この世に数限りない「ロボットアニメヒロイン」たちのルーツを『マジンガーZ』、『グレートマジンガー』、『UFOロボ・グレンダイザー』、『ゲッターロボ!』から取り上げて紹介する。
今も現れては消えていく、ロボットアニメのヒロイン達。そのルーツとなった4人の少女たちを紹介する。
出典:Amazon.co.jp
この世に数限りない「ロボットアニメヒロイン」たちのルーツを『マジンガーZ』、『グレートマジンガー』、『UFOロボ・グレンダイザー』、『ゲッターロボ!』から取り上げて紹介する。
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いわずとしれたロボットアニメの元祖『マジンガーZ』(巨大ロボットものとしては『アストロガンガー』のほうが放映は先)のメインヒロイン。ロボットもののヒロインの役割、というものはこの娘が築き上げてしまった、といっても過言ではない。いわく、気が強くおてんばで、主人公とはケンカ友達、だけど心憎からず思っている。いわく主人公のサポート的枠割を果たすロボットに乗っている。彼女は光子力科学研究所の所長である「弓教授」の娘。ちなみに弓さやかの声優は『マジンガーZ』の放送2年間で2回、交代している。初代が松島トモ子、二代目が松島みのり、三代目が江川菜子。コスチュームは、前期が黄色いつなぎのようなもの。後期はピンクのワンピースっぽい戦闘服に変更になっている。個人的には前期のコスチュームのほうに愛着があるのだが。
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『マジンガーZ』の続編として作成された『グレートマジンガー』のヒロインとして登場した「炎ジュン」。大人気作の『~Z』から世界観を受け継ぎ、完全な続編として制作された今作は、その全てにおいて『~Z』をスケールアップされた感じで作られている。Zとグレートのメカの違い、ロボットに乗り込む機体もホバーパイルダー(のちにジェットパイルダー)からブレーンコンドルという小型戦闘機ともいえる機体へ、そして主人公もヒロインも、Z時代より設定年齢を上げた。もっとも、当時のメインターゲットである子供たちからはいまいち不評であったのだが(このあたり、やはり人気作の次の作品というのは難しい)。そのためか、この作品の主人公。剣鉄也は、最初22歳の年齢設定だったが、番組途中から16歳に変更になり、キャラデザインも少し変っている。こんなことが許されるところがあの当時のアニメの凄いところだが……。彼女の年齢設定は番組を通じ19歳(つまり番組途中から鉄也より三歳上)であったが、その設定も前作のヒロイン、弓さやかよりもグレードアップ感を出したかったがためだと思われる。また、その褐色の肌(外国人とのハーフ)という設定も、当時の子供たちには受け入れにくかったように思う。彼女がその褐色の肌を嫌ってお風呂で洗い落そうとするが洗い落せない、というエピソードなどは、涙なしでは観られないものだった。乗り組むメカはビューナスA。おそらく見た目的に「女性型ロボット」としてはかなり美しい部類に入ると思う。マジンガーZと同性能の「光子力ビーム」を発っし、その体格も全高20メートルとZ(全高18メートル)を上回る。
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マジンガーシリーズ三作目『UFOロボグレンダイザー』のヒロイン。時に名前表記を「牧場ひかる」と書かれることがあるが「牧葉ひかる」が正解。主人公・宇門大介(デュークフリード)を、その正体を知らず好意を寄せていたが、宇宙人である自分という引け目からか積極的に打ち解けようとしない大介からは、けっこうずさんな扱いを受けていた。とはいえ、いっしょに馬で遠乗りに出かけるなどの交流はあったようである。ただ、大介(デューク」にはフリード星貴族の娘で幼なじみの「ナイーダ」やベガ大王の娘で婚約者の「ルビーナ」などの親しい女性が(いずれも一話のみのゲストキャラ)いたせいもあってか、大介のほうから、ひかるにアプローチがあるようなことはなかった。彼にとってひかるは、恋愛対象というよりは「近所に住む年下の可愛い女の子」くらいの感覚しかなかったと思われる。彼を慕い、ついには一般人でありながら戦闘機(マリンスペイザー)の操縦者となったのも、世界平和のため! とかではなく、ただただ「愛する大介のため」であるのは明白。とはいえ大介を弁護するならば、彼はフリード星脱出時に受けた傷がもとで「ベガトロン放射能」に侵されており、その命幾ばくも無いという宿命を受け入れ、自分を慕う女の子にわざと冷たくしていたのかもしれない。ひかるは番組後半、キャラクターデザインが、おちゃめな牧場娘から、大人びた戦闘員へと変更になっており、またそれとほぼ同じころにレギュラー入りした「マリア」のあおりをもろに受けた塩梅で、世間的にはいまひとつ不人気なキャラで終わってしまった感もある。とてつもなく惜しいキャラ、と言わざるを得ない。
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主人公・デュークフリードの実妹。本編第49話「赤い夕陽に兄をみた!」から登場。その後レギュラー入りし、ダイザーチームの一員として主に「ドリルスペイザー」を駆って出撃する。故国・フリード星がベガ星軍に襲われた時にはまだ幼く、従者の手によって地球へと逃れ、その孫として育てられていた。かなり自由奔放に育てられたらしく、よくいえば天真爛漫な性格の持ち主。別々に星を脱出した二つの宇宙船(デュークの場合はグレンダイザー)が二つとも、宇宙の片田舎である地球に漂着するのはものすごい奇跡であるが、デュークの場合「グレンダイザーの航法装置で地球を発見した」とあり、マリアの乗る脱出宇宙船も同じ装置で地球にたどり着いたと思われる。Z時代から続けて同作品にレギュラーとして出演している「兜甲児」に早くから好意を持ち、何かと勝負を持ちかけたり、喧嘩をふっかけたりしてくるところは微笑ましい限りである。特にいつも彼女のことを「マリアちゃん」と「ちゃん」づけで呼ばれることが気に食わなかったらしく、戦闘偵察中に「あたしのことはマリアって呼び捨てにしてよ。ね、言ってみて」との会話はもう、可愛らしくてしかたがない。そのあたりはまた、当時アニメのヒロインとして第一人者の「吉田理保子」の力も大きかったと思う。余談だが彼女はマリアのキャラクターデザインを観た時、以前主役をこなして気に入っていた『魔女っ子メグちゃん』のヒロイン、メグに面差しが似ていたことから「また、メグちゃんに出会えた」と「ロマンアルバム」のインタビューで答えている。彼女にとっても思い入れの深いキャラだったと思われる。
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同作品のロボットたちと、劇場で共演したこともある「ゲッターチーム」のヒロイン「早乙女ミチル」。彼女もまた基本的な例にたがわず「博士の娘」である(弓さやかは弓教授の娘。「コンバトラーV」の南原ちづるは南原博士の娘、など)。彼女はロボットに乗ることはなく「コマンドマシン(のちレディーコマンド)」の操縦者として、偵察や燃料補給など、ゲッターチームの補助的役割を担っていた。それにしても彼女のコスチューム。体のラインにぴったりとしたバトルスーツではあるが、両胸の頂点の部分に謎のボッチ大のものがあり、それがどうみても……という少々エロチックな雰囲気を醸し出すのに一役買っていたりもする。また彼女は、番組ラストでゲッターチームのパイロット「神隼人」から母の形見のペンダントを託されており、直接の愛の告白ではないが、その気持ちを伝えられている状況に置かれている。どちらかというとミチルは主人公の竜馬のほうが好きだったんじゃないかと思ってたのだが、ここは「吊り橋効果」も手伝ったのかもしれない(最終回とその前、隼人とミチルは同行しており、ともに死線をかいくぐっている)。
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