架空の国を舞台に描かれるヒューマンドラマ漫画。13の自治区から成り立つドーワー王国。王国は各区の治安を監視する組織「ACCA(アッカ)」によって、長い間平和が保たれていた。ACCAの監察課に所属するジーン・オータスは「もらいタバコのジーン」というあだ名で呼ばれる青年。出張視察のためにファーマス区に赴いたジーンは、知らず知らずのうちに陰謀に巻き込まれていく。2017年テレビアニメ化。
本作の主人公であるジーンはACCAの職員としてドーワー王国の各地にあるACCAの支部を視察するのが仕事である。ジーンは両親が列車事故で亡くなってから、年の離れた妹のロッタと、高級マンションの管理人の仕事をしながらACCAの職員となり生計を立てていた。そのためマンション住人のセレブと繋がりがあり、彼らからこの世界では高級品であるタバコをもらっていることから「もらいタバコのジーン」というあだ名が付いている。そんなジーンにはカメラマンの親友、ニーノがいた。ロッタも彼に懐いており、ジーンが視察で出張する際にはニーノにロッタのことを任せることも。だがニーノはジーンとロッタの出生の秘密を知っていて、密かに彼ら兄妹を見守っていたのだった。
江戸時代を舞台にふたりの盗賊の男の生きざまを描く時代劇漫画。盗賊「赤目」の頭目、辰五郎は今際の際にふたりの男、弁蔵と宗次に跡目を任せた。だがふたりの他に証人がいなかったので、その遺言は後に辰五郎の内儀である姐さんが持ち出した遺言書によって無かったことに。納得のいかない弁蔵と宗次は「赤目」を抜け、ふたりで「でっかいこと」をするために大阪へと旅立った。2015年実写ドラマ化。
本作は騙されやすいが義理堅く、腕っぷしの強い弁蔵と、美形で冷静沈着な宗次のふたりの男が主人公。この物語は同作者の『さらい屋五葉』に登場した「鬼蜘蛛の弁蔵」と「仏の宗次」の若かりし頃を描いたものである。盗賊「赤目」の頭目、辰五郎は、弁蔵と宗次に赤目のことを任せて死去。だが遺言書によって「赤目」の跡を継いだのは辰五郎の弟分、甚三であった。そのことを認めないふたりは「赤目」を離脱、大阪で「でっかいこと」をやろうと旅立つ。ふたりが抜けて甚三が継いだ「赤目」は、押し込み先で人々を皆殺しにするような残虐な組織となった。弁蔵と宗次はふたりで並び立つ「ふたがしら」となって「壱師」という不殺の盗賊団を結成するのだった。
イタリアのレストランを舞台に「老眼鏡紳士」好き女子の恋愛や、母親との交流を描いたヒューマンドラマ漫画。21歳のニコレッタは母親であるオルガの再婚のために祖父母に預けられて育った。母の再婚相手、ロレンツォに自分という娘がいることをばらしてやろうと向かった先は、ロレンツォが経営するレストラン。そこでニコレッタは老眼鏡が似合う紳士、給仕長のクラウディオに恋をする。
本作の舞台となるのはローマにあるレストラン「リストランテ カゼッタ・デッロルソ」。主人公ニコレッタの母親オルガは、このレストランのオーナー、ロレンツォに娘がいることを秘密にして再婚した。ニコレッタはそんな母親に腹を立ててロレンツォに秘密をばらそうと彼のレストランへ。そのレストランはオルガの趣味で従業員が全て「老眼鏡紳士」で構成されていた。ニコレッタは給仕長で静かな色気のある老紳士クラウディオに恋してしまう。そこでニコレッタは見習いシェフとしてレストランで働くことに。やがてニコレッタはスタッフたちと親交を深め、オルガともお互いを理解していくようになる。本作の前日譚的作品に『GENTE〜リストランテの人々〜』がある。
100年の刑期を終えた不老不死の男と、彼を拾った美女が繰り広げる謎と人情のミステリーアクション漫画。1963年、ロサンゼルスの郊外で100年の刑期を終えて出所した男がいた。彼の名はロバート・ウィンツ(愛称・ロブ)。何故か外見は20代の青年であった。そんな彼を拾ったのは19歳のシェリー・ブライト。彼女はロブと共に運び屋の仕事をすることになった。
本作は謎に包まれた不老不死の男性ロブと、お人好しだがしっかり者のシェリーが運び屋としてロサンゼルスを駆け巡る物語。また運び屋としてのストーリーの傍らで謎めいたロブの過去についても徐々に明かされていく。ロブは殺人と放火の罪で100年間投獄された。冤罪であったにも関わらずなぜかロブは沈黙した。ロブは投獄される前にとある出来事から不老不死となったため、外見は20歳そこそこの青年。彼は出所後、あまりにも変わった世界に対応できずにいた。そんなロブをおせっかいから助けたシェリーは、ふたりで「運び屋」の仕事をするようになる。ロブは「オールドマン」、シェリーは「レディ」と呼ばれ、ふたりは「レディ&オールドマン」の名で知られるようになった。さまざまな仕事をするうちに、ロブの秘密が少しずつ明らかになってくる。
初老の小説家と彼の息子、娘婿の男三人が過ごす「休日」を描いた日常系漫画。初老の小説家、楽々居輪治(ささいりんじ)は長年ニューヨークでアメリカ人の妻と子どもたちと暮らしていた。倫治は45歳の時に日本の小説賞に応募した作品が新人賞を受賞し、小説家となって20年。現在は倫治の父の遺産である日本の家とニューヨークを往復する生活をしている。そんな倫治の日本での生活に、何故か息子のマックスと娘婿のヤスが毎週日曜日に遊びに来るのだった。
倫治は仕事と日本の家の管理のため、妻のいるニューヨークと日本を往復する生活をしている。息子のマックス一家も仕事で日本に、娘のレイチェルと夫のヤスも仕事で日本に来ていた。マックスの家族は天才児の息子、ルーカスと妻が日曜日にセミナーに参加するため、娘婿のヤスはレイチェルが日曜出勤のある仕事のため、ふたりとも休日を持て余していた。そんなマックスとヤスは、日曜日の度に倫治の家に遊びに行く。名目は大人の休日の過ごし方を倫治から学ぶというもの。ふたりは倫治と縁側でアイスを食べたりジョギングや買い物に出かけたりして休日を楽しんでいた。いつしか3人は最高の休日の過ごし方を探し求めるようになっていった。