第二次世界大戦下の欧州を舞台にした人間ドラマ。幼い時に飛行機事故で記憶を喪った主人公の少女・ジュディ。その彼女を助けたランディ。2人は相思相愛の仲だった。しかし、ジュディは貴族のグールモン伯爵に目をつけられてしまう。グールモンから逃れるために2人は故郷から出奔。失われたジュディの記憶と家族を探す旅に出る。だが、世界は戦火に包まれていた。
主人公の少女・ジュディと彼女を愛するランディの純愛を中心に、第二次世界大戦下における欧州の激動の時代が描かれている。ジュディの本名はアリシア・ブレンデル。名家の娘、エレーヌの子である。エレーヌは貴族のグールモン伯爵との縁談から逃れ、愛するフリードリヒ・ブレンデルと駆け落ちした後にジュディが誕生。しかし、一家を乗せた飛行機が墜落し、離れ離れとなってしまった。物語の前半はジュディがランディと共に家族を探す旅に。後半はランディの兄であり、グールモン配下の殺し屋・ジャンを追う物語である。いずれもナチスが覇権を握る欧州の事情が複雑に絡み、物語を彩っている。
水を操る力を持つ主人公の少女・水守美緒と、風を操る力を持つ青年・成宮颯の運命の恋物語。美緒は父母と共に暮らすごく普通の女子高校生。ある日、謎の火災によって美緒だけが生き残る。彼女は従兄と名乗る四条忠臣に招かれ、彼の家で暮らすことに。その後、美緒の周囲では不穏な出来事が続くが、突如現れた謎の青年が美緒の危機を救い、美緒は彼に恋をする。
ごく普通の少女であった主人公の水守美緒。彼女は両親を喪った火事によって、水を操る力に目覚める。当初は、彼女を引き取った四条忠臣に恩を感じていた美緒だが、やがて命の危機を救ってくれた謎の青年・澪に恋する。澪(本名は成宮颯)は、学校で女子生徒として生活。かつて謎の火事で何度も命を落としそうになったため、成宮家の跡取り・颯ではなく彼の妹の澪として生きていた。お互いに惹かれ合っていく美緒と颯。やがて彼らの周りで起きた事件の影に忠臣がいたことを知る。美緒と楓は運命に翻弄され、忠臣に狙われながらも愛を深めていく。過酷で切なくも美しい純愛物語だ。
巫女の力を持つ主人公の少女・黄金原こすもが、怪異な事件を解決するファンタジーミステリー。同作者の『永遠かもしれない』の続編に当たる。古来より日本最高位の巫女である「日巫子」が存在していた。事故死した99代目日巫子の心臓を移植したことにより、その力を受け継いだこすも。彼女は100代目日巫子として、未熟ながらも数々の事件に向き合っていく。
前作『永遠かもしれない』で先代の日巫子から命と力を受け継いだ、主人公の少女・黄金原こすも。彼女は、先代の日巫子に仕えていた日嗣とも共に、怪異な事件を解決するため各地を飛び回っていた。しかし、こすもは自分が巫女として未熟なことを自覚していた。そんな彼女を、1人の女性として護る日嗣。彼は本来の役目を越えてこすもを愛し、こすももまた日嗣を大切に想っている相思相愛の仲だ。2人は試練を乗り越え、強い絆で結ばれていく。なお、本作は各話が1話~前後編で完結するエピソードの連作になっているが、各キャラにスポットを当てた番外編も登場する。
女優の顔を持つ女子高校生・小早川志緒が愛憎に満ちた数々の人間ドラマを体験しつつ成長していく。学校では病弱な美少女として知られている志緒。彼女は事務所からの依頼で、「誰か個人のための役」を演じる「プライベートアクトレス(P.A.)」として活躍していた。天才的な演技力を持ちながらも、志緒は表舞台に立とうとしない。彼女は傷ついた誰かのために、困った人のために役を演じるのだった。
娘、恋人、友人など「誰か個人のための役」である「プライベートアクトレス(P.A.)」として活躍する女子高校生・小早川志緒。彼女は天才的な演技力と観察力、恵まれた容姿を持ち、アイドルでも通用すると言われている。しかし、彼女は表舞台には立たない。なぜなら、彼女は大女優・永沢さゆりが人気俳優と不倫の末、未婚の母として産んだ娘であるためだ。志緒は母をスキャンダルから守るため、高校生だが1人暮らしをしており、芸能事務所に所属しながらもP.A.として様々な役に挑んでいる。時には利権絡みや危険を伴う陰謀に巻き込まれることも。物語の後半では周囲の説得により、P.A.ではなく女優としての道を歩み始める。
ひょんなことから女優になった少女の奮闘と恋を描いた人間ドラマ。主人公の榎木有羽は、若手俳優の義兄・瀬里沢慎一と暮らしている女子高校生。慎一のことは周囲に秘密であった。ある時、慎一が出演する映画のオーディションに友人が勝手に応募してしまう。結果、ヒロインに抜擢された有羽は、慎一と恋人を演じることになる。
赤石路代の『アルペンローゼ』に並ぶ初期の代表作。主人公の榎木有羽は、学校では女子に人気があるボーイッシュな少女。そんな彼女は、義兄の瀬里沢慎一と2人暮らし。両親が事故で他界し、人気俳優として活躍する慎一が有羽の面倒を見てきた。一方、有羽も私生活ではちょっと抜けている慎一をサポートしていた。周囲には兄妹と知られていない2人が、映画で恋人同士として共演することに。普通の女子高校生である有羽だが、独自の雰囲気と演技力が認められ、友人が勝手に応募したオーディションで選ばれたのである。そして慎一との共演をきっかけに、彼を兄ではなくひとりの男性として想っていることに有羽は気づくのだった。