まんがタイムきらら作品特集31 Pt.

日常漫画を中心に、ライトでかわいらしい作品が多い「まんがタイムきらら」。「まんがタイムキャラット」「フォワード」「MAX」ほか、姉妹誌を含めた各誌で掲載の5作品を紹介。

天然ボケの高校生・折部やすな、殺し屋の少女・ソーニャ、忍者・呉織あぎり。3人が繰り広げる、漫才のような掛け合いに笑いが止まらない作品。ソーニャとあぎりは殺し屋だ。だが、その仕事内容は一切描かれない。やすなは、ソーニャと友だちになりたくてしかたがない。その一心で、度々ソーニャにちょっかいをかける。しかし天然ボケであるため、余計なちょっかいを出しては、やすなにキツいツッコミを食らう。3人の前には、ソーニャを狙う殺し屋がたびたび現れる。けれど、やすなのボケとソーニャの強さの前に、散々な目に遭ってお縄になることが多い。高校生と殺し屋と忍者によるコメディ漫画である。

「大空遥」と「比嘉かなた」で「はるかなペア」というのがタイトルの由来。遥は、身長が高さがコンプレックス。ビーチバレーでは身長の高さが武器になると知り、その楽しさにのめり込んでいく。一方のかなたはビーチバレー経験者だが、身長が伸びず悩んでいた。お互いの欠点を補い合い、それぞれの長所を活かしたライバルたちとの熱い試合や、はるかなペアの友情が見どころ。遥のおおらかな性格が、過去の経験からビーチバレーを諦めかけていたかなたに勇気を与えていく。やがて過去に折り合いをつけ、2人は息の合う名コンビになっていく。その姿に注目したい。

主人公・関谷なるは、自分が「普通の人間」であることに悩み、非日常に憧れていた。ある月夜の晩に、なるは、留学生であるハナ・N・フォンテーンスタンドの舞を目にする。それをきっかけに、なるは「よさこい部」の創立メンバーにならないかと誘われる。最初は、一歩を踏み出すことができず悩んでいた。しかし、なるはハナと共によさこい部を立ち上げることになる。「よさこい」という非日常に少女たちが踏み込み、成長していくストーリーである。華やかな「祭り」の舞台の裏には、情熱的なエピソードがもりだくさん。それぞれのコンプレックスや心のすれ違いを乗り越え、祭に向けて一丸となっていく少女たち。繊細で熱い、彼女たちの友情を見守りたくなる一作だ。

主人公・萌田薫子は現役高校生で、プロの漫画家でもある。連載していた漫画の人気が出ず、読者アンケートで最下位を取ってしまった。担当編集者は、自信をなくした薫子を成長させるべく、彼女を女子漫画家寮に入れる。自信のなさから、すぐに落ち込んでしまう薫子。そんな彼女を、ルームメイト・恋塚小夢をはじめとした寮の仲間たちが励ましていく。その様子は、さながら少女漫画家版のトキワ荘だ。薫子と親しくなるのは、全員とても個性的な現役漫画家だ。女の子を描くのは得意だけれど男はサッパリだったり、ほのぼの漫画が描きたいのにティーンズラブを描いていたり。そんな女子漫画家たちが、互いを励まし合い成長していく様子を描いている。

外国文化が大好きな少女・大宮忍と、日本文化が大好きな少女・アリス。忍とアリスは、忍のホームステイで知り合った友人同士。2人の仲むつまじい様子が、とっても微笑ましい。忍は金髪の女の子が大好きなので、たまにアリスを嫉妬させてしまう。しかし2人はお互いのことが大好きなので、最後はいつも仲直りする。互いの国の文化のいいところをひたすら言い合ったり、それぞれの文化の新しい側面を見つけて喜んだり。アリスがたまに、日本の変な文化的習慣を知ってしまうのはご愛敬。日本とイギリスの少女たちが繰り広げる、かわいらしい日常を堪能してほしい。