はるかなレシーブ

はるかなレシーブ

背が高い事がコンプレックスの大空遥と、背が低い事がコンプレックスの比嘉かなたのペアを中心に、ビーチバレーに挑む少女達の情熱や葛藤を、時に熱く、時にほのぼのと描くスポーツ漫画。「まんがタイムきららフォワード」2015年10月号から連載の作品。

正式名称
はるかなレシーブ
ふりがな
はるかなれしーぶ
作者
ジャンル
バレーボール
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あらすじ

遥、ビーチバレーを始める(第1巻)

東京から沖縄に越して来た大空遥は、いとこの比嘉かなたの家で居候をする事になった。そんな中、遥は近所の海辺でビーチバレーの練習をしていた遠井成美立花彩紗に出会い、話の成り行きから、かなたとペアを組んでビーチバレーで勝負をする事になった。勝負までの1週間のあいだ、遥はかなたから特訓を受ける。そして勝負の当日、成美と彩紗はビーチバレーの高校生チャンプである事から、遥とかなたが1セットのうちに1点でも取れば勝利となるハンディルールで、試合は行なわれた。当然のように苦戦を強いられる遥だったが、試合の途中で成美が敢えてかなたを避けている事に気づく。そして、そんな成美の不意を突いて遥が点を入れ、遥とかなたは勝利を収める。この勝負をきっかけに、かなたは一時離れていたビーチバレーをまた始める事を決意。一方遥は、成美からかなたを支えてほしいとお願いされる。

遥とトーマス姉妹の出会い(第1巻~第2巻)

大空遥は沖縄の高校へ転校する手続きのために、転校予定の学校に来ていた。そして遥は学校でビーチバレーの練習をしていたトーマス・紅愛となかよくなり、紅愛を通じて彼女の妹のトーマス・恵美理ともなかよくなる。紅愛と恵美理がビーチバレーのペアを組んでいる事を知った遥は、比嘉かなたといっしょに彼女達と練習試合をする事になる。その試合でかなたは、背が低いというコンプレックスを未だ引きずっている事に気づくが、それを乗り越えて、新たにトリック系のショット「ポーキー」を編み出す。

遥、初めての大会(第2巻)

大空遥比嘉かなたは、数日後に控えたビーチバレーの大会に出場する事を決め、水着を買いに行く。そこで遥達は、その大会に出場を予定している棚原愛衣砂川舞に出会う。そこで彼女達とお互いの健闘を誓い合った遥達だったが、大会当日の1回戦で愛衣と舞のチームと当たる事になる。高校のバレー部に所属している二人だったが、ビーチバレーは初心者だった事もあり、序盤は遥とかなたは試合を有利に進める。しかし、愛衣と舞も次第にビーチバレーに適応していき、勝負は互角の展開となる。そして、勝負は終盤戦に突入。かなたは背の低さを体力でカバーし、遥は特訓していたブロックを炸裂させる。こうして遥とかなたは、初めての勝利を手にするのだった。

あかりの入部(第3巻)

突然、大城あかりがビーチバレー部に入部したいと、大空遥達のもとを訪ねて来る。かつて彼女は、ビーチバレーの高校生チャンピオン、遠井成美のパートナーを務めた人物がビーチバレー部にいると知り、その人物が遥だと勘違いしていたのである。しかし、勘違いに気づいたあかりは、足早にその場を去ってしまう。そんな中、あかりの事が気になった遥達は、彼女の事を調べてみる事にする。そして遥達は、あかりが子役として芸能界で活躍していた過去がある事と、そのせいでクラスメイト達から距離を取られていた事を知る。そこで遥達は改めてあかりをビーチバレー部に勧誘し、あかりも入部を決める。こうしてビーチバレー部は、同好会扱いから、晴れて部活として認可される事になった。

かなたの過去(第3巻)

大空遥達はマリッサの特訓により、ビーチバレーの技術が大幅に向上していた。そんな中、遥は比嘉かなたから遠井成美との関係性を語られる事となった。それにより遥は、かなたと成美の過去や、彼女達とトーマス・紅愛トーマス・恵美理との出会い、かなたがビーチバレーにおいて挫折を味わった事を知る。その後、遥達は成美と立花彩紗が沖縄に来ている事を知る。そして、かなたは遥に背中を押された結果、成美と会う事を決意する。そこで、かなたは成美に過去の挫折を乗り越えた事を伝え、今度の大会で日本一を目指すと宣言するのだった。

新垣姉妹の訪問~あかりの葛藤(第4巻)

ビーチバレーの大会を控え、練習をしている大空遥のもとを新垣陽菜新垣柑菜が訪れる。彼女達がトーマス・紅愛トーマス・恵美理に会いに来たと伝えた事で、遥はは二人が紅愛達のファンだと思い込む。しかし、実は陽菜達は3年前のビーチバレー大会決勝で紅愛達に敗北を喫しており、今度の大会でその雪辱を晴らしたいと紅愛達に果たし状を突きつけたのだ。一方、大会の抽選へと出かけていた大城あかりは、沖縄の予選大会では優勝した一組しか全国大会に出られない事を知り、ビーチバレー部のモチベーションが下がる事を危惧していた。あかりはその事実をみんなに伝える事を躊躇して、立花彩紗に相談する。これに対し、事実を伝えるべきだと諭されたあかりは、遥達が紅愛達と決勝で対戦するという事実を、ありのままに伝えた。その事実を前に遥達は、大会ではどのような結果になろうと、お互い正々堂々と勝負する事を誓い合う。

ビーチバレー大会沖縄予選2回戦(第4巻)

ビーチバレー大会沖縄予選にて大空遥比嘉かなたのペアは2回戦へと勝ち進み、そこで新垣陽菜新垣柑菜のペアと当たる。陽菜達は遥達の守備のスキを突いて得点を重ね、試合の序盤を有利に進めた。そんな中、遥達はトーマス・紅愛から聞いていた陽菜達のプレイスタイルと、現在のプレイスタイルがまったく違う事に気づく。陽菜達は紅愛達に勝つために、もともとのパワー系のプレイスタイルからテクニック系のプレイスタイルに変更していたのだ。しかし、パワースタイルに強いこだわりを持っていた陽菜達は、試合の途中にパワースタイルに再度変更する。そして、試合は遥達が勝利を収めるものの、自分達のプレイスタイルを貫いた陽菜達は、どこか清々しい表情を浮かべて遥達の健闘を称えるのだった。

ビーチバレー大会沖縄予選決勝(第4巻~第5巻)

ビーチバレー大会沖縄予選で、大空遥比嘉かなたのペアは決勝へと勝ち進み、トーマス・紅愛トーマス・恵美理のペアと全国大会出場の座を賭けて勝負をする事になった。普段は紅愛のサポートに徹する恵美理が積極的なプレイをする一方で、かなたもまたジャンプサーブなどの積極的なプレイを披露し、勝負にこだわる姿勢を見せる。そんなかなたとの勝負を待ち望んでいた紅愛は、かなたを挫折から立ち直らせてくれた遥に感謝しつつ、彼女達に全力をぶつけていく。しかし遥は、紅愛が想像していた以上の成長を遂げていた。試合は遥とかなたのペアの勝利に終わり、敗北を喫した紅愛達は遥達を称えつつ、全国大会優勝への夢を彼女達に託すのだった。

登場人物・キャラクター

大空 遥 (おおぞら はるか)

東京から沖縄に転校して来た高校生の女子。沖縄では同学年の従姉妹、比嘉かなたの家に居候している。高校ではビーチバレー部に所属している。茶髪を、おさげの髪型にしている。身長が172センチと大きく、そのプロポーションのよさから周囲からモデルだと勘違いされる事もある。しかし、長身をコンプレックスに思っており、背が高い事を指摘されるのをあまり快くは思っていない。 沖縄に引っ越して来た際に、ビーチバレーの練習をしていた遠井成美と立花彩紗に出会い、話の成り行きからかなたとタッグを組んでビーチバレーで勝負をする事になる。それ以来、ビーチバレーの魅力にはまり、かなたといっしょに大会にも出場するようになった。ビーチバレーについては初心者であったものの、かなたやトーマス・紅愛、マリッサなどによる特訓を受ける内に、大きな成長を遂げていく。 ビーチバレーでは長身を活かしたパワフルなプレイスタイルで、豪快なスイングショットなどのスパイクを得意としている。また、紅愛やマリッサによる特訓を受けた事で、ブロックでも秀でた才能を発揮するようになった。

比嘉 かなた (ひが かなた)

沖縄で暮らす高校生の女子。同学年のいとこ、大空遥と同じ部屋で暮らしている。高校ではビーチバレー部に所属している。黒髪のショートカットの髪型で、運動などをする際は髪をポニーテールにしている。身長が151センチと小柄で、それをコンプレックスに思っている。小学4年生の頃にテレビで見たビーチバレーにあこがれ、クラスメイトの遠井成美を誘って大会に出場、そこでトーマス・紅愛とトーマス・恵美理のペアを降して優勝を勝ち取った。 それからも成美とペアを組んでビーチバレーを続けていたが、中学に入学してから身長が伸び悩み、成美の足を引っ張ってしまうと思い込み、ペアを解消してビーチバレーから離れる事を決意する。しかし、その後も一人での練習を続けており、ビーチバレーへの未練を捨てきれずにいた。 そんな中、高校2年生になってからビーチバレーを始めた遥とペアを組む事で、ビーチバレーへの復帰を決意する。復帰した当初はビーチバレーに対して後ろ向きな感情を持っていたが、遥に引っ張られる事で徐々に前向きな思考になり、ビーチバレーに打ち込めるようになる。体力があり、試合終盤まで激しい動きを維持する事ができる。 またトリック系のショットが得意で、特に相手の裏をかくようなディープショットを得意としている。

トーマス・紅愛 (とーますくれあ)

沖縄で暮らす高校生の女子。大空遥とは同学年。ビーチバレー部に所属しており、双子の妹のトーマス・恵美理とはペアを組んでいる。金髪で、ポニーテールの髪型をしている。171センチの長身で、碧眼。細かい事を気にしない大胆な性格だが、その一方で大雑把なところがある。そのため、まじめな性格の恵美理とは口喧嘩が絶えないが、冷静な判断を下せる恵美理の事を信頼している。 母親のマリッサの影響で、幼い頃からビーチバレーをやっており、高校生になってから出場した大会では、全国2位の成績を収めた。幼い頃に出場した大会で、比嘉かなたと遠井成美のペアに敗北。それ以来、彼女達に勝つ事を目標にしてビーチバレーに打ち込むようになった。 そして、中学の大会でかなたと成美のペアを相手に勝利を収めるが、その頃のかなたは身長をコンプレックスに思っているせいで、スランプに陥っていたため、勝利した事に満足し切れないでいた。その後、かなたとペアを組んでいる遥に特訓を施すようになる。また、遥を上達させるために、マリッサにも彼女のコーチをお願いしている。非常に攻撃的な選手で、豪快なスパイクやサーブなどを得意としている。

トーマス・恵美理 (とーますえみり)

沖縄で暮らす高校生の女子。大空遥とは同学年。ビーチバレー部に所属しており、双子の姉のトーマス・紅愛とはペアを組んでいる。金髪で、髪を首の横で一本に束ねて眼鏡をかけている。168センチと高身長で、碧眼。まじめな性格で、細かい事を指摘しがちなため、大雑把な性格の紅愛とは口喧嘩が絶えない。しかし、その一方で積極的な姿勢で自分を引っ張ってくれる紅愛の事を信頼している。 幼い頃は引っ込み思案で、事あるごとに助けてくれる紅愛の事をヒーローのように思っていた。しかし、小学4年生の頃に紅愛と出場したビーチバレーの試合で、比嘉かなたと遠井成美のペアに敗北して、紅愛が完璧ではない事に気づいた。それ以来、引っ込み思案のままではいられないと考えて、徐々に積極的に振る舞うようになった。 トスなどの技術に秀でており、紅愛のサポートに徹している事が多い。

大城 あかり (おおしろ あかり)

沖縄で暮らす高校生の女子。大空遥より学年は一つ下。茶髪で、サイドテールの髪型をしている。幼い頃に沖縄のローカルタレントとしてテレビなどに出演しており、その頃は「ワクワクシークァーサーのシーちゃん」と呼ばれていた。現在でも時おり「シーちゃん」などとその頃の愛称で呼ばれる事がある。しかし、大城あかり自身はその頃の事を恥ずかしく思っているため、その愛称で呼ばれる事を嫌っている。 また、なまじ知られた存在であるため、クラスメイトからは距離を置かれている。ビーチバレー部では選手兼マネージャーのような形で活躍するようになり、だんだんとビーチバレー部をかけがえのない居場所だと思うようになっていく。

遠井 成美 (とおい なるみ)

福知山学院に通う高校生の女子。大空遥とは同学年。立花彩紗とビーチバレーのペアを組んでいる。黒髪で、セミロングの髪型をしている。ビーチバレーの大会で全国優勝を経験している実力者で、ルックスも優れている事から、ペアを組んでいる彩紗と共にビーチバレー界においてアイドル的な扱いを受けている。小学4年生の頃に沖縄の学校に転校して来て、比嘉かなたとはクラスメイトになった。 しかし、当時は大人っぽい雰囲気や引っ込み思案であった事が災いして、友人が作れずにいた。そんな中、かなたに誘われてビーチバレーを始め、その魅力にのめり込んでいった。かなたとペアを組んでビーチバレーを続けていたが、中学生の頃に身長に伸び悩んだかなたからペアを解消されてしまう。 その後、かなたと約束していた「いっしょに日本一になる」という夢を叶えるべく、ビーチバレー部のある沖縄県外の福知山学院に進学する事を決意した。そして、進学後は彩紗とペアを組んで全国優勝するまでに至った。ペア解消後もかなたの事を気にかけており、ビーチバレーを辞めてしまったかなたに、ビーチバレーの舞台に戻って来てほしいと願っていた。

立花 彩紗 (たちばな あやさ)

福知山学院に通う高校生の女子。遠井成美とビーチバレーのペアを組んでいる。ピンク色の髪をショートヘアにしている。明るく前向で、社交的な性格の持ち主。ビーチバレーの大会で全国優勝を経験している実力者で、ルックスも優れている事から、ペアを組んでいる彩紗と共にビーチバレー界においてアイドル的な扱いを受けている。沖縄でビーチバレーの練習をしていたところ、大空遥と出会い、話の成り行きから彼女とビーチバレーの試合を行う事になった。 それ以降、遥とは連絡先を交換するほどの仲になり、何かとビーチバレーについてのアドバイスをするようになる。アドバイスする理由は、成美がかつてのペア、比嘉かなたとよりを戻したら困るためである。

棚原 愛衣 (たなはら あい)

高校生の女子。大空遥より学年は一つ上。黒髪のショートカットの髪型で、背が高い。バレーボール部に所属しており、二つ年下で背の低い砂川舞をバレーボール部に誘った。その際、バレーボールは大きい人を倒すスポーツだと言って勧誘しながら、その年の大会で敗北した理由を、相手の身長が高かったせいにしてしまう。この一件以来、舞に対して引け目を感じるようになり、それを払拭するべくビーチバレーの大会に舞を誘い、ペアを組んで出場する事を決めた。 遥と比嘉かなたのペアに敗北したが、この大会に参加した事で舞に感じていた引け目を解消し、大学に進学したあとも彼女と連絡を取り合う仲になっている。

砂川 舞 (すながわ まい)

高校生の女子。大空遥より学年は一つ下。ツインテールの髪型をしている。背が低く、それをコンプレックスに思っている。負けん気の強い性格で、体力に秀でている対戦相手の比嘉かなたに意地で食らいついていた。高校に入学した際、棚原愛衣にバレーボール部に誘われるが、当初は身長の低さを理由に入部を断っていた。しかし、愛衣には背の低さを肯定的にとらえられた事で、バレーボール部への入部を決意。 以降は愛衣を慕い、彼女の力になりたいと思うようになった。バレーボール部の大会では1年にもかかわらず、リベロとしてレギュラーで出場したが、背の高い対戦チームの前に敗北。その後、愛衣に誘われてペアを組んでビーチバレーの大会に出場したが、遥とかなたのペアに敗北を喫してしまう。 しかしその大会終了後、愛衣の「バレーボールは大きい人を倒すスポーツ」という言葉を噓にしないため、バレーボール部で努力を続ける事を愛衣に誓った。

新垣 陽菜 (あらがき ような)

やんばる南高校に通う高校生の女子。大空遥より学年は一つ下。ビーチバレー部に所属している。日に焼けた色黒の肌をしており、眼鏡をかけている。髪を1本のおさげにしてまとめている。礼儀正しい性格で、お転婆な性格の新垣柑菜に手を焼いている。柑菜とペアを組んでおり、3年前の大会決勝で負けたトーマス・紅愛とトーマス・恵美理をライバル視している。 また、年齢差の関係で3年に一度しか柑菜とペアを組んで、紅愛達と勝負する事ができないため、その大会出場前に柑菜といっしょに紅愛達に果たし状を叩きつけた。しかし、大会では紅愛達と対戦より先に比嘉かなたと遥と対戦し、惜敗する。

新垣 柑菜 (あらがき かんな)

やんばる南高校に通う高校生の女子。大空遥より学年は二つ下。ビーチバレー部に所属している。日に焼けた色黒の肌をしており、髪をハーフアップにしている。お転婆な性格で、礼儀正しい性格の新垣陽菜に叱られる事が多い。陽菜とペアを組んでおり、3年前の大会の決勝戦で負けたトーマス・紅愛とトーマス・恵美理をライバル視している。 また、年齢差の関係で3年に一度しか柑菜とペアを組んで、紅愛達と勝負する事ができないため、大会では紅愛達より先に比嘉かなたと遥のペアと対戦する事となった。もともとパワー系のプレースタイルだったが、紅愛達に勝つためにテクニック重視のプレースタイルに変更している。しかし、力強いスパイクを打つ事に強いこだわりを持っていたため、遥達の試合ではパワースタイルに戻した。 ドライブの回転をかけた力強いスパイクを披露するが、遥達に惜敗する。

マリッサ

トーマス・恵美理とトーマス・紅愛の母親。金髪で、ポニーテールの髪型をしている。身長は172センチの大空遥よりも高い。アメリカでビーチバレーのプロコーチを務めており、紅愛、恵美理、比嘉かなた、遠井成美らに、幼い頃からビーチバレーの指導を行っていた。また紅愛から頼まれた際には、遥にも特訓を施した。 指導は厳しいが、選手達が自分で考えてプレーができるよう適切に導く、高い指導力を持つ。

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