持論をアツく語りたい男たち!オススメ漫画5選82 Pt.

多数派の意見に同調するのがよしとされる今のご時世、持論を掲げ決して曲げることのない、漫画に登場する男たちには否が応にも憧れや共感を抱くだろう。本記事ではアツい持論を持つ主人公が魅力の漫画を5作紹介するので、普段主張を抑えがちな人は彼らを通じて自分を取り戻してほしい。

持論をアツく語りたい男たち!オススメ漫画5選

出典:小学館


『ピンキーは二度ベルを鳴らす』

『ピンキーは二度ベルを鳴らす』

出典:小学館

リトルピンキーと呼ばれる小柄なヤクザが、裏社会の様々な事件を解決していくアウトロー漫画。ピンキーは街金の支店長に融資を依頼するが、本店への入金を滞らせていた支店長は逆にピンキーから金を脅し取ろうと計画する。支店長は自分の妻をピンキーが所有するキャバクラに新人の嬢として潜り込ませ、ピンキーから情報を引き出しやがて拉致することに成功するが、ピンキーは部下のチーフの助太刀もあってその場の悪党どもをアッサリと蹴散らすのだった。

ピンキーは子供のように小柄で顔つきも威圧感に欠ける一方、「同情は侮辱」などのストイックな思想や、命の危機にあっても平然と敵を挑発できる胆力を持っている。そうした彼の生き様には多くの男性が憧れるはずだ。本作には社会の闇に巻き込まれる女性や子供が多く登場するが、彼らは同情の対象ではなく芯の通った1人の人間として描かれており、多くの登場人物の「強さ」が読者に明日への活力を与えてくれるだろう。また物語の構成はテンポと奥深さを併せ持っており、短いストーリーの中にも数々の伏線やドラマが集約されている。殴る蹴るはもちろん、顔に硫酸をかけるなどバイオレンスなシーンも多いので、アウトローなシーンが好きな読者でも満足できるに違いない。


『亜人ちゃんは語りたい』

『亜人ちゃんは語りたい』

出典:講談社

生物教師の高橋鉄男が、異種族・亜人(通称デミ)の高校生たちとの交流を通して彼らへの理解を深めていく学園コメディ。亜人は生活保障も整備されるなど社会的に認められている存在だが、主人公・鉄男は一向に亜人と巡り会えず悩んでいた。しかし県立高校に赴任して4年目の春、突如多くの亜人が新入生や新人教師として学校に通うようになった。鉄男は、新入生のヴァンパイア・小鳥遊(たかなし)ひかりを筆頭に様々な亜人たちから話を聞くようになる。2017年1月にテレビアニメが放送された。

鉄男は学生時代より亜人への興味をこじらせているため、亜人らへの質問攻めの中で性的な話題に触れてしまうなど、デリカシーに欠ける面がある。しかし一方で、生徒の亜人らが悩みを抱えている際には親身になって耳を傾けるなど、教師らしい言動も身につけている。細かいシチュエーションの違いはあれど、鉄男が亜人に関する新たな発見を繰り返していくのが基本的な話の流れである。各亜人についてこれでもかと詳細に解説されているので、異種族に興味のある人なら知識欲を大いに満たせることだろう。頭と体が分離するような特殊な生徒も一部いるものの、大半の亜人は普通の人間と変わりない容姿をしており、ラブコメ展開や主人公の成長要素もふんだんに盛り込まれているので、異種族ものが苦手な人でも普通の学園ものとして楽しめるはずだ。


『孤独のグルメ』

『孤独のグルメ』

出典:扶桑社

雑貨の貿易商を個人で営む井之頭(いのがしら)五郎が、行く先々で食事処を訪れては淡々と料理を食していくグルメ漫画。輸入雑貨の保管庫となる物件を探しに南千住を訪れていた五郎は、道に迷っていたうえに雨が降りだしたため手近な食事処に駆け込む。そこで豚肉炒めライスと豚汁とお新香を注文し、豚がダブってしまったことを後悔しつつもお新香の爽やかさに救われ、無事にお腹いっぱい料理を堪能するのだった。2012年にテレビドラマが放送された。

所帯を避け常に身軽であろうとする五郎の姿勢には、中年男性の多くが共感できるのではないだろうか。また行きあたりばったりで店を訪れるせいか、料理のボリュームや具材のダブりを気にせず頼んでは後悔するシーンが多く、五郎と似たような食生活を送っている人なら「あるある」要素として楽しめるだろう。こうした数々の共感要素がある一方、グルメ漫画のお約束ともいえる料理のウンチク解説や過剰な味表現がないため、五郎が食していく数々の料理を純粋に目で味わえる。なお作中で登場する食堂や売店は店名こそ明言されないものの、各話のタイトルに記された所在地にモデルと思しき店が存在するので、読後にそれらの店を実際に探して訪れてみるのも面白いかもしれない。


『南倍南勝負録 玄人(プロ)のひとりごと』

『南倍南勝負録 玄人(プロ)のひとりごと』

出典:小学館

麻雀を生業とする自称・玄人(プロ)の南倍南(みなみばいあん)が、麻雀の打ち方や対局中の飯に関して玄人アピールをしては恥をかくギャグ漫画。倍南はサラリーマン3人と卓を囲んで一人勝ちするなど好調だったが、注文したギョーザライスが中々来ないせいで調子を崩す。倍南は内心でそのギョーザについて熱く語り始め、やがて役満という最大打点のチャンスを迎えるが、あまりの空腹から店員のおばちゃんにギョーザを催促するのと間違えて自分の待ち牌を叫んでしまった。

倍南は事あるごとに「玄人とは何たるか」を体現しようとする極度の見栄っ張りな一方、ドジを踏んだ時の下手すぎるごまかし方で周囲の笑いを誘うなど憎めない性格が魅力。面目丸つぶれのオチを迎える話が多く、倍南から玄人らしい威厳は一切感じられないものの、何故か毎話の如く高打点のチャンスを作るあたり、麻雀に関しては本当に玄人レベルだと思われる。飯に夢中で全然打牌しない、流局後に山牌を漁るなど「素人雀士あるある」も多く見られ、麻雀ファンであればこれほど笑えるギャグ漫画は他にないだろう。


『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』

『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』

出典:講談社

日常生活で特定のことにこだわる人生を楽しんでいる「おこだわり人(びと)」を求め、作者の清野とおる氏本人がリサーチを行っていくエッセイ漫画。1人目のおこだわり人「ツナ缶の男」は、チューハイに最適のおつまみとして、マヨネーズとコショウが大量にかかったツナ缶を愛食していた。更にチューハイやツナ缶の種類が細かく決まっていたり、洗い物を増やさないために小皿を使わないなど様々なこだわりが明らかになる。2016年に本作を題材としたテレビドラマが放送された。

清野とおる氏は「おこだわり人」にこそ日常を楽しく生き抜くヒントがあるのだと確信し、数ある連載作品の執筆の合間におこだわり人への取材を重ねてきたとのこと。おこだわり人として登場する人々は特定の飲食物や就寝環境など様々なことに入れ込んでおり、実際どのおこだわり人たちも自身の嗜好や決め事について本当に楽しそうに語っているので、生き方に迷っている人にとって大いに役立つ1冊となるだろう。数あるエッセイ漫画の中でもひときわニッチな話題を扱っているので、新たな自分を開拓したい人には特におすすめだ。


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