原案の小説をマンガに置換したり、原案のマンガを小説に置換することはあるが、もともとの原案小説2作をごちゃ混ぜにしてパズルのようにし、ストーリーやキャラクター設定を若干変えているが、作風の雰囲気は変えずに作成できた事は、天才としか言いようがないだろう。マンガが、アニメ化やドラマ化されてストーリーが変わることで、キャラが壊れたりなどがなく、逆に似ているストーリーだが、きれいな絵柄と惹きつけられる個性的なキャラクターのおかげで、原作を愛している読者にもこのマンガは認められている。少年サンデーに2007年から2009年まで連載され、全10巻が発売された。ストーリーは2章構成になっており、第1章は兄が主人公で、第2章は弟が主人公に替わる構成だ。
高校2年生の安藤は、小学校の頃「自分には超能力がある。」と公言してしまった為に、周りから虐められてしまい無視された暗黒時代があった。その経験から、人と違う事をしないことなかれ主義になる。「杭も出なければ、打たれない」と……。そんな中、不良が通行人を狙って、バットで打ったボールを当てて遊んでいた。そのボールが安藤の頭に当たった。小さい子や老人にも当たっている。それを見た潤也は、不良達に飛びかかろうとするが、安藤は潤也を押さえ警察を呼ぼうとした。すると、「グラスホッパー」と呼ばれる自警団のリーダー犬養が現れ、不良達に立ち向かう。その立ち居振る舞いに安藤は鼻血を出して驚愕する。無駄なリスクを背負わずに生きてきた安藤と、真逆の行動をする犬養。犬養に惹かれながらも悔しい気持ちになる安藤。そんな中、ある事件をきっかけに自分がかつて思い込みだと思っていた超能力が本物であることを確信する。その力を人に知られればまた暗黒時代になるかもしれない。しかし、犬養だったら受け入れてくれるかもしれないと思っていた矢先、安藤は見てしまう。犬養の影の顔を……。
猫田東高校2年。新聞部。両親を幼い頃に亡くしており、その頃から兄弟二人暮らし。家庭では主婦のような役割をしている。しかし、カリスマ的存在の犬養に出会った事により、自分の信念を貫き通す性格に変わっていく。しかし、これにより犬養と対立する存在となっていった。
安藤の弟。同じ高校に通う1年生。兄と対照的な性格で、楽観的で考えるより先に体が動いてしまうタイプ。曲がった事が大嫌いな性格のため、周りに流される事はないが、いつも突発的な行動を兄に止められる。
カリスマ的自警団「グラスホッパー」のリーダー。警察よりも力を持つようになる。女性のような美しい容姿をしている男。
猫田市を自分の理想の街にするためには手段を選ばない、残忍な一面を持つ。
理想の街にする為に、邪魔な存在はどんなことをしてでも排除する。
喫茶店ドゥーチェのマスター。美味しいと評判のカフェ。強面の顔をしている。
安藤が危険な目に合う場所に必ずいる、気になる存在……。