数々のヒット作を世に送り出してきた「ノイタミナ」。当初のターゲット層は限られていたが、今では幅広いジャンルを手がけるために多くの層より支持を得ている。「ノイタミナ」の魅力を多角的に感じられる、さまざまなジャンルのアニメを10作品紹介。
アニメの常識を覆したいという制作スタッフの思いから作られた「ノイタミナ」。これまで多くの人気アニメを世に送り出してきたが、その中から10作品を紹介。
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数々のヒット作を世に送り出してきた「ノイタミナ」。当初のターゲット層は限られていたが、今では幅広いジャンルを手がけるために多くの層より支持を得ている。「ノイタミナ」の魅力を多角的に感じられる、さまざまなジャンルのアニメを10作品紹介。
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キャッチコピーは「家族に会いたい、と初めて思った。」本作は「ノイタミナ」の中で2本目のオリジナルストーリーアニメであり、平成21年度、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門において優秀賞を受賞している。マグニチュード8.0の海溝型大地震が発生し、甚大な被害を被った東京の街を舞台に、被災者である「小野沢未来」という少女の目線から物語が展開されている。「小野沢未来」はある日、弟の「小野沢悠貴」とお台場に遊びに来ていた。すると大地震が発生、レインボーブリッジは沈み、東京タワーは倒壊してしまう程の被害に見舞われてしまった。2人は偶然知り合った「日下部真理」と行動を共にし、家に帰ることになるが、被害を実際の目で見た「小野沢未来」が何を感じていったのかが焦点となっている。本作を通じて東京で巨大地震が発生した場合にどれだけの被害と混乱が生じるかが生々しく見ることができる。また、家族のありがたみも感じられる、非常に胸を穿つ作品である。
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「森見登美彦」の小説をアニメ化した作品。「湯浅政明」が初の小説作品の監督を務めた。「森見登美彦」独特の言い回しや世界観をそのまま映し出すために、通常のアニメよりも文字数が多く、「脚本家と声優泣かせ」と呼ばれた作品。京都大学3回生の男子学生が、自ら選んだサークルによって大学生活がいかに変貌したかを描いたストーリーである。その世界観では並行世界の要素が用いられており、主人公の「私」は各話異なるサークルに所属するという構成となっている。アニメは全11話で構成されており、10パターンの並行世界の話が展開された。主人公の「私」は、最後には並行世界の存在に気付いてしまうが、それまでは薔薇色のキャンパスライフを夢見て、悪友の「小津」と不毛な大学生活を営んでいる。登場人物の個性が小説版よりも引き出されている一作である。
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「丸戸史明」によるライトノベル作品を映像化した作品。イラスト原案はイラストレーターの「深崎暮人」が担当。1期は2015年の1月から放送され、2017年の4月からは2期が放送された。1期では「安芸倫也」が最高のギャルゲーを製作するために同人サークル「blessing software」を立ち上げる。キャラデザと原画、背景担当の「澤村・スペンサー・英梨々」、シナリオ担当の「霞ヶ丘詩羽」、ギャルゲーのメインヒロイン担当の「加藤恵」を仲間に加え、作品の完成に至るまでの話を取り上げている。ゲーム完成までの過程だけでなく、それぞれのゲームにかける思いも丁寧に描写されており、ときに喧嘩をしながらも協力していくさまは胸が熱くなる展開である。「安芸倫也」を巡る女陣の恋のバトルからも目を離せない作品である。
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「奥田英朗」による連作短編小説集のアニメ化作品。小説は第131回直木賞受賞作であり、2005年にはスペシャルドラマとしてドラマ化もされた。アニメは2009年に「ノイタミナ」で放送され、高い評価を得た。小説1作目の『イン・ザ・プール』や同シリーズ3作目『町長選挙』に収録されているエピソードを含んでおり、2作目の『空中ブランコ』からは全エピソードがアニメ化。アニメ化に際して主人公の精神科医「伊良部一郎」の姿は3パターン描かれ、シーンごとに姿の使い分けがされている。それを含めた本作の演出は非常に目を引くものであり、主要な患者以外のキャラクターとのタッチの差など、視覚的に楽しめる作品である。「伊良部一郎」はかなり変わった性格をしており、患者が注射されているのを見ることに興奮を覚える。無茶苦茶なやり方で患者たちの心の病を対処してくが、案外その方法は間違っていないのである。好き嫌いの好みがはっきり分かれる作品であるが、ハマる人はハマる、そんな作品である。
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2014年に漫画大賞第2位を受賞した漫画作品のアニメ化。タイムリープ能力を持った主人公が過去に戻り、悲劇を回避するために奮闘するミステリーサスペンスである。その人気から2016年のアニメ化に留まらず、同年には実写映画化もされた作品。主人公の「藤沼悟」は直後に起こる悲劇を回避するまでは何度も悲劇前の場面にタイムリープしてしまう、「再上映(リバイバル)」という特殊能力を持っている。母の死をきっかけに起こった「再上映(リバイバル)」で幼少期に起こった誘拐殺人事件の真犯人と母の殺人犯が同一人物であることに気付き、両方の事件を防ごうと現代と過去の2つの時間軸を行き来する。漫画、アニメ、映画とあらゆるコンテンツで人気を博しただけある程に、どんどん引き込まれる作品だ。物語の締めくくり方はそれぞれ違っていて、見ている者を飽きさせない作りになっている。
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人気漫画『鋼の錬金術師』の作者、「荒川弘」の漫画作品をアニメ化。漫画の累計発行部数は1,000万部を超えており、非常に人気の高い作品である。2013年に第1期が、2014年には第2期が放送され、同年には映画化もされた。キャッチコピーは「汗と涙と家畜の酪農青春グラフィティ!!」。その名の通り農業高校に通う高校生たちの青春物語である。クラスメイトたちは皆農家で育った面々だが、主人公の「八軒勇吾」はサラリーマンを父に持つ一般家庭で育ったために農家に対しての意見がクラスメイトたちと違い、大きな影響を与えていく。また、「八軒勇吾」もクラスメイトの農家に対する考えに感化され成長していくのである。農業高校での生活の中での厳しさや、仲間との関わりなど、ときにコミカルながらもメッセージ性を含んだ内容が多く、考えさせられる場面も多くある。高校生の等身大の悩みの描写も多くあり、登場人物を通して青春を謳歌できる。
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「石川雅之」による漫画作品をアニメ化。2007年にアニメ第1期が放送され、2010年にはドラマ化、2012年にはアニメ第2期が放送された。第12回手塚治虫文化賞マンガ大賞を筆頭に、全4種の賞を受賞した作品である。農業大学に通う「沢木惣右衛門直保」は菌が見える特異体質であり、その特異体質から「樹慶蔵」のゼミに誘われる。幼馴染の「結城蛍」やゼミの仲間たちとの大学での生活を背景に、菌が見えることについての意味を考えていきながら全員が成長してく様子が描かれている。本作で最も目を引くのは、具現化した「菌」の姿であろう。「菌」により異なるその姿はどれも非常に可愛らしく人気が高い。ときに非常に勉強になるような内容も含まれており、ただ可愛いキャラクターがいるだけの作品ではないことが、本作の最大の特徴と言える。
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小説家「三浦しをん」による小説のアニメ化作品。2012年に本屋大賞を受賞し、2013年には映画化もされた。アニメは2016年になって放送され、辞書出版社の協力を得てオープニングには実在の辞書11冊が各話ごとに登場した。出版社に勤める編集部員「馬締光也」は、新たに刊行する辞書の編集メンバーとして辞書編集部に引き抜かれる。小さな部署に所属するメンバーたちと協力して辞書を作り上げていき、辞書の世界にのめり込んでいく様子が描かれている。「馬締光也」は目立たない性格をしているが、言葉を紡ぐことへの熱意と辞書を作ることにかける思いが強く、長い歳月をかけて完成に向けて作業に向かっている。言葉のひとつひとつを非常に大事に扱っている本作は、見ているこちらも言葉の大切さに気付かされる。言葉を表わす演出にも拘って作られており、情熱を孕みながらもどこか心を落ち着かせてくれる作品である。
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『月刊少年マガジン』にて連載されていた漫画作品のアニメ化。2013年に講談社漫画賞少年部門受賞を受賞し、その名が世に広まった。アニメ化は2014年に成され、2016年には実写映画化も上映された人気作品である。音楽を1つのテーマとして取り上げ、中学生のピアニスト「有馬公生」とヴァイオリニスト「宮園かをり」が出会うことから物語りは始まる。その互いの才能に惹かれ、共に成長していく様子を描いた作品である。2人とも音楽に対して傷を負っており、それを埋めるように互いの音楽に感化されていく。美しい背景と音楽から奏でられる2人の関係性の移り変わりは、心地よい余韻を与えてくれる。幼少期のライバルたちの影響も加わることにより、物語に深みと彩りが添えられており、コンクールなどの演奏シーンは心を振るわせる程に魅力的なシーンとなっている。本作のタイトルの意味に気付いたとき、作品の真の美しさに気付くことができる。心を穿つストーリーと音楽の掛け合いを楽しめる一作となっている。
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副題が「THE MONEY OF SOUL AND POSSIBILITY CONTROL」。世にも珍しいお金を題材に扱ったアニメである。奇怪な事件や自殺が頻繁に起きている近未来の日本。その世界には「ミダスマネー」と呼ばれる裏社会で使用されている通貨が存在していた。「余賀公麿」は、突如目の前に現れた奇妙な男に「未来を担保に、ご融資させていただきます」と告げられ自信の銀行口座に多額のお金が振り込まれる。そのお金に手をつけた「余賀公麿」は、自信の未来を担保に「ディール」という戦いに巻き込まれてしまった。「ディール」では自信の未来を具現化した「アセット」を使用して戦っていくのだが、その戦いに疑問を抱いていく中で見えてきた日本経済の歪みとは何なのか。細部に渡りいくつもの工夫と現代社会の経済問題への疑問が散りばめられているアニメである。どの層が見ても満足感を得られる程に完成度の高い一作であろう。
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