書店員の大変だけれども笑える日常を、実体験をもとに描くコミックエッセイ。本田さんは見た目こそガイコツだが、ごく一般的な書店の漫画コーナー担当の店員。日々、様々なお客様からの要望に応えるために奮闘している。娘に頼まれた同人誌を探してさまようイケメン外国人パパに四苦八苦したり、押し寄せる新刊コミックを限られたスペースにいかに配置するかに頭を悩ませたりと忙しい。そんな悲喜こもごもあふれる書店業務の裏側をユーモアたっぷりに描く。2018年にテレビアニメ化。
主人公であるガイコツ店員・本田さんは書店員経験のある作者自らをモデルにして描かれており、舞台も都内に実在する書店だ。表紙を見てもわかる通り、本田さんはガイコツそのものだが、本当にガイコツなわけではない。絵的にはガイコツでも、いたって普通の書店員なのだ。フルフェイス先輩や、カミブクロ先輩、ペストマスク係長といった同僚や上司も同様で、フルフェイスのヘルメットやカミブクロをかぶったキャラクターとして登場しているが、それもあくまで絵的な表現である。逆に、店を訪れるお客さんは普通に描かれているので、その落差もとぼけた味わいを生んでいる。日常業務として漫画の話題があふれ、書店あるあるも豊富なので、書店好き、漫画好きにはたまらない作品だ。
冴えない青年が、魔王としてオンラインゲームの世界へと転移してしまうダークファンタジー。主人公の青年・モモンガは、かつて人気を誇ったオンラインゲーム「ユグドラシル」のサービス終了の瞬間を、ゲーム内最強のギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のメンバーとして待っていた。しかし、時間になっても強制ログアウトはおこらず、モモンガは自分が異世界へと飛ばされたことに気づく。原作は丸山くがねによる同名ライトノベル。2015年と2018年にテレビアニメ化。
本作で骨の姿のキャラクターは、モモンガがゲーム「ユグドラシル」で操るアバター。モモンガは現実世界では営業職のサラリーマンだが、ユグドラシルの世界では漆黒の甲冑を身に纏った恐ろしげなガイコツなのだ。しかし、ゲームでは最強に類する「アインズ・ウール・ゴウン」のギルド長まで務めても、現実では全く冴えない。ユグドラシルの人気も衰え、サービス終了を迎える頃には共に戦ったギルドの仲間達もゲームから去っていった。しかし異世界へ転移したことで、モモンガは現実世界に戻る価値はないとして、ここで生きる覚悟を決める。彼はギルド名であったアインズ・ウール・ゴウンを自ら名乗り、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)だった淫魔や吸血鬼を使役し、異世界に存在するかもしれないかつてのギルド仲間を探して動きだす。
機械いじりが得意な高校生と、セクシーな悪魔の出会いが巻き起こすお色気満載のファンタスティックコメディ。ごく普通の高校生の叶晴彦は、年上の幼馴染で同じ高校の教師でもある藤川優香に片思い中。実は晴彦は機械オンチの優香のために工学系に強くなったのだ。そんなある日、優香にそっくりのセクシーな悪魔・ユウカナリアが現れる。彼女は、死んだ恋人であり魔具を作りだせる機工魔術士(エンチャンター)でもあったフルカネルリの魂の入れ物として、晴彦の肉体をゆずってほしいと取引をもちかける。
本作で骨の姿のキャラクターといえば、ユウカナリアと同じく悪魔であり、機工魔術士でもあるパラケルススである。見た目は骨格標本そのままの姿ではあるが、その力は強く最強の機工魔術士だともいわれるほど。死神のような見た目をしていても、機工魔術士の中で唯一の医者でもあり、患者が死にたいと望めば殺し、死にたくないと望むなら延命の努力をするというクールなスタンスを貫く。一応は人間の姿にもなれるが、基本は骨の姿のため、ユウカナリアからは見た目そのままに「骨」と呼ばれており、ギャグも繰り出すとぼけたところもある。その優れた能力と知性で時には晴彦を導く奥深い魅力を持つキャラクターだ。
人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの世界観をもとに、オリジナルストーリーで展開されるファンタジー冒険漫画。デルムリン島で唯一の人間であるダイは、モンスターに育てられた少年。いつか勇者になることを夢見て友達のモンスターたちと平和に暮らしていた。しかし、平和を乱す魔王ハドラーが復活してしまう。ダイは島を訪れた男・アバンに勇者としての資質を見出され、やがて仲間達と旅立つことになる。原作は三条陸、監修は堀井雄二。1991年にテレビアニメ化。
ガイコツ姿のモンスターながら、騎士道精神を持つ心優しき存在として描かれているのが、本作に登場する地獄の騎士・バルトスである。バルトスは、旧魔王軍の中でも最強といわれるほどの力を持ち、魔王の部屋へ通じる地獄門の門番を務めた人物。それでいて、戦火で親を失った赤子を親代わりとなって育てるという優しい一面も持っていた。そして、その赤子はやがて魔王軍不死騎団の軍団長・ヒュンケルとなり、勇者・ダイの前に立ちはだかる。ヒュンケルは、勇者が養父であるバルトスの命を奪ったと信じており、その敵討ちのために、人間でありながら魔王軍の騎士となったのだ。バルトスは、人間の敵である魔王軍にも義を重んじ優しさを持つ者がいることを象徴しており、本作の世界観に奥深さを与えている。
架空の都市・風都(ふうと)でおこる怪事件に2人の探偵が挑むアクション漫画。左翔太郎とフィリップは、鳴海探偵事務所の私立探偵だ。そして、2人で1人の仮面ライダーWへと変身する相棒同士でもある。かつて悪の組織によって風都にばらかまれた「ガイアメモリ」がひきおこす超常現象や、それを利用した犯罪に翔太郎とフィリップは立ち向かっていく。原作は石ノ森章太郎。2009年に放送された、いわゆる平成仮面ライダーの一つであるテレビドラマ「仮面ライダーW」の続編にあたる。
本作は「仮面ライダーW」の脚本を務めた三条陸が同じく脚本を手掛け、テレビドラマの主人公でもあった左翔太郎とフィリップのその後を描いている。そして本作で「骨」といえば、仮面ライダースカルだ。名前の通りスカル=髑髏の顔で、白いマフラーと帽子を身に着けたハードボイルドな風情をかもしだす仮面ライダーだ。その正体は、鳴海探偵事務所の初代所長である私立探偵・鳴海荘吉(そうきち)。白い帽子は荘吉が変身前から身に着けているトレードマークなのだ。荘吉は鳴海探偵事務所の現在の所長・鳴海亜樹子の父にあたる。翔太郎は荘吉に憧れて助手となり、やがてフィリップと共に仮面ライダーを継ぐ者となったのだ。この重要なエピソードは作中の「ビギンズナイト編」で詳しく語られることになる。