前回に引き続き近畿地方出身のマンガ家をご紹介!!今回は「大阪府」と「兵庫県」の1府1県から!!
マンガ作品にはその作者の出身地、土地柄が現れるものも数多い。出身地別にマンガ家を紹介する。
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前回に引き続き近畿地方出身のマンガ家をご紹介!!今回は「大阪府」と「兵庫県」の1府1県から!!
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西日本の行政、経済、文化、交通の中心都市である「大阪府」。そしてお笑いといえば……!?と問うとほぼ即答で返ってくる答えは「大阪」。ボケとツッコミが共存する笑いの都。そこから紹介するマンガ家1人目は「中原アヤ」である。22歳の時に『春と空気と日曜日』でマンガ家デビュー。代表作はドラマ化された『ダメな私に恋してください』と、アニメ化のみならず実写映画化もされた『ラブ★コン』である。『ラブ★コン』の舞台は大阪の「舞戸高校」。主人公の「小泉リサ」は身長172cmの長身女子。身長が大きな事から「巨女」「巨神様」と呼ばれ、自らも「大泉じゃなくて小泉」と自虐ネタにしている。対して「大谷敦士」は身長156.2cmの小柄男子。背の低さから「チビ」と言われ、「リサ」には「ミジンコ」扱いされる始末。もちろんこんな2人は犬猿の仲、水と油。しかし周囲からはその身長差と口ゲンカの面白さから「学園のオール阪神・巨人」と呼ばれる有名人であった。すると「リサ」も少しずつ「敦士」に惹かれて行くのだったが、やはりネックは「身長差」……。2人の恋の行方はどうなるのか!?恋は身長差に打ち勝てるのか!?こちらのマンガは大阪府堺市が舞台となっている。南海堺駅前のモニュメントや商業施設、国道26号や大浜公園、ザビエル公園など、実在する場所が続々と登場する。「リサ」と「敦士」の漫才の様な掛け合いに注目しながら大阪らしさを感じよう!!
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迫力のある「やりまわし」が特徴的な「だんじり」が、全国区で有名な「大阪府岸和田市」。昭和の終わり頃からメディアに注目されるようになり、祭りの当日には大勢の観客が訪れる。その「大阪府岸和田市」出身のマンガ家が「南勝久」である。中学卒業後、様々な仕事を経て1999年にマンガ家デビュー。そんな彼の代表作は『ナニワトモアレ』。舞台は1990年代前半の大阪と泉州地区。阪神高速道路1号環状線を走っていた走り屋「環状族」の物語である。「トリーズン」「アンペア」「プラウド」「ナイトホーク」などのチームに所属する強烈なキャラクター達が、環状線を爆走する。全編関西弁で描かれており風景や街並みも実在する場所が多く、登場人物の中には実在の人物をモデルにした者もいる。実は作者も過去に「環状族」であり、実体験に基づいた非常にリアルな描写やエピソードが描かれているのだ。目指せ、環状線走り屋No1の座!!大阪大好き、車が大好きな方はぜひ!!第二部の『なにわ友あれ』も合わせて読むことをおすすめする。
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「天下の台所」と言えば「大阪」。「しゃぶしゃぶ」「懐石料理」「うどんすき」などの日本料理や、「たこ焼き」「お好み焼き」「串カツ」「イカ焼き」などの粉もん文化の発祥の地でもある。そんな「大阪府」出身のマンガ家3人目として紹介するのが「はるき悦巳」である。大阪市西成区西萩町出身。1978年にマンガ家デビューした彼の代表作が、同年発表の『じゃりん子チエ』である。当初は単発の読み切りとして発表されたこの作品だが、最終的に19年もの長きに渡り連載され、アニメ化、舞台化もされた大人気作品。大阪の「頓馬区西萩2―4」のホルモン屋「チエちゃん」を営む小学5年生「竹本チエ」が主人公。元は「チエ」の父「テツ」が「テッちゃん」として経営していたのだが、ろくに働かない上に博打とケンカに明け暮れているため、「チエ」に店を奪われたのだった。「テツ」を始め周囲の個性的な人々の騒動に巻き込まれながらも、強く生きるナニワ娘「チエ」。見ているだけでも元気がもらえる作品である。この「チエ」が住む街「大阪市頓馬区西萩」は作者の出身地大阪市西成区西萩町がモデルであり、「チエ」の同級生「小林マサル」は作者本人がモデルだと語られている。昭和の大阪で繰り広げられる人情物語は懐かしく、温かく、そして元気が出る。
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「あべのハルカス」「USJ」「通天閣」「海遊館」などなど、数多くの観光地を持つ「大阪府」。西日本最大都市「大阪府」出身マンガ家ラストを飾るのは、「逢坂みえこ」である。1982年にマンガ家デビューし、女性誌を中心に作品を掲載していた一方、男性誌でも活躍するなど、幅広く作品を執筆している。その中でも代表作と呼ばれるのが『永遠の野原』である。高校2年生の「二太郎」は小学生の時に父が他界、その後母が再婚し家を出たために姉の「一姫」と子犬の「みかん」と暮らしている。親友の「石田太」は長身のイケメンで無口。「二太郎」は女友達の「野沢ひとみ」に好意を抱いていたが、「ひとみ」は「太」に一途に思いを寄せていたためその想いは実らなかった。その後、通学電車で知り合った「田中真理子」と付き合うも、「真理子」もある出来事をきっかけに「太」に惹かれていき「二太郎」に別れを告げる。いろんな想いを抱いたまま、「二太郎」たちは高校を卒業し、それぞれの道を進んでいく。青春の過程での恋愛、友情、家族などへの想いが入り混じる、学生時代を思い出すような作品である。この「二太郎」が住んでいるのは「大阪府豊中市」であり、作者の出身地「阪急宝塚線沿線」が主な舞台で、「二太郎」が進学した「吹田市立大学」は「関西大学」がモデルとされている。青春時代に繰り返す「片思い」の甘酸っぱさは、いくつになっても思い出しただけで少し切ない。作品の発表から20年以上経った今読んでも、色褪せない物語なのである。
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近畿地方の中で最大の面積を持つ「兵庫県」。南北に長く、本州を北から西へと陸路で縦断すると必ず通るのがこの「兵庫県」であり、日本の標準時子午線も南北に通過している県である。この「兵庫県」出身のマンガ家からまずは「あずまきよひこ」を紹介する。兵庫県高砂市出身で、1994年頃からマンガ家として活動。1999年から連載を始めた『あずまんが大王』はアニメ化もされ、彼の名を一躍有名にした。そしてもう1つの代表作が2003年から現在も連載中の『よつばと!』である。夏休み前日、強烈に元気な5歳の女の子「よつば」と「とーちゃん」の親子が引っ越して来た。「よつば」は遠い海の向こうで「とーちゃん」に拾われたとの事で、見るもの全てが初体験のことばかり。どんな小さなことにでも面白さや感動を見出し、毎日が全力投球な女の子だ。「よつば」と「とーちゃん」、そしてお隣に住んでいる「綾瀬家」を始めとする周囲の人たちの賑やかな毎日の物語。「よつば」たちが住んでいる「紫陽花町」は架空の街だが、作者の地元「兵庫県加古川市」をイメージしており、作中にも実際の場所やお祭りの様子が登場している。これは作者が牧場や公園、キャンプ場に出向き描いたものである。全てが新鮮に感じる「よつば」の純粋な好奇心を、一緒に楽しんでみるのも一興だ。
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1995年に発生した未曾有の大災害「阪神・淡路大震災」。あの衝撃的な映像をテレビで見た人、実際に体験した人も多いであろう。その「兵庫県」から次に紹介するマンガ家は「西村しのぶ」である。兵庫県宝塚市出身、1984年にマンガ家デビュー。同年に発表された作品が代表作でもある『サード・ガール』である。主人公の「佐々木涼」と「岸田美也」は大学時代から付き合い始め、卒業後に同棲生活を始め事実婚状態に。浮気性の「涼」は大学時代に、当時中学生だった「神崎川夜梨子」をナンパして、「夜梨子」は「愛人」として「涼」と付き合う事に。大学生から社会人、中学生から高校生へと移り変わる中での「プラトニックな三角関係」が繰り広げられるこのマンガの舞台は、兵庫県神戸市中央区が中心。実在していた場所も数多く登場している。1984年から1994年まで連載されていたこの作品は、「大震災」前の神戸市の風景が描かれているのである。バブル期のファッション、街並みなど、いろいろと懐かしさが満載の作品なのだ。20年以上前の風景を懐かしく読み返したり、初めて見る風景に目を奪われたり、どの世代の心にもいろんな想いが巡る作品である。
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「摂津」「播磨」「丹波」「但馬」「淡路」の5地区に分かれる「兵庫県」。それぞれの地域ごとに、方言や気候など様々な特色を持っている。そんな「兵庫県」から3人目にご紹介するマンガ家は「空詠大智」である。2006年に「小学館新人コミック大賞佳作」を受賞、2011年に『クラブサンデー』で連載デビューを果たす。代表作の『競女!!!!!!!!』は2013年から2017年まで『週刊少年サンデー』で連載されており、2016年にはアニメ化され人気を博した。貧乏な高校3年生「神無のぞみ」はある日、公営ギャンブル競技「競女」の存在を知る。「競女」とはお尻や胸で女子たちが水上ステージでの落とし合いをする競技。元は有望な体操選手だった「のぞみ」だが、家庭の金銭事情から体操の道を諦め、一攫千金を狙い「瀬戸内競女養成学校」に入学する。そこで個性的な同級生やライバルたちと共に「競女選手」として成長していく物語である。この「瀬戸内競女養成学校」があるのは「兵庫県淡路島」。ここで「のぞみ」たち様々な分野のトップアスリートたちが、「競女選手」を目指し切磋琢磨しているのである。胸やお尻で熱く激しく戦う水着姿の女子たちの姿、とくとご覧あれ!!
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