ロックバンドの活動にスポットを当てた音楽漫画。牛丼屋でバイトをしている火野麗児(ひのれいじ)の前に、奇妙な男が現れる。その男は飲食店に入ってきたにもかかわらず金を持っていないと言い、もし牛丼大盛をイッキ飲みできたら代金をタダにしろ、という驚くべき要求を突きつけてきた。そして本当に牛丼のイッキ飲みをやってのけ、店を出ていった。呆気に取られた麗児だが、バイトが終わったあとにその男・春日露魅王(かすがろみお)と再会。意気投合し、やがて2人は同じ夢を追う仲間になる。
ギタリストとして有名になるという夢を持つ麗児。彼が出会った露魅王は「男一匹成り上がる」という野望を胸に家出してきたという青年だった。男に生まれたからには、何か大きなことを成し遂げたい。共通の熱い気持ちを持つ2人は意気投合し、夢を叶えるため一緒に上京することになる。やってきた東京で、2人はコギャル姿の男子高校生・葉山喨(はやまりょう)と、絶対音感を持つ男・藤井嵐(ふじいらん)を仲間に加え、ロックバンド「ブレーメン」を結成。音楽で天下を取るべく動き出した。本作はロックバンドの活動を描く音楽漫画だが、見所はバンド活動だけではない。実は記憶喪失であるという露魅王の謎や、主要登場人物たちが抱える様々な問題・葛藤も、物語をより魅力的なものにしている。
世界征服の野望を持つ無敵の男が、不良や暴走族たちを相手取って大暴れする様を描いた痛快青春ストーリー漫画。フランスに留学し一人前の画家になることを夢見る男子高校生・岡本清志朗。夢のため、工事現場で日雇いのアルバイトをしていた彼は、不良たちにカツアゲされていたところを、偶然通りかかった同級生・日々野晴矢(はれるや)に助けられた。晴矢は人並み外れた強さを持つ破天荒な男。彼とその仲間たちを中心に、毎日様々なドタバタ劇が繰り広げられる。1997年4月にテレビアニメ化。
世界征服の野望を持ち、高校入学初日に喧嘩をして停学処分を喰らうなど、素行の悪い問題児にしか見えない晴矢。しかし彼は人一倍仲間想いで、自分が大切だと定めたものは何が何でも守るという男気を持っている。本作の魅力は、そんな晴矢が並み居る悪党たちを次々と倒していく爽快感にある。登場する敵は皆、非情で残酷な者たちばかりだが、晴矢が彼らを恐れることはない。自分の力を信じて困難に立ち向かう晴矢の姿に、読者は勇気をもらえるだろう。主人公の晴矢はもちろんだが、彼の仲間たちにも注目してほしい。タイプの違うキャラクターたちが集まることで、単純な不良漫画では終わらず、様々な旨味の詰まった深みのある作品へと昇華されている。
勇者と魔人の戦いを描いた、手に汗握るバトルファンタジー漫画。「最強の剣」を盗み出した邪悪な魔法使いアバル。「無敵の盾」を持つ勇者ルルドは、アバルを倒すことには成功したものの、アバルが死に際に放った「邪悪な呪い」によって時空の彼方にある異世界へと吹き飛ばされてしまった。赤ん坊の姿で異世界へとやってきたルルドは尊人(ミコト)という名で育てられ、それから10年。ある事件をきっかけに「邪悪な呪い」から解放されたルルドは、元の世界に戻ることになる。
赤ん坊の姿で異世界に送られたルルドは、建設作業員の男・虎一に拾われ、身寄りのない子供たちが集まる施設「太陽の家」に預けられた。そこで尊人という名を与えられたルルドは、虎一たちに見守られながらすくすくと成長。小学3年生になる。そんなある日、尊人と虎一は不良たちに絡まれ、絶体絶命の窮地に陥った。命懸けで尊人を守ろうとする虎一。彼の勇気が、尊人にかけられていた呪いを解いた。尊人はルルドとしての記憶と力を取り戻し、不良たちを撃退。虎一を残して、救うべき元の世界へ戻ることになる。本作は、剣ではなく盾を武器とする勇者にスポットを当てた珍しい作品だ。元の世界で再び「無敵の盾」を手にしたルルドがどのように世界を救うのか、最後まで目が離せない。
ロボット開発者とバイク乗りの少女の出会いから始まるSF・ヒューマンドラマ。夜の繁華街で、1人の男がやけ酒をしていた。男の名は刃流川昇(はるかわのぼる)。仕事に行き詰まってしまった彼は、頭から離れない「もしも明日地球が滅亡してしまうとしたら…あなたは今日何をしますか?」という言葉について考え、答えを出した。その結果が「バカみたいに“豪遊”してみたい」だったのだ。彼はその豪遊をきっかけに、バイクが好きなクラブのダンサー・会田わこと出会う。この出会いが、昇とわこの運命を変えていく。
踊っているわこのTバックに、1人の男が80万円という驚くべき金額のチップをくれた。仕事を終え帰宅しようとしていたわこは、先程チップをくれた男が店の従業員から暴行を受けているのを目撃。咄嗟に止めに入る。暴行を受けていた男が主人公の昇で、彼は無銭飲食をしたためヤキを入れられていたのだ。結局、わこが飲食代を立て替えることで場をおさめる。さらにわこはチップのお礼に、彼を自宅まで自分のバイクで送ることにする。昇の家はロボットの開発をする会社でもあり、そこでわこは4足歩行ロボット「ビーストホイラー」と出合った。ビーストホイラーの存在が、昇とわこ、何もかも違う2人の夢をつなぐことになる。ビーストホイラーが物語をどう動かしていくのかに注目しよう。
正義感の強い少年と元悪魔の奇妙な同居生活を描いたダーク・ファンタジー漫画。王仁瓦勇太朗(おにがわらゆうたろう)は、心優しく正義感の強い男子高校生。ある日、彼はクラスメイトの暗井が悪魔を召喚しようとしている現場に遭遇。暗井はその場から逃走し、後には勇太朗と悪魔召喚に必要な物一式が残された。偶然が重なった結果、悪魔は勇太朗によって召喚された形になり、その姿を現す。悪魔の名はスレイヤ。彼は勇太朗に、願いを3つまで叶えてやると言い出した。
適当な願いを3つ言えばよかったのだが、パニックになっていた勇太朗は「悪魔スレイヤを“魔力”の使えない…ボクと同じ普通の人間にしてくれ」と願った。これにより、スレイヤは自らの意思と関係なく問答無用で悪魔としての力を全て奪われ、人間になってしまう。元悪魔となったスレイヤには、勇太朗の家に転がり込むという選択肢しか残されていなかった。こうして、スレイヤと同居することになった勇太朗。2人は勇太朗が死ねばスレイヤが、スレイヤが死ねば勇太朗が死ぬという「血塗られた契約」によって結ばれている。スレイヤは自分を守るため、勇太朗を襲う様々な危険を相手に大暴れを繰り広げるのだが、そんな生活をしているうちに、スレイヤには人間的感情が芽生えていく。