未知の世界を冒険する漫画41 Pt.

冒険は、未知の世界へのロマンを駆り立ててくれる。今回は、未踏の地を開拓する冒険漫画を5つ紹介する。身の危険を冒してまで未知なる世界を旅する主人公に、ドキドキワクワクさせられること間違いなしだ。

本作には、迷宮（ダンジョン）と呼ばれる、未知なる謎の遺跡群が登場する。ダンジョンの中には、巨万の富を生むお宝や、不思議な魔法アイテムが眠っている。本作の主人公・アラジンは、ダンジョンを踏破した者だけが持つ「ジンの金属器」を操れる謎の少年だ。精霊（ジン）を呼び出すことのできる金属器は、強大な力を持っている。それに目をつけたのが、世界一の金持ちになることを誓う少年・アリババである。アリババは、ダンジョン「第7迷宮アモン」の攻略にアラジンを誘う。無事に第7迷宮アモンを踏破したアリババは、金属器を手に入れ、精霊・アモンと契約を交わす。冒険の中で、誰かのために自らの身を投げ出せるアラジンの心優しい姿を見たアラジンは、アリババを「王の器」と見込むようになる。アラジンとアリババは、冒険を続けていくうちに、世界の危機に関わる戦いに巻き込まれていく。謎が謎をよぶ、現代版アラビアン・サーガの傑作である。

本作には、怪物・財宝・賞金首・遺跡ほか、あらゆる未知のものを追求する職業・ハンターが登場する。主人公・ゴン＝フリークスは、ハンターとして世界中を飛び回っている父・ジン＝フリークスを探すために、ハンターを目指している少年だ。ジンが残していった手がかりを追って、ゴンは、マフィアが跋扈するオークション会場や、「グリードアイランド」というゲームの世界、「キメラ＝アント」と呼ばれる未知の生物の巣へと踏み入っていく。冒険の果てに、ゴンは、ジンとの再会を果たす。ゴンに「ほしいものって何？」と聞かれたジンは、「道草を楽しめ」と答える。狙った獲物を手に入れることよりも、その道中で得られた経験こそが、真に得難いものなのだ。ゴンと一緒に、未知なる世界を探索するワクワク感を体験してほしい。

「グルメ時代」を迎えた異世界の地球を舞台にした本作には、多種多様な架空の動植物が登場する。それら「グルメ食材」と呼ばれる動植物の中には、いまだ発見されていない、未知なる食材も存在する。未知の食材は、一般人では踏み入ることのできない危険区域にあり、IGO（国際グルメ機構）が定める「捕獲難度」も非常に高いものが多い。主人公の男性・トリコは、最高の食材を目指して、危険な未知の世界に足を踏み入れる食の探求者だ。トリコの目的は、自身の「フルコース」を完成させること。本作におけるフルコースとは、美食屋が生涯をかけて探し出す、自身にとって最高のメニューだ。トリコは、味わったことのない食材を求めて、深海から密林、不毛の砂漠から極寒の地まで遠征する。幾多の困難を乗り越えて、お目当ての食材を全身で味わいつくすトリコを見ていると、自分も食べてみたいと思わされる。食材を巡る冒険やバトルだけでなく、グルメ漫画としての楽しめる作品だ。

18世紀末のヨーロッパで勃興した産業革命は、蒸気機関の発明によって人類の移動距離を飛躍的に向上させた。科学技術の革新が、まだ見ぬ未知の世界へのロマンを膨らませたのだ。本作の原作『地底旅行』は、そうした時代背景の下に書かれたSF冒険小説だ。舞台は1863年のドイツ・ハンブルク。主人公の青年・アクセル・リーデンブロックは、叔父である鉱物学教授・オットー・リーデンブロックの助手だ。ある日、オットーは、叔父が入手した古書に挟んであったメモの中に、ルーン文字の暗号文を見つける。アクセルの活躍により暗号文を解読すると、そこには「地球の中心」に到達できる火口の場所が記されていた。2人は案内人・ハンスを雇い、スネッフェルス山の火口を下っていく。様々なトラブルを乗り越えた先に、アクセルたちを待ち受けていたのは、広大な地底湖だった。冒険の緊張感がリアルに伝わる、美麗な地底の描写にも注目してほしい。

剣と魔法のファンタジーに満ちた未知の世界を冒険する、主人公の16歳の少女・パステル・G・キング。彼女は、ダンジョンで道に迷わないよう地図を作成する「マッパー」だ。ある日、パステルは夢の中で、少女が助けを呼ぶ声を聞く。それは、リーザ国の第1皇女・アンジェリカ王女の声だった。パステルと仲間たちは、アンジェリカ王女が囚われている「サイ湖」へと救出に向かう。そして、リーザ国の騎士・イーデンの助けを借りて、アンジェリカ王女を助け出すことに成功する。しかし、一連の事件は、イーデンが仕掛けた自作自演だったことが判明する。パステルたち駆け出しの初心者パーティがドタバタ劇を繰り広げ、最後には事件を解決に導く。ユーモアとシリアスの配分が絶妙の王道ファンタジー作品だ。