多種多様な職業に従事する人たちが、その職業の知られざる裏側を明かす、職場エッセイマンガを紹介する。
世の中には様々な職業があり、詳しい内容を聞く機会はなかなかない。今回は、珍しいものから馴染み深いものまで、職業に関するエッセイマンガを紹介する。
出典:Amazon.co.jp
多種多様な職業に従事する人たちが、その職業の知られざる裏側を明かす、職場エッセイマンガを紹介する。
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とある書店を舞台に、書店員かつ作者の「本田さん」が実際に体験したことをマンガ化した作品。物語の第1話は「書店員ってどういうイメージですか」の質問から始まる。大抵の人は「暇そう」と答えるのではないだろうか? 「本田さん」も働く前はそのようなイメージを持っていたが、「書店員とはこんなにも刺激大な仕事である」という考えに変わっている。書店員の業務に始まり、そして濃い外国人のお客さん、出版社の営業さん、接客研修、時には絶版本との戦いなど、私たちの知らない書店員の裏側をコメディ色たっぷりに描いている。面白いのは、書店員の外見が全員人外の姿で表現されている点だ。作者「本田さん」はガイコツ、他の書店員は紙袋やキツネのお面、果てはガスマスクなど多種多様。外見だけではなく、会話や内面も個性豊かであり、思わず爆笑してしまうだろう。
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「鷹匠」とは、鷹の飼育や訓練を行う専門家であり、日本の伝統技術を各イベントで披露することが主な仕事内容だ。しかし、近年では市街地で糞害を引き起こすカラスやハトなどを追い払うことが出来る点に注目されている職業である。本作の作者「ごまきち」氏が、「師匠」という名の鷹と共に獲物を狩り、様々な野鳥や動物などと出会いを経て自然を学ぶ、職業エッセイ4コママンガ。珍しい職業であることから、鷹匠の仕事や、鷹の生態、鷹匠として体験したことなど、事細かに解説がなされている。読者に「難しい話」と思わせない技量と、写真のように書き込まれた鳥のイラストには脱帽だ。何より、「ごまきち」氏の「師匠」への愛がとても強く伝わってくる。本作は「星海社」のTwitterアカウント『ツイ4』にて毎日連載しており、「師匠」と共に生きる「ごまきち」氏の作品が手軽に楽しめる。
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本作は、華やかな大衆演劇の世界を裏方の立場から見つめるエッセイマンガ。『KADOKAWAメディアファクトリー』の「コミックエッセイプチ大賞」の審査時、あまりの完成度の高さから、書店員関係者より大絶賛され「書店員賞」に輝いた。作者の「木丸みさき」氏は大衆演劇の小劇場で一人きりの裏方、「トーリョー(棟梁)」を務めており、裏方になったきっかけ、業務、お客さんとのやりとり、劇団員の入団動機、大衆劇場のルールなどを分かりやすく描いている。大衆演劇という馴染みがあまりない世界だが、ページを捲っていくうちに、どんどん引き込まれていく不思議な魅力がある。絵が飛びぬけて上手いというよりも、丁寧に描いているのが分かり、伸びしろに期待が持てる。特に着物や小道具の描きこみは素晴らしい。淡々とした雰囲気の作品ではあるが、内に秘めた静かなる熱意と舞台への愛が、読者にも伝わってくる。続編があれば読みたくなる職業エッセイマンガだと言える。
人気マンガ『鋼の錬金術師』や『銀の匙』の作者として知られる「荒川弘」氏の職業エッセイマンガ。マンガ家になる前は北海道で7年間農業に従事していた。牛を飼い、野菜を作り、クマに怯え、エゾシマリスに翻弄され、一年中無休で働くハードな仕事、それが「農業」。日本の酪農業の厳しい現実を、トリビアや仮説、家族との爆笑エピソードを織り交ぜつつ非常にわかりやすく描かれている。大抵は普通の人間の姿で登場人物は描かれるのだが、作者本人も含め家族全員が牛人間の姿で登場し、一部の友人も何らかの動物を模した姿で表現されている。タイトルの『百姓貴族』は、矛盾または蔑称のように思えるかもしれないが(百姓は差別用語の扱いをされているため)、マンガを読めば言いえて妙なタイトルだと納得するだろう。酪農業に従事する人間ならではの、切ない気持ちや命の大切さなど、シビアな現実と実際にあったコミカルな出来事が、読者を飽きさせない作品となっている。
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「警察官」「教師」「キャビンアテンダント」「銀行員」「女優」……。働く22人の女性の仕事内容と、プライベートを取材したエッセイマンガである。それぞれの仕事の業務内容、苦労、裏話、やりがいなどが女性の視点から描かれており、女性読者はもちろん、男性読者も働く女性の気持ちに寄り添えるのではないだろうか。また、職業ごとの女性の鞄の中身、余暇の使い方など、小ネタも満載で、聞いたことがある馴染み深い職業から「儀社で通訳・式典運営」、「見習い構成作家」など、名前を聞いただけでは業務内容のイメージが湧かないものまで実に豊富で、「職業カタログ」の名にふさわしい内容となっている。本作の帯にもあるように、「働くって、楽しい。」と読み終わったあと自然に思え、前向きになれるであろう。
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