仮想現代を舞台に、大聖女見習いと半吸血鬼が暴れ回るバディ・ガンアクション。吸血鬼などの異形が蔓延る仮想現代。ドロシーことドロレス・リリィ・アルゲンクルスは、対異形殲滅機関「聖銀十字教団」に所属している。異形狩りのエキスパートとして知られ、レッドシスターの異名を持つ。ドロシーが異形との闘いに執着するのは、育ての乳母を吸血鬼に殺されたという理由があった。復讐を誓う彼女は「吸血鬼を殺せる、絶対的な力」の出現を渇望する。
吸血鬼と人間のハーフである「ダンピール」こそが、ドロシーの欲している存在だった。異常なまでにダンピールに恋焦がれるドロシーは、たった一人で異形たちと闘う女・マリア・ベルフォードと運命の出会いを果たす。マリアがダンピールだと確信したドロシーは、自らの血を与え彼女の本当の力を目覚めさせ、異形の討伐に成功する。ドロシーは復讐のため、マリアは吸血鬼に連れ去られた妹の行方を探すためと、利害が一致した二人はバディを組み闘いに身を投じてゆく。片や聖女、片や半吸血鬼と正反対の二人が繰り広げるバトルシーンは迫力満点だ。また、顕現したマリアのセクシーコスチュームや、ドロシーの百合的なシーンもお色気たっぷりで楽しめる。
東南アジアを舞台に、荒事も請け負う「海の運び屋」と裏社会のマフィアたちとの抗争を描いたクライムアクション。「旭日重工」に勤める主人公・岡島緑郎(おかじまろくろう)は会社の機密事項が入ったディスクをボルネオ支社まで運ぶ役目を担っていた。しかし、道中「ラグーン商会」なる海賊にディスクを狙われ拉致されてしまう。緑郎は交渉のテーブルについた上司に窮状を訴えるがあっさりと裏切られ、ラグーン商会もろとも彼らが差し向けたガンシップに襲撃される。2006年にテレビアニメ化。
思いもよらぬ裏切りに緑郎はショックを受けるが、土壇場で機転を利かせガンシップを撃退した。緑郎は表社会と決別することを決意し、「ロック」と名乗りラグーン号の見習い水夫となる。2 丁拳銃の使い手で血の気の多いレヴィら個性的な仲間にどやされながら、緑郎はタイの犯罪都市・ロアナプラで生きていくための術を身につけてゆく。本作に登場するシスターはヨランダとエダだ。「暴力教会」なるロアナプラの裏社会になくてはならない中立組織に所属している。ヨランダは隻眼の老婆であるが、ひとたびガンを構えれば百戦錬磨の風格を漂わせる。エダは修道服に身を包んでいるが、その正体はCIAの工作員だ。オフは酒に男漁りとギャップが激しく、レヴィとの掛け合いも面白い。
奇病に冒されたシスターと不思議な力を持った少年が織りなすバトルファンタジー。舞台は帝国南西部にある街・ターム。人々は、ひとたび感染したら完治せず、末期には徐々に身体が透けていき命を落とす「トロイ」なる奇病に怯えて暮らしていた。そんな中、トロイに冒された人々を治療して回る「巡回僧(シスター)」の少女・エルーことエルレイン・フィガレットは、タームでの治療の帰りに急な発作で倒れ込む。卒倒した彼女に手を差し伸べたのは、絵描きの平凡な少年・キリ・ルチルだった。
キリは咄嗟にエルーを抱えるが、エルーはキリに感染させたのではとあわてる。実は、エルーもまたトロイに罹患していたのだ。触れただけで感染してしまう病なのに、キリは感染しないどころか彼女の発作を止めてしまう。驚いたエルーは管轄の「シスター協会」に連絡を取ると、どんな時も手を離すことなくキリを協会に連れて行くよう命令される。しかし、二人の背後にはシスターを狙う謎の暗殺集団「ガゼル」の魔の手が伸びていた。本作は、エルーとキリが手を繋いだまま闘う「双戦舞(ダブルアーツ)」を駆使して旅を続ける描写や、二人が心を通わせるさまが見どころだ。
シスターの少女と悪魔の少年が、とある目的のために悪魔と戦うバトルファンタジー。舞台は1920年代のアメリカ。未曾有の経済発展を遂げる一方で、急激すぎる発展は人の心の闇につけ込む「悪魔」を呼び寄せていた。そんな中、悪魔祓いを行う機関「マグダラ修道会」からやってきたシスター、ロゼット=クリストファは、呪われた貨物船を救済するためニューヨーク港に向かう。その傍らには、敵であるはずの悪魔の少年・クロノの姿があった。2003年にテレビアニメ化。
到着するや否や、ロゼットはクロノの助けを借り銃で「福音弾(ゴスペル)」なる魔法弾をぶっ放す。無事に取り憑いた悪魔を祓うことに成功した二人だが、実は彼らが闘うのには理由があった。ロゼットにはヨシュア=クリストファという弟がいたが、幼なじみのクロノの存在がきっかけで悪魔のリーダー的存在・アイオーンにさらわれてしまう。弟の行方を追うため、ロゼットは自らの命と引き換えにクロノの契約者となることを決意。二人はマグダラ修道会に身を寄せ、悪魔祓い(エクソシスツ)として活動してゆく。敬虔なシスターでありながら破天荒キャラのロゼットがとにかく面白く、シリアスな物語に彩りを添えている。悪魔なのに大人しく気弱なクロノとバディを組んでのバトルシーンも大迫力だ。
英国を舞台に、反キリストの化物を粛清すべく組織された特務機関の戦いを描くダークファンタジー。英国北部・チェーダーズ村にやってきた一人の牧師。彼が住みついて以来、住民が失踪する事件が相次ぎ、とうとう皆殺しにされてしまう。警察の要請で現場を訪れた英国国教騎士団「HELLSING機関」のインテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングは、村をうろつく喰屍鬼(グール)を見て吸血鬼の犯行と断定し、ある男を呼び寄せる。2001年にテレビアニメ化。
ヘルシングが招集したのはHELLSING機関が所有している吸血鬼・アーカードだ。アーカードは、吸血鬼の本性を現した牧師に襲われている女性警官、セラス・ヴィクトリアと遭遇する。そしてアーカードは、特殊な弾丸で牧師をセラスごと撃ち抜き滅殺してしまうのだった。セラスは瀕死の重傷を負うが、吸血鬼になることを自ら選択。コンビを組んだ二人はインテグラルの庇護の元、巷で起こる吸血鬼事件を解決すべく活動する。本作に登場するシスターは、HELLSING機関と対立するヴァチカンの組織「イスカリオテ機関」に所属する高木由美江だ。黒髪のミステリアス美女で「島原抜刀流」なる日本刀の使い手である。高い戦闘力を誇るも、非業の死を遂げるなど強烈なキャラクターが人気を呼んだ。