マギ

世界を導く王を選定する創世の魔法使いマギのアラジンが、旅の途中で出会ったバルバッド王国の第三王子アリババ・サルージャらと迷宮を攻略しながら成長していく、冒険ファンタジー。

世界観

中東がモチーフのバルバッド王国、古代中国がモデルの煌帝国、ローマ帝国を思わせるレーム帝国など、複数の国家が存在する架空の大陸が舞台。文化レベルは中世に近いが、魔法や金属器をはじめとする魔法アイテムも存在する。また、煌帝国など一部の国では奴隷制も残っている。

マギ』の世界には、迷宮(ダンジョン)と呼ばれる遺跡群が存在する。その最奥には巨万の財宝や貴重な魔法アイテムが眠っており、それを目的に挑戦する者が後を絶たない。しかし、攻略は非情に困難で、最初の迷宮が攻略されるまでには1万人以上の挑戦者が犠牲となっている。それゆえに迷宮攻略者は英雄として讃えられ、人々の尊敬を集めている。迷宮は攻略後に消滅してしまうため、迷宮攻略者の数は非常に少ない。

最初の迷宮である第1迷宮バアルが出現したのが14年前。以来、第6迷宮ブァレフォール、第16迷宮ゼパル、第41迷宮フォカロルと数多くの迷宮が出現している。なお、第1迷宮バアルを攻略した世界初の迷宮攻略者は、シンドリア国王となる前の若き日のシンドバッドである。

迷宮の奥には「ジン」と呼ばれる精霊がおり、「王の器」として認められた者は彼らの主(契約者)となる。契約者はジンが封じられた「金属器」と呼ばれるアイテムを所持し、魔力(マゴイ)と引き替えに、その力を引き出して使う事ができる。そのため、彼らは「金属器使い」とも呼ばれている。金属器使いは、ジンの力を身にまとい、同化する事で、実体化したジンに近い力を得る事も可能。これを「魔装」と呼び、魔装した金属器使い者の姿はジン本来のものに近くなる。魔装した金属器使いが繰り出す極大魔法は非常に強力で、まさに「最終兵器」と呼ぶに相応しい。複数のジンと契約する事も可能だが、それには超人的な魔力が必要で、実現した者はこれまでにシンドバッドと練紅炎の二人しかいない。

また、金属器使いの側にいる者は、その眷族となる場合がある。眷族となった者は、主である金属器使いの魔力の恩恵を受け、「眷族器」と呼ばれるアイテムを使ってジンの力の一部を使う事ができる。シンドバッドの部下である八人将は、全員彼の眷族であり、優れた眷族器の使い手でもある。眷族は「同化」する事で更なる力を得られるが、一度同化してしまうと、二度と人間には戻れなくなる。

物語のカギを握る存在、それが「マギ」と呼ばれる者達である。「創世の魔法使い」と呼ばれる彼らは、別名「王の選定者」とも呼ばれ、次代の王を選び出す事が使命といわれている。いつの時代も「マギ」は三人と決まっており、この時代にもレーム帝国シェヘラザード、煌帝固のジュダル、そしてさすらいのマギユナンの三人の「マギ」が存在している。主人公であるアラジンは、歴史上初めて現れた「四人目のマギ」とされている。

ルフの加護を受け、膨大な魔力を使える「マギ」は、非常に強力な魔法使いでもある。また、彼らは自由に迷宮を生み出す事ができる。14年前、シンドバッドが攻略した第1迷宮バアルを出現させたのは、さすらいのマギユナンジュダル煌帝国所有の迷宮攻略者を増やすため、次々と迷宮を出現させている。

作品が描かれた背景

本作がスタートした2009年には、掲載誌である「週刊少年サンデー」が創刊50周年を迎えている。同誌ではこの年、高橋留美子が『境界のLINNE』の連載をスタート。また、軽音部に所属する女子高生達の日常を描いたアニメ『けいおん』が放送を開始し、一大ブームを巻き起こした。

作品構成

世界の滅亡を望む謎の組織、アル・サーメンとの対決を軸に、マギとして世界の運命を託された主人公、アラジンと、「王の器」に選ばれたアリババの二人の少年の友情と成長が描かれている。仲間との友情、魔法や迷宮を巡る冒険、金属器所持者による迫力あるバトルと、少年漫画の王道的要素をふんだんに盛り込んでいる一方、国家間の対立や戦争、奴隷問題、人種差別といった、少年漫画としてはかなり重いテーマについても正面から描いている。

本作は『アラビアンナイト』の世界がモチーフになっているが、その理由について作者の大高忍は「設定はファンタジーながら、いろんな話が現代の価値観に通じるところが多いため」と語っている。主人公の名前にアリババとアラジンという有名なキャラクターの名前を使った理由については、「ファンタジーにおいてキャラクターを動かすには、何か元ネタがあった方が読者にとってイメージが沸きやすく、とっつきやすいと思った」としている。なお、初期のアイデアではアラジンは女性だったが、のちに男の子に設定が変更され、現在の形となった。アラジンが胸にさらしを巻いているのは、設定が女性だったときの名残。

シリアスな展開が多い本作だが、ギャグシーンも随所にちりばめられている。アラジンの女好き、アリババのモテなさぶりがギャグのネタになる事が多い。

あらすじ

迷宮編(第1巻~第2巻)

10年以上前、世界のあちこちには「迷宮」と呼ばれる遺跡群が出現し、それらにはジンの力が眠っており、攻略した者は財宝と王の力を手にすると噂されていた。多くの者が迷宮に挑むものの、未知の力が潜む迷宮では挑戦者の大半が帰らぬ人となっていた。そんな中、長らく聖宮に住んでいた少年のアラジンは、友達になったウーゴの頼みで外の世界に行き、金属器を探す旅をしていた。旅の途中でオアシス都市、チーシャンに立ち寄ったアラジンは、御者をしている少年のアリババ・サルージャと出会う。アリババはいつか迷宮を攻略し、大富豪になるのを夢見ていた。アラジンが不思議な力を持っていると悟ったアリババは、彼といっしょに「アモンの迷宮」を目指す事になる。しかしアラジンに目をつけたジャミルも、ゴルタスとモルジアナを連れて迷宮に潜り込み、アリババの行く手を阻む。昔から自分が何者であるかわからずにいたアラジンは、迷宮に挑む中で自分が「マギ」と呼ばれる存在である事を知る。さらにアリババが王の器にふさわしいと見込んだアラジンは彼と友達になり、冒険の中でさまざまな人との出会いや戦いに遭遇しながら、彼を導いていく。

草原の民とファナリス編(第3巻~第4巻)

迷宮を攻略して多くの財宝を手に入れたアリババ・サルージャは、その財宝を使ってモルジアナ達を解放する。しかしアリババは、喜びを分かち合えると思っていたアラジンとは離れ離れになってしまい、途方に暮れてしまう。その頃、アラジンは黄牙一族が住む草原の国に飛ばされていた。アラジンはたくましく生きる黄牙の人々とババに出会い、家族として歓迎される。一方、煌帝国から派遣された練白瑛は、黄牙一族を交渉によって平和的に傘下に入れようとしていた。アラジンも白瑛が野蛮な侵略者ではないと見抜いていたが、彼女の考えをよしとしない部下達が、煌軍と黄牙のあいだに戦争を起こそうと目論む。それを知らない黄牙の若者達はババが闇討ちされた事に憤り、煌軍と戦おうとしていた。一方、アリババのおかげで自由の身となったモルジアナは、ゴルタスに言われた通り故郷に行くためにとあるキャラバンに同行し、故郷への船が出ている沿岸の国、バルバッド王国を目指していた。しかし、キャラバンの行き先には盗賊やファティマーが現れ、モルジアナ達は行く手を阻まれてしまう。

バルバッド編(第4巻~第8巻)

アリババ・サルージャを捜してバルバッド王国を目指すアラジンモルジアナは、その道中でシンドバッドと出会う。シンドバッドと共にバルバッドに到着したアラジン達であったが、大海洋国家として栄えたバルバッドはアブマド・サルージャの悪政に国民が苦しめられ、交易は停滞し、国内が荒れていた。さらに「霧の団」と呼ばれる国賊が出現した事で、国はさらなる混乱に陥っていた。アラジン達はアリババ捜しつつ、シンドバッド達と共に霧の団を退治する事となる。しかし、霧の団を率いるリーダーの正体は、まるで人が変わったようになったアリババであった。一方、シンドバッドはジャーファル達と共にバルバッドの現状を調べるうちに、バルバッド経済の混乱には煌帝国の介入が関係している事を知る。霧の団を倒すだけでは解決しないと悟ったシンドバッドは霧の団に味方するようになり、アリババもアラジン達と改めて再会し、自分とカシムの過去、そして霧の団に入った経緯を語るのだった。

シンドリア編(第8巻~第10巻)

バルバッド王国の動乱後、戦いを終えたアラジン達はバルバッドを離れ、シンドリア王国に食客として招かれる。バルバッドの動乱にも絡んでいた闇組織「アル・サーメン」について知ったアラジン達は来るべき戦いに備え、師匠となった八人将のもとで、それぞれの修行を開始していた。一方、シンドバッド煌帝国との会談を終えてシンドリアに戻り、さらに練白龍の留学を目的とした煌帝国使節団もシンドリアに訪れる。第四皇子の白龍は、かつてアラジンが救った練白瑛の実弟でもあった。そんな白龍にとって今回の件はただの留学ではなく、煌帝国に関する重大な目的を胸に秘めながら、シンドリアを訪れていた。目的のために協力を求めて来る白龍に対し、シンドバッドはアリババ・サルージャのもとで外の世界を学ぶよう助言するのだった。

迷宮ザガン編(第10巻~第13巻)

八人将からアラジン達の修行の成果を聞いたシンドバッドは、彼らにシンドリア王国近くに出現したザガンの迷宮に挑むよう依頼。その迷宮には練白龍も同行するが、バルバッド王国を占領下に置いた煌帝国の皇子である彼に対し、アリババ・サルージャは複雑な感情を抱いていた。迷宮近くに到着したアラジン達は島に住むトランの民の人々と出会い、シンドリアの考古学調査団となったアブマド・サルージャ達と再会。しかしそこでは、ザガンの迷宮に島民が何人も飲み込まれているという、奇妙な事件が起こっていた。アラジン達は事件を探る目的も兼ねて、危険が潜むザガンの迷宮に挑む。迷宮に挑む中で一人で抱え込み一人で戦おうとする白龍を昔の自分と重ねたアリババは、彼に本音を打ち明ける。その言葉にアリババの本心を見た白龍は、彼らと協力して迷宮を抜け出す事を決意。一方、シンドリア王国にはヤムライハの結界を破ったジュダルが侵入していた。

海賊編(第13巻~第14巻)

ザガンの迷宮での戦いを通して、闇組織「アル・サーメン」と堕転の恐ろしさを悟ったアラジンは、シンドリア王国に戻ったあとも、自分達がこれからなにをすべきかを考え始める。また、アラジンはドゥニヤ・ムスタシムの死を受け、闇の金属器やマグノシュタットの事も気になっていた。アラジンはアリババ・サルージャの反対を押し切り、調査のために一人だけでマグノシュタットに行く事を決意。モルジアナも改めて暗黒大陸を目指すと決め、練白龍練白瑛のもとへ向かう事になる。しばらくアラジンと疎遠になっていたアリババも、剣闘士となるためにレーム帝国を目指して彼らと旅立つ事となった。こうしてシンドリアから旅立ったアラジン達であったが、アクティア王国に向かう途中で、オルバが率いる海賊の襲撃を受ける。その海賊はいずれも子供ばかりで、魔法道具を使って船を襲っていた。さらにアクティアの港でも海賊の襲撃があり、町の子供が誘拐される事件も起こっていた。アラジン達は子供達を救うため、船旅を一旦中断して海賊を追うのだった。

マグノシュタット編(第14巻~第20巻)

アリババ・サルージャ達と別れ、アラジンは魔法使いの国、マグノシュタットの「マグノシュタット学院」に入学した。その目的はただの入学ではなく、闇組織「アル・サーメン」とマグノシュタットの関係や、マグノシュタットが魔道士以外を差別している理由を探る事であった。生徒として学びながら多くの人と出会ったアラジンは、周囲との交流や魔法の授業、マタル・モガメットとの接触を経て、マグノシュタットの現実と非魔道士への差別について知っていく。またアラジンは、シェヘラザードの部下として潜入していたティトス・アレキウスとも出会う。当初は忠実に任務をこなしていたティトスであったが、マルガやアラジン達となかよくなって以来、自分の余命が残りわずかしかない事を恐れ、モガメットを頼るようになる。一方でマグノシュタット侵攻の準備を進めていたレーム帝国は、モガメットに宣戦を布告。初めは魔法で対抗していたモガメットであったが、戦いが激化する中で地下に潜めていた殺戮兵器を繰り出す。虐殺のような攻撃で多くの者が命を落とす中、国だけでなく世界の危機が迫っている事を感じ取ったアラジンは、悲しい戦争を止めるために奮闘する。

アルマトラン編(第21巻~第24巻)

マグノシュタットでの戦いが終わり、復興を手伝っていたアラジン達はシンドリア王国へ帰還。アラジン達はオルバやトトなどの懐かしい面々とも再会し、シンドリアで待っていた八人将達にも、それぞれの成長を披露する。そしてアラジンが練紅炎と交わした約束通り、2か月後にはシンドリアと煌帝国を中心とする大きな世界会談も控えていた。そんな中、紅炎から召喚状を受け取ったアリババ・サルージャは、モルジアナやオルバ達と共に、紅炎が遠征軍を構えるバルバッド王国に行く事になる。しかし、煌帝国に占領されたバルバッドにはかつての面影はなく、平穏ではあるものの人々の装いまで大きく変貌していた。故郷の変化に戸惑うアリババに対し、紅炎はシンドバッドと手を切って自分の右腕になれば、いずれバルバッドの全権を与えると迫る。アリババが結論を出せずに悩む中、マグノシュタット近隣の無人島にシンドリア、煌帝国、レーム帝国の重鎮が集結。強国が集まって緊迫した空気の中で、世界の命運を左右する大きな会談が始まる。ユナン達に連れられて姿を現したアラジンは、アルマトランで起こった事、そしてこの世界の創造主であるソロモンについて語り始めるのだった。

煌帝国編(第25巻~第29巻)

自分達の住む世界がアルマトランのように滅びぬよう、アラジンは各国の王達に、停戦協定を結び、協力して闇組織「アル・サーメン」と戦うよう呼び掛ける。思想の異なるシンドリア王国煌帝国が対立した事で会談に不穏な空気が走る中、姿をくらましていたジュダルが出現。「ベリアル」の金属器も手にしていた練白龍は、新たな力を手にしたジュダルと手を組み、練玉艶を討ち取っていたのである。宿敵を倒した白龍は練紅炎を簒奪(さんだつ)者として反乱を起こし、煌を二つに割る戦争を繰り広げようとする。アリババ・サルージャバルバッド王国が戦場になるのを防ぐため、アラジンと共に白龍を止めるべく帝都へ急ぐ。白龍と再会したアラジン達は互いの思いを掲げながら、それぞれの魔装と魔法で、白龍とジュダルと戦う事になる。極大魔法を撃ち合った末に白龍は両足を失い、白龍の極大魔法を受けたアリババは精神のない抜け殻となってしまう。さらにアラジンの大魔法によってジュダルは行方不明となり、ジュダルを失った白龍は、東軍を率いて紅炎の西軍と戦う。戦いは金属器や兵の数で勝る西軍が有利と思えたが、白龍はそれらを覆すほどの秘策を秘めていた。

新世界編(第29巻~第33巻)

煌帝国を二分した内乱は、七海連合の介入により白龍率いる東軍が勝利となった。それから3年の月日が流れ、ユナンに肉体を保護されていたアリババ・サルージャが目覚める。ユナンの力を借りながら復活したアリババは、3年のあいだにシンドバッドによって世界に大きな変革がもたらされ、商業が発展した新世界へと生まれ変わっていた事を知る。魔法技術の発達により大きく変わった新世界に驚きながら、アリババはシンドリア商会でシンドバッド達と再会し、行方不明となったアラジンモルジアナの情報を求めて煌帝国に渡る。しかし、煌帝国はシンドバッドの新世界に対応できず衰退し、首都すらも人が減って寂れていた。新たな皇帝となった練紅玉を助けながら彼女の国を再興すべく、アリババは商人として行動を開始する。かつての人脈を辿って交渉を成功させたアリババは快進撃が続いたように思えたが、その前に立ちはだかったのはシンドバッドだった。さらにシンドバッドの陰には、練白瑛の体を乗っ取ったアルバの姿も見え隠れしていた。一方、ソロモンの知恵を狙うシンドバッド達から逃れ、暗黒大陸に身を潜めながら修行していたアラジン達は、アリババとの再会を目指して新たな旅に出る。

聖宮編(第33巻~第36巻)

仲間に背を押されながらある決意を胸にした練紅玉は、煌帝国の国際同盟離脱を宣言。ほかの国も次々と離脱を宣言し、自分中心に形成されていたはずの世界が少しずつ変わっていくのを感じ取ったシンドバッドは、かつてない焦燥感を覚える。復活したアルバの進言を受け、世界の仕組みを変えるために聖宮を目指す決意をしたシンドバッドは、聖宮の番人のウーゴから聖宮の力を奪い、新たな番人となる。神同然の存在となったシンドバッドは、世界中のルフを書き換える魔法で人々の思考を変化させていた。ルフの書き換えの影響を受けず、周囲の変化に違和感を覚えたアラジンアリババ・サルージャは異を唱えるが、すでに人々はシンドバッドの思考に染め上げられていた。アリババはモルジアナとの対話を経て、アラジンと共にシンドバッドと戦う事を決意。さらに堕転の影響でルフの書き換えの影響を受けていなかった練白龍ジュダルも仲間に加わり、四人はシンドバッドを止めるために聖宮へ乗り込む。だが、聖宮ではシンドバッドが作り出した七つの迷宮が立ちはだかり、彼は自らの過去を語りながら、アラジン達にさまざまな問いかけと試練を課すのだった。

特殊設定

主人公のアラジンは『アラジンと魔法のランプ』、アリババは『アリババと四十人の盗賊』、シンドバッドは『シンドバッドの冒険』と、主要キャラクターの名前は説話集『アラビアンナイト』(『千夜一夜物語』)の登場人物から取られている。ちなみにモルジアナは、『アリババと四十人の盗賊』に登場する女奴隷の名である。

物語の重要なカギを握るソロモンは、旧約聖書にも登場する古代イスラエル王国の王がモチーフだと思われる(父親の名がダビデ、妻の名がシバである事もソロモン王と共通している)。また、迷宮を守るジンの名には、ソロモン王が使役したとされる72柱の悪魔の名が使われている。

メディアミックス

スピンオフ

主要キャラクターの一人であるシンドバッドを主人公とした外伝『マギ シンドバッドの冒険』(原作:大高忍、漫画:大寺義史)が「裏サンデー」で連載。『マギ』の前日譚となるシンドバッドの若き日の冒険を描いており、のちに彼の部下となる八人将との出会いについても触れられている。作者である大寺義史は、大高忍のアシスタントとして『マギ』の制作にも関わっている。

また、小学生となったアラジン達が登場するギャグ4コマ漫画『マギ まじかるギャグ学園』(河本けもん)が「月刊コロコロコミック」で短期連載された。

TVアニメ

2010年10月から小学館創業90周年企画としてMBS・TBS系列で放送開始。2013年10月から第2期がスタートした。第1期はアラジンとアリババの出会いから「シンドリア編」までを、第2期ではレーム帝国マグノシュタットとの戦いを描いた「マグノシュタット編」がアニメ化された。また、TVアニメではないが、外伝『マギ シンドバッドの冒険』もコミックス特別版の特典としてアニメ化されている。

ゲーム

ニンテンドーDS用ソフトとして、バンダイナムコゲームスから2013年に『マギ はじまりの迷宮』、2014年に『マギ 新たなる世界』が発売。アラジン達を操作して迷宮を探索するアクションRPGで、原作ではなかったキャラクターの組み合わせを選ぶ事でオリジナルシナリオが発生する「パラレルモード」を登載。第2作『マギ 新たなる世界』では、総勢19名のプレイアブルキャラが登場した。

NEXONが配信したスマホアプリ『マギ Dungeon & Magic』は50万ダウンロードを突破。なお、同作は2015年にサービスを終了している。

登場人物・キャラクター

アラジン

かつて聖宮で暮らしていた少年。初登場時の年齢は10歳。外の世界に出てからはウーゴの頼みで金属器を探す旅をしている。年上の美女が大好きで、堂々と胸元に飛び込む事から、時おり周囲を驚かせている。旅中で出会ったアリババ・サルージャと友人になり、迷宮に挑む中で自分がマギである事を悟る。迷宮脱出後はアリババと離れてババと出会い、マギの詳細を聞く。その後はモルジアナと共にバルバッド王国に向かい、アリババと再会して共に戦った。以降、冒険や出会いを重ねる中でマギとしての資質や自覚が芽生えていく。当初は金属器の笛に宿ったウーゴを実体化させて戦っていたが、ヤムライハのもとで魔法を学び、マグノシュタットで魔法の才能を開花させていく。マグノシュタットでの体験を経て世界の危機を察知し、アルマトランの歴史を語って各国に停戦と共闘を提案する。歴史上初の四人目のマギであり、ジンからソロモンとの関係が仄(ほの)めかされ、闇組織「アル・サーメン」からは「ソロモンの代行者」とも呼ばれている。バルバッドでの戦いの中、ウーゴに導かれてソロモンの知恵を手に入れる。実はソロモンとシバの息子であり、アルマトランの住人達の希望と使命を託された「ソロモンの移し身」として生まれ、ウーゴによって聖宮で守られていた。

アリババ・サルージャ

アラジンが旅中で出会った少年。初登場時の年齢は17歳。迷宮を攻略して大富豪になる事を夢見ながら、荷運びをしていた。アラジンと共に迷宮を攻略し、アモンと契約して金属器を手に入れる。他者のために危険を顧みないほどの思いやりと勇気の持ち主で、他人の凄さを認めて対等に接する素直さもあり、アラジンから「王の器」だと見込まれている。実はバルバッド王国第三王子で、アラジンと離れたあとは祖国で親友のカシムと再会して国の惨状を知り、霧の団のリーダーとなる。幼い頃はスラムで、母親のアニスやカシムと身を寄せ合って生きていた。アニスの死後は父親のラシッド・サルージャに連れられて王宮に入り、勉学に励み王宮剣術も会得した。カシムの死を通して仲間に助けを求める事の大切さを知り、人々が理不尽に争うのを好まず、争いを率先して止めようとする。またアラジンと共に闇組織「アル・サーメン」と戦う事を誓い、シャルルカンから剣術を学びながら、さまざまな冒険や戦いを通して成長していく。当初は魔装を使いこなせていなかったが、剣闘士を目指してレーム帝国に渡り、魔力操作や全身魔装を習得した。のちにムー・アレキウス達とマグノシュタットに渡った際にアラジンと再会し、暗黒点の拠り代と戦った。

モルジアナ

ジャミルの奴隷として働くファナリスの少女。初登場時の年齢は14歳。ジャミルに同行した迷宮でアラジンとアリババ・サルージャに遭遇し、ゴルタスに守られて迷宮を脱出。アリババによって奴隷から解放され、彼とアラジンに強い恩を感じる。ゴルタスの言葉で故郷を目指すようになり、アラジンと再会してバルバッド王国へ渡る。バルバッドでアラジン達に協力したあとも二人を支えたいと考えるようになり、シンドリア王国でマスルールから武術を学ぶ。アリババと行動するうちに眷族の力に目覚め、アモンの力が宿った眷属器を持つようになる。鎖の眷族器「炎翼鉄鎖(アモール・セルセイラ)」は、両手のように自由に動き、炎も放てる。しかし魔力が少ないため、眷属器よりもファナリスの力を活かした肉弾戦を得意とする。岩をも砕く強靭な脚力を持ち、嗅覚や視覚にも優れている。のちにアラジン達とシンドリアから旅立ち、暗黒大陸に渡ってユナンと出会う。無表情で無愛想だが、アラジン達と過ごすうちに、照れたり笑ったりなど豊かな表情を見せるようになる。長らく奴隷であった事から恋愛感情に疎いが、練白龍に告白された事や、アリババを失ったのをきっかけに、アリババへの恋心を自覚する。

ウーゴ

聖宮の番人を務めるジンの男性。愛称は「ウーゴくん」。アラジンを聖宮に匿っていたが、友達となった彼を外の世界に送り出し、金属器の捜索を託す。笛の金属器にアラジンが魔力を吹き込む事で、首から下を実体化する形で召喚される。シャイな性格のために女性を苦手としている。バルバッド王国ではジュダルとの戦いで消耗し、練紅玉の攻撃で力を失う。最後の力を使ってアラジンを聖宮に招いて、ソロモンの知恵へ導き、助言を与えて笛から消滅した。その後は頭部だけが聖宮に残った状態になり、マグノシュタットの戦いで命を落としたティトス・アレキウスを新たなマギとして転生させた。正体はアルマトランの魔道士「ウラルトゥーゴ・ノイ・ヌエフ」で、ソロモンと共に抵抗軍の一員となり、のちに王となったソロモンに仕えるマギの一人となった。天才魔導理論構築者でもあり、その魔法知識や想像力はソロモンからも認められている。魔道工学にも長け、さまざまな魔法道具も発明し、研究を経て初めてルフを発見した。ソロモンの死後は彼の言葉通り別の惑星に新たな世界を創り、マギや迷宮のシステムを定め、アルマトランの住人を新たな世界に送り出し、自らもジンの一人となった。

シンドバッド

シンドリア王国の国王を務める男性。初登場時の年齢は29歳。「七海の覇王」の異名を持ち、愛称は「シン」。14歳の頃に最初の迷宮を攻略し、「バアル」をはじめとする七人のジンと契約して七つの金属器を持つ、伝説の複数迷宮攻略者。自らの冒険を綴った冒険譚「シンドバッドの冒険書」は、世界中で愛読されている。バルバッド王国に向かう途中でアラジンとモルジアナに遭遇し、アリババ・サルージャと合流後はラシッド・サルージャへの恩返しも兼ね、彼らをサポートした。バルバッドの動乱後は、アラジン達を食客としてシンドリアに招く。気さくで大らかな性格で面倒見もよく、一代にしてシンドリアを発展させた事から国民に敬愛され、他国からの評価も高い。部下やアリババ達からの信頼も強い一方で、酒癖や女癖の悪さは信用されておらず、トラブルの元となっている。複数の魔装を使いこなす膨大な魔力を持ち、魔力操作も習得している。運命の流れを正しく選び取る希少な力を有しており、闇組織「アル・サーメン」からは「第一級特異点」として警戒されている。過去の出来事で半分堕転しているため堕転の魔法は通じないが、この事はごく一部の者しか知らない。のちに王位をドラコーンに譲り、シンドリア商会の会長となった。

ジャーファル

シンドリア王国の政務官を務める男性。八人将の一人。初登場時の年齢は25歳。袖あまりの官服を着用し、顔にそばかすがある。まじめでおだやかな性格だが少々怒りっぽく、自由奔放でトラブルを招く事が多いシンドバッドに振り回されている苦労人。その一方でシンドバッドへの忠誠心は強く、彼を侮辱されると我を忘れて怒りをあらわにする事がある。ヒナホホやドラコーンと同様、八人将の最古参。かつてはシンドバッドを狙っていた暗殺者で、袖に隠した2本の縄瓢を使った特殊な暗殺術を使用する。この瓢はシンドバッドのジン「バアル」の眷属器でもあり、必殺技は、ヘビのような雷光を帯びた瓢で攻撃や捕縛ができる「双蛇瓢(バララーク・セイ)」。元暗殺者である事から匂いなどに敏感で、鋭い感覚や知略も戦いに活かしている。一方で子供を危険に巻き込む事は好まず、当初は霧の団との戦いにアラジン達が参加する事に反対していた。また、バルバッド王国で友人を亡くして傷心したアラジンとアリババ・サルージャを太らせるなど、子供を甘やかす癖がある。シンドバッドに従うと決意する一方で、「世界のため」を免罪符に彼の手駒となる者に対して、心を痛める事もある。のちにシンドリア商会の会長となったシンドバッドのもとに残り、会長室室長を務める。

マスルール

ファナリスの男性。八人将の一人で、初登場時の年齢は20歳。赤髪の短髪で筋肉質な体型で、肩に鎧をまとっている。並外れた身体能力を持ち、眷属器なしでも大人数を吹き飛ばすほどの怪力と脚力を持つ。かつてはレーム帝国の剣闘奴隷だったため剣を持っているが、シンドバッドの部下となってからは体術ばかりで剣術はサボっている。寡黙かつ無愛想で、私室があってもほかの場所で寝るなど、マイペースな性格の持ち主。シャルルカンの事は「先輩」と呼んでいるが、シンドバッドなど尊敬している相手以外にはあまり従わない。眷属器はシンドバッドのジン「バアル」の力が宿った金色の鎧。必殺技は、電流によって筋肉を強化してファナリスの力を引き出す「金剛鎧甲(バララーク・カウーザ)」。しかし、魔力が少ない事と使用後の筋肉の負担で動けなくなる事から、めったに使用しない。シンドリア王国の食客となったモルジアナの師匠となり、武術を指南する。幼少期にシンドバッドに連れられて故郷の暗黒大陸に行った事があるが、同族との再会は叶わなかった。故郷について悩むモルジアナに対し、実際に暗黒大陸を見に行くよう助言した。のちにシンドリア王国を離れてレーム帝国に移り、結婚して4児の父親となった。

カシム

バルバット王国第三王子アリババ・サルージャと共に盗賊団霧の団を率いていた青年。幼少期の頃、アリババとひとつ屋根の下で暮らしていたことがあり、彼とは親友的存在だった。バルバッド王国へ戦争を仕掛ける計画を立てた際、アリババと意見の食い違いが起こり、仲違いする。後日アリババの前に立ちはだかり、闇の組織アル・サーメンから与えられた力を用いて彼や国軍兵士たち危害を加えた。

練 白龍 (れん はくりゅう)

練白徳の第四子で、煌帝国第四皇子の少年。練白瑛の弟で、顔半分に火傷の跡がある。留学のためにシンドリア王国を訪れるが、真の目的は煌帝国を滅ぼすべくシンドバッドに協力を要請する事であった。幼少期に父親を亡くし、二人の兄を目の前で失い、大きな傷を負った過去を持つ。この時に兄から、暗殺の首謀者が母親の練玉艶である事を聞き、真実を白瑛に隠しながら玉艶を憎むようになる。白瑛の事は幼少期から母親のように思っており、真っ先に守ろうとしている。身の回りの事はできるように白瑛から仕込まれて、料理も得意。アラジン達に同行してザガンの迷宮に挑むが、足を引っ張っている事をザガンに指摘され、八つ当たり同然の大泣きを見せた。当初はアリババ・サルージャを「占領された祖国を放置する軽薄な男」と見ていたが、彼の本音を聞いて考えを改め、アラジン達とも打ち解ける。迷宮攻略後は青龍偃月刀を金属器とし、ザガンと契約した。モルジアナに片思いするようになり、別れ際に思いを告げて連れて行こうとするが断られる。のちに、ジュダルの力を借りて「ベリアル」の迷宮を攻略する中で堕転する。煌帝国に戻って玉艶を討ったあとは、練紅炎を簒奪者として国を二分する内乱を起こす。

練 白瑛 (れん はくえい)

練白徳の第三子で、煌帝国第一皇女の女性。練白龍の姉でもあり、弟に自分の事は自分でできるよう教え込み、母親のように優しくも厳しく接していた。父親と兄達の死後は冷遇されていたが、迷宮攻略が評価されて征西軍北方駐屯兵団将軍を任される。金属器の白い羽扇にはジン「パイモン」が宿り、魔装も使いこなす。争いを好まない平和主義者で、武力よりも志を重視し、黄牙一族を傘下に入れる際も交渉を最優先した。この時に部下の裏切りに遭うが、アラジンとウーゴに救われ、彼らに恩を感じている。温厚な性格ながら、外道な行為に対しては将軍らしい気迫を見せる。眷族となった黄牙一族と共に白龍と合流するが、変わり果ててしまった彼を心配するようになる。その後は練紅徳の訃報を受け、白龍と共に煌に帰還するが、父親と兄を暗殺したのは練玉艶だと白龍に知らされ、協力を求められる。しかし、内乱が滅亡を招くと考える練紅炎に共感していたため、玉艶を討って紅炎と敵対しようとする白龍には共感できずにいた。のちに玉艶の体を失ったアルバに憑依され、意識を失ったままシンドリア商会の最高顧問となる。

練 紅玉 (れん こうぎょく)

練紅徳の第七子で、煌帝国第八皇女の少女。一人称は「私(わたくし)」。政略結婚のためにバルバッド王国を訪れ、そこで出会ったシンドバッドに一目惚れする。ジュダルの斡旋で迷宮を攻略し、金属器の簪に水のジン「ヴィネア」を宿し、魔装も習得している。一部の者を「ちゃん」付けで呼び、「~だわぁ」などの間延びした口調で話す。高飛車な態度が多く、時おり冷淡な表情を見せるが、実は少女らしく純情で仲間思いの性格。母親が遊女であった事から皇室では居場所がなく、幼少期は一人遊びをしながら暗い日々を送っていた。そこを夏黄文に助けられ、ジュダルや異母兄の練紅炎に武人としての道を示され、武術に励むようになる。これらの過去から、紅炎の事は昔から敬愛している。練白龍の使節団に加わってシンドリア王国に滞在するが、シンドバッドへの思いが一方的である事を自覚して恋心をあきらめ、煌に帰ると決意。その際に、本音や生い立ちを話したアリババ・サルージャと友人になった。シンドバッドとの手合わせの時にジン「ゼパル」の催眠を仕込まれており、帰国後は無自覚なスパイとして利用されるようになる。マグノシュタットの戦いでは紅炎の召集を受け、暗黒点の拠り代と戦った。

夏 黄文 (か こうぶん)

煌国北軒州の貧村に生まれた。優秀な成績で科選試験を突破し官吏として登用されて以後、煌帝国第八皇女練紅玉につき従っている。彼女と共に迷宮を攻略し、紅玉のジンヴィネアの恩恵を受ける眷属器の所持者でもある。権力を欲する気持ちが強く、シンドリア王国国王シンドバッドと紅玉を結婚させて国の実権を握ろうとした。

ジュダル

煌帝国の神官を務める少年で、マギの一人。氷魔法を中心に複数の魔法を使いこなすが、ルフが黒く染まっており、堕転した者の周りでは力を増す。神官となったあとは練玉艶と共に皇族に迷宮を斡旋し、煌帝国に強大な力を与えた。好戦的な性格で、初めて出会ったマギでもあるアラジンに興味を持ち、いきなり戦いを仕掛けた。戦争が大好きで、練紅炎などの強い人間を好み、昔から因縁があるシンドバッドとも手を組みたがっていた。東方の農村に生まれるが、闇組織「アル・サーメン」にさらわれ、玉艶達の教育を受けた事から幼少期より堕転している。昔の記憶はほとんど失っていたが、ソロモンの知恵でアラジンに過去を見せられる。復讐を決意した練白龍に近づき、怒りを捨て切れない彼に共感し、アル・サーメンとは手を切って白龍を王として導くようになる。マグノシュタットの戦いは静観していたが、堕転した魔道士達の黒いルフを得た事で、絶縁結界など高難易度の魔法も会得した。人生を崩壊させた玉艶を憎み、白龍と共に復讐を遂げる。のちにアラジンと再戦し、彼の魔法によって謎の空間に飛ばされるが、再会したアリババ・サルージャと共に元の世界に帰還する。

イスナーン

闇の組織アル・サーメンの幹部のひとりで、組織の魔道士。仮面で顔を覆い隠している。昔、マグノシュタット学院学長マタル・モガメットと結託して黒い金属器を作り出した。モガメットと手を切った後は、彼とは繋がっていない。運命の呪いから逃れることを目的に掲げており、黒い金属器を使いながら、金属器を収集していた。 自由に分身出来るだけでなく、体内の本体が無事なら復活することもできる。

マタル・モガメット

マグノシュタット学院学長を務める男性。マグノシュタットの最高権力者で、長いヒゲに樹木のような杖を持つ老人。ヤムライハの養父でもあり、短期間ながら幼い彼女を育てていた。世界中の魔道士達が助け合いながら生きる世界を目指し、理想の体現としてマグノシュタットを築いた。魔道士の事は家族同然に思っているため、余命が少ない事を嘆くティトス・アレキウスを快く受け入れた。同族への思いやりが強い反面、魔道士以外は「非魔道士(ゴイ)」と呼び、家畜同然に差別している。また、一時期はイスナーンと手を組んで闇の金属器を作っていた。元はムスタシム王国の魔道士で、青年時代にほかの魔道士と共に非魔道士から差別・利用されていた過去を持つ。戦争では盾代わりに使われたうえに一人娘を失い、魔道士として生まれた意味に疑問を持って苦悩する。やがて、探究心や知的好奇心を持つ魔道士とは違い、権力や戦を求める非魔道士は野蛮で堕落した種族と考えるようになり、彼らが不当に支配する世界を変えようと決意する。のちにムスタシム王家に魔法の全権を要求し、魔道士達と共に反乱を引き起こし、滅んだムスタシムの地にマグノシュタットを作った。

ティトス・アレキウス

レーム帝国からマグノシュタットへ来た魔道士の中性的な少年。アラジンを抜いて首席となった。実はシェヘラザードの密命を受け、学生の振りをしながら、マグノシュタットを調査している。地下を訪れた時に病で苦しむマルガを助け、外へ出たがっている彼女のためにマタル・モガメットに嘆願して地上に連れ出し、彼女と暮らすようになる。正体はシェヘラザードの魔法で作られた分身体であり、使命のために作られた存在であるため余命は残りわずかとなっている。シェヘラザードに忠実だったが、マルガ達と過ごすうちに大切な人と生き続ける事ができないと嘆き、自分が生まれた意味に悩むようになる。モガメットに苦悩を訴えて彼に保護されるようになり、レームとは決別して上級魔道士として戦う。停戦後にシェヘラザードと再会し、本体の寿命がわずかであるため、延命できない事を告げられる。残りわずかな命でなにをすべきかと苦悩するが、マルガに励まされて堕転したモガメットを止める事を決意。地下でモガメットを止めて死亡するが、シェヘラザードの魂と共に聖宮へ行き、彼女の記憶と力を引き継いで新たなマギとして復活した。

スフィントス=カーメン

母国エリオハプトからマグノシュタットへやってきた留学生。治療魔法特化型の魔道士。マグノシュタット学院に入学し、創世の魔道士マギであるアラジンと同じ部屋になった。初めは、ルフの力を制御しているため本来の力を発揮できていなかったアラジンよりも実力が上だったため、彼を格下扱いしていた。 だが、アラジンが優秀な成績を収めて以降は彼への態度を改めている。

シェヘラザード

レーム帝国の最高司祭で、マギの一人。小柄な少女の姿をしているが、正体はシェヘラザード本体に作られた複製体。本体の年齢は268歳で、老いた肉体は神殿の奥に隠されている。マグノシュタットの動きを警戒し、調査のために分身体のティトス・アレキウスを派遣。ティトスと同調してマタル・モガメットに対し、マグノシュタットをレームの属州として差し出すよう告げる。交渉決裂後はマグノシュタットと開戦し、兵力や科学力、ムー・アレキウス率いるファナリス兵団によって攻撃を仕掛ける。科学をはじめ人間が本来持つ力を重視し、金属器や魔法に頼りすぎない戦法を好む。また、国民が自分の意志で道を選び取ってほしいという思想を持つ。長年支え続けたレームを我が子のように愛するようになり、マギでありながらレーム以外の世界全体からは目を逸らしていると、アラジンから指摘を受ける。レームとの停戦後はアラジン達との会話やティトスとの再会を経て、自分の思想を押しつけ過ぎていたと謝罪した。その後はモガメットより生まれた暗黒点の拠り代と戦い、最後の力を振り絞った超律魔法で味方を回復させ、命を落とした。

ユナン

世界を放浪するマギの男性。「守り人」を名乗る。温厚な性格で、気まぐれに迷宮を出現させたり引っ込めたりする事から、「さすらいのマギ」とも呼ばれる。世界に初めて迷宮を出現させたマギでもあり、シンドバッドを迷宮に導いた。日光が苦手で暗い場所を好み、ふだんは暗黒大陸の大峡谷に構えた家で暮らしている。おっとりした口調で話し、見た目は若いが、浮世離れしている事から流行には疎い。暗黒大陸に来たモルジアナを歓迎して眷属器の使い方を教え、マグノシュタットの戦いでは彼女と各国を回って協力を呼び掛けた。未知の魔法を駆使するだけでなく、大峡谷両岸の音を聞けるなど聴覚にも優れる。のちに、練白龍と戦い命を落としたアリババ・サルージャの肉体を保護し、目覚めたアリババに世界の変化を伝えて地上に送り出した。シンドバッドとは付き合いが長いが、互いにあまり信用しておらず、彼を優れた人物と評する一方で、あまりにも王の器に近く底知れぬ力を秘める彼に恐怖心を抱く。実は前世の記憶を保持したまま、9回もマギとして転生している。しかし、見込んだ相手が暴君になったり自滅するのを見るうちに嫌気がさし、シンドバッドが生まれるまで世間から離れていた。

ソロモン

世界の摂理を作り出した伝説の王。トランの民の碑文に登場し、すべてのジンの主ともされる。その正体はかつてアルマトランを治めていた「ソロモン・ヨアズ・アブラヒム」で、アラジンの父親でもある。元はアルマトランの天才魔道士で、少年時代は愚々塔の魔道士をしていたが、異種族が魔法で支配されるのを見かねて抵抗軍を結成し、リーダーとなる。抵抗軍を率いて愚々塔にこもっていたシバを保護し、彼女や異種族との交流を深めていく。魔道士として天才的な実力を持ち、物理法則のベクトル世界を把握でき、重力をあやつる重力魔法を得意としている。長らく王となる事を拒んでいたが、多くの戦いと犠牲の果てに周囲に後押しされ、価値観や言語がバラバラだった異種族と人間達をまとめる偉大な王となった。勢力を拡大していき、父親のダビデに戦いを挑む。その中で神(イラー)と接触し、神によって作られた運命の存在を知る。運命から脱却するためにルフを奪って神を封印するが、肉体を大幅に老衰させてしまう。また奪ったルフに自らの意思を上書きし、すべての種族に平等に分け与えるが、アルバ達の反感を買い、彼女が結成した闇組織「アル・サーメン」と敵対する。

ジン

『マギ』に登場する精霊。迷宮の最奥に眠っている。迷宮攻略者の中からひとり選んでその者を「王」にするため力を貸す。普段は主人となった者が肌身離さず持っている金属器に宿っている。主人の呼び出しに応じて力を発揮する。主人にひかれる者が持つ金属器にも力をやどすことができ、それらは眷属器と呼ばれるようになる。

練 紅徳 (れん こうとく)

煌帝国の二代目皇帝を務めた中年の男性。練白徳の弟。複数の側室と練紅炎をはじめとする多数の子を持つ。兄の白徳の死後に練玉艶の手引きで即位するが、愚鈍さから闇組織「アル・サーメン」にとってくみしやすく、彼らの傀儡同然となっている。ほかの皇族と異なりジュダルから気に入られておらず、「ブタ野郎」呼ばわりされている。元より病気がちであったが突然悪化して全身が腐敗し、紅炎たちの遠征中に崩御した。

スパルトス

八人将の一人で、ササン王国出身の騎士の男性。初登場時の年齢は22歳。頭に白いターバンを巻き、鎧とマントをまとい、左目は長い前髪で隠れている。冷静な性格できまじめ。祖国の教義を律儀に守っているため、あまり人付き合いをせず、特に家族や許婚以外の女性と目を合わせるのを禁じられている。シンドリア王国ではあまり教義に縛られずに生活しているもののまったく女性慣れしていないが、対照的な性格のピスティとは仲がいい。眷族器でもある巨大なランスと盾を生かした槍術を得意としており、ふだんは商船警護を務め、シンドバッドの外交に同行する事もある。実はダリオス・レオクセスの息子で、本名は「スパルトス・レオクセス」。また、初代八人将の一人であるミストラスの弟でもある。のちに父親から王位を継ぎ、ササン騎士王となった。

シバ

アルマトランの魔道士の少女。愚々塔で魔法を使って力尽きていたところをソロモンに保護され、抵抗軍の一員となった。当初は異種族を見下し、ソロモンにも反抗的だったが、彼らと過ごしたり異種族と交流を重ねたりするうちに、心を開くようになる。魔道士としても成長を重ね、17歳の頃にはソロモンとアルバに次ぐ実力を持つようになる。当初はソロモンやアルバを家族のように思っていたが、次第にソロモンに片思いするようになる。「共にソロモンを支えてほしい」とアルバに頼まれた事から、積極的にプロポーズするようになる。ソロモンには断られていたが、異種族間の争いを止めた事で認められて交際するようになり、息子のアラジンを身ごもる。のちに王となったソロモンの王妃としてだけでなく、マギとしても彼に尽くすようになる。戦いが終わったあとの平和な世界に生まれてきてほしいと願い、腹にいるアラジンの成長を魔法で遅らせたうえで戦いに挑む。ダビデとの決戦後は老衰したソロモンの代理として異種族をまとめようとするが、水面下で反乱をもくろんでいた闇組織「アル・サーメン」を率いるアルバとの戦いに敗れ、アラジンをウーゴに託して息を引き取った。

オルバ

海賊団「大聖母」実動部隊リーダーを務める小柄な体形の少年。大聖母マドーラを母親として慕う。子供たちを率いて、アクティア王国に向かうアラジンたちの船を襲撃する。マドーラが白龍に殺され、過去の罪を責め立てられて絶望し、堕転しかけるが、アリババ・サルージャの決死の説得を受けて救われる。アリババの計らいでほかの子供たちと共にシンドリア王国に保護され、シャルルカンから剣術の指南を受けながら成長する。親に捨てられた過去を持ち、当初はマドーラのみを信じる荒んだ性格だったが、アリババやシャルルカンの影響で明るい性格に変わった。シンドリアに戻ったアリババと再会した時にトトと意気投合し、相思相愛の仲になった。アリババと行動するうちに、彼の眷族の力に目覚めて眷属器を持つようになる。

アブマド・サルージャ

小太りな体形の青年。アリババ・サルージャの異母兄で、ラシッド・サルージャの死後に即位してバルバッド王国国王となるが、堕落と悪政により、民衆から反感を買っている。また、煌帝国からの使者の指導で他国との外交を打ち切り、彼らの意のままに煌紙幣を取り込んで国の経済を乱れさせた。見かねたサブマド・サルージャや臣下から見放されて王位を剥奪され、シンドリア王国に身柄を引き取られる。その後は過去の悪行を反省し、シンドリアの考古学調査団に入った。

ババ

黄牙一族の集落を束ねる心優しい老婆。黄牙の民からは「ババ様」と呼ばれて慕われており、本名は「チャガン・シャマン」。迷宮から脱出後に黄牙の村に飛ばされたアラジンを家族として歓迎し、マギの使命やルフについて教えた。練白瑛の平和的な交渉に応じて傘下に下ろうとするが、彼女の部下の闇討ちを受けて重傷を負う。これに憤り、戦おうとする黄牙の若者たちを命懸けで止め、煌帝国と戦争になるのを防いだ。アラジンに最期の別れを告げ、黄牙の民に見守られながら息を引き取る。形見でもある木製の杖は、遺された民によってアラジンに託された。

ロゥロゥ

ムー・アレキウスの部下のファナリスの男性兵士。彼が率いる「ファナリス兵団」に所属する。大柄な体形で好戦的な性格をしている。奴隷から解放してくれたムーに恩義を感じ、忠誠を誓っている。ムーのジン「バルバトス」の力が宿った手甲の眷属器を使用するが、身体能力を生かした戦いを中心としている。

ジャミル

オアシス都市「チーシャン」の領主を務める男性。モルジアナとゴルタスを奴隷として従えている。幼少期からモルジアナに虐待を交えて教育を施し、強い恐怖心を植えつけた。幼少期に家庭教師からマギの存在を聞かされ、領主を目指しながらマギとの出会いを待ち望んでいた。迷宮に挑んだアラジンをマギだと見抜き、王の力を狙って接触する。しかしアラジンからは「大した事ない人」と評されて意気消沈し、負傷したゴルタスに連れられて迷宮と共に沈む。

アモン

第七の迷宮を守るジンの男性。礼節と厳格を司る炎の精霊。長い白ヒゲと威圧感のある老人の姿をしているが、気さくで嫉妬深い一面もある。当初はアリババ・サルージャを王にふさわしいと認めていなかったが、のちにアリババの思いやりのある優しい心を認め、彼に力を尽くしている。アルマトラン時代では仙老族と呼ばれる異種族で、ザガンやパイモンとは付き合いが長い。最初はアリババのナイフに宿っていたが、のちに彼がシンドバッドから受け取ったバルバッド王国の宝剣に宿るようになる。

黒の神 (いる・いらー)

世界を滅ぼす破滅の存在。暗黒点と拠り代を通して降臨し、すべての生命からルフを奪い去る。闇組織「アル・サーメン」からは「あの方」や「我らが父」とも呼ばれる。正体はかつてアルマトランで「神(イラー)」と呼ばれていた創造主であり、すべての生物に運命を与えて支配していた。またアルマトランでは最弱種族であった人間に神杖と魔法を与え、世界を統一するように説いた。しかし人間に力を与え続けていた事で弱り、原始竜からは「次第に黒く染まって寿命が尽きてしまう」と予言されていた。作られた運命から脱却し、自分たちの力で未来を変えられる世界を作ろうとしたソロモンによって黒いルフを奪われ、異空間に封印される。その後、アルバが結成したアル・サーメンの手で降臨するが、最後の力を振りしぼったソロモンによって、アル・サーメンもろとも異空間に再封印された。本来は自我のない存在であったが、ダビデの人格に取り憑かれるように自我が芽生え、新しい世界に降り立ちたいという意思を持つようになる。マグノシュタットの戦いで生じた暗黒点では不完全な降臨で終わったが、ダビデとつながりを持つシンドバッドの黒いルフと共鳴した事で、世界と強いつながりを持つようになる。

マイヤーズ

マグノシュタットの上級魔道士の女性。マグノシュタット学院の教官を務める。目元に仮面をつけ、露出の多い服装をしている。元はパルテビア帝国の軍属魔道士だったが、現在は弟のドロンと共にマグノシュタットに忠誠を誓い、生徒たちを指導している。入学したばかりのアラジンの担当教官となり、生徒たちを鍛え上げた。魔道士たちには軍隊並みの厳しい鍛練をさせているが、体力が低い魔道士を鍛える事で身体能力と魔力を向上させる事を目的としている。厳しい反面涙もろく、短期間で成長したアラジンに涙するなど生徒思いでもある。「雷鞭の魔導士」の異名を持ち、長い鞭を使った雷魔法を得意とする。レーム帝国との戦争では上級魔道士として戦いに参加した。

ヒナホホ

八人将の一人で、極北の秘境、イムチャックの戦士の男性。初登場時の年齢は35歳。男女問わず大きな体を持つイムチャック族であり、筋肉質な体格。おおらかな性格で、家族思い。南海生物「アバレイッカク」の角で作られた、赤い棍棒のような巨大銛を武器としている。この銛はシンドバッドのジン「ブァレフォール」の眷族器でもある。シンドバッドとの付き合いは長く、八人将最古参の一人で、年長者としても食客たちをまとめている。四人の子供を持つが妻は過去の戦いで他界しており、再婚相手を募集している。のちにシンドリア王国を離れて故郷に戻り、新たなイムチャック族首長となった。

マルガ

孤児の少女。マグノシュタットの非魔道士用地下特区「五等許可区」に住んでいる。心臓を患っているが、学者を目指し、外の世界に強いあこがれと好奇心を抱いている。病で苦しみ、魔道士たちに処分されそうになっていたところをティトス・アレキウスによって救われ、マタル・モガメットの許可を受けてティトスと共に五等許可区を出る。複数の上級魔道士の治癒魔法を受け、少しずつ元気を取り戻していった。レーム帝国との戦争では、寿命が残りわずかしかないと苦しむティトスを励まし、モガメットを止めようとする彼に付き添った。戦争終結後は、復活したティトスと共にレーム帝国に移る。

ラメトト

イムチャックの首長を務める中年の男性。ヒナホホの義父。イムチャック族を束ねる勇ましい戦士で、好戦的な性格をしている。ジン「フォルネウス」の金属器を持ち、魔装も使いこなす。マグノシュタットの戦いでは七海連合として、暗黒点の拠り代との戦いに加わる。のちにヒナホホに首長を任せ、国際同盟の常任理事となった。

ハッサン

霧の団の幹部を務める青年。カシムやスラム時代のアリババ・サルージャとは幼なじみで、ザイナブとは恋仲だがよくケンカしている。バルバッド王国の動乱後はザイナブと夫婦になり、息子のザッサンと三人で暮らしている。煌帝国に支配されたバルバッドの現状にはひそかに不満を抱いており、アリババとの再会時に本音を打ち明ける。しかし家族との平和な暮らしを守るために、現状を受け入れようとしている。

ゴルタス

ジャミルの奴隷の男性。顔を鉄仮面で覆っている。過去の負傷で言葉をほとんど話せないが、筋肉質な巨体と怪力を誇る。ジャミルと共に迷宮に入るが、彼に傷つけられて負傷する。その後はモルジアナをかばって故郷へ戻れと最期の言葉を遺し、ジャミルを連れて迷宮と共に沈む。

原始竜 (まざーどらごん)

輝く白い体を持つ、巨大なドラゴン。アルマトラン時代の異種族「原始竜族」の生き残りで、大陸の裂け目に住んでいた。アルマトラン時代から長く生き続けていた事から博識で、多数の言語を話せる。かつて大陸の裂け目でソロモンを救い、彼との再会時にはダビデの影響で世界の寿命が尽きかけている事を告げる。アルマトラン滅亡後は一部の記憶を失ったまま、ウーゴによって大陸ごと暗黒大陸の裂け目に送られる。アリババ・サルージャとジュダルが暗黒大陸に飛ばされた際は彼らの助けを拒否するものの、アリババの言葉で仲間への気持ちを思い出し、彼らを背に乗せて元の世界に送り届けた。

ドゥニヤ・ムスタシム

ザガンの迷宮近くに現れた謎の女性。実はすでに滅んだムスタシム王国の王女で、イスナーンが提供した闇の金属器を使い、自国の再興のためにザガンに挑む中でアラジンたちと戦う。磁力をあやつるのが得意で、従者のイサアクの姿に作り上げた人形を連れ歩いている。ムスタシム王国が滅ぶ原因となったマグノシュタットを憎んでいる。戦いの末にソロモンの知恵を通してイサアクの魂と再会し、アラジンたちと和解してシンドリア王国に保護される。アラジンと親しくなるが闇の金属器の後遺症で体が内側から弱り、アラジンとヤムライハたちが救おうとする中、命を落とした。

ダリオス・レオクセス

ササン王国の騎士王で中年の男性。ジン「アロセス」の金属器を持ち、魔装も使いこなす。スパルトスの父親でもある。マグノシュタットの戦いでは七海連合として、暗黒点の拠り代との戦いに加わる。のちに王位をスパルトスにゆずり、国際同盟の常任理事となった。

練 白徳 (れん はくとく)

煌帝国の初代皇帝を務めた男性。練白瑛と練白龍の父親。長年争い合っていた三国をまとめ、中原を統一した。練紅炎が「偉大な王」として尊敬する人物でもある。アルバに取り憑かれた練玉艶によって白龍が幼い頃に暗殺されるが、表向きは敗残国の兵士から殺害された事になっている。

ワヒード

アルマトランの魔道士の男性。抵抗軍の一員。目元を黒い眼帯で覆い、口元に大きなピアスを付け、老人のような口調で話す。ファーランと恋仲になり、のちに息子のテスが生まれた。しかしテスがダビデに殺され、ソロモンが神(イラー)に触れた際に運命の存在を知り、運命を憎むようになる。ファーランやアルバと共にソロモンを裏切るが、ファーランをかばって命を落とした。死後の世界ではテスたちと共に無気力状態で長い時間を過ごしていたが、精神体でさまよっていたアリババ・サルージャに出会い、黒の神について教えたうえで彼の修行を手伝う。アリババに協力して魔法で埴輪の体を与え、彼を元の世界に送り出した。

ラシッド・サルージャ

バルバッド王国の国王を務めていた中年の男性。アリババ・サルージャの父親で、スラムから息子のアリババを連れ出し、王宮で王子としての教育を受けさせる。しかし病を患い、霧の団が王宮を強襲した際に容態が悪化し、息を引き取った。国王であると同時にバルバッドの優れた商人でもあり、貿易で国を豊かにして商業国家として成長させた。若い頃に出会ったシンドバッドの師となって、商人としての心得を説いてサポートし、シンドリア王国を建国したばかりの彼に貿易を指南した、彼の恩人でもある。また、バルバッドの宝剣をシンドバッドに預けており、のちに彼によってアリババに託された。

ミラ・ディアノス・アルテミーナ

アルテミュラ王国の女王。ジン「ケルベロス」の金属器を持ち、魔装も使いこなす。ピスティの母親でもある。マグノシュタットの戦いでは七海連合として、暗黒点の拠り代との戦いに加わる。のちに王位をピスティにゆずり、国際同盟の常任理事となった。

ムー・アレキウス

シェヘラザードに仕えるレーム帝国の名門、アレキウス家の男性兵士。ファナリスの血を引いている。各地を回って奴隷のファナリスを解放し、レーム帝国の戦闘集団「ファナリス兵団」を結成して団長となった。レームとマグノシュタットの戦争ではファナリス兵団を率いて前線で戦う。ジン「バルバトス」の力が宿った槍剣の金属器を持ち、岩肌や結界を瞬時に突き破る力技を得意とする。実は過去に暗黒大陸でユナンの力を借りて、大峡谷の向こう側を見た事がある。その際に大峡谷の向こう側に住む、巨大な赤獅子のような種族に遭遇している。シェヘラザードの死後は、新たなマギとして生まれ変わったティトス・アレキウスに仕えるようになる。

練玉艶 (れん ぎょくえん)

煌帝国の正皇后。練白龍と練白瑛の母親で、かつては優しい女性であった。だが、その正体は闇組織「アル・サーメン」首領であり、アルマトランの魔道士だった女性「アルバ」である。白瑛が生まれる前に玉艶の体を乗っ取り、練白徳とその息子を暗殺し、のちに皇帝となった練紅徳の妃となる。暗殺首謀者である事を生き残った白龍に知られているが、生かしたまま強い憎しみを持つように仕向けた。また、ジュダルを堕転させて目的のために利用していた。世界に暗黒点を作り続け、黒の神を降臨させる事を目的としている。紅徳の死後は臨時皇帝となるが、白龍によって首を落とされる。しかし、玉艶の子に憑依する力を持っていたため、玉艶の体を自爆させて白瑛の体を乗っ取り、シンドリア商会の最高顧問としてシンドバッドと手を組む。極大魔法を再現したり肉体を不死身にしたりするなど、千年以上の執念から魔道士として最強の力を持つ。アルマトラン時代はソロモンの召使いで、抵抗軍として戦ったのち、彼のマギとなった。しかしソロモンが神(イラー)のルフを奪った事で反発し、イスナーンたちと共にアル・サーメンを結成してソロモンと敵対した。アルマトラン時代から神(黒の神)の声がずっと聞こえていた事から、誰よりも神を狂信している。

練 紅覇 (れん こうは)

煌帝国第三皇子の少年。練紅炎の異母弟。小柄の体形で中性的な見た目から、少女にまちがえられる事が多い。マグノシュタットに向かう道中でアラジンと出会う。大刀の金属器「如意練刀」はジン「レラージュ」の力が宿っており、大きさを自由に変えたり盾代わりに使ったりする事ができる。実験に失敗した魔道士の女性や反逆者の末裔など、過去や容姿に訳ありの者たちを自ら拾っては配下に置いて希望を与え、彼らに敬愛されている。幼少期は、精神を病んだ母親の世話をしながら生活していたため荒んでいたが、紅炎と練紅明に実力を見いだされて励まされ、彼らを信頼できる兄として慕うようになる。マグノシュタットでの戦いにも参加し、終結後は練白瑛と共に暗黒点の跡を見張っていた。のちに練白龍が起こした戦争では、西軍第一軍の軍団長として前線に立つ。しかし七海連合の介入で不利になり、シンドバッドの精神支配を受けた練紅玉に押さえられて敗戦。紅炎の降伏後は紅明と共に島へ流刑となるが、白龍によって生かされた紅炎と再会した。

倭 健彦 (やまと たけるひこ)

鬼倭国の国王を務める男性。剣術を得意とする。武士のような鎧をまとい、土佐弁のような口調で話す。ジン「カイム」の金属器を持ち、魔装も使いこなす。煌帝国の内乱では七海連合を通して練白龍に協力する。シンドバッドの事は前から気に食わないと思っていたが、のちに彼と決別し、金属器を所持したまま国ごと行方不明になり、国際指名手配犯となった。この際に、シンドバッドとアルバから逃れていたアラジンと白龍を匿っていた。

ザイナブ

霧の団の幹部を務める女性。カシムやスラム時代のアリババ・サルージャとは幼なじみで、ハッサンとは恋仲だがよくケンカしている。バルバッド王国の動乱後はハッサンと夫婦になり、息子のザッサンと三人で暮らしている。煌帝国に支配されたバルバッドの現状にはとまどいつつも、家族との平和な暮らしに不満は持っていない。また、いずれは自分の店を持ちたいという夢を持つ。

ミュロン・アレキウス

レーム帝国の名門アレキウス家の女性兵士。ムー・アレキウスの妹。ムーと同様ファナリスの血を引いており、「ファナリス兵団」に所属している。ムーのジン「バルバトス」の力が宿った手甲の眷属器を使用するが、身体能力を生かした戦いを中心としている。ふだんは上品に振る舞っているが、戦闘時は荒々しい性格に変わる。

トト

東方の少数民族「ヤンバラ」の女性。「シャンバル剣闘士養成所」の五剣士の一人で紅一点。シャンバル・ラマーの弟子で、養成所を訪れたアリババ・サルージャの修行をサポートした。のちにシンドリア王国でアリババと再会し、その際に出会ったオルバと意気投合し、恋仲になる。アリババと行動するうちに、彼の眷族の力に目覚めて眷属器を持つようになる。

ファーラン

アルマトランの魔道士の女性。抵抗軍の一員。語尾に「〜アル」を付けて話す。ワヒードと恋仲になり、のちに息子のテスを産む。しかしダビデとの戦いでテスを失って絶望し、運命の存在を憎みながらワヒードと共に闇組織「アル・サーメン」に加わり、ソロモンを裏切った。ソロモンによってアル・サーメンと共に異空間に封印され、暗黒点を生み出し、テスを取り戻すために魔道士として暗躍を続けていたが、過去の事件によってすでに死亡している。

ドラコーン

八人将の一人で、巨大な竜人のような姿をした男性。初登場時の年齢は29歳。元はパルテビア帝国の軍人だった。昔は人間であったが、少年時代の出来事により眷族同化し、緑の鱗と皮膚を持つ竜人の姿になった。この姿になった影響でたびたび脱皮している。左耳のピアスはシンドバッドのジン「バアル」の眷族器となっており、全身を鱗で覆ったり電流で肉体を強化したりして戦う事ができる。シンドバッドとの付き合いは長く、八人将最古参の一人。見た目は少々怖いものの、誠実でまじめな性格の持ち主。美人な妻を持つが、少々尻にしかれているため、弱点となっている。軍務や剣術を得意としているが、戦闘の際は巨大化して雷光の光線を吐く事もできる。マグノシュタットで生じた暗黒点の依り代との戦いではシンドバッドに同行し、彼や他国の眷族と共に巨大化して戦った。のちにシンドリア商会の会長となったシンドバッドから王位を継ぎ、シンドリア王国の国王となった。

李 青舜 (り せいしゅん)

練白瑛の部下である小柄な体形の少年。彼女の最初の眷族。幼少期から白瑛を支え、共に迷宮を攻略した。練白龍とも仲がよく、昔から武術の稽古をしていたが、いつの間にか彼に身長を越された事を少し気にしている。双剣術を得意とし、眷属器でもある二本の曲刀「双月剣」には白瑛のジン「パイモン」の力が宿っており、風の刃で攻撃ができる。

セッタ

アルマトランの魔道士の男性。抵抗軍の一員。イスナーンの弟分で、彼を「兄さん」と呼び慕っている。ダビデとの戦いでは抵抗軍の本拠地を守っていたが、ソロモンたちを罠にはめたダビデの襲撃を受けて死亡する。死後の世界ではワヒードたちと共に無気力状態で長い時間を過ごしていたが、精神体でさまよっていたアリババ・サルージャに出会い、黒の神について教えたうえで彼の修行を手伝う。アリババに協力して魔法で埴輪の体を与え、彼を元の世界に送り出した。

ネルヴァ・ユリウス・カルアデス

レーム帝国皇帝の息子。ジン「シャックス」の金属器を所有しているが、魔装は会得していない。国際同盟に反発して王制復興を目指すが選挙で敗れ、貴族たちを連れてレームを離れ、金属器を所持したまま逃走したため、国際指名手配犯となった。ジュダルに唆されて振り回されたのち、彼の故郷に連行され、労働をさせられていた。これらを経て堕転した事で、シンドバッドのルフの書き換えの影響を受けていない。のちにアラジンたちが聖宮に向かった際に、門を守るための魔力を供給する役を任される。

サブマド・サルージャ

痩せ型で猫背の気弱そうな青年。アリババ・サルージャの異母兄で、ラシッド・サルージャの死後にバルバッド王国副王となるが、兄のアブマド・サルージャの悪政に何も言えず、見て見ぬふりをしていた。しかし、国民が苦しむ中で贅沢をしているアブマドを見かねて、霧の団に入ったアリババに期待を寄せながら、ひそかに霧の団に情報を流していた。のちにアリババのもとへ出向き、本音とアブマドの企みを告げ、国民を奴隷として売ろうとしている兄を止めるように頼んだ。バルバッド動乱後はアブマドと共にシンドリア王国の考古学調査団に入った。

大聖母マドーラ (おーむまどーら)

海賊団「大聖母」の首領を務める女性。マグノシュタットから流れた数々の魔法道具を所持し、オルバなど団員の子供たちにも魔法道具を武器として持たせている。団員たちを使って襲撃した先で子供を連れ去り、魔法道具「聖母後光扇」の力で洗脳して思うままにあやつっている。魔法道具以外にも、母性愛を利用した巧みな洗脳を得意としている。慈愛のある聖母を演じているが、子供たちには本当の愛情を持たずに魔力の供給源として利用している。さらわれた子たちを助けようと乗り込んだアラジンたちに敗れ、アクティア王国海軍に捕縛される。のちに洗脳をきっかけに使命を思い出した練白龍によって、首を刎(は)ねられて死亡した。

シャルルカン

八人将の一人で、剣士の男性。初登場時の年齢は21歳。砂漠と神秘の国「エリオハプト王国」出身。褐色の肌と銀髪で、首に鎖を巻いている。シンドリア王国の食客となったアリババ・サルージャの師となり、剣術を指南する。ヤムライハに片思いしているが、彼女とはケンカばかりしている。昔から「王サマ」と呼び慕っているシンドバッドのまねをしていたが、彼の悪い癖を吸収して酒好きで女好きな男性に育った。幼少期から剣術には強い思い入れがあるが、目立ちたがり屋で女性にはいつも剣術の話ばかりする癖があり、ヤムライハから「剣術バカ」とからかわれている。明るく軽いノリだが剣の腕は確かで、南海生物を瞬時に解体して盛りつけるほどの腕を持つ。愛用の黒い剣はシンドバッドのジン「フォカロル」の眷属器でもあり、蛇行するような剣さばきで攻撃を受け流す「流閃剣(フォラーズ・サイカ)」を得意とする。しかし魔力が少ないため、眷属器の攻撃は1日に数分程度しか発動できない。実はエリオハプトの王子で、本名は「シャルルカン・アメン・ラー」。アールマカン・アメン・ラーの弟でもあり、権力争いに巻き込まれた過去を持つ。のちに兄から王位を継ぎ、エリオハプト国王となった。

ダビデ

過去の事件を境にシンドバッドとつながりを持ったとされる、ソロモンとも関係がある謎の人物。正体はアルマトランの魔導士聖教連長老会の第一元老「ダビデ・ヨアズ・アブラヒム」で、ソロモンの父親でアラジンの祖父。アルマトランの住人たちからは「ダビデ老」とも呼ばれ、実年齢は800歳を超えるが、魔法によって若い姿を保っている。ひそかに神(イラー)から力を奪い続け、弱体化させていた。ソロモンと戦ったあとは異空間に封印されるが、人格を残したまま黒の神に取り憑くようになる。シンドバッドと同様、運命を正しく選び取る「特異点」の力を持ち、遠い未来をも予見できる。同じく特異点の力を持つ青年時代のシンドバッドに黒いルフを通して入り込んでいたが、世界会談のあとにシンドバッドが黒いルフと共鳴した事で、世界と完全につながるようになる。その後はシンドバッドとアルバを利用して聖宮に近づき、聖宮を乗っ取る事で世界を自由に創り変えるほどの異変を起こそうともくろむ。

アールマカン・アメン・ラー

砂漠の国、エリオハプト王国の国王を務める男性。ジン「ヴァッサゴ」の金属器を持ち、魔装も使いこなす。シャルルカンの兄でもあり、過去に彼と共に王宮の権力争いに巻き込まれた事がある。マグノシュタットの戦いでは七海連合として、暗黒点の拠り代との戦いに加わる。のちに王位をシャルルカンにゆずり、国際同盟の常任理事となった。

ヤムライハ

八人将の一人で、魔道士の女性。初登場時の年齢は23歳。元はムスタシム王国の王族に仕える少女だったが、魔道士である事から両親に捨てられてマタル・モガメットに拾われ、幼少期は彼の養子としてマグノシュタットで育った。魔道士として天才的な実力を持ち、水魔法を得意とする。また、島全体を覆う結界を作って多くの魔法道具を開発するなど、それらの技術はシンドリア王国でも大いに活用されている。知識欲は人一倍強く、われを忘れて研究に熱中する事も多い。プライベートな場でも魔法の話ばかりする癖が災いし、男性との縁に恵まれず、モテない事を時折嘆いている。八人将の中では同じ女性のピスティと仲がいい。魔法をバカにするシャルルカンとはよくケンカしているが、彼からはひそかに思いを寄せられている。シンドリアの食客となったアラジンの師となり、彼に魔法を指南する。アラジンを「すばらしい原石」と評すると同時に、才能を秘めた彼を自分のもとにとどめておくのを歯がゆく感じたため、彼がマグノシュタットに行く際はスムーズに旅立ちと入国ができるようにサポートした。のちにシンドリアを離れ、新たなマグノシュタット学院学長となった。

イレーヌ・スミルノフ

マグノシュタットの上級魔道士の女性。左目にモノクルをかけている。マグノシュタット学院の研究室で授業「ルフの特性と変質」を担当している。クールで上品に見えるがマタル・モガメットには心酔しており、自室には彼の肖像画を大量に飾っている。アラジンの授業も担当したが、モガメットに見込まれている彼に対しては心底嫉妬している。黒いルフや、それによる人工生命体などに関しても研究している。レーム帝国との戦争では上級魔道士として戦いに参加した。

ピスティ

八人将の一人で、アルテミュラ王国出身の小柄な体形の女性。一見アラジンと変わらない背丈で少女のように見えるが、実年齢は18歳。しかし、年齢よりも幼く見られる事を少々気にしており、セクシーな体形の女性にはコンプレックスを抱いている。アルテミュラの女性が動物をあやつる事に長けている事から、巨大な怪鳥を従えている。また、頭に飾っている笛を吹く事でルフの波長を合わせて動物と心を通わせる事ができ、南海生物なども懐柔させる事ができる。これらを生かしてふだんは商船の警護をしており、迷宮へ向かうアラジンたちの護衛も務めた。実はかなりの男好きで、男性とトラブルを起こしてはジャーファルに説教を受け、ウソ泣きでごまかしている。同姓の友達は少なく、ヤムライハが数少ない女友達となっている。実はミラ・ディアノス・アルテミーナの末娘で、本名は「ピスティ・ディアノス・アルテミーナ」。のちに母親から王位を継ぎ、アルテミュラの女王となった。

ザガン

シンドリア王国近海の小島に出現した迷宮を守るジンの男性。大地と生命を司る。目元に仮面をつけた若い男性の姿をしている。昔から人間嫌いで人間に迷宮を荒らされるのを嫌い、マギ以外には冷淡な態度を取る。植物や迷宮生物をあやつる力を持ち、島に近づく人間を迷宮にさらい、その魔力を吸い取って新たな迷宮生物の源としていた。宝物庫にたどり着いたアラジンたちに非礼を詫び、魔力が尽きていたモルジアナを治療した。練白龍を主に選んで契約し、彼の青龍偃月刀に宿るようになる。アモンとはアルマトラン時代から仲が悪いが、彼とは師弟関係だった。

練 紅明 (れん こうめい)

煌帝国第二皇子の男性。練紅炎の弟。知的で冷静だが生活力が低く、つねに寝不足がちなために陰気で眠そうな表情をしている。愛用の黒い羽扇はジン「ダンダリオン」が宿る金属器で、転送魔法陣を空中に作り出して人や物を移送できる。軍略や政務を得意とする軍師タイプで実戦は得意ではなく、素の戦闘力も低い。しかし幼少期から魔法が戦争を左右すると予見し、率先して魔法の研究を行った事などから、紅炎からは「平時の王」と高く評価されている。煌帝国の占領下となったバルバッド王国の共和制を残しつつ法的に支配し、奴隷制度を持ち込んだ。マグノシュタットの戦いでは紅炎の召集を受け、後方から味方をサポートして暗黒点の拠り代と戦った。練白龍の起こした内乱では西軍総大将として指揮や支援をしつつ、兵士の犠牲を最小限にとどめる包囲作戦を実行した。しかし七海連合の介入によって不利になり、倭健彦の攻撃で重症を負う。紅炎の降伏後は練紅覇と共に島へ流刑となるが、白龍によって生かされた紅炎と再会した。

シャンバル・ラマー

東方の少数民族「ヤンバラ」を率いる、小太りの中年男性。賭博が趣味だが、あまり強くはない。レーム帝国を拠点とする「シャンバル剣闘士養成所」のリーダーを務める。剣闘士を目指すアリババ・サルージャに魔力操作や剣術を指南する。また、アリババの魔力の状態を見抜き、鍼治療を施した。

練 紅炎 (れん こうえん)

煌帝国第一皇子の男性。練紅徳の息子。煌帝国の占領下となったバルバッド王国を拠点に、征西軍大総督として西方進出をもくろむ。ジュダルから好戦的で強い男と評されるが、実際は冷静な性格の持ち主。複数の迷宮を攻略し、ジン「アガレス」「フェニクス」「アシュタロス」の金属器を持つ。シンドバッドと並び、世界への影響力と威厳を持つ王の器で、弟たちや部下からの信頼も厚い。マグノシュタットとレーム帝国の戦争では暗黒点の拠り代と戦うために弟たちを招集し、アラジンたちと協力する。共闘の条件としてアラジンとアルマトランについて知っている事を話すように約束した。ふだんは物静かだが歴史研究が趣味で、歴史や世界の真実に強い興味を抱く。紅徳の死後、新皇帝の座を練玉艶に奪われる。玉艶を憎む白龍に対し、内乱を防ぐためにフェニクスの力で戒めの魔法を仕掛けていた。世界会談のあとに練白龍が魔法を振り切って玉艶を謀殺した事を知り、バルバッドで即位したあと西軍を率いて白龍の東軍と戦うが、七海連合の介入で不利になり、弟たちを守るために降伏。白龍と対面した際、いずれは玉艶を討つつもりであった事、尊敬する練白徳の子に生まれた白龍に羨望を抱いていた事を打ち明けた。表向きは斬首刑となったが本音を知った白龍に生かされ、練紅明たちと共に流刑となった。

イサアク

ムスタシム王国の騎士の男性。ドゥニヤ・ムスタシムが幼い頃から彼女に仕えていたが、彼女とは兄妹のように親しい関係でもある。しかしムスタシム王家が襲われた際に、ドゥニヤを守って命を落とす。

ファティマー

モルジアナが旅中で遭遇した奴隷商人の男性。オネエ言葉で話す。多くの奴隷を売買するだけでなく、猛毒を持つカラスなどの凶暴な砂漠生物も飼っている。一度はモルジアナを罠にはめて捕えるが、彼女によって採掘砦を壊滅させられて降参した。かつては豪商に売られた奴隷で、旅中で主人を殺して自由の身になり、自ら奴隷商人となった過去を持つ。

集団・組織

アル・サーメン

『マギ』に登場する組織。現在アラジンたちが住んでいる世界を創ったソロモン・ヨアズ・アブラヒムが生きていた頃に誕生。運命のあり方に異論を唱えた魔道士たちで形成されている。世界の裏で暗躍をし続けている。運命をひどく恨むことによって生まれる黒いルフの力を用いて、人々を運命から解放することを理念としている。煌帝国を裏で牛耳りながら、組織の力を拡大し続けている。

七海連合 (ななかいれんごう)

シンドバッドが率いる、世界平和と金属器対策を目的とした同盟。シンドリア王国と同盟を結ぶ国々によって結成された。「侵略せず・侵略されず」を理念としている。同盟国の王族などは、同盟と友好の証として食客となり、シンドリアに招かれている。

国際同盟 (こくさいどうめい)

七海連合を前身とする国際組織。シンドバッドを中心に、奴隷制度や金属器の廃止など、平和を維持するための新制度を取り決め、世界に大きな改革をもたらした。非加盟国はこれらの新制度による制限を受けないが、貿易などで多額の関税を支払う必要があり、国内問題への支援も受けられなくなる。本部は飛空艇なしでは立ち入れない孤島にあり、同盟国から預けられた金属器が保管される場ともなっている。加盟国の元首たちが常任理事となり、各国の要人と共に本部に集まってさまざまな事を議会で決めている。

シンドリア商会 (しんどりあしょうかい)

シンドリア王国の国王を退いたシンドバッドが結成した大商会。シンドバッドが会長、ジャーファルが会長室室長を務める。本部はパルテビア帝国帝都のクシテフォンにあり、夜でも帝都全体を明るく照らすほどの、近未来的な巨大ビルを構えている。飛空艇や通信機などの最新の魔法道具を主力商品として扱い、急激に成長した。国際同盟の影響で商人や経済力が中心となった世界において、絶大な力を持つトップ商会となっている。

抵抗軍 (れじすたんす)

ソロモンがアルマトランで結成した魔道士の組織。異種族を魔法で制圧する「魔導士聖教会連合」に所属していた、神杖を持つ魔道士たちで構成されている。いずれも異種族を洗脳する魔法で、無理やり制圧している聖教連に嫌気がさして愚々塔から抜け出した者たちであり、異種族たちを解放する事を目的としている。

霧の団 (きりのだん)

バルバッド王国に現れた盗賊団。アブマド・サルージャの悪政に苦しむスラム街の住人を中心に結成されており、貴族を襲ったり盗みをしたりしている。盗んだ物は貧しい人々に分け与えられていた事から、国民の一部からは人気がある。当初はカシムがリーダーであったが、のちにバルバッドに帰還したアリババ・サルージャが新リーダーになった事で、さらなる支持を得た。カシムや一部の幹部は、闇組織「アル・サーメン」が流した闇の金属器を所有している。

八人将 (はちにんしょう)

シンドリア王国に仕える八人の精鋭。シンドバッドに忠誠を誓っている。魔道士のヤムライハを除く七人はシンドバッドの眷族でもあり、それぞれがシンドバッドのジンの眷属器と高い戦闘力を持ち、有事の際は率先して戦う。また、沖に南海生物が出現した際は国民の前で南海生物を倒すパフォーマンスを披露しており、国民からも国の守護神として慕われている。一部の者は七海連合同盟国からの食客であり、訳あって自国にいられなくなり、シンドリアに身を寄せて来た者など、それぞれがさまざまな事情を抱えている。シンドリア建国前からの最古参であるドラコーンは眷族同化しており、同じく最古参のヒナホホ、ジャーファルは眷族半同化している。

場所

迷宮 (だんじょん)

『マギ』に登場する遺跡群。創世の魔法使いマギの手によって出現した。世界各地に立てられている。謎の生物や罠がたくさん仕掛けられているため、簡単に攻略することはできない。迷宮へ入ったきり行方不明となった者が相次いだため、「死の穴」と言われ恐れられている。だが、迷宮を攻略すれば、富と名誉、ジンと呼ばれる精霊の大いなる力が与えられる。

バルバッド王国

『マギ』に登場する地名。数百もの島々を支配している海洋国家で、様々な人種や文化が混じりあっている。財産を独占する富裕層と貧困層との間で大きな格差があった。国民の奴隷化を企てていた元国王アブマド・サルージャが退位した後は、23代にわたって行われてきた王政が廃止され、彼を退位へと追い込んだバルバッド王国第三皇子アリババ・サルージャの意向のもと、共和制市民国家へ。 煌帝国の傘下に入る。

シンドリア王国

『マギ』に登場する地名。迷宮複数攻略者で、七つの国と海を統べるシンドバッドが開拓して建国された。主にシンドバッドの側近ジャーファルや、戦闘民族ファナリスの血を引くマスルールが所属する八人将のメンバーが国を守っている。シンドバッドの人柄もあって、異文化交流が盛んである。お祭りごとが大好きな国民が多く、南海生物が襲来する度に、海の幸に感謝を捧げる祭り謝肉宴(マハラガーン)を盛大に行う。

煌帝国 (こうていこく)

『マギ』に登場する地名。少し前までは小国だったが、わずか数年で中原を平定した。周辺国に迷宮攻略者を送り込み、次々と傘下に収めている。二代目皇帝練紅徳の死後、統率下の第一皇子練紅炎が三代目皇帝になるかと思いきや、紅徳の妻で練白龍の母練玉艶が国の統治者に選ばれたことで内紛の兆しが生まれる。神官ジュダルの力を借りながら、国力を強化していく。

レーム帝国

『マギ』に登場する地名。大陸の西方にあり、最高司祭シェヘラザードが国一帯を守っている。道も水も整備されていて安全なうえ、国が国民の生活を保障するため飢えることはない。娯楽として国内にある闘技場内で剣闘士たちが戦うのを観覧する者がたくさんいる。また、様々な自由身分の剣闘士を受け入れているシャンバル剣闘士養成所がある。

マグノシュタット

『マギ』に登場する地名。魔法が使える者しか入国できない。王家の魔法権利を継いだマタル・モガメットが統治している。世界最高峰の魔導士養成機関マグノシュタット学院があり、魔法の才能を伸ばしたい魔導士たちが集まっている。シンドリア王国を守る八人衆のひとりで、天才と呼ばれた魔道士ヤムライハもかつてこの場所で魔法を学んでいた。 後に、創世の魔法使いマギのひとりアラジンも入学する。

アルマトラン

『マギ』に登場する世界の名称。神(イラー)によって作られる。当初は、価値観や使う言葉がバラバラだったためアルマトランに住む全員が納得する法律が作れていなかった。そこへ現れた魔道士ソロモンが世界をひとつにまとめあげる。創世の魔法使いマギのアラジンが生まれた故郷であり、迷宮の最奥に眠るジンたちや闇の組織アル・サーメンもここで生まれた。 現在アラジンたちがいる世界と一切繋がっていない。

ムスタシム王国 (むすたしむおうこく)

かつて西方にあった「花と泉の楽園」と呼ばれた大国。マタル・モガメットやヤムライハの本来の出身地でもある。魔法研究が盛んな魔導国家である一方で、魔道士は戦争などで盾変わりされるなど、不当に差別、利用されていた。しかし、魔道士たちの反乱によって王族や貴族が殺害され、王族はイサアクにかばわれたドゥニヤ・ムスタシムのみが生き残り、滅亡した。

聖宮 (せいきゅう)

アラジンが生まれた時から過ごしていた閉鎖空間で、元は番人であるウーゴがソロモンの魔法を使って作り出した巨大な魔法道具。アラジンからは「頑丈な部屋」とも呼ばれている。マギの魂が還る場所でもあり、ルフとなって戻ったマギの魂は、新たなマギとして生まれ変わる事ができる。大半はふつうの赤ん坊として世界に産み落とされるが、ユナンのように前世の記憶を保持したまま転生する者もいる。世界のすべてのルフを司る特別な空間でもあり、ソロモンの意思も宿っている。

鬼倭王国 (きなおうこく)

極東に位置する「鬼倭島」を国土とする島国。国王は倭健彦が務める。先王がシンドバッドと親交を持っていた事から七海連合加盟国であったが、健彦が即位したあとは国交が途絶えていた。古くから盟友関係にある煌帝国の内乱では、練白龍に協力する形で七海連合と共に介入する。国際同盟にも加盟するが、裏でアラジンを狙うシンドバッドの動きを警戒した健彦の判断で、のちに脱退。もともとアルマトラン時代の魔力でできた地層による「遺跡島」であった事から、健彦に匿われたアラジンの魔法によって浮遊島となり、暗黒大陸南部に移動する。

暗黒大陸 (あんこくたいりく)

レーム帝国の南にある謎の多い大陸。ファナリスが住んでいた地域とされるが、大半が奴隷狩りに遭ったため、現在ファナリスは住んでいない。一部のレーム属州以外は未開発地域が多い事から「暗黒大陸」と呼ばれている。大陸の北側にはモルジアナの故郷でもあるレーム領「カタルゴ」がある。カタルゴより南部は、旅人を狙う盗賊が潜む無法地帯となっている。さらに南に進むと「大峡谷」と呼ばれる深い谷があり、一度渡ると二度と帰って来られないといわれている。

その他キーワード

ルフ

『マギ』に登場する、魂の源泉。鳥のような形をしている。あらゆる生命に宿っており、彼らを運命へ導いていく。魔法使いとしての素質がある者しか姿を見ることができない。金属器を使う者や魔法使いの力の源となる「魔力(マゴイ)」と呼ばれたエネルギーを生み出す。通常は白く輝いているが、運命をひどく恨み捻じ曲げようとする者の負の魂に影響を受け黒く染まることも。

眷属器 (けんぞくき)

金属器に宿ったジンから生まれた眷族の精霊とその力が宿った、金属の総称。親元となった金属器に似た力や特性が宿る事が多い。金属器を持つ王に惹かれて力に目覚めた者は「眷族」と呼ばれ、王や眷族自身にとって身近な金属(武器やアクセサリーなど)を眷属器とする事ができる。金属器と同様、眷族器が壊れても別の金属に力を移し変える事が可能。ただし、王から金属器が離れた状態になると、すべての眷属器も使用不能になる。また、マギを含む魔法使いは金属器や眷族器との相性が悪いため、誰かの眷族となる事はできない。

闇の金属器 (やみのきんぞくき)

闇組織「アル・サーメン」が金属器を元に、マグノシュタットと開発した漆黒の武器。堕転した者のみが使いこなす事ができ、使用者の身を貫いて同化し、体を黒いジンへと変化させる。通常の金属器と同様、眷属器を生み出したり魔装して戦う事も可能。闇の金属器と同化した者は後遺症で体が弱り、最終的に灰のようになって命を落とす。

暗黒点 (あんこくてん)

世界の穴。黒の神を世界に降臨させるために、闇組織「アル・サーメン」が作り続けている。上空にこの穴が生じると、堕転した者を核に膨大な量の魔力と黒いルフが集まった「依り代」と呼ばれる、巨大な結晶体が作り出される。暗黒点から世界に近づいた黒の神が力点となる依り代と完全に同化すると、生物たちのすべてのルフは奪い去られ、無秩序の死の世界と化す。依り代は自衛のために魔法を使って強力な防壁を張り、膨大な数の黒いジンを生み出す事もできる。マグノシュタットの戦いでは、堕転したマタル・モガメットが依り代の核となって上空に暗黒点を生み出すが、アリババ・サルージャと練紅炎を中心とした複数の金属器使いたちによって最終的に破壊され、黒の神の完全降臨は防がれた。

魔法使い (まほうつかい)

魔法などの自然現象を自分で起こせる人間の総称。魔法道具や金属器などを使わず、魔力を消費してルフに命令を送る。生まれつきルフを目視したり、ルフと語らったりする事ができる。いくつかの階級に分かれており、「占い師」や「まじない師」などはルフを見られる程度で、高度な魔法は使えない。「魔道士」と呼ばれる階級は複数の命令式を組み合わせる事で、修行次第では高度な魔法も使用できる。最上級の階級であるマギは、すべての魔法使いの頂点に立つ存在であり、ふつうの魔道士ではできない魔法や特殊能力も持っている。いずれの階級も生まれつき魔法を扱う事に特化しているため、素の体力などは低く、防壁魔法によってカバーしている。攻撃力は金属器には及ばないものの、複数の魔法を使いこなす事で金属器使いや、その眷族たちのサポートを得意としている。ただし魔法使い自身は金属器や眷属器との相性が悪く、これらを使用できない。魔法を制御するための道具は杖が使われているが、杖が短すぎるとルフへの命令が分散して魔法が不安定になりやすいため、ある程度の長さがある杖が望ましい。魔法への理解や知識が乏しい国が多いため、魔法への理解が低い者から差別・迫害を受ける事もある。

愚々塔 (ぐぬーど)

巨大な魔法道具の塔。アルマトランの異種族たちの領土に魔道士が設置していた。神杖を動力とし、異種族たちの意思を奪う精神破壊系の魔法を放っている。これによって異種族たちは知能を奪われ、強制的に従わされて搾取されていた。

魔法道具 (まほうどうぐ)

使用者の魔力を使って、魔法や攻撃を発動できる武器や道具の総称。金属器とは異なり、魔力さえあればふつうの人間、魔法使いを問わずに使用可能。本来は迷宮内のみに存在する「迷宮道具」と呼ばれる貴重な道具だったが、魔道士による研究が進んでからは、人工的な魔法道具も多く開発されている。特にマグノシュタットでは研究が進んでおり、高度な魔法道具が設備や武器として開発され、農業などにも活用されている。

ファナリス

地上最強の民族として語られる伝説の戦闘民族。鋭い目と深い赤髪が特徴で、強靭な脚力と怪力を持ち、猛獣や岩をも蹴り裂くほどの力を持つ。また視力や嗅覚も優れ、生命力も強いが、身体能力に対して体内の魔力の量は少な目。これらの性質から、大半は卑怯な手段で奴隷狩りに遭い、高級奴隷として売買されている。故郷は暗黒大陸にあるとされるが、レーム帝国属州のカタルゴも含めて大半が奴隷狩りに遭い、ファナリスは残っていない。しかし、大峡谷の向こう側には祖先にあたる巨大な赤獅子が棲息している。

マギ

すべての魔法使いの頂点に立つ、特別な魔法使いの通称。「創世の魔法使い」や「王の選定者」とも呼ばれ、各国の神話などにも伝説の存在として語り継がれている。通常は時代の節目に三人のマギが世界に現れるが、シェヘラザード、ユナン、ジュダルに引き続き、アラジンが「四人目のマギ」として出現している。大半のマギはさまざまな魔法を使いこなせると同時に、「ルフに愛されし者」としてルフの加護を受ける事ができる。このため、体内のルフを元にした自身の魔力だけでなく、周囲のルフも使いこなす事ができ、体力が続く限りは魔力を無限に供給できる。本来は膨大な魔力を消費するために不可能な、ジンの実体化なども可能とする。その使命は迷宮の出現をさせて王にふさわしい「王の器」と見込んだ者を導く事と、堕転した運命を変えるほどの「奇跡」を起こす事。このため、迷宮を自由に出現または消滅させたり、金属器を探知できたりするなど、いくつかの特殊能力を持つ。常人が死亡した場合とは異なり、マギが死亡するとそのルフは聖宮に戻り、新たな命を持ったマギとして生まれ変わる。

魔力操作 (まりょくそうさ)

自分の魔力を操作して相手の力を相殺したり、武器などを魔力で覆って強化したりする力。東方の少数民族「ヤンバラ」が得意としている。相手に触れる事で魔装を強制的に解除させるほか、魔法道具の攻撃を無効化するといった応用もできる。特殊な修行が必要であるため、使いこなせる者は少ない。強力な反面、命を削るほどに消耗するので、連続使用は難しい。

黄牙一族 (こうがいちぞく)

北天山の草原の国に暮らす騎馬民族。かつて初代大王チャガン・ハーンが築き上げた大黄牙帝国は、歴史上最大の勢力を誇った強国でもあるが、現在は衰退して追いやられ、ババを中心に遊牧をしながら身を寄せ合って生活している。屈強な肉体と馬の機動力を生かした特殊な戦術を用い、特に草原地帯では高い戦闘力を発揮する。一時は煌帝国と戦争になりかけるものの、ババと練白瑛の交渉の末、煌帝国の傘下に下った。白瑛の意志に納得したうえで仕えるようになった100人以上の騎馬兵は、のちに彼女の眷族となった。

ソロモンの知恵 (そろもんのちえ)

アラジンがウーゴに導かれて聖宮の先で得た特殊能力。堕転した者の精神世界に直接潜り込んでルフと語らい、運命の逆流を止めるほどの奇跡を起こす。また、命を落としたあらゆる人々のルフを、一時的に呼び出す事もできる。発動する際は多くのルフが集められ、額に光る八芳星が現れる。消耗が激しいため、連続使用を重ねる事はできない。聖宮への鍵でもあり、アルマトランでの出来事や膨大な魔法知識を含む「全知」を本質としている事から、闇組織「アル・サーメン」からも狙われている。

神杖 (しんじょう)

アルマトランの一部の魔道士たちが使っていた、72本の特殊な杖。元はアルマトランの神(イラー)が世界の種族を束ねるために人間に与えていた杖で、神からの魔力を受け取る事ができる。魔導士聖教連長老会によって独占され、愚々塔の動力として使われていたが、聖教連を抜け出した抵抗軍によって一部が持ち出されている。使い手の魔道士の額には「第三の目」と呼ばれる目が現れる。ウーゴによって改造された神杖は、人間以外の異種族でも魔法が使えるよう、第三の目の代わりとなる装置が埋められた。のちに、シバとウーゴによって作り替えられて金属器となった。

転送魔法陣 (てんそうまほうじん)

魔法陣を使った魔法技術。物体や人などを別の場所に転送させる「転送魔法」と同等の効果を持つ。シンドリア王国では、ヤムライハの結界に侵入した敵をすばやく追跡するために使用されている。煌帝国では、練紅明のジン「ダンタリオン」の能力を元に研究され、資材や人員の運搬に使われていた。のちに煌帝国経済の立て直しのため、遠方との貿易の際の輸出品や輸入品の運搬など、魔法道具「八卦札」と組み合わせて広く活用されるようになった。出発点と転送先にそれぞれ魔法陣をしいておけば、魔道士でなくても魔力を送るだけで発動できる。

金属器 (きんぞくき)

迷宮を攻略してジンと契約した者が、従えたジンを宿らせてその力を発動するための金属の総称。永く身につけていた装飾品や思い入れのある武器など、使用者にとって身近な金属である事が望ましい。金属器を通して宿ったジンの力を借りて魔法のような現象を起こすだけでなく、魔装によってさらなる力を発揮する事も可能。金属器を持つ者は「金属器使い」とも呼ばれ、金属器が壊れてしまっても別の金属に力を移し変え、新たな金属器とする事もできる。国際同盟の加盟国は使用が禁止された事から、世界の大半の金属器は国際同盟本部に保管されている。

魔装 (まそう)

ジンが宿った金属器を元に発動される技。ジンの力を圧縮し、使用者の体にまとう。使用者の魔力を糧に金属器周辺を魔装で覆う「武器化魔装」、全身を魔装で覆って使用者を強力な魔神と化す「全身魔装」などに分けられる。全身魔装を習得するとより効率的にジンの力を引き出す事ができ、極大魔法も使用できる。

眷族同化 (けんぞくどうか)

王に惹かれて「眷族」となった者が、ジンから生まれた眷族の精霊と同化する事。命の危機に晒された時や激しい怒りで暴走した時、「王に我が身を捧げる」と強く誓った者に発動する事が多い。完全に眷族同化すると、戦闘時に巨大化するなどさらなる力を得る事ができ、大半の国では眷族同化は当り前の強化手段として、大いに活用されている。ただし、一度同化を果たし姿が変わると二度と元の姿に戻れなくなる。魔装に匹敵するほどに強力だが、急激な眷族同化は理性を失って暴走したり体への負担が大きかったりするなど、いくつかのリスクもある。また、完全には同化せず、半同化状態になった者もいる。シンドバッドは過去の出来事から眷族同化の危険性を危惧し、すでに同化しているドラコーンを除く部下たちが完全に同化する事は禁じている。

防壁魔法 (ぼるぐ)

すべての魔道士が体の周囲にまとっている基本的な防御魔法。悪意のある物理攻撃の大半を防ぐ事ができる。その強度や範囲などは、魔道士の実力などによって個人差がある。しかし金属器や眷属器による攻撃は防ぎにくく、強力な物理攻撃や衝撃は何度も防ぐ事はできない。

極大魔法 (きょくだいまほう)

全身魔装をした金属器使いのみが発動できる巨大な魔法。大量の魔力を消費して大規模な自然現象を起こす事ができ、何をしても防げないといわれている。発動時は空中などに巨大な八芳星の魔法陣が現れる。

トランの民 (とらんのたみ)

世界中に分布している少数民族。特異な古代文明を持ち、世界共通言語とは異なる言語「トラン語」を使用する。トラン語は太古の碑文や迷宮の内部などにも記されている。大半は迫害されて暗黒大陸に追いやられていたが、一部の者はシンドバッドの提案でシンドリア王国近海に移り住み、ザガンの迷宮周辺を守っている。その正体は、かつてアルマトランに住んでソロモンに従い続けていた、魔道士たちの末裔。また、トラン語もアルマトランの人間が使用していた言語である。

魔力 (まりょく)

ルフによって生み出されるざまざまなエネルギーの総称。「マゴイ」とも呼ばれる。魔法や金属器などの使用には欠かせない力であり、自然現象から生命活動に至るまであらゆる動力の源ともなる。通常は時間の経過で自然回復するが、魔力を急激に大量消費したり魔力操作を使い過ぎると自力での回復が難しくなり、「マクバラー」と呼ばれる危険な状態に陥る事がある。東方の人々からは「気」とも呼ばれる。

絶縁結界 (ぜつえんけっかい)

魔法と金属器の力を完全に封じる結界。かつてソロモンたちがアルマトランの異種族を愚々塔の精神破壊魔法から守るために使っていた。あらかじめ複数の動力点を張っておく必要があり、一つでも破壊されると無効になる。また絶縁結界内では、術者自身も魔法が封じられてしまうというリスクがある。

堕転 (だてん)

ソロモンの理によって作られた運命に逆らい、すべてを「陰」に逆流させる現象。主に人間が自身の運命を強く恨んだ事で発生し、堕転した者は白いルフが黒く染まる。一度堕転した者が元に戻る事は非常に困難で、マギの起こす奇跡の力が必要。堕転しかけている者や堕転した者は、黒の神を降臨させるための「黒き器」として、闇組織「アル・サーメン」に利用されやすい。

アニメ

マギ The Kingdom of magic

迷宮ザガンを攻略し、アラジン、アリババ、モルジアナの三人はシンドリア王国に身を寄せ、日々を過ごしていた。自身の未熟さを感じていたアラジンは、単身マグノシュタット魔法学院への留学を決意する。 それを受け... 関連ページ:マギ The Kingdom of magic

マギ The labyrinth of magic

世界の各所に突然現れた、迷宮と呼ばれる古代王朝の遺跡群。難攻不落のその迷宮を攻略した者には、ジンの金属器と呼ばれる魔法のアイテムや多額の財宝がもたらされるという。オアシス都市チーシャンで働く少年アリバ... 関連ページ:マギ The labyrinth of magic

書誌情報

マギ シンドバッドの冒険 =The labyrinth of magic MAGI Adventure of Sinbad 既刊15巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉 連載中

第1巻

(2013年9月発行、 978-4091243904)

第2巻

(2014年1月発行、 978-4091245960)

第3巻

(2014年5月発行、 978-4091246929)

第4巻

(2014年8月発行、 978-4091252197)

第5巻

(2014年12月発行、 978-4091255488)

第6巻

(2015年4月発行、 978-4091260376)

第7巻

(2015年7月発行、 978-4091262660)

第8巻

(2015年10月16日発行、 978-4091265906)

第9巻

(2016年4月12日発行、 978-4091272256)

第10巻

(2016年5月18日発行、 978-4091272638)

第11巻

(2016年11月18日発行、 978-4091273956)

第12巻

(2017年1月18日発行、 978-4091274434)

第13巻

(2017年4月18日発行、 978-4091275905)

第14巻

(2017年6月16日発行、 978-4091276452)

第35巻

(2017年8月18日発行、 978-4091276834)

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