャの「イクサ」に巻き込まれ妻子を失う。強大な戦闘能力を誇る「ニンジャスレイヤー」となった彼は、復讐の果てに東の「ソウカイヤ」を殲滅させ、もう一つの敵である「ザイバツ」を倒すべく西の共和国・キョートへと向かう。関連作にソウカイヤでの闘いを描いた『ニンジャスレイヤー』がある。
土地感のないニンジャスレイヤーは、キョートで探偵業を営むタカギ・ガンドーを捜していた。その頃、キョートでは人力車ドライバーのアナカ・マコトが客の落とし物のフロッピーディスクを拾う。それを見せられた旧知のガンドーは、犯罪の匂いを嗅ぎつけた。案の定、ザイバツの手下に目をつけられアナカは襲撃されるが、すんでのところでニンジャスレイヤーが現れ、手下との戦闘を制する。しかし、このイクサは序章に過ぎず、ニンジャスレイヤーとガンドーは手を組み、ザイバツの謎へと斬り込んでゆくのであった。190cm近い巨体に白髪頭とダンディな魅力に溢れたガンドーの使う2丁拳銃は、大口径の49マグナムである。その反動を利用した技である「ピストルカラテ」は迫力満点だ。
とある高校を舞台に「武偵」を目指し暗躍する男女を描いた、バトル・ラブコメディ。凶悪化する犯罪に対応すべく作られた国際資格「武偵」。武装を許可されたいわば便利屋であるが、主人公・遠山キンジは、その武偵を育成するための教育機関「東京武偵高校」の二年生。境遇とは裏腹に平凡な高校生でありたいと願う彼の前に、突如命の危機が訪れる。続編に『緋弾のアリア 紫電の魔女』『緋弾のアリア Gの血族』がある。2011年にテレビアニメ化。
キンジの周辺では「武偵殺し」という不可解な連続殺人事件が起こっていた。犯人は捕まったと思われていたが、時を同じくしてキンジは自ら乗る自転車のサドルの下に爆弾を仕込まれる「チャリジャック」に遭遇する。武偵殺しの手口であることを察した彼は死を覚悟したが、その瞬間空から女子生徒が降臨する。華麗な空中技でチャリジャックを撃退した彼女こそが、後に「緋弾のアリア」として世界を震撼させる鬼武偵となる神崎・H(ホームズ)・アリアだった。紆余曲折を経て二人はパートナーとなり、武偵殺しを始めとした様々な事件に巻き込まれてゆく。小柄ながら、2丁拳銃を駆使したアリアのガンアクションは迫力満点だ。ラブコメ要素も満載であり、二人の絆が強まる描写も微笑ましい。