誰にでも優しく真面目で誠実な新人サラリーマンを描いたヒューマンドラマ。北海道出身の北野優二は、東京にある大手スポーツ用具メーカー「ライテックス」に就職。自分の不利益になろうとも困った人を助けて、問題に対して誠実に向き合う。そんな優二に、会社や周囲の人々は心動かされ「いいひと」へと感化されていく。1997年TVドラマ化。
ひとりの青年が、会社組織の中や私生活で悩んでいる人々を真っすぐな心で受け止めて、やがて周囲も感化されていく人間ドラマ。主人公の優二は糸目でいつも笑っているような顔をした心優しい青年。そんな彼は故郷の北海道に恋人である桜妙子を残し、東京にある会社に就職。そこでは営業ノルマや人間関係など様々な悩みを抱え、人生に諦めや疲弊を感じている者が多かった。だが優二の優しさと誠実さに触れた人々は、再び前向きに頑張ろうとし、優二もそのために協力。時にその真っすぐさは会社の上層部から反感を買い、部署移動や誰もが嫌がる人員整理を任されたりする。だがどんな時にも優二はその人やみんなの最善になるように努力を惜しまないのだった。
戦争によって「最終兵器」となった少女と彼女の恋人である少年の純愛を描いたSF作品。北海道で暮らす高校生のシュウジは、同級生のちせに告白されて付き合うことに。だが世界は戦争へ。その最中、シュウジは「兵器」となって戦うちせを目撃してしまう。ちせは自衛隊によって「最終兵器」へと改造されていた。2002年TVアニメ化。
本作は「最終兵器」に改造されてしまった少女「ちせ」と、彼女を愛する少年「シュウジ」の純愛と戦いを描いたSF作品。ちせは「ごめんなさい」が口癖のような気の弱い女の子。シュウジは成績優秀で無口だが優しい少年。ふたりは高校生らしい交際をしていたが、ある時世界で戦争が勃発する。逃げ惑う最中、シュウジはちせが金属の翼と武器を生やした異形に変貌している姿を目撃してしまう。ちせは自衛隊によって「兵器」へと改造されていたのだ。ちせの体のことを知っても彼女と恋人であろうとするシュウジ。しかしちせは度々激しい戦闘に駆り出され、やがてちせの心にも変化が起こり始める。兵器として人間の心を喪い、時に暴走してしまうちせ。壊れていくちせとともに、世界は静かに破滅へと進んでいく。
死にゆく世界で「太陽」を捜そうとする主人公たちを描いたファンタジー作品。文明が喪われた世界。休みなく降る雪に人々は絶望し、死を待つばかりだった。国では王族の権威が喪われ、王女であるイコロは弟と共に貧しくも懸命に生きていた。そんなある日、イコロはシロという謎の少年と出会う。イコロはシロと共に、伝説の「太陽」を捜す旅に出る。
主人公のイコロは「ヒトガタ」と呼ばれる少女。彼女の両親は国を治めていたが行方不明に。王権は失墜し、イコロは病で目の見えない弟のマタクと暮らしていた。このままでは国は雪に埋もれ、死を待つばかり。だがイコロは父が研究していた「太陽」が雪を溶かし、国を救うと信じていた。そんなある日、イコロは名前を忘れた少年と出会う。無邪気な彼に「シロ」と名付けたイコロは、彼と共に「太陽」を捜す旅に出る。その最中、イコロは彼女の祖先の王族たち冷酷な行為と、その過去にシロが関わっていることを知ってしまう。
母の葬儀で故郷に帰ってきた女子大生と男子中学生の、ひと夏を描く青春物語。東京で暮らす女子大生のハルは、母の訃報を受けて最期の居住地であった長崎へ帰郷する。そこで彼女はタロという、地元の子とは違う色白の少年と出会う。ハルはタロから母のことを聞き、お互いの境遇を話し合う内に意気投合。だがその時、偶然にもふたりは殺人事件を目撃してしまう。
本作の主人公は奨学金とバイトで暮らす女子大生のハルと、中学二年生の少年であるタロ。ハルは母子家庭で、変わり者の母親と共に各地を転々として暮らしてきた。そんな境遇から心無い噂でいじめられ、高校卒業後は逃げるように上京。母の死で帰郷して知ったのは、母は近所の小中学生に「魔女」と呼ばれ慕われていたこと。母やハルを中傷する大人たちと違い、子どもたちは母の死を悼んでくれていた。タロは母の死を弔った子どもたちの中のひとり。夏の間だけ親類のいるこの田舎で暮らしているという。タロから母のことを訊き、ハルは初めて母の死後初めて涙を流した。だがそんな時、ハルとタロは殺人事件を目撃。ふたりの忘れられない夏の始まりだった。
天変地異によって消息不明となった夫の帰りを待つ妻を描いたSF作品。巨大な花の開花によって「東京」が壊滅した世界。うるわしが丘で暮らす新妻のモモこと「奥たん」は、ペットのPたんと大好きな旦那様の帰りを待っている。旦那様はあの日の東京から帰ってこない。だが奥たんは旦那様のために美味しいものを探してお料理を作り、待っていた。
舞台となるのはある日、東京を中心に巨大な植物が出現した世界。開花した巨大な花は、辺り一面を人の立ち入れない場所「東京森」に変えてしまった。主人公である奥たんが暮らすうるわしが丘も横浜にあり、避難要請が出ている場所だ。だが奥たんは東京へお仕事に行った旦那様の正太郎の帰りを待つため、毎日料理や洗濯をしながら家を守り続けている。だが「東京森」による影響はだんだんと広がり、うるわしが丘の生態系も変化。野菜が巨大化したり、巨大化したイナゴが大群で現れたりと、人々の生活を脅かしていく。奥たんと同じように行方不明になった人の帰りを待つ人々も、やがて諦めの気持ちと共に町を去りはじめる。それでも奥たんは、旦那様を待ちながらおいしいご飯を作り続けていく。