サッカー部の絶対的エースでありながら、ある理由からサッカーを離れた主人公が「カバティ」に目覚め、チームの仲間と共に高みを目指す熱血スポーツ漫画。能京高校1年生の宵越(よいごし)竜哉はかつてサッカー選手として将来を嘱望されながらも、友人との人間関係やマスコミへの不信感からサッカーをやめ、今はもっぱらネットの生動画配信に勤しんでいた。そんな竜哉の元に、カバティ部に所属する1年生の畦道相馬(あぜみちそうま)がやってくる。2021年テレビアニメ化。
カバティは、「自分と仲間の肉体だけで勝負する…熱いスポーツだ」と語る相馬だが、竜哉の反応は芳しくない。サッカー選手時代、どんな強い当たりにも倒されたことのない竜哉は、カバティ部にとって喉から手が出るほど欲しい人材だった。副部長の井浦慶は部員相手に攻撃を成功することができたら、ネット配信の宣伝の手伝いをすることを条件に竜哉に勝負を持ち掛ける。簡単に説明すると「カバティ」とは、2つのチームがコート内でタッチを競い合う「鬼ごっご」である。攻撃(鬼)と守備(逃げ)に別れ、守備側のコートに入り相手にタッチして、素早く自分のコートに戻れば点数が入る。コート内の中央線で陣地が分かれており、息継ぎなしで「カバティ」と言い続けられる時間内だけ相手陣地に入ることができる。
高校生活のスタートを切った主人公が今までの自分を変えるためにウエイトリフティング部に入部し、その深さと面白さに目覚めていく学園マイナースポーツ漫画。「心機一転 僕は変わるんだ」。スポーツ系クラブが盛んなあざみ野西高校に入学した佐倉要は、ゲーム三昧で引き籠りがちだった過去の生活を一新すべく、高校では運動部に入部することを決意する。ウエイトリフティング部をウエイトトレーニング部だと思い込んだ要は、想像した部活と違う雰囲気に度肝を抜かれる。
先輩たちの余りの迫力に「申し訳ないけど 明日断ろう」と思った要だが「まずはシャフトから触ってみよう」と促され、しぶしぶ持ち上げることに。ところが、腕の力では上げられないため、身体全体を使ってバーベルを上げた要の姿を見た先輩は「君はウエイトリフティングをやるべきだ」と叫び、ウエイトは全身の力を使うことが極意なのだ! と力説する。先輩から「ウエイトは練習しただけ記録に結びつく…いわば努力のスポーツなんだ」と諭された要は、何ら興味のなかったウエイトリフティングの世界に徐々に惹かれていくのだった。ちなみにウエイトの基本である代表的な持ち上げ方は、バーベルを地面から一気に引き上げる「スナッチ」と、バーベルを鎖骨まで引き上げて一気に頭上に引き上げる「クリーン&ジャーク」の二通りからなる。
車椅子バスケットボールに打ち込む主人公たちを軸に、障害者に立ちはだかる「リアル」な現実を皆で切磋琢磨しながら乗り越えていく姿を描いた社会派スポーツ漫画。高校3 年生の野宮朋美はバスケットボールに青春を捧げていたが、余りの熱血漢ぶりにチームメイトから疎まれていた。人間関係に疲れ、何もかもが嫌になった朋美は街で山下夏美をナンパする。ところが、夏美をバイクの後ろに乗せて走っていた朋美は事故を起こし、外に投げ出された夏美は半身不随になってしまう。
車椅子生活になってしまった夏美に対し、朋美は「彼女の人生を変えてしまった」と重い責任を感じていた。不良っぽい風体とは裏腹に繊細な性格の朋美は、その罪の重さに耐え切れずに高校を中退する。毎日夏美を見舞っていた朋美だったが、当の夏美には喜怒哀楽の表情が全く見られなかった。ある時、夏美の車椅子を押して散歩していた朋美は、偶然体育館で練習していた車椅子バスケットプレーヤーの戸川清春に出会う。バスケが忘れられない朋美は清春に勝負しようと申し出る。バスケ用車椅子の清春に、お前は慣れているんだからハンデとしてそれを俺に貸せと言い張る朋美に興味を抱いた清春は勝負を受け、朋美をコテンパンにやっつける。そんな二人の姿に夏美は初めて笑顔を見せるのだった。
昔は温泉街として名をはせた田舎町を舞台に、源泉の権利を賭けて女子高生たちがカーリングで勝負に挑むJK町おこし奮闘記漫画。単線列車の終着駅である見並町。そんな古びた町で生まれ育った女子高生の吉川里子は、いつもの日課で愛犬五右衛門と散歩をしていた。途中、逃走した五右衛門を捜していた里子は、自分が失くしたと思い込んでいた持ち物を五右衛門が土の中に隠していた事実を知る。必死に土の中を探っていた里子は何と、新しい源泉を掘り当ててしまった。
夏休みを前にして、源泉を発掘した学生として有名になった里子だったが、何ともやりきれない気持ちを抱えていた。そんなとき、隣町との間に抗争が勃発。隣の紀田町が里子の掘り当てた源泉は「自分たちの敷地」と難癖を付けてきたのだ。友人の西村まつりの父親から、源泉の権利はカーリングで勝負を決める。チームに参加してくれと泣きつかれた里子は、何も分からぬままその勝負を受けることに。そんな里子の姿に触発されたまつり、あゆみ、英子もチームに加わる。かくして、カーリングが何かすら知らない女子高生チームは、源泉の権利を賭けて隣町とのカーリング勝負に挑むことになった。ちなみにタイトルの「Sweep」とは箒で掃くという意味で、カーリングにおけるストーンの進路を左右する重要な行為である。
「スポーツに縁のなかった人間が、ある時突然全国にその名を轟かすようになる」とのうたい文句に心を動かされたヒロインが薙刀部に入部し、高校部活界における「アメリカンドリーム」を目指す青春スポーツ漫画。「高校生になったら、今までとは違う私になる」という希望を抱いて二ツ坂高校に入学した東島旭(とうじまあさひ)だったが、あろうことか通学電車の中で露出狂の変態男に遭遇。一歩も動けない旭の前に一人の長身の美人女子高生が現れ、男を思いっきり蹴飛ばした。
旭を助けてくれた女子高生は、同じ高校の薙刀部に所属している宮路真春(まはる)だった。部活紹介で真春が仕掛けた勧誘作戦に引っかかり、武道場に呼び出された旭は「運動が得意な人が必ずしも薙刀で強くなるわけじゃない」と聞き、薙刀に興味を抱き始める。中学まで美術部だった旭は、自分を変えるために高校では絶対に運動部に入ろうと心に決めていたのだ。「私でも、あんなふうになれますか」。薙刀を相手に打ち込む真春のすばやく美しい所作に感銘した旭の言葉に、先輩の野上えりは「ええ。もちろんよ!」と断言する。薙刀は全く無経験の作者が、1年の取材期間を経て描いた渾身のマイナースポーツの必見作品である。