鬼を倒すべく立ち上がった少年たちの戦いを描いた、ジャパニーズ・ファンタジー漫画。かつては人間の世界であった日ノ本。しかしある日、突如飛来した未確認生命体「鬼神」によって、それは終わる。日ノ本は鬼によって支配されることになってしまった。多くの人が鬼による支配を受け入れ生きている中で、唯一鬼に対抗し続けているのが「武士」という存在。主人公の武蔵とその幼なじみである小次郎は、武士団を結成して鬼退治の旅に出る。2022年1月にテレビアニメ化。
日ノ本に降り立った鬼神は、名だたる戦国武将たちを駆逐。人間は鬼に支配され、鬼が守り神として崇められるようになった。そんな世界でもてはやされている職業が、鬼の食料となる鉱石を掘る鉱夫だった。一方で、武士は鬼が現れるまで日ノ本を支配していた化け物だと言われ、差別を受けている。主人公の武蔵は、学校で鉱夫になるための授業を受けているが、内心では武士になることを夢見ている少年。子どもの頃から武士になるための修行を続けた彼は、武士の子である幼なじみの小次郎とともに、鬼によって歪められた世界を変えるため行動を起こす。鬼に洗脳された世界では、鬼を狩ろうとする武蔵と小次郎は大悪党だ。鬼どころか世界を敵に回した2人がどのように困難を打ち砕いていくのかに注目しよう。
鬼の血を継ぐ主人公の活躍を描いた、新世代ダークヒーロー鬼漫画。主人公は、銃が大好きで血の気が多い17歳の少年・一ノ瀬四季(しき)。喧嘩をして学校を退学になった彼は、ある日突然「桃太郎機関」なる謎の組織に所属する男・桃屋五月雨(さみだれ)に襲われた。四季の血のつながらない父親が言うには「桃太郎」のお伽噺は現実で、もう何千年も前から桃太郎と鬼は代々戦争をしているらしい。そして四季は鬼の血を継いでおり、桃屋は桃太郎の血を継いだ人間。生まれながらの敵だった。
「桃太郎」の物語は、桃太郎が鬼を倒して終わりではなかった。桃太郎も鬼もそれぞれ子孫を増やしながら戦争を続けた。そんな歴史の中でいつからか桃太郎たちが集まってできたのが「桃太郎機関」だ。血の繋がらない四季の父親・剛志は、かつて桃太郎機関に所属していた人物だった。桃太郎の子孫でありながら、鬼の子孫である四季を守り育てた剛志。桃太郎機関の攻撃の矛先は剛志にも向き、彼は倒されてしまう。自分を守って傷ついた父の姿に、四季の中に流れる鬼の血が目覚めた。桃太郎機関が鬼の子孫を狩り続けているのは、その凶暴性と自我崩壊の可能性があるが故。鬼として覚醒した四季はどうなってしまうのか。鬼と桃太郎の末裔たちが織りなす迫力満点のアクションが見所だ。
閻魔大王第一補佐官・鬼灯(ほおずき)を中心とした地獄の住人たちの日常を描いた、ブラック・コメディ漫画。あの世は天国と地獄があり、さらに地獄は八大地獄と八寒地獄の2つに分かれ、さらに細かい部署に分かれている。生前に罪を犯した亡者たちを裁き、相応しい罰を受けさせるのが地獄の役割。そんな地獄で閻魔大王の第一補佐官として働いているのが、鬼神の鬼灯だ。優秀な鬼灯はのんびりとした閻魔大王の尻を叩き、今日も膨大な量の仕事をこなしてみせる。2014年1月にテレビアニメ化。
地獄の最高責任者である閻魔大王は、体は大きいが基本的に穏やかでどこか頼りない。そんな閻魔大王を補佐するのが、本作の主人公である鬼神の鬼灯だ。鬼灯はとても有能で、上司である閻魔大王を上手く手のひらで転がし、地獄で起こる様々な問題の対処に当たる。本作の魅力は時に知力で、時に腕力で問題を解決していく鬼灯の仕事っぷり。日本の地獄だけでなく天国や、他国のあの世に存在する神や悪魔など、様々なキャラクターも登場する。鬼灯の日常を通して、世界各国の神話や宗教に関わる豆知識を知ることができるため、とても勉強になる。ファンタジーな世界観なのに、鬼灯たち登場人物の働き方、考え方が生きている人間と変わらないという点も、共感できて面白いところだ。
地球人の男子高校生・諸星あたると、宇宙人の少女ラムを中心としたドタバタ劇を描いた、奇想天外SFラブコメディ漫画。ある日、宇宙から鬼族がやってきた。その目的は地球侵略だ。彼らは鬼族代表と地球代表が一騎打ちで戦い、地球代表が勝利した場合は侵略をやめると宣言。地球代表には女好きの男子高校生・諸星あたるが選ばれた。あたるは鬼族の代表である少女ラムと鬼ごっこで戦うことになるのだが、事態は思わぬ方向へ転がっていく。1981年にテレビアニメ化。
地球代表として鬼族代表の少女ラムと鬼ごっこをすることになったあたる。彼は何とかラムに勝利し地球の未来を守ることに成功するのだが、ある誤解から彼女との結婚話が持ち上がってしまう。以降、ラムはあたるを「ダーリン」と呼び、彼のことを伴侶として一途に愛するようになった。当初はそんなラムに冷たく当たっていたあたるであったが、同じ時間を共有するうちに絆され、素直にはなれないもののラムを大切に思うようになる。本作の魅力は、メインヒロインであるラムの可愛らしさ。「だっちゃ」という特徴的な語尾や、ヤキモチであたるに電撃を食らわせてしまう姿にキュンとした人は少なくないだろう。魅力的なキャラが多く登場する、漫画史に残る傑作ラブコメだ。
外の世界に憧れる姫と旅人の少年の出会いから始まる、壮大な超本格ファンタジー巨編。食料は豊富で建物も立派。住む人々も優しい平和な国アルダイク。この国の姫であるサルトリーヌは、王国の外に広がる世界に憧れを抱き、旅に出たいのだと度々脱走を試みていた。そんな彼女の前に現れた旅人の少年キビツミコト。彼は「鬼」と呼ばれる存在を倒すために海を渡ってきた剣士だった。そんなミコトとの出会いが、サルトリーヌの生き方を変える。2021年7月にテレビアニメ化。
西の大陸には、人々の生活を脅かす鬼や魔物たちが住んでいる。そんな地にありながら平和を謳歌していた国アルダイク。しかしその平和は続かなかった。ある日、国に鬼が攻め込んできたのだ。国を滅ぼされたくなかったら、毎月生贄を30人差し出せという鬼。窮地に陥ったアルダイクを救ったのは、王女サルトリーヌが招き入れた旅人ミコトだった。実はミコトの正体は、日本から鬼を狩るためにやってきた桃太郎。少女と間違われるほど可憐な容姿をしているが、実際は鬼を殺すことを楽しむ残忍な性格の持ち主だ。本作の魅力は、日本の昔話「桃太郎」と西欧の聖書が融合した独特の世界観にある。誰も見たことのない新しい「桃太郎伝説」を堪能しよう。