長きにわたり争い続けている桃太郎と鬼の子孫の戦いを描いたダークファンタジー。一ノ瀬四季(いちのせしき)は血の繋がりにない父親・剛志(つよし)と喧嘩ばかりしている高校生。ある日、桃太郎機関の桃屋五月雨(さみだれ)が一ノ瀬家を襲ってきたことで、己の中に鬼の血が流れていることを知る。羅刹学園の生徒となった四季は、そこで多くの鬼の仲間と出会う。また、桃太郎機関に属する桃宮唾切が鬼を容赦なく惨殺していることを知って桃太郎機関に対する復讐心を更に燃え滾(たぎ)らせていくのだった。
本作では正義側であるはずの桃太郎側に残虐性を持たせ、敵対する鬼側をダークヒーローとして描いている。鬼は人に紛れて普通に暮らしているが、覚醒すると凶暴性が芽生え、自我が崩壊してしまう。桃関こと桃太郎機関が鬼を排除するのは、その凶暴性を危険視しているからだ。しかし、以前桃関に属していた桃瓦剛志はまだ赤ん坊だった鬼の子に情が芽生え、「四季」と名付けて自分の子供として育てた。だが、四季が高校生になった頃、剛志の後輩だった五月雨が二人を始末するために現れる。四季は剛志が致命傷を負った際に鬼の血に目覚めた。その後、鬼のための学校である羅刹(らせつ)学園に入学。鬼教官・無陀野無人(むだのないと)の下で、鬼の血の操り方や戦闘術などを学び、修行を積むことになる。
人間、魔物、亜人など様々な種族が生存している世界を舞台に、相反する願いを持つ二人の「モモタロウ」が各々の旅を続けるファンタジー。サリーことサルトリーヌ・アルダレイクは、外の世界に憧れを持つアルダイク王国の姫。旅人のキビツ・ミコトに刺激を受けるが、彼は「桃の瞳の力」で鬼退治をする「モモタロウ」だった。旅先でミコトと同じ力に目覚めたサルトリーヌは、様々な仲間との出会いを経て、差別のない社会を目指すようになる。2021年テレビアニメ化。
本作は、日本のモモタロウであるミコトと、外国生まれの女子版モモタロウのサルトリーヌによる二人の「モモタロウ」を主軸に描いた物語。二人が持つ「桃の瞳の力」は強大であり、鬼から恐れられている。ミコトは実は初代ではなく二代目モモタロウであり、鬼に激しい憎悪を抱いているのも、初代モモタロウのことが関係していた。世界中の鬼を根絶やしにしたいと考えているミコトと、鬼を含めたあらゆる種族と差別なき共存世界を目指すサルトリーヌ。それぞれが仲間と出会い、理想と現実の狭間で悩みながら旅を続けていくことになる。表向きは人間に友好的な態度を見せる鬼の皇鬼(すめらぎ)の行動にも不穏さが増していき、謎めいたストーリー展開に惹きつけられる作品だ。
様々なおとぎ話の主人公たちの中で「最強」を決めるバトルが繰り広げられるダークファンタジー。一度は幕が下りたおとぎ話の主人公たちは、グリムPという謎めいた存在によって再び更生ることとなった。その目的は、どちらかが死亡するまでのタイマンデスマッチを行い、様々な力を持つ主人公たちの中で、「最強」の人物を決めること。優勝者は大切な人を生き返らせることができるという言葉を信じ、様々な物語を彩る主人公たちが挑戦者となり、死闘を繰り広げることになる。
「ぶっ殺(コロ)シアム」という会場を舞台にしたタイマンデスマッチの第一回戦の対戦は、裏桃太郎&犬猿雉VS釈迦孫悟空。裏桃太郎は常人では扱いきれない妖刀・初代村正を自在に操り、対する釈迦孫悟空は果てしなく伸びる如意棒で戦う。鬼ヶ島では鬼に適合する人材を用いて生体兵器の「桃太郎」を作る実験を行っていた。とある姉弟は「不適合者」だったものの、堕とされた最下層で覚醒し、地上へと舞い戻る。「裏桃太郎」となった弟がこの壮絶バトルへの参加を決めたのは、桃太郎たちに殺された姉を生き返らせるためだった。カニバリズキン、魔剣士ヘンゼル&魔剣グレーテルなど他の挑戦者のネーミングや過去の謎についても、展開が進むにつれて徐々に解き明かされていく。
モモタロウの子孫が鬼の子孫の娘たちの心を射止めていく学園ラブコメディ。鬼退治を担う第34代目モモタロウの桃百太郎(ももももたろう)は、鬼の子孫が住むという鬼ヶ島町へやってきた。赤鬼族の姫・鬼堂魔美(きどうまみ)がいるクラスへ転入するが、アクシデントにより魔美にきびだんごを食べられてしまう。百太郎を欺くため友好的に振る舞っていた魔美だったが、腹の中のきびだんごを他の鬼から狙われるようになったことで百太郎から守られる身となり、魔美は百太郎に好意を抱き始める。
本作の主人公は、鬼退治を行うモモタロウの第34代目である百太郎。必殺技の「モモタロウ気功剣」によって鬼をなぎ倒していく。正義感が強く、鬼だろうと人だろうと理不尽なことは許せない。そんな真っすぐな百太郎は無意識に女子の心を射止め、様々な鬼娘や仲間たちから愛され、「百太郎ハーレム」状態へと発展していく。鬼には赤鬼族以外にも青鬼族、緑鬼族、黄鬼族など、様々な種族に分かれ、性質も異なるが、百太郎のきびだんごには特別な力があり、鬼たちは皆きびだんごを欲している。鬼娘たちは個性豊かではあるものの、キュートな女の子ばかり。青鬼族の第一王女のマロンは魔美の永遠のライバルのような存在だ。野望を抱く彼女を、百太郎たちは全力で止めようと奮闘する。
大切な人を失った鬼の子がとある目的のために仲間探しの旅に出るダークファンタジー。「桃太郎」の通り名で呼ばれる少年・朧(オボロ)は、異形の仲間たちと共に鬼ヶ島を滅ぼした後、鬼どもの巣窟である鬼大陸へと向かう。鬼の王を倒した朧たちの前に姿を現したのは、鬼討伐隊の隊長・潤葉(ウルハ)。彼女は最初から朧を鬼の子と知りながら、その力を鬼退治に利用するために育てあげ、最終的には朧を殺して自らも命を絶つことを決めていたのだった。
本作には「桃太郎」のあだ名を持つ主人公の少年・朧以外にも、「赤ずきん」や「人魚姫」など、様々なおとぎ話をモチーフとしたキャラクターが登場する。朧は潤葉に一度殺されるものの、死の淵から更生し、超越者として覚醒。謎めいた存在の半神(ワルキューレ)と出会い、他の超越者たちとの戦いを経て、いずれ起こるという「御伽最終戦争(オトギマキア)」に備える仲間探しの旅に同行することに。その旅先で再会した潤葉はDr.ハイドによって「黒類」(クロル)という化け物になり果てていた。Dr.ハイドはとある野望を胸に抱き、命を落とした超越者たちに薬を使って黒類化し、悪用しようとしていたのだ。潤葉は朧にとって家族のような存在。朧は黒類と化した潤葉を元に戻すという決意を胸に、様々な試練に立ち向かうことになる。