大震災への備え、そして再生について考える! オススメ漫画5選75 Pt.

巨大地震は、いつくるか解らない。だからこそ日頃から防災の意識を高めておくことが大事なのではないだろうか。今回は、巨大地震が連続して起きる日本列島を描いたものや実体験を綴ったものなど、大震災に焦点を当てた作品を紹介しよう。

作成日時:2019-11-21 10:00 執筆者:マンガペディア公式

大震災への備え、そして再生について考える! オススメ漫画5選

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『激濤 Magnitude 7.7』

『激濤 Magnitude 7.7』

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実際に起きた「日本海中部地震」をモチーフにし、主人公の新聞記者が被災者の体験談を記録していくドキュメントタッチの漫画。1983年5月26日、新聞記者の杉村真は、秋田県男鹿半島で磯釣り中にM7.7の地震と津波に襲われた。何とか生き延びた杉村は、ジャーナリストとして津波を体験した人々に取材を重ねていくようになる。釣り人からも多くの犠牲者が出たこの地震を通じて、釣り漫画を手掛ける作者の独自の切り口で地震や津波の恐ろしさを描いた作品。

本作で描かれる地震は、1983年に実際に起きた「日本海中部地震」。作者・矢口高雄は本作の舞台となっている秋田県出身で、被災地に詳しいこともあり、描写にリアリティがある。主人公の杉村は津波に対する知識が甘かったため、地震後も磯場を離れななかった。そのため、その後に襲ってきた津波に飲み込まれてしまう。実際、日本海中部地震で命を落とした者の多くの死因は津波だったという。本作では、様々な被災者に取材を重ねていく形で展開していく。そして次第に、津波に対する知識の乏しさが逃げ遅れた原因だったことが解ってくる。周囲を海に囲まれている日本に住んでいる以上、津波は他人事ではない。津波に関する正しい知識や情報を頭に入れておくことが、いざという時に自分や仲間の命を助けるために役立つはずだ。


『日本沈没』

『日本沈没』

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小松左京の同名小説を原作としたコミカライズ作品。崩壊していく日本を描いたSF漫画。原作では1970年代を舞台にしていたが、本作では21世紀初頭の東京に置き換えて描かれている。新宿で雑居ビル倒壊事件が起きたのは真夏のように異常に暑い11月のこと。主人公の小野寺俊夫はその現場に居合わせたことで、やがて日本が辿る運命を知ることとなる。この事件を皮切りに、日本は次々と大きな災害に見舞われ、水面下では日本政府によって「D計画」が動きだそうとしていた。

深海潜水艦の操縦士である小野寺は、地球物理学者の田所雄介博士らと共に日本海溝へ向かい、そこで近い将来、日本が沈みゆく運命であることを知ってしまう。そんな中、政府は日本を沈没させないためのプロジェクトを発足し、小野寺たちも参加することとなる。普通ならばどれだけ大きな災害が起ころうとも、人は再生への道を探るはずだ。しかし、本作ではそんな時間も与えず、阿蘇山噴火や京都大地震など特大級の災害がドミノ倒しのようにつながっていき、日本列島は絶望的状況に陥ってしまう。災害が続き、大勢の人々が命を落としていく中、日本国民が迫られる選択とは。リアリティのある描写と手に汗握る怒濤のストーリー展開から目が離せない名作だ。


『彼女を守る51の方法』

『彼女を守る51の方法』

出典:新潮社

東京が大地震に見舞われた世界を想定し、過去に起きた災害での対策も交えた集団パニック漫画。主人公の三島ジンはお台場で就活中に、元同級生・岡野なな子と再会。中学時代のなな子に好意を抱いていたジンは、その夜、なな子とお台場でデートをするが、突如大地震に襲われる。揺れがおさまったあとに見渡してみると、お台場一帯は液状化していた。ジンとなな子は途中で様々な人と出会い、助け合いながらジンの実家のある早稲田を目指していく。

本作では、主人公のジンとヒロインのなな子を中心に、東京が大地震に襲われるとどうなるかという想定の下、大地震で起こりうる現象や身の安全を守る対策、極限状態の集団心理などが描かれている。地震前に偶然再会したジンとなな子は、つかの間のデートを楽しんだ後、被災する。街には死人や怪我人で溢れかえり、絶望的な状況に理性を失い、情報を求めてデマに踊らされる人々も出てくる。不安が先行して間違った情報が横行してしまうことは想像に難くない。一人一人が気持ちを強く持ち、周囲と協力し合いながら、希望の光を胸に抱き続けるのが大事であることが伝わってくる。作中には液状化の説明や怪我人の対処の仕方なども描かれ、防災マニュアルとしての一面も持っている。


『明日、地震がやってくる!』

『明日、地震がやってくる!』

出典:KADOKAWA

作者自身の被災体験を綴ったエッセイコミック。東日本大震災が起きた2011年3月11日、作者の世鳥アスカは自宅で漫画を描いていた。作者が住んでいた場所は千葉県浦安市。震源地から離れていたものの、埋立地であったため、この地震で液状化が起き、作者を含めた近隣の住民たちは被災者として生活することとなった。1ヶ月もの間断水生活を余儀なくされて感じたことなど、大震災直前から水が無事に出るようになるまでの生活がリアルに描かれている。

柔らかな作風とは対照的に、厳しい現実に直面した時の作者の心境がリアルに綴られている。作者は千葉県浦安市で被災し、停電、液状化、断水を経験した。断水したことでまず困ったのはトイレ。近所に仮設トイレはあるものの、泥で汚れていたため、作者は除菌シート、トイレットペーパー、アルコール消毒液を持参していったという。いつまで続くか解らない断水生活に心が疲弊していく一方で、おしゃれなキャンドルを使って普段とは違う夜を楽しむなど、心の余裕を持つのも大切であることが描かれている。真っ暗の夜道を歩く時、住民が使う懐中電灯にも個性が表れるなど、実際に経験したからこそ描けるエピソードが満載だ。


『東京直下型地震 M8-勇気ある決断-』

『東京直下型地震 M8-勇気ある決断-』

出典:amazon

架空の東京大震災を想定して描いたヒューマンドラマ。地震の研究を行っている瀬戸口、特殊部隊の松浦、国会議員の秘書の河本亜紀子は、高校時代の同級生。三人は現在、東京に住んでいるが、以前は神戸に住んでおり、1995年の阪神・淡路大震災を経験していた。地球物理学者の遠山雄次教授と偶然出会った瀬戸口は共同で研究を行い、近い未来に東京が大地震に襲われるという予測結果を導き出した。大地震から一人でも多くの人を救うため、瀬戸口は奔走することとなる。

本作では、実際にあった阪神・淡路大震災を経験した主人公の瀬戸口を中心に描かれている。震災で家族を失った瀬戸口は、地震が予測できれば助かる命も多くなると思い、地震研究の道に進んだ。瀬戸口は遠山教授と運命的に出会い、遠山教授のプレート理論から三次元地殻構造のシミュレーションを行い、近々東京が大地震に襲われるという衝撃的な予測結果を得る。しかし、2人だけが解っていても、都民たちが信じてくれなければいくら予測をしても意味がない。実際に大地震が起きた場合、一瞬の判断が生死を分かつこともある。普段から自分なりに大地震に備えて防災知識を蓄え、いざという時に冷静な対応ができるようにしておくことが大切なのだと思わせる作品だ。


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