ドタバタコメディからシリアスまで、様々なジャンルの作品で読者を魅了する、漫画界の巨星・高橋留美子。今回は、そんな高橋留美子をピックアップして紹介しよう。
長編から短編まで、バラエティに富んだ高橋留美子作品を紹介
出典:小学館
ドタバタコメディからシリアスまで、様々なジャンルの作品で読者を魅了する、漫画界の巨星・高橋留美子。今回は、そんな高橋留美子をピックアップして紹介しよう。
出典:マンガペディア
霊の見えるしっかり者の少女・真宮桜と、貧乏な死神クォーターの少年・六道りんね。桜とりんねと仲間たちが引き起こす騒動を描いた学園コメディ漫画。日本的死生観を下敷きにしつつも、ギャグ路線で描かれているのが特徴。日米同時連載がスタートした作品である。2015年4月にテレビアニメ化。
作者・高橋留美子にとって5作目の長期連載作品。女子高校生・真宮桜は、幼い頃に神隠しに遭って以降、霊が見えるようになった。桜は、ふとしたきっかけで、クラスメイト・六道りんねの仕事を手伝うことになる。彼の仕事とは、現世に未練を残す霊を探し出し「輪廻の輪」に導くという、死神のようなもの。りんねは人間と死神のクォーターであるため、仕事を全うするためには普通の死神よりも多くの道具が必要。その費用のせいで、極度の貧乏暮しをしている。そこで彼は学校で、「悩みを記した手紙と、お賽銭、お供え物を校内の百葉箱へ入れれば、霊的な問題が解決できる」という噂を自ら流し、極貧生活からの脱出を目指すことにする。オカルティックな題材を見事に笑いに昇華させた、死神学園ラブコメディだ。
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零細諜報機関「HCIA(ヒノマルシーアイエー)」と、世界征服を目論む秘密結社「完璧な豚(パーフェクトン)」の、低レベルな争いを描いたスパイギャグアクション漫画。「HCIA」が、米国で極秘に鍛えた2人のエスパーを日本に送り込んでくるという情報を得た「完璧な豚」は、彼らを抹殺するべく動き出す。
お好み焼き店を経営し活動資金を捻出する「諜報機関」と、世界征服を目標に掲げながらも小市民的でピントがずれている「秘密結社」。両者の間で、日々低レベルな抗争が繰り広げられている。諜報機関側の切り札である2人のエスパーは、能力は高いが色々と惜しい部分がある。五味たむろはテレポートができるものの、移動できるのはゴミの中だけ。炎上寺由羅は、コンクリートをも粉砕する怪力だが見境のない暴れぶりで多大な損害を出す。この2人を筆頭に個性的なキャラクターたちが繰り広げる争いは、スラップスティックな笑いに満ちている。高橋留美子最初期の連載作だが、その後の作品に通じる、作者ならではの持ち味が存分に発揮された内容となっている。
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部活動の予算を思うがままにできる「会長印」を巡り、争奪戦が繰り広げられている私立戦国高校が物語の舞台。憧れの先輩と一緒にいられるという理由で、会長印を譲り受けた男子高校生の奮闘を描く学園アクションラブ・コメディ。『るーみっく わーるど 2』に収録されている短編作品。
学園を舞台にしたコメディは、高橋留美子が得意とするジャンルの1つ。本作は、その中でも秀逸な設定の学園漫画だ。主人公・真田祐が通う私立戦国学園には、「会長印」を手に入れれば問答無用で生徒会長になれるというルールがある。生徒会長になれば、部活動の予算配分は思いのまま。学園には、正式な生徒会である「元祖生徒会」と、体育会系クラブの代表である「闇の肉弾生徒会」、そして文化系クラブを束ねる「影のかしこい生徒会」という、3つの生徒会が存在し、激しい会長印争奪戦を繰り広げている。この争いで大怪我を負った現・生徒会長は、会長印を手放すことを決意。誰もが尻込みする中、真田が会長印を受け取るが、その理由は、生徒会長になれば、想いを寄せる副会長・葵ななこの側にいられるという単純なもの。かくして真田は、自らの恋愛成就を賭け、学園中を巻きこむドタバタバトルの火中に身を投じていく。
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『高橋留美子短編集 鏡が来た』の表題作。人間の「邪心」を吸いとり浄化する義務を負った、中学生の少年少女2人を主人公とした、オカルトサスペンス。本短編集には、「週刊少年サンデー50周年記念企画」として、高橋留美子とあだち充が自身の半生と互いの関わりなどを描いた共作エッセイ漫画『MY SWEET SUNDAY』も収録されている。
高橋留美子はシリアスに徹したホラー色の強い作品も数多く描いており、本作はその1つだ。物語の舞台は現代の日本に似ているが、そこで暮らす人々には1つの義務が課せられている。掌に「鏡のようなもの」が現れた者は、周囲の人々に芽生えた「邪心」を浄化しなければならないのだ。「鏡のようなもの」と浄化すべき「邪心」は、普通の人間には見えない。掌に「鏡のようなもの」がある男子中学生・泉田瑛人は、模試会場に向かう途中で邪心を持った人間を見つけるも、浄化せず素通りしたために殺されてしまう。ところが瑛人は生きており、なぜか「9日前の朝」まで時間を遡っていた。そして自分とは逆に「浄化」の義務を果たしたが殺され、同じように時間を遡った少女・赤江菜々と出会う。かくして2人は、自分たちが過去に戻された原因を探るため、協力していくこととなる。
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「ビッグコミックオリジナル」で不定期に掲載されている読み切りシリーズ『高橋留美子劇場』の内の1本。短編集『高橋留美子傑作集 Pの悲劇』の表題作でもある。ペット禁止の公営団地を舞台に、1匹のフンボルトペンギン・ピットくんがもたらす騒動を描く。2003年7月にテレビアニメが放送された。
物語の主人公・羽賀(はが)は、ペット禁止の公営団地で暮らすごく普通の主婦。彼女は、夫の仕事の関係で、フンボルトペンギン・ピットくんを1週間ほど預かることになる。文句は言いつつも、ピットくんのかわいさに浮かれる羽賀だが、気がかりなことがあった。それは、隣人の主婦・筧が、ペット禁止派の急先鋒であること。彼女にピットくんの存在が知られると、ただでは済まない。そんな羽賀の心配を余所に、息子・浩太はクラスの男子全員を自宅に呼んで、ピットくんを見せびらかす。しかも、その中には筧の息子・ひろしもいた。子どもたちに口止めしたものの、以後、羽賀は気の抜けない日々を過ごすこととなる。日常のちょっとした出来事を、巧みに描き出したハートフルな物語だ。
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