ブラック・ラグーン

ブラック・ラグーン

非合法の仕事も請け負う運び屋グループに入ることになった日本人、ロックを中心に、こだわりを感じさせる銃器描写と、激しくも派手なアクションで展開していくエンターテイメント作品。

正式名称
ブラック・ラグーン
ふりがな
ぶらっく らぐーん
作者
ジャンル
バトル
レーベル
サンデーGXコミックス(小学館)
巻数
既刊13巻
関連商品
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あらすじ

Black Lagoon(第1巻)

旭日重工の社員、ロックは、重要なディスクを運ぶための海外出張中にトラブルに遭い、闇の運び屋、ラグーン商会に捕まっていた。しかしロックの上司である景山が、会社の機密と保身のためにロックを見捨て、彼は帰る場所を失ってしまう。そんな中、旭日重工はディスクをロックもろとも消すために、ラグーン商会の船に傭兵を差し向ける。上司に見捨てられて吹っ切れたロックは、レヴィを始めとするラグーン商会のメンバーと協力し、傭兵達を返り討ちにするための作戦を提案するのだった。

Rasta Blasta(第1巻)

ロック達が受け取った新たな「荷物」は、金髪の少年、ガルシア・フェルナンド・ラブレスだった。レヴィに代わってガルシアの面倒を見る事になったロックは、会話の中で彼が南米の貴族、ラブレス家の次期当主である事を悟る。トラブルを予感したラグーン商会一行は、バラライカを通して探りを入れつつ、ガルシアを連れてロアナプラに向かう事となる。一方その頃、ロアナプラにはラブレス家のメイド、ロベルタが到着していた。

Das Wieder Erstehen Des Adlers(第2巻)

ラグーン商会の新たな仕事は、大戦末期にインド洋に沈んだ潜水艦から、当時の将校が持ち込んだ絵画を回収する事だった。成り行きでレヴィと共に海底の潜水艦に潜入し、絵画をサルベージする事となったロックは、渋々と仕事を始める。一方、ダッチ達は海上から怪しい船舶を確認する。彼らの目的はレヴィ達と同様、潜水艦にある絵画の回収だった。

Calm dowm,two men(第2巻)

潜水艦での出来事から、ロックレヴィのあいだには気まずい空気が流れていた。二人はダッチの頼みでいくつかの用事を済ませる事になるが、レヴィの不機嫌は未だに続いていた。その後、注文した武器を受け取るために訪れた暴力教会で、ロックはシスター・ヨランダに駆け引きを持ち出し、血を流す事なく目的を果たす。再び不機嫌になるレヴィに対し、ロックは「俺はもう謝らない」と突き返す。怒ったレヴィは、ロックに銃口を向けるのだった。

Bloodsport fairy tale(第2巻~第3巻)

ロアナプラのマフィアの幹部が、何者かに次々と惨殺される事件が発生した。マフィア達は連絡会を通して、事件を探り始める。やがて事件の犯人が、幼い双子のヘンゼルとグレーテルである事が判明。バラライカは殺された部下の仇を取るため、自らの直属隊である「遊撃隊」を投入し、本格的に動き出す。

Goat,jihad,Rock’N Roll(第3巻~第4巻)

香港マフィアの三合会張維新からの緊急依頼により、レヴィロックはテロ組織の文書を持って、目的地に向かう事になった。途中、テロ組織の襲撃を受けたレヴィ達は、一度は逃れる事に成功するものの、張の手配した逃がし屋のシェンホア達と合流する際に、文書を持つロックが敵に捕まってしまう。レヴィは文書とロックを取り戻すべく、シェンホアと共に敵地に潜り込む。

Fujiyama Gangsta Paradise(第4巻~第5巻)

ロックバラライカの依頼で、彼女の通訳として、故郷である日本に再び赴く。バラライカは関東和平会、鷲峰組との会談に参加し、敵に対抗すべく鷲峰組と共同戦線を組む事になる。その後、レヴィとロックは神社の高市に訪れ、日本人の女子高校生と的屋の男性に出会う。彼女達は鷲峰組組長の娘、鷲峰雪緒と、鷲峰組若頭代行の松崎銀次だった。

Greenback Jane(第6巻)

フロリダのマフィア「ヌエヴォ・ラレド・カルテル」に依頼され、偽札の原版作成を急ぐジェーンだったが、仲間のテオがカルテルに撃ち殺されてしまう。チームの要であるテオを失ったジェーンはカルテルから逃亡し、ロアナプラ郊外にある暴力教会に辿り着く。そこでレヴィエダに出会ったジェーンは、二人に助けを求めるものの断られてしまう。その後、 シェンホア達に狙われる身となったジェーンは、原版と引き換えにエダとレヴィに助けられる事となる。

El Baile de la muerte(第6巻~第9巻)

南米で起きた爆破事件の犠牲となった主人の仇を討つべく、ロベルタがラブレス家の屋敷を離れて行方不明となる。その後ロベルタ再出現の噂が流れ、ロアナプラには緊迫した空気が流れていた。そんな中ロックは、ロベルタを連れ戻そうとするガルシア・フェルナンド・ラブレスに、捜索の手助けを依頼される。しかし同時に、ロベルタが仇として追っている相手が、米陸軍の特殊部隊である事が判明する。

The Wired Red Wild Card(第10巻)

かつて偽札事件で街を騒がせたジェーンが、ロアナプラに再びやって来た。ジェーンの目的は、彼女をリーダーとする紙幣偽造グループの入団を希望する中国人女性、馮亦菲のテストだった。しかしジェーンは馮の正体が中国の諜報員である事を既に見抜いており、先に罠を仕掛けていた。任務に失敗して組織に見限られ、さらに命を狙われる身となった馮は、ロックレヴィの手助けを受ける事となる。

登場人物・キャラクター

ロック

ラグーン商会の一員として、主に作戦立案や交渉役として立ち回る頭脳役。日本の東京都出身で、一流企業の旭日重工に務めていたが東南アジア出向中に事件に巻き込まれ、会社から見捨てられたことから本名を捨て裏の世界で生きることを決める。犯罪都市で非合法の仕事をしながらも、理想論的な「正義」を振りかざすことがあり、相棒であるレヴィと口論となることも多い。

レヴィ

ラグーン商会で主に荒事を担当する「二丁拳銃(トゥーハンド)」使い。ロックとともに行動することも多く、作戦の実行およびロックを含む「運び屋」として運ぶ対象の護衛役。とはいえ、銃撃戦になれば自身の戦いを優先する傾向がある。褐色肌に黒いロングヘアを持つ若い女性で、幼い頃から黒社会で生き抜いてきたため性格はひねくれている。 理想論をかざしがちなロックとは対立しがちだが、互いに尊重しあってもいる。愛用の銃は「ソード・カトラス」と呼んでいるベレッタM92FS linoxのカスタム・モデル。

ダッチ

『ブラック・ラグーン』の登場人物で、ラグーン商会のボス。その持ち船「ブラック・ラグーン号」の船長でもある。スキンヘッドの黒人で、口の周りを囲うようなあごひげが特徴。小さめの丸いレンズのサングラスを常にかけた大男。ロアナプラでは小規模勢力でありながら、ラグーン商会が大規模勢力からも一目置かれているのはダッチの存在が大きい。 かつてフランス外人部隊に所属し、ベトナム戦争にも従軍経験がある。

ベニー

『ブラック・ラグーン』の登場人物で、ラグーン商会メンバーのひとり。金髪を後頭部でまとめていることが多いユダヤ系アメリカ人で、メガネをつけている。商会ではメカニックを担当。大学生時代にFBIやマフィアを向こうに回して立ち回りしたくらいの腕を持つハッカーで、それらに追われていたところをレヴィに助けられ商会の一員となる。 犯罪都市ロアナプラではかなり常識的な人間。

バラライカ

ロアナプラに拠点を置くロシア系組織「ホテル・モスクワ」のボス。大柄の金髪美女だが、軍務時代に負った火傷の跡が顔の右半分を広く覆っており、「火傷顔(フライフェイス)」の異名を持つ。苛烈な性格でロアナプラの住人の多くから恐れられているが、義にも篤く、ラグーン商会やロックに対してはある程度寛容さを見せている。

張 維新 (ちゃん・うぁいさん)

ロアナプラに拠点を置く中国系組織「三合会」タイ支部のボス。横分けの短髪にサングラスと咥えタバコ、スーツ姿で両手に拳銃を持つ「二丁拳銃」スタイル。ホテル・モスクワとの抗争時にはバラライカと激しい銃撃戦の末痛み分けに終わっている。愛用の銃はベレッタM76のカスタム・モデル。 ロックには親しみやすい雰囲気で接しており、サングラスを外すと意外な童顔が現れるが、組織のボスとしては冷徹。ただし無用な戦いを積極的には引き起こさない。香港ノワール映画を代表する『男たちの挽歌』シリーズ出演時のチョウ・ユンファをモデルにしているものと思われる。

エダ

下手に手を出すと度を越した反撃を受けるため、ロアナプラの荒くれ者どもから腫れ物のように扱われている、通称「暴力教会」のシスター。修道服に身を包んではいるものの、大酒飲みな上にロックをはじめ男漁りに余念がなく、常に銃器を多数装備した危険人物。レヴィとは修羅場を好む性質がよく似ており、長年互いに罵りあいながらの腐れ縁が続いている。

シェンホア

ロアナプラで活動するフリーランスの用心棒で、台湾出身の中国人女性。腰まであるストレートな黒髪と、深いスリットの入ったチャイナドレス姿がトレードマーク。特定の勢力には所属していないが、外見、経歴の通り三合会から仕事を請け負う割合は多い。戦いの際はナイフ類を好んで用い、銃器や防具の類を身につけることは好まない。 中国語なまりの英語を使うせいか、言葉尻が「ですだよ」になるなど奇妙なセリフ回しが多く、レヴィからは「ですだよ姉ちゃん」などと呼ばれている。

ソーヤー

土地柄、年中大量発生する「死体」の処理を請け負う「掃除屋」を営むイギリス出身の女性。その仕事中はマスクとゴーグルを装備し、人工声帯で声を出しているため性別すらわからないような状態だった。クライアントの依頼、あるいは興味が向いたときにチェーンソーを持って戦うことがあり、副業として臓器売買も行っている。 欝傾向があって手首には自殺未遂の傷跡が数多く残っているが、仕事の白衣以外ではゴシックパンク系の服装を好み、一緒にシェンホアの住処に居候しているロットンとともにゲームに興じる面もある。

ロットン

ロアナプラに移り住んできたばかりで、特定の勢力には所属していないフリーランスの賞金稼ぎ。サングラスとロングコートをトレードマークとする伊達男だが、格好をつけたポーズで名乗っている最中に撃たれるなどから回りが目立つ「残念な」イケメンキャラクター。大仰な台詞回しを好んで使い、周囲の人物を呆れさせることが多いが、数々の修羅場を無傷で潜り抜けてきただけの腕と強運を持ち合わせているのは確か。 ソーヤーとともに、シェンホアの住処に居候している。

ヘンゼルとグレーテル

ルーマニア出身の、まだ幼い子供に見える双子の殺し屋。ふたりとも喪服のような黒い衣装を身につけ、ヘンゼルは斧、グレーテルは自身の身長並みの大きさのブローニングM1918自動小銃を武器として所持している。互いによく似ており、髪型や服装を交感することで入れ替わったようにも見せられる。 バラライカ暗殺のためロアナプラを訪れ、狂気すら感じさせる殺戮ぶりで住人たちを恐怖に陥れる。

ガルシア・フェルナンド・ラブレス

まだ幼いとすらいえる少年でありながら、中米十三家族に数えられる名門「ラブレス家」の当主である男の子。高い知性を感じさせる大人びた雰囲気を持つ少年だが、誘拐され「荷物」として運び屋のラグーン商会に持ち込まれる。救出するためロアナプラにやってきたハウスメイドのロベルタに対しては、主と使用人の関係で年齢にも大きな差が存在するものの、異性として強い愛情を抱いている。

ロベルタ

誘拐されたガルシア・フェルナンド・ラブレスを奪回するためロアナプラにやっていた、「ラブレス家」のメイド長。前髪を切り揃え、背中には黒く長い髪を2本の三つ編みにまとめた髪型がメイドとしての基本スタイルで、大きな丸いメガネをかけているのも特徴。しかしかつては「フローレンシアの猟犬」と呼ばれたこともある中米のコロンビア革命軍に所属していた元ゲリラで、ロアナプロの猛者たちが震え上がるほどの戦闘能力を有している。 後にロアナプラを再度訪れたロベルタは、薬物を摂取しながらガルシア・フェルナンド・ラブレスの父親を殺害した部隊を追い続けたため、正気を失った殺戮マシーンと化していた。

ファビオラ・イグレシアス

『ブラック・ラグーン』の登場人物で、ガルシア・フェルナンド・ラブレスに仕えるメイドのひとり。ラブレス家の前当主を殺害した戦闘部隊を追うロベルタを探してロアナプラに再びやってきたガルシア・フェルナンド・ラブレスに同行していた。ロベルタに手ほどきを受けており、格闘技カポエイラも使う高度な戦闘能力者であるが、やはりメイド服姿で大立ち回りを演じている。

鷲峰 雪緒 (わしみね ゆきお)

『ブラック・ラグーン』の登場人物で、日本の極道組織、鷲峰組の先代組長・鷲峰龍三の娘。前髪を切りそろえた長い黒髪に、趣味の読書が似合うメガネをかけた知的な顔立ち、そして伝統的なセーラー服といういでたちが特徴の女子高生。父の死により跡目争いが発生し、それまで普通の高校生活を送っていた雪緒も後継者候補として俎上に上がる。 騒動に他の組も関わってきた上、日本にやってきたホテル・モスクワとラグーン商会まで介入してくることになり、偶然出会ったロックとも敵対することになる。ボディガード役の松崎銀次とは互いを想い合う間柄でもある。

松崎 銀次 (まつざき ぎんじ)

『ブラック・ラグーン』の登場人物で、日本の極道組織鷲峰組の若頭代行。刀一本で拳銃を持つ相手すらものともしない現代の剣豪と呼べる存在で、組長・鷲峰龍三の信頼も厚く、娘の鷲峰雪緒のボディガードを任せるほどだった。日本に来ていたレヴィと一対一の戦いを演じ、レヴィの銃を斬り絶体絶命の立場に追い込むことになる。

集団・組織

ラグーン商会 (らぐーんしょうかい)

『ブラック・ラグーン』に登場する、非合法の物品や人間なども扱う運び屋グループ。「ブラック・ラグーン号」という名の軍用船舶を用いた水上輸送を得意とする。船長でリーダーのダッチを中心に、戦闘行為を含め現場での作戦遂行を行うレヴィとロック、メカニック担当で後方支援を行うベニーの4人で構成されている。

ホテル・モスクワ

『ブラック・ラグーン』に登場するロシア系の犯罪組織。ロアナプラにタイ支部を置いており、同地を共同支配する勢力のひとつとなっている。もともとはソ連軍の一部隊で、黒社会においてもバラライカを指揮官とし軍隊のように統率されている。

三合会 (とらいあど)

『ブラック・ラグーン』に登場する犯罪組織で、香港を本拠とする国際マフィア。ロアナプラにタイ支部を置いており、同地を共同支配する勢力のひとつとなっている。支部を束ねる張維新は、ホテル・モスクワとの抗争を経た上でロアナプラの現状を維持する方針を持っている。

場所

ロアナプラ

『ブラック・ラグーン』の舞台となる、架空の犯罪都市。タイの湾岸地域にあり、いくつもの犯罪組織が拠点を構えており住人にも他国から集まってきた犯罪者が多い。長い間組織間の抗争が続いていたが、現在はホテル・モスクワと三合会をはじめとするいくつかの組織が協定を結び小康状態となっている。

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書誌情報

ブラック・ラグーン 13巻 小学館〈サンデーGXコミックス〉

11 ロアナプラお土産セット付き限定版

(2018-11-19発行、 978-4099430313)

第1巻

(2002-12-12発行、 978-4091572011)

第2巻

(2003-07-19発行、 978-4091572028)

第3巻

(2004-04-19発行、 978-4091572035)

第4巻

(2005-07-19発行、 978-4091572042)

第5巻

(2006-03-17発行、 978-4091570208)

第6巻

(2006-11-17発行、 978-4091570758)

第7巻

(2007-10-19発行、 978-4091571137)

第8巻

(2008-07-18発行、 978-4091571403)

第9巻

(2009-10-19発行、 978-4091571892)

第10巻

(2014-05-19発行、 978-4091573759)

第11巻

(2018-11-19発行、 978-4091575517)

第12巻

(2021-08-19発行、 978-4091576460)

第13巻

(2023-12-19発行、 978-4091577900)

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