人間と動物が共存する世界を舞台に、シロクマが経営するカフェでの日常が描かれたほのぼのギャグ漫画。主人公のシロクマくんがマスターを務める「しろくまカフェ」は、動物にも人間にも人気のカフェだ。店内では今日も、シロクマくんと常連のパンダくんやペンギンさんたちがゆるい会話を繰り広げている。2012年テレビアニメ化。
自由気ままに生きる動物と人間たちのゆるいやりとりに癒やされる本作。ダジャレ好きでマイペースなシロクマくんと、ちょっと怠け者なパンダくん、不動産会社を経営するツッコミ役のペンギンくんなど、登場する動物たちはみんな個性豊か。動物たちはリアルなタッチで描かれているが、種族の隔たりはなく、みんな人間と同じ言語で喋り、人間社会に溶け込みながらそれぞれの生活を謳歌している。トラさんが働く和菓子店が「とらや」だったりや、パンダくんが怠け癖を治すために始めたアルバイトが動物園の客寄せだったり、グリズリーさんの愛車がハマー・H2だったり、大人がくすっと笑ってしまうような小ネタが豊富なのも魅力的だ。
好奇心旺盛な少女の日常を描いた、ほのぼのとしたコメディ漫画。とある町に引っ越してきた、5歳の「よつば」と「とーちゃん」の小岩井葉介。ご近所さんやとーちゃんの友人たちに見守られながら、よつばは様々な体験を通して成長していく。第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
本作の主人公であるよつばは、とにかく元気で無邪気な少女だ。様々なことに疑問を持ち、思いのまま行動するよつばにとって、日々は驚きと発見、感動で満ち溢れている。よつばと同じ目線に立ちながら子育てをするとーちゃん、隣に住む綾瀬家の三姉妹、とーちゃんの友人であるジャンボや、やんだなど、個性的な人々に囲まれながら彼女の日常は進んでいく。様々な出来事を精一杯楽しみ、少しずつ大きくなっていくよつばの姿に癒やされつつ、その成長を自然と見守りたくなる作品だ。
「ゆる」く「キャン」プを楽しむ女子高校生の日常を描いたアウトドア漫画。ひとりでのキャンプを趣味とする女子高生の志摩リンは、シーズンオフの本栖湖で自宅に帰れなくなり困っていた各務原なでしこと出会う。リンのおかげで食事にありつき、夜の富士山を見ることができたなでしこはキャンプに興味を持つようになるのだった。2018年にテレビアニメ化。
志摩リンや各務原なでしこといった女子高生を主役に、自分たちの思いのままにゆるくキャンプを楽しむ人々の姿を描いた本作。リンと過ごしたキャンプ場での一夜がきっかけで「野外活動サークル」に入ったなでしこは、サークルで知り合った仲間たちとゆるく賑やかな野外活動を行っているが、一方で静かなソロキャンプを好むリンの活動も尊重している。なでしこたちサークルメンバーとリンは、それぞれ別のキャンプ場へ行きながらも、SNSを通して情報共有をするなど、各々が好きなキャンプのスタイルを崩すことなく交流するようになっていく。登場人物たちがお互いに否定せず、気ままにキャンプを楽しんでいる姿に癒やされる作品だ。
小さなくまが営む小さなケーキ屋を舞台とした癒やし系4コマ漫画。ある日、こぐまのパティシエが店番をしているケーキ屋にやってきた青年。ケーキの値段やお金の種類も知らないこぐまが気になり、お店に行って度々アドバイスをするうちに、青年は「てんいん」としてこぐまのケーキ屋さんで働くこととなる。
主人公のこぐまは、パティシエとしての腕は一人前だが、きらきらした硬貨に喜んで紙幣にはちょっとがっかりしたり、「プリンアラモード」が上手く発音できず商品化を諦めたり、人間社会で生活するにはちょっと危なっかしい。そんな世間知らずなこぐまを青年は優しく見守り、ふたりのケーキ屋さんは繁盛している。人間社会に疎いこぐまがケーキ屋の店長を務めるという突飛な設定だが、たどたどしい敬語を話す無邪気なこぐまとそれをフォローする青年とのやりとりが微笑ましい。作者であるカメントツが疲れた友人のために描いたという通り、こぐまと青年の平和で穏やかな日常が心を癒やしてくれる作品だ。
両親を飛行機事故で亡くした中学生がベビーシッターとして活躍する物語。突然の飛行機事故で両親を亡くした中学3年生の鹿島竜一と、弟の虎太郎は、同じ飛行機事故で息子夫婦を亡くした森ノ宮学園の理事長である森ノ宮羊子に、ある交換条件のもと引き取られることになる。その条件とは「学園の保育室でベビーシッターをすること」だった。2018年テレビアニメ化。
引き取ってくれた理事長や弟の虎太郎のために、森ノ宮学園のベビーシッター部の部員第一号となった竜一と、素直になれないが兄のことが大好きな虎太郎の兄弟愛に、思わず胸を打たれる本作。竜一が所属するベビーシッター部は、学園で働く教員の子どもたちが預けられる「森ノ宮保育ルーム」を手伝うことが目的に設立された部活。竜一はそこで厳しくも愛情深い理事長や、保育ルーム職員の兎田義仁、竜一の同級生の狼谷隼を始めとした周囲のサポートを受けながら活動し、学園での生活を、自分と虎太郎の居場所だと思えるようになっていく。子どもたちの姿に癒やされながらも、登場人物たちの成長が涙を誘うハートフルなヒューマンドラマ作品だ。