2004年~2013年「スタジオジブリ」作品35 Pt.

日本を代表するアニメ制作会社「スタジオジブリ」。本記事では2004年~2013年の代表的な作品についてご紹介する。

作成日時:2017-09-13 18:00 執筆者:マンガペディア公式

2004年~2013年「スタジオジブリ」作品

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概要

これまで数多くのアニメーション作品を世に送り出してきた「スタジオジブリ」。本記事ではそんな「スタジオジブリ」作品の中から、2004年~2013年までに公開されたものをピックアップしてご紹介しよう。

『ハウルの動く城』

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イギリスの作家「ダイアナ・ウィン・ジョーンズ」による小説『魔法使いハウルと火の悪魔』を原作としたアニメ映画で、2004年に公開されたファンタジー作品。「荒れ地の魔女」の呪いで90歳の老婆へと姿を変えられてしまった少女「ソフィー」と、臆病な魔法使い「ハウル」との恋を描いた物語。
“呪いで姿の変わった相手と恋をする”という設定を聞くと、有名な文学作品である「美女と野獣」のように、真実の愛で呪いが解けて元の姿に戻るというストーリーを想像するものだが、本作『ハウルの動く城』ではそういった展開とはまた違った描き方がされている。呪いを受けた当初は90歳という年齢通り腰の曲がった老婆の姿をしていたものの、「ハウル」の城へと辿り着き掃除婦として働くようになってからは、元の若さに戻ったり少し若返ったりとその時々で見せる姿が変わっている。「荒れ地の魔女」の事に関して怒りを露わにした後、曲がっていた腰が真っすぐになって元気に掃除する姿を見せたり、綺麗な花畑を見ていつの間にか若い姿に戻っていたが、後ろ向きな発言をした途端また老婆の姿になってしまったりと、感情の起伏によって見た目の年齢が変化する様子が窺える。
そういった事から、気の持ちようによって姿が変化する呪いなのかとも推測できるが、真相は定かではない。また作中では彼女に掛けられた呪いがどの瞬間に解けたのかという明確な描写も無い為、視聴者の間でも解釈の仕方が様々存在する。明確な答えが明かされていない作品ではあるが、ストーリーを見ながら自分なりに想像したり解釈してみるのもまた一興なのだろう。

『ゲド戦記』

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2006年に公開されたアニメ映画で、「宮崎駿」の息子である「宮崎吾朗」が監督を務めた事でも話題となった作品。国王である父を殺害してしまった主人公「アレン」が、出奔した先で大賢人「ハイタカ」や少女「テルー」達と出会い、様々な出来事を経験しながら自身が抱える心の闇と向き合って行くという物語。
作中冒頭で描かれる「アレン」の父親殺しから始まり、国の外で彼が経験する人狩りや人身売買、「ハジア」といった麻薬など、本作には「ジブリ」作品の中でもシリアスな描写や要素が多く含まれている。主人公「アレン」は心の均衡を失ってしまった少年であり、何かに怯えているような様子を見せたり「ハジア」に手を出してしまいそうになったりと、「ジブリ」の主人公としては他に余り類を見ないタイプで、故にストーリーのシリアスさもより一層際立っているように感じる。全体的に重い作品とは言え、魔法や竜といった「ジブリ」らしいファンタジー要素はやはり目を引き、草原や夕日などといった雄大な自然描写は素晴らしく、均衡が崩れた世界だからこそ見える美しさをより一層強く感じられるだろう。

『借りぐらしのアリエッティ』

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2010年に公開された作品で、小人の少女「アリエッティ」を主人公とした物語。古い屋敷の床下に住み、屋敷の中で「借り」をしながら暮らす「アリエッティ」と、人間である病弱な少年「翔」との心の交流を描いている。
小人が主人公であるだけに、物語の舞台となるのが郊外にある古い屋敷とその庭一帯という限られた空間のみの本作。人間の視点から見ると何の変哲もない普通の生活空間が、「アリエッティ」ら小人の視点から見るとキッチンですら危険を伴う危うい空間へと変わる。視点が変わると景色の見え方にも違いが出て来る点は非常に面白く、洗濯バサミを髪留めに使ったり待ち針を剣のように腰に刺したりと、細かい部分の描写はとても目を引き、作品をより魅力的に見せてくれる。ファンタジー作品にあるような魔法や壮大な冒険といった派手さは余り無いものの、「スタジオジブリ」らしいアイデアやディテールの作り込みをたくさん目にする事ができる作品だと言えるだろう。

『風立ちぬ』

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「宮崎駿」による同名マンガを原作とした映画で、2013年に公開された作品。戦前の日本を舞台に、飛行機の設計家である主人公「堀越二郎」が戦闘機の開発に尽力する姿や、ヒロイン「里見菜穂子」との純粋な愛を描いたストーリー。
実在した「堀越二郎」をモデルに彼の半生を創作したものである本作。戦闘機開発という大筋のストーリーに加えて、本作を紹介する上で欠かせないのはやはりヒロイン「菜穂子」との恋愛だろう。二人の出会いと再会、婚約から結婚までが作中で描かれているのだが、「菜穂子」という女性は明るく芯の強い性格をしているものの、一方で持病の結核という重い病を抱えていた。病気を治す決意をしたものの、当時の日本において結核は殆ど治す手立てが無いとされていた死病である。その後彼女がどのようになるかは想像に難くない。それでも一途に互いを想う姿は本当に純粋であり、病を押して「二郎」の元へとやって来た「菜穂子」の愛やその後の彼女の行動に、思わず涙腺が緩んでしまった人も少なくなかったのではないだろうか。

『かぐや姫の物語』

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かの有名な『竹取物語』を原作とした映画で、2013年に公開された作品。原作でもあるように、「かぐや姫」の誕生から彼女が天へと帰って行くまでの様子が描かれている。
作品全体が手描き風のスタイルで描かれている本作。筆で描いたように見えるタッチはとても柔らかく目を引くが、ストーリーはその柔らかさとは反して少し切ない展開となっている。子供の頃は自然豊かな田舎の村でのびのびと幸せに暮らしていた「かぐや姫」だったが、彼女の幸せを願う父「翁」によって都へと居を移してからはその幸せにも陰りが見え始める。高貴な姫君になる為の習い事や躾は彼女にとって窮屈なものでしかなく、由緒正しい家柄ではない為他の貴族からは成り上がりだと陰口を叩かれる日々。その上、「かぐや姫」の美しさに惚れ込んだ男達からは望まない求婚をされてしまい……。
原作のストーリーは変えず、全く違う印象の作品にしたいという想いで作られた本作。明るく笑える作品ではないだろうが、「スタジオジブリ」や監督である「高畑勲」なりの切り口で描かれたストーリーはとても印象深く、見終わった後に強く心に残るものがある。『竹取物語』の新たな解釈として十分に楽しむ事ができるだろう。

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