融通が効かず理屈っぽく頑固で正論を展開する女の子と、素直で優しい鬼の男の子。ふたりがハッピーエンドを迎えるまでと、それからを描くラブコメディ。ある日、地獄とこの世が繋がった世界で、地獄から家出して優しく育った鬼の樺島プリンは、隙のなさすぎる少女「金剛寺さん」に出会う。「正しい行い」として人助けをするその姿を見て、プリンは彼女に恋をしてしまった。付け入る隙の無い彼女を前に、プリンの恋の行方はどうなるのか。
主人公の1人であり、ヒロインである金剛寺金剛は、作品のタイトル通りに面倒くさい女の子だ。彼女の行動理念はすべて理屈が通ったもので、感情や社会的価値など不安定で揺れ動くものは切り落として今まで生きてきた。当然学業は優秀であり、さらに柔道の名手で、隙を見せることなどまったくない。そんな彼女がプリンに恋をされたところから、物語は動き出す。不確定で不安定な感情の極みである恋をきっかけに、彼女の心は少しずつ変わっていく。本編とは全く関わりのないところで大きく動く世界をよそに、2人の人生は幸せに向かって突き進んでいく。
古いアパートを舞台に描かれる、住人と管理人のラブコメディ。古アパートの一刻館では、日々住人たちのどんちゃん騒ぎが行われている。住人の1人である五代裕作は引っ越しを考えていたが、ある日、若くて美人な未亡人の音無響子が管理人として現れた。そこから始まるふたりの恋物語は、近づいたり離れたりしながらゆっくりと進んでいく。高橋留美子の代表作の1つ。1986年アニメ化。
本作のヒロインである音無響子は、若くして夫を亡くした未亡人。未だに夫の姓を名乗っていたり、実家の飼い主に夫の名前をつけていたりと、悲しみと喪失感から抜け出せていない。そんな彼女に惚れ込んだ主人公の五代裕作は彼女にアプローチをかけていくが、響子はなかなかその気持ちにしっかり答えようとしない。そのくせ、早とちりしがちで思い込みも激しい上にヤキモチ焼きな性格の響子は、五代が他の女の子と仲良くすると機嫌を悪くしてしまう。そんな彼女と優柔不断な五代との仲は付かず離れずの距離感が続いていくことになる。面倒臭く、しかしどこかリアルな響子の姿が大きな人気を博した作品だ。
同名のライトノベルのコミカライズ作品。変わり者の少女に振り回される少年を描くSF学園漫画。宇宙人、未来人、異世界人に超能力者と、非日常的なものを求める少女、涼宮ハルヒが結成した「SOS団」という同好会。実は、SOS団の団員はほぼ全員が実際に非日常的な存在だった。ハルヒがこの世界に満足できないと、世界は大変なことになってしまう。彼女の思いつきの奇行にSOS団員たちは振り回される日々を送ることになるのだった。
本作のタイトルにもなっている涼宮ハルヒは、傍若無人で傲岸不遜な性格の少女。彼女は非日常を好み、宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶことに憧れている。そんなハルヒは、実はこの世界の神のような存在だ。本人にはまったく自覚はないが、自分の無意識下の望み通りに世界を変える能力を持っている。そのため彼女の機嫌が悪くなったり、思い通りに行かなかったりすると、世界に大変な影響が及んでしまうのだ。そんな彼女が結成したSOS団の団員は、実は彼女を調査にやってきた本物の非日常的な存在。そのことがハルヒにバレたら何が起こるかわからないため、団員たちは正体を隠しつつ、彼女が気まぐれに起こすトラブルに振り回されることになる。
超名門料理学校で繰り広げられる、青春料理バトル漫画。定食屋の跡取り息子である幸平創真は、父の言いつけにより超エリート料理学校の「遠月茶寮料理學園」に入学する。場違いな身分の創真は周囲の生徒に反感を買うが、負けん気の強い性格と独創的な料理センスで厳しい課題を乗り越えていく。さらに学内で行われる「食戟」と呼ばれる料理バトルを経て、更に腕や仲間たちとの絆を磨いていく。2015年よりアニメ化。
本作のヒロインの1人である薙切えりなは、主人公の創真のライバルの1人でもある。遠月学園理事長の孫娘であり、幼少期から鍛えられた味覚は「神の舌」と呼ばれほど鋭敏で繊細。さらに史上最年少で遠月学園「十傑」に数えられるほど、料理の腕も確かな才女であるそんな彼女の性格はまさにプライドの高いお嬢様で、一流のものしか認めないという過剰なまでの完璧主義。ゆえに、食材に駄菓子や激安食材を使うこともある創真の料理を、内心美味しいと思いつつも決して認めようとしない。彼女から「美味しい」という一言を引き出すことも、創真の目的の一つとなっている。
女子生徒たちから好意を寄せられる高校教師の悩み多き日々を描くラブコメディ。白羽高等学校の国語教師である國立国彦は、誠実で親しみやすい性格。そのため生徒からの人気も高いが、女子生徒たちからも想いを寄せられてしまっていた。そして、その生徒たちは全員それぞれが、個性的で面倒くさい性格の持ち主であった。国彦は彼女たちからのアプローチについつい赤面したりしつつ、賑やかな日々を過ごしていく。2019年に実写映画化。
「めんどくさい」=「かわいい」というキャッチコピーを持つ本作は、そのとおりめんどくさい個性を持つヒロインが多数登場する。コミュ障でナイーブで泣き虫で、国彦を「友達」認定して距離を詰める一宮数美。「先生」との恋愛に固執し、豊満な肉体と得意の料理を武器に迫る栗原理穂。真面目で責任感があり、国彦に恋をしてしまったもののそのことに思い悩む榎本英子。彼女たち3人は国彦のいる国語科教員室に入り浸り、それぞれ国彦にアプローチしつつ彼女たち同士も仲良くなったり嫉妬したりと、甘酸っぱい青春を繰り広げていく。