強国パルスの王子アルスラーンは好奇心に溢れる若き王子。覇気に溢れる強き王アンドラゴラスとはまるで違い、周囲からは頼りない、気弱、器量不足だと言われる始末。
周囲からそう見られている事をわかっていながら、父王のように強くなろうと日々努力を続けていた。
強国であるパルス軍は古今無双といわれ、アンドラゴラス王はその国を統べる偉大なる王と言われている。
そのパルスへ無謀にも戦争を仕掛けてくる国が西北にあるルシタニア王国。隣国マルヤム王国を滅ぼし、その勢いのままパルスへと攻め入ってきたのだ。侵略軍に立ち向かうアンドラゴラス王とともに、この戦を初陣としてアルスラーンも参戦していた。侵略者に対して当然の如くパルス軍は圧勝かと思われていたが、ルシタニア王国の侵略には、大きな陰謀が渦巻いていた。
田中芳樹が1986年から執筆している歴史ファンタジー小説が原作。
マンガは、2013年より別冊少年マガジンにて荒川弘により連載が続いている。コミックは最新5巻まで発売、第6巻は2016年12月発売予定。
アニメは、2015年に第1期25話が放送され、2016年7月3日より第2期の放送が開始する。
万騎長(マルズバーン)のカーラーンによる裏切りに遭い、王都はルシタニア軍の占領下となった。
初陣が負け戦となってしまったアルスラーンは、万騎長ダリューンによって、危機一髪のところを助け出される。
国が奪われ、行く宛ての無くなったアルスラーンをダリューンはかつての友の住処へといざなう。友の名は“ナルサス”。パルス領の端ダイラム地方の元領主であり、現在は隠居を決め込んでいるナルサス。かつてパルスを攻めてきた参加国同盟軍を策略によって崩壊させ、壊滅させた希代の天才軍師だったのだ。
また、ナルサスは摩訶不思議な絵を描く芸術家としての側面も持っていた。その絵は誰にも認められたことがないのだが……。
この出会いが王都奪還へのスタートとなり、仲間を増やしながらアルスラーンは心身ともに成長していくのである。
遥か東方の地、国境城塞と言われるペシャワールを目指して逃げるアルスラーンたち。
そんな彼らにルシタニア王国の追っ手が襲い掛かる。敵軍の強襲に遭い、3組に分かれてしまった彼らの決死行は続く。
逃亡の果て、再開を果たしたアルスラーンたちが向かう先。それは、正当なる王の証である宝剣ルクナバードが眠る魔の山デマヴァント山だった。
前王アンドラゴラスに隠された過去の因縁、周辺諸国との折衝など、前途は多難だが、気弱な王子が魅力的で多才な臣下たちとの行軍により、王となるべく成長する姿は見ていて気持ちがいいものだ。
マンガだけでなく、小説、アニメの全てで『アルスラーン戦記』を楽しんでほしい。
ヤシャスィーン!