多様な形の「結婚」を描いた漫画特集！ 契約結婚やLGBTQ、一夫多妻も34 Pt.

互いの利害が一致し、契約結婚をした二人は、津崎が雇用主でみくりは家事代行を行う従業員というビジネス的な関係性でつながっている。契約結婚とはいえ、同じ屋根の下で暮らす内に、互いを意識し合うようになるものの、典型的な草食男子である津崎はネガティブ思考から抜け出せない。みくりは周囲から夫婦らしく見えるように、定期的にハグをする「ハグの日」を月2回作ることを津崎に提案する。スキンシップは愛情を高めるためには欠かせないもの。みくりは心理学を大学で学んできた強みを発揮し、スキンシップを図ることで津崎との心の距離を縮めようとしていたのだった。恋愛に不器用な二人の関係性が少しずつ変化していく様に胸キュン必至の作品だ。

柊が偽装結婚を望む理由は、長年続けている片思いを今後も続けていくためだ。その相手というのは、実兄・旭の嫁で元同級生でもある美晴。明葉は偽装結婚の理由が不毛な片思いの隠れ蓑にするためであることは知っていたが、その相手が美晴だと知り、もやもやとした感情を抱くようになる。最初こそ価値観の違いや細かなルールに苛立っていた明葉だったが、共同生活をする内に、彼の意外な側面を知っていき、少しずつ恋心を抱くようになっていたのだ。一方、柊は明葉に対して友情を感じ始めていたが、年下のイケメン男子の唯斗が明葉にアプローチをかけはじめ、嫉妬するようになる。先の読めない展開にドキドキさせられるすれ違いラブストーリーを堪能しよう。

主人公の弥一の亡き双子の弟・涼二は、ゲイである自分が生きていくために、日本ではなくカナダを選び、マイクと結婚をした。マイクは生前の涼二と交わしたとある約束を果たすために来日し、弥一の自宅を訪れる。弥一はマイクを弟が選んだ結婚相手である前に「ゲイ」であることが気になり、どのように接すれば良いのか困惑していた。一方、娘の小学生の夏菜は突然現れた外国人の叔父に驚きながらも興味を抱き、積極的に交流を深めていく。同居生活を経て弥一は忘れかけていた大切なモノを思い出し、ゲイに対する歪んだ差別意識やこれから起こりうる未来について正面から向き合う内に、涼二を愛して幸せを与えてくれたマイクも大切な家族だという認識に変わっていく。

本作では、一夫多妻制が認められている日本唯一の特区・北つばめ市を舞台に、ハーレム婚ことハレ婚をした伊達家を主軸として描かれる。龍之介の1番目の妻は、市長の娘で派手なギャルだが嫁としてのスキルは高い伊達柚子。2番目の妻は龍之介を誰よりも愛し独占欲が強い会計担当の伊達まどか。一夫多妻制が理解できない小春はプロポーズを拒むが、龍之介は3人を平等に愛すと誓い、嫁たちの幸せを一生守る覚悟あることを告げる。小春は覚えていなかったが、実は幼い頃に龍之介と神社で会っており、その頃からずっと龍之介は小春に想いを寄せていたのだった。3人目の妻となった小春は、他の嫁2人や夫に反発しながらも次第に打ち解け、家族としての絆を深めていく。

本作は、人生を諦めていた主人公が悪評高い名家の主人の元へ嫁ぐが、徐々に互いのことを理解していく内に惹かれ合っていく和風シンデレラストーリーだ。美世はどれだけ理不尽な目に遭っても耐え続ける健気な女性。冷酷無慈悲だと噂されていた清霞を恐れていたが、彼と接する内に実は優しさを秘めている人であることに気付き、少しでも長く一緒にいたいと願うようになる。しかし、異能力を持っていないことがバレてしまえば、捨てられてしまうという恐れも抱いていた。一方、女嫌いだった清霞も健気で心優しく料理上手な美世を気に入り、守りたいと思うようになっていく。自尊心を奪われていた美世が、清霞の愛情を受けて少しずつ笑顔と自信を取り戻していく姿を応援したくなる作品だ。