その色気にドキドキ？ 和装の男性が登場する漫画オススメ５選！40 Pt.

四辻屋は、江戸時代から物流を担ってきた名家、四辻家の当主が代々趣味でやってきたという骨董店だ。四辻屋は古美術の取り扱いが多いようだが、流石は名家の当主が経営してきた店だと言えるだろう。主計は四辻家の長男で、将来的に会社を継ぐことが決まったと同時に店主になった。骨董店の店主だけあって、普段から和装。羽織を着用しており、如何にも若旦那というような風貌だ。黙って立っていれば柔和で育ちのよさそうな印象を受けるが、意外にも中身はそうでもない。店番としてやってきた朝子に対しては、攻めの姿を見せるのだ。主計は髪が長めだが、左側は耳にかけている。左側から見ると首筋のラインが見える。男性的な筋張ったラインは、視線を奪われるほどの色っぽさだ。マイペース過ぎるところがあり、美形とはいえコミカルな表情も多い。だからこそ、ふとした瞬間に見せる表情に色気を感じるのだろう。和装はそんな瞬間を逃さず魅力を引き立てる。

桜の記憶に残った好きだった男子は、和装男子だった。着物姿を見て「かっこいい」と見惚れる桜は相当の和装フェチと見受けられる。そして、高校生ならば特に着物を着こなす男子は、落ち着いて凜々しく見えるだろう。現に、和装男子のひとりである遊佐春樹はクールな性格も相まってか、随分と大人びて見える。もうひとりの和装男子は、華道部に所属している2年生の緒方司だ。真面目でクールな春樹に対し、司は緩くチャラい。着物の着方にも性格が表れており、春樹がきっちりと隙がないのに対し、司は胸元をはじめ全体的に緩めだ。どちらからも種類の違う色気が漂っているのが面白いところである。司の色気は肌の露出があるからこそのものだが、春樹の持つ色気は秘されたストイックさから醸し出される。異なるタイプの色気を醸し出せるのも、和装ならではだ。茶道部所属の桜自身も、部活中に着物を着用することが多いらしい。フェチ育成の場としても好適なのでは、などとつい考えてしまう。

歌舞伎は日本の伝統芸能だ。古くは多くの女性が踊っていたが、寛永6年に風紀を乱すという理由から上演を禁止され、男性のみで興行されるようになった。その慣習が続いており、現在でも主な演者は男性である。歌舞伎の演目は、歴史上の事件や伝説、物語をアレンジしたものが多い。当然衣装は和装だが、テレビなどで衣装を見たことがある人も多いだろう。煌びやかで華やかという言葉がぴったりだ。女形と呼ばれる女性役を務める役者が美しく艶っぽいのはもちろんだが、男性役を演じる役者も負けてはいない。タイトルの「ぴんとこな」は、歌舞伎用語で柔らかな色気がありながらも、男らしくきりりとした強さを持った、二枚目の色男をさす。恭之助もライバルとなる澤山一弥（さわやまいちや）も容姿が整っており、普段から色気もあるが、やはり舞台上では格段に違う。序盤の恭之助はだらっとした面が見えるが、子どもの頃の可愛さは必見だ。幼さの中に覗く色気にどきっとさせられる。

雛人形は、女子の健やかな成長を願って3月に行われる年中行事、雛祭りに欠かせないものだ。一対の内裏雛のほか、豪奢な衣装に身を包んだ人形を、飽くことなく見つめた経験が、誰しもあるだろう。華やかなお雛様の姿に憧れを抱いた女性も多いはずだ。新菜は、そんな雛人形を作る職人を目指す男子高校生だ。職人である祖父と二人暮らしをしているのだが、新菜の日常は学校以外だと雛人形を中心に回っていると言っても過言ではない。はやく一人前の職人になるべく、雛人形を作り続けていることもあってか、部屋着は作務衣だ。作業着でもあり、夜遅くなってしまったときは寝間着にもなる。作務衣は、上は着物状の打ち合わせを簡単に紐で結び、下はもんぺをはく。ゆったり着られるものであるが、作業着という側面があるためか、やたら男らしく見えるだろう。特に新菜は体格が良いこともあり、武骨さが表面に出る。頭にタオルを巻くあたりも、職人らしいスタイルだと言えるだろう。働く男の色気が漂う。

小説家というと、着物というイメージがある。特に写真が残っている名だたる文豪の多くは、着物が普段着という時代の人だ。結果として、小説家は着物を着ているというイメージが定着したのではないかと考えられる。とはいえ、暁の普段着はTシャツにジーパンというごくラフなものである。時代小説を書いていても、椅子に座ってPCに向かうのが現代を生きる小説家というわけだ。そのため、当然ながら作中でも和装で登場することは多くない。ではどこで堪能するのかといえば、コミックスの表紙や扉絵だ。ふみと並んで和装で登場することが多く、特にカラー表紙では、着物の色柄などがはっきりとわかるため、よりおしゃれな着物の着こなしを堪能することができる。暁は髪が長いため、男性キャラクターにしてはヘアアレンジの数が多いのも特徴だろう。普段がラフすぎることもあってか、和装になるとキリっとした雰囲気と色気が増す。作中でももっと和装を見せてほしいものだ。